文例
クレーム電話の受け方
最初の一言・聞き方・社内への引き継ぎの例文
クレームの電話を受けたら、まず名乗り、相手の話を最後まで聞き、不快な思いをさせたことにお詫びを言ってから、事実を確認します。その場で答えられないことは約束せず、「確認して、◯時までにお電話いたします」と折り返しを伝え、メモを付けて担当者や上司に引き継ぎます。最初の一言は、次の形をそのまま使えます。
結論
そのまま言える最初の一言:「さようでございましたか。ご不便をおかけしてしまい、申し訳ございません。恐れ入りますが、詳しい状況をお聞かせいただけますでしょうか。」
話を聞く前に、原因が分からないことまで「すべてこちらの責任です」と認めないのがポイントです。お詫びは相手が困っていること・不快に感じたことに向け、事実は確認してから答えます。メールで届いた苦情への返し方はクレームへの返信メールにまとめています。
クレーム電話の基本の流れ
- 01
名乗る
「お電話ありがとうございます。株式会社△△、◯◯担当の□□でございます」。クレームと分かった時点でも、慌てずにいつもどおり名乗ります。
- 02
最後まで聞く
途中でさえぎらず、「はい」「さようでございますか」とあいづちを打ちながら聞きます。言い返したくなる点があっても、まずは聞き終えます。
- 03
お詫びを言う
「ご不便をおかけし、申し訳ございません」「ご不快な思いをおかけし、申し訳ございません」。この段階では、相手が困っていることへのお詫びにとどめます。
- 04
事実を確かめる
いつ、何が、どうなったのか、相手の名前と連絡先、注文番号などを聞き、復唱して確認します。
- 05
対応を伝える
その場で答えられることは答え、答えられないことは「確認して、◯時までにお電話いたします」と折り返す時刻を伝えます。
- 06
引き継ぐ・記録する
担当者や上司にメモを付けて引き継ぎます。社内の記録の残し方や報告先は、会社の決まりに従ってください。
Point
一人で抱え込まないことが大切です。自分では判断できない要求(返金・値引き・訪問など)を求められたら、その場で約束せず「上の者と確認いたします」と伝えて上司に代わるか、折り返しにします。対応の範囲や上司に代わる基準は、会社の決まりに従ってください。
最初の一言とあいづち
| 場面 | 言い方 | ねらい |
|---|---|---|
| 苦情だと分かったとき | さようでございましたか。ご不便をおかけしてしまい、申し訳ございません。 | まず相手の困りごとを受け止める |
| 詳しく聞きたいとき | 恐れ入りますが、詳しい状況をお聞かせいただけますでしょうか。 | 話してもらう |
| 話を聞いている間 | はい。/さようでございますか。/ご不安だったかと存じます。 | 聞いていることを伝える |
| 相手の言葉を確かめる | ◯日にお届けした◯◯が、箱を開けたときに割れていた、ということでございますね。 | 事実を復唱する |
| 相手の感情を受け止める | せっかくご注文いただいたのに、そのようなことになり申し訳ございません。 | 気持ちに寄り添う |
| お待たせするとき | 確認いたしますので、少々お待ちいただけますでしょうか。 | 保留の前に必ず伝える |
注意
「申し訳ありません」と「申し訳ございません」の違いは「申し訳ございません」の使い方、お詫びの言葉の言い換えはお詫びの言葉の言い換えにまとめています。
場面別のトーク例
お客様から、届いた商品が壊れていたと連絡があった(受ける側)
相手:昨日届いた商品、箱を開けたら割れていたんですけど。
自分:さようでございましたか。ご不便をおかけしてしまい、申し訳ございません。恐れ入りますが、お名前と、ご注文の際の番号を伺ってもよろしいでしょうか。
相手:◯◯です。番号は◯◯です。
自分:◯◯様、ご注文番号◯◯の◯◯でございますね。割れていたのは、本体のどのあたりでしょうか。
相手:ふたの部分です。
自分:ありがとうございます。代わりの品をお送りする手配について確認いたしますので、本日◯時までに、こちらからお電話いたします。お電話番号は、ご注文の際の◯◯でよろしいでしょうか。
取引先から、納品物の数が違うと言われた(受ける側)
相手:今朝届いた◯◯、注文と数が合わないんですが。
自分:大変申し訳ございません。すぐに確認いたします。ご注文いただいた数と、届いた数を伺ってもよろしいでしょうか。
相手:◯◯個頼んで、◯◯個しか入っていません。
自分:◯◯個のご注文に対して、◯◯個のお届けということでございますね。出荷の記録を確認し、不足分をいつお届けできるか、◯時までにご連絡いたします。ご迷惑をおかけし、申し訳ございません。
担当者が不在のときにクレームの電話を受けた(受ける側)
自分:ご不便をおかけし、申し訳ございません。あいにく担当の◯◯は外出しております。私、□□が代わりに詳しいお話を伺い、◯◯に確実に申し伝えます。
(話を聞き終えたら)
自分:伺った内容を確認いたします。◯日にお申し込みいただいた◯◯について、ご案内した日時と実際の日時が違っていた、ということでございますね。◯◯が戻りしだい確認し、本日中に◯◯からお電話いたします。
担当者が不在でも「担当がいないので分かりません」で終わらせず、自分が話を聞いて、いつ誰から連絡するかを伝えます。社外の人に対しては、自社の人に「様」や尊敬語を付けず「担当の◯◯」と呼びます。伝言の残し方は電話の取り次ぎの記事も参考にしてください。
相手がとても怒っている(受ける側)
相手:何度問い合わせても返事がない。どうなってるんですか。
自分:(最後まで聞いてから)何度もお問い合わせいただいたのに、ご返事が遅れてしまい、誠に申し訳ございません。お待たせしてしまったことを、深くお詫び申し上げます。いまから私が責任を持って確認いたします。最初にお問い合わせいただいたのは、いつごろでしょうか。
怒っている相手には、説明より先に、待たせたこと・困らせたことへのお詫びを言います。声を落ち着かせ、相手の話の速さに引きずられないようにします。それでも話が進まないときは、無理に一人で収めず上司に相談してください。
こちらに非があるか、まだ分からない(受ける側)
自分:ご不便をおかけしてしまい、申し訳ございません。どのような経緯でそうなったのか、こちらでも確認したいと存じます。お使いになった日時と、そのときの状況を伺ってもよろしいでしょうか。
(聞き終えたら)
自分:ありがとうございます。社内で確認したうえで、◯日の◯時までにご連絡いたします。
注意
原因が分からないうちに「弊社の不手際です」と言い切ったり、反対に「そちらの使い方の問題では」と言ったりするのは避けます。困っていることへのお詫びと、事実を確認して連絡することの二つを伝えれば足ります。
自分では判断できない要求をされた(受ける側)
相手:代金は全額返してもらえるんですよね。
自分:ご不便をおかけし、申し訳ございません。返金のお取り扱いについては、私の判断ではお答えできかねますので、上の者と確認いたします。◯時までに、こちらからご連絡いたします。
上司に電話を代わる(受ける側)
自分(相手に):お話の内容を、責任者の◯◯にも伝えたうえでお答えしたいと存じます。いま代わりますので、少々お待ちいただけますでしょうか。
自分(上司に):◯◯様からのお電話です。◯日にお届けした◯◯が破損していて、代わりの品と返金について確認したいとのことです。代金はいつ戻るのかを強く聞かれています。
上司に代わるときは、相手が同じ話を二度しなくて済むように、要点を短く伝えてから代わります。上司が出られないときは「責任者に伝え、◯時までにご連絡いたします」と折り返しにします。
部署違いのクレームを受けた(受ける側)
自分:ご不便をおかけし、申し訳ございません。そのお手続きは◯◯部が担当しております。お手数をおかけしないよう、いま伺ったお話を◯◯部の者に伝えてから、電話をおつなぎいたします。少々お待ちいただけますでしょうか。
約束した時刻に折り返しの電話をかける(かける側)
自分:お世話になっております。株式会社△△の□□でございます。先ほどお電話をいただいた◯◯の件で、ご連絡いたしました。いまお時間よろしいでしょうか。
確認いたしましたところ、出荷の際の確認が不十分だったことが分かりました。大変申し訳ございません。代わりの品を明日お届けいたします。お届けの際に、破損した品をお引き取りしてもよろしいでしょうか。
折り返しは、約束した時刻より前にかけるのが基本です。確認が終わっていなくても、時刻になったら「まだ確認中で、◯時までにご連絡いたします」と途中の報告を入れます。こちらからお詫びの電話をかけるときの順番はお詫びの電話のかけ方にまとめています。
メモ・確認の項目と社内への引き継ぎ
- 受けた日時と、電話を受けた人の名前
- 相手の名前・会社名・連絡先(折り返す番号と、つながりやすい時間帯)
- 対象の商品・サービス・注文番号・日付
- 何が起きたか(相手の言葉どおりに書き、自分の推測と分ける)
- 相手が求めていること(交換・返金・説明・お詫びなど)
- こちらから伝えたこと・約束したこと(折り返す時刻など)
- 誰に引き継いだか、次に誰がいつ連絡するか
◯◯部長
◯◯様(◯◯市在住、お客様)から苦情のお電話がありました。
・受けた日時:◯月◯日◯時ごろ(□□が対応)
・連絡先:◯◯(平日の夕方がつながりやすいとのこと)
・内容:◯日にお届けした◯◯のふたが割れていた
・ご要望:代わりの品を送ってほしい。返金も検討してほしい
・こちらから伝えたこと:本日◯時までに、折り返しご連絡する
返金の扱いについてご判断をお願いします。
注意
引き継ぎのメモは、事実・相手の要望・自分が約束したことを分けて書くと、次の人が判断しやすくなります。通話の録音や記録の保管については、会社の決まりに従ってください。上司への報告の仕方は報連相の意味とやり方も参考になります。
言ってはいけない・避けたい言い方
| 避けたい言い方 | 受け取られ方 | 言い換え |
|---|---|---|
| でも、こちらの説明書には書いてありまして…… | 言い訳・相手を責めているように聞こえる | ご不便をおかけし、申し訳ございません。確認いたします |
| 担当じゃないので分かりません | たらい回しにされたと感じる | 担当の者に伝え、◯時までにご連絡いたします |
| たぶん大丈夫だと思います | 根拠のない約束になる | 確認して、改めてご連絡いたします |
| そんなことはないはずですが | 相手を疑っているように聞こえる | どのような状況だったか、伺ってもよろしいでしょうか |
| 前にも同じお問い合わせがありまして…… | 相手には関係のない社内の事情で、軽く扱われたと感じる | (社内の事情は話さない) |
| 落ち着いてください | 怒りが強まりやすい | (まず最後まで聞き、お詫びを言う) |
| 上の者がおっしゃっていました | 自社の人に尊敬語を使っている | 上の者が申しておりました |
自社の人について話すときに尊敬語を使わない言い方は「おっしゃる」と「申す」の使い分けにまとめています。
対応後のフォロー(お礼・お詫び)
対応が終わった後の確認の電話
株式会社△△の□□でございます。先日は、◯◯の件でご迷惑をおかけし、申し訳ございませんでした。お送りした代わりの品は、無事に届いておりますでしょうか。
……ありがとうございます。ご指摘いただいた点は、出荷の際の確認の手順を見直すきっかけにいたしました。貴重なご意見をいただき、ありがとうございました。
電話の後に送るメール
件名:先ほどのお電話の件(◯◯についてのお詫び)
◯◯様
株式会社△△の□□でございます。
先ほどは、お電話でご連絡をいただき、ありがとうございました。
このたびは、◯◯の件でご不便をおかけし、誠に申し訳ございません。
お電話でお伝えしたとおり、代わりの品を◯月◯日にお届けいたします。
ご不明な点がございましたら、私□□までご連絡ください。
クレームを伝えてくれた相手には、お詫びと一緒に、知らせてくれたことへのお礼も伝えます。メールでの詳しい書き方はクレームへの返信メールを見てください。
この記事の要点
- 最初の一言は「ご不便をおかけし、申し訳ございません。詳しくお聞かせいただけますでしょうか」。
- 途中でさえぎらず最後まで聞き、事実を復唱して確かめる。
- お詫びは相手が困っていることに向け、原因が分からないうちは責任を言い切らない。
- 答えられないことは約束せず、折り返す時刻を伝える。
- 引き継ぎメモは事実・要望・約束したことを分けて書く。
FAQ
よくある質問
相手が困っていること、不快に感じたことへのお詫びは、最初に言って構いません。「ご不便をおかけし、申し訳ございません」は、原因がどちらにあるかを認める言い方ではなく、相手の状況を受け止める言い方です。原因や責任については、事実を確認してから伝えます。
推測で答えず、「確認して、◯時までにご連絡いたします」と折り返す時刻を伝えます。電話口で言ったことは約束として受け取られるので、返金や値引きなど自分で判断できないことは「上の者と確認いたします」として、上司に相談します。
まず途中でさえぎらず最後まで聞き、待たせたことや困らせたことへのお詫びを言います。それでも話が進まない場合は、一人で収めようとせず、上司に代わるか、改めて連絡すると伝えて折り返しにします。どの段階で上司に代わるかは、会社の決まりに従ってください。
「担当がいないので分かりません」で終わらせず、自分が詳しく話を聞き、内容を復唱してから「◯◯が戻りしだい確認し、本日中に◯◯からご連絡いたします」と伝えます。聞いた内容は、事実・要望・約束したことを分けてメモにして担当者に渡します。
電話で約束した内容(代わりの品を送る日、折り返しの時刻など)がある場合は、メールでも送ると、言った・言わないを防げます。お詫びと、連絡をくれたことへのお礼、約束した対応を短く書きます。