敬語
新人の仕事の言葉づかい一覧
「了解」「すみません」「わかりました」の言い換え
仕事の言葉づかいは、全部を一度に直す必要はありません。毎日何度も使う返事とお詫びの言葉から直すと、それだけで印象が大きく変わります。目上への返事は「了解です」より「承知しました」、呼びかけは「すみません」より「恐れ入ります」、謝るときは「申し訳ありません」。このページでは、新人が最初に直したい言葉を一覧にし、場面ごとにそのまま使える言い方を並べました。言葉ごとの詳しい使い分けは、表の右の記事を見てください。
結論
仕事の言葉づかいで新人が最初に直したいのは、①返事 ②呼びかけ・お詫び ③了承・断り ④相づち ⑤あいまいな言い方の五つの種類です。社内の同僚どうしでは問題ない言い方でも、上司・取引先・お客様には言い換えておくと無難です。どこまで改まるかは職場の雰囲気でも違うため、迷ったら周りの先輩の言い方に合わせます。
言葉づかいを直す手順
- 01
毎日使う言葉から直す
返事(「承知しました」)、お礼(「ありがとうございます」)、お詫び(「申し訳ありません」)の三つから始めます。使う回数が多いので、早く身につきます。
- 02
相手で使い分ける
同僚には「わかりました」でも、上司や取引先には「承知しました」。誰に向けた言葉かで一段上げるかどうかを決めます。
- 03
先輩の言い方をメモする
職場でよく使う言い回しは、先輩の電話やメールから拾ってメモします。職場ごとの言い方に合わせられます。
- 04
迷ったら一段丁寧に
どちらがよいか迷ったら、丁寧なほうを選びます。ただし、敬語を重ねすぎると読みにくくなるため、一つの言葉に一つの敬語を目安にします。
Point
言葉より先に、用件を短く伝えることを優先します。丁寧な言葉を重ねても、何を言いたいのかが伝わらなければ相手は困ります。言い換えは、伝わる文の上に乗せるものと考えてください。
新人が最初に直したい言葉の一覧
| ふだんの言い方 | 上司・取引先への言い方 | 詳しくは |
|---|---|---|
| 了解です | 承知しました/かしこまりました | 「了解です」は失礼? |
| わかりました | 承知しました/承知いたしました | 「承知しました」メール |
| すみません(呼びかけ) | 恐れ入ります/失礼いたします | 「すみません」の言い換え |
| すみません(お詫び) | 申し訳ありません/申し訳ございません | 「申し訳ありません」と「ございません」 |
| 大丈夫です | 問題ありません/結構です(断るとき) | 「大丈夫です」の言い換え |
| なるほど | おっしゃるとおりです/勉強になります | 「なるほど」は目上に失礼? |
| 助かります | ありがとうございます/ありがたく存じます | 「助かります」の言い換え |
| 参考になりました | 大変勉強になりました | 「参考になりました」を目上に |
| ご苦労様です | お疲れさまです | 「お疲れ様」と「ご苦労様」 |
| 資料になります | 資料でございます/資料です | 「〜になります」は誤用? |
| よろしかったでしょうか | よろしいでしょうか | 「よろしかったでしょうか」 |
| 私のほうで確認します | 私が確認いたします | 「〜のほう」の使い方 |
注意
よく使う動詞の尊敬語・謙譲語は尊敬語・謙譲語・丁寧語の早見表、言い回し全体の一覧はビジネス敬語・言い回しの一覧にまとめています。
くだけた言い方・学生言葉の言い換え
| くだけた言い方 | 仕事での言い方 |
|---|---|
| ちょっと待ってください | 少々お待ちください |
| 今いいですか | 今よろしいでしょうか |
| さっき/あとで | 先ほど/後ほど |
| 今日/明日/昨日 | 本日/明日(みょうにち)/昨日(さくじつ) |
| こっち/そっち/あっち | こちら/そちら/あちら |
| どうですか | いかがでしょうか |
| できません | いたしかねます |
| 知りません | 存じません/分かりかねます |
| ぶっちゃけ/マジで | 率直に申し上げると/本当に |
| やばいです(よい意味で) | 素晴らしいです/驚きました |
| 私的には | 私としては |
「明日(みょうにち)」「昨日(さくじつ)」は改まった場面や電話で使う言い方です。社内の会話では「あした」「きのう」でも構いません。相手と場面で一段上げるかどうかを決めるのが基本です。
そのまま使える言い方の見本(場面別)
上司から仕事を頼まれたとき(返事)
承知しました。◯◯を◯日までに仕上げます。
忙しそうな先輩に声をかけるとき(呼びかけ)
お忙しいところ恐れ入ります。◯◯について伺ってもよろしいでしょうか。
ミスをしたとき(お詫び)
申し訳ありません。◯◯の数字を間違えておりました。すぐに直して、もう一度お送りします。
手伝いを申し出られて、要らないとき(断り)
お気遣いいただき、ありがとうございます。こちらは一人で進められそうです。困ったときはご相談させてください。
説明を受けて納得したとき(相づち)
おっしゃるとおりです。そこまで考えていませんでした。勉強になります。
できないことを頼まれたとき
申し訳ありません。今日中は難しいのですが、明日の午前まででしたら仕上げられます。いかがでしょうか。
分からないことを聞かれたとき
申し訳ありません、私では分かりかねます。担当の者に確認して、お返事いたします。
よくある失敗と直し方
| よくある失敗 | なぜ困るか | 直し方 |
|---|---|---|
| 敬語を重ねすぎる(「おっしゃられる」など) | 二重敬語になり、かえって不自然に聞こえる | 一つの言葉に一つの敬語。「おっしゃる」で足りる |
| 身内の上司に尊敬語を使う(社外に対して) | 社外の相手より身内を立てることになる | 社外には「部長の◯◯が申しておりました」と謙譲語で話す |
| 何でも「させていただきます」にする | くどく、恩着せがましく聞こえることがある | 「拝見しました」「送ります」「いたします」で足りる場面が多い |
| 「大丈夫です」で返事をする | 了承か断りか分からない | 了承なら「問題ありません」、断るなら「結構です」とはっきり言う |
| 丁寧にしようとして文が長くなる | 用件が伝わりにくい | 結論を先に言い、言い換えは一か所だけにする |
二重敬語の例は二重敬語の一覧、尊敬語と謙譲語の取り違えは間違いやすい敬語の一覧、「させていただく」の使い方は「させていただく」の使い方にまとめています。
言ってはいけない・避けたい言い方
| 避けたい言い方 | 理由 | こう言う |
|---|---|---|
| ご苦労様です(上司に) | 目上には失礼と受け取る人がいる | お疲れさまです |
| 参考になりました(上司に) | 相手の話を評価しているように聞こえることがある | 大変勉強になりました |
| 要するに◯◯ってことですよね | 相手の話をまとめて切り上げる響きになる | ◯◯ということでよろしいでしょうか |
| それ、前に言いましたよね | 相手を責める言い方になる | 念のため、前回お伝えした◯◯の件も併せてご確認ください |
| 無理です | 相手の依頼を突き放す | 申し訳ありません。◯◯までなら対応できます |
注意
「ご苦労様」と「お疲れ様」の違いについては、使い方に異なる考え方があります。迷ったら、目上には「お疲れさまです」を使えば失礼になりません。
後日のフォロー(お礼・お詫び)
言葉づかいを注意してくれた先輩へのお礼
◯◯さん、先ほどは電話での言い方を教えていただき、ありがとうございました。
「わかりました」ではなく「承知しました」と言うよう、気をつけます。
言葉づかいで失礼をした相手へのお詫び
◯◯様
株式会社△△の□□です。
先ほどのお電話では、言葉づかいが至らず、失礼いたしました。
今後は気をつけてまいります。引き続きよろしくお願いいたします。
言葉づかいの失敗は、気づいたときに短くお詫びし、次から直すことで十分です。言い訳を重ねるより、直した言い方で次のやり取りをするほうが伝わります。
この記事の要点
- まず返事・お礼・お詫びの三つから直す。
- 目上への返事は「承知しました」、呼びかけは「恐れ入ります」、お詫びは「申し訳ありません」。
- 「大丈夫です」は了承か断りかが分かる言葉に言い換える。
- 敬語は一つの言葉に一つ。重ねすぎない。
- どこまで改まるかは相手と職場で決め、迷ったら先輩に合わせる。
FAQ
よくある質問
毎日使う返事、お礼、お詫びの三つです。上司への返事は「承知しました」、お礼は「ありがとうございます」、お詫びは「申し訳ありません」。この三つが自然に出るようになると、印象が大きく変わります。
丁寧語の「ます」が付いているので乱暴な言葉ではなく、社内では使われている職場もあります。ただ、上司や取引先には「承知しました」と言うほうが改まった印象になり、迷わずに済みます。
社内の軽い呼びかけやお詫びでは使われています。上司や取引先には、呼びかけなら「恐れ入ります」「失礼いたします」、お詫びなら「申し訳ありません」に言い換えると、用途がはっきりします。
最初から完璧に話す必要はありません。結論を先に、短く伝えることを優先し、言い換えは一か所だけにすると間違いが減ります。注意されたらメモして、次から直せば十分です。
職場の中で使われている言い方なら、同じ相手に使っても問題になりにくいです。ただ、取引先や役職の高い人には「承知しました」を使っておくと、相手によって迷わずに済みます。