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敬語

「〜のほう」の使い方
ぼかし言葉の直し方とメール例文

「〜のほう」は、方向を示すときや、二つ以上のものを比べるときに使う言葉です。ところが会話やメールでは、比べるものがないのに「ご確認のほうお願いします」「資料のほう送ります」と付けることがあり、ぼかし言葉として気になる人もいます。そのまま使える一文は「資料をお送りしますので、ご確認をお願いいたします。」。このページでは、本来の使い方と外したほうがよい使い方の表、言い換え、場面別のメール例文をまとめました。

更新: 2026-11-01読了:約5分PRODUCER AGENT 編集部

結論

「ほう(方)」は方向・方角を表す言葉で、そこから「AよりBのほうがよい」「私のほうで対応します」のように、いくつかあるもののうちの一方、受け持つ側を示す使い方が広がりました。比べる相手も方向もない場面で付ける「〜のほう」は、言い切りを避けて表現をやわらげるために使われることがあり、「ぼかし言葉」と呼ばれることがあります。

「〜のほう」の意味と、気になる人がいる理由

「のほう」が自然に働くのは、方向(「駅のほうへ歩く」)、比較(「A案のほうが費用を抑えられます」)、受け持ち(「手配は弊社のほうで進めます」)の三つです。どれも、ほかの選択肢や相手側と区別する働きがあります。

一方、「ご確認のほうよろしくお願いします」「お名前のほう伺ってもよろしいですか」のように、区別する相手がないのに付けると、言い切りを避けた遠回しな言い方になります。やわらかく聞こえると感じて使う人もいますが、何を指しているのかがぼやける、回りくどいと感じる人もいます。

Point

比べる相手・方向・受け持ちのどれかがあれば「のほう」は自然。どれもなければ外す。外しても意味が変わらないなら、その「のほう」は要らない言葉です。

自然な使い方・外したほうがよい使い方

言い方「のほう」の働き直すなら
A案のほうが費用を抑えられます比較(自然)―
手配は弊社のほうで進めます受け持ち(自然)手配は弊社で進めます(どちらでもよい)
会場の入口のほうへお進みください方向(自然)―
ご確認のほうよろしくお願いします比べる相手がないご確認をお願いいたします
資料のほうお送りします比べる相手がない資料をお送りします
お名前のほう伺ってもよろしいですか比べる相手がないお名前を伺ってもよろしいでしょうか
日程のほうは調整中ですほかの項目と区別しているなら自然日程は調整中です

注意

「日程のほうは調整中です(会場はもう決まっています)」のように、ほかの項目と分けて話しているなら、「のほう」は意味を持っています。迷ったら外して読み、意味が変わるかを確かめてください。

言い換え一覧(丁寧さの段階つき)

言い方丁寧さ使いやすい場面
ご確認くださいますようお願い申し上げます特に改まった言い方案内状・改まった依頼
ご確認のほど、よろしくお願いいたします改まった言い方(やわらかい)取引先・お客様への依頼の結び
ご確認をお願いいたします丁寧社内外どちらにも使いやすい
ご確認いただけますでしょうか丁寧(尋ねる形)上司・取引先へのお願い
確認をお願いします標準社内の同僚・後輩

「ご確認のほど」の「ほど」は、言い切りを避けて控えめにお願いする働きをする言葉で、改まった依頼の結びとして定着しています。「のほう」と音が似ていますが、使われ方は別です。「ほど」の使い方は「よろしくお願いいたします」の言い換えも参考にしてください。

場面別のメール例文

取引先に資料の確認をお願いする

件名:◯◯の企画書ご確認のお願い

株式会社◯◯
◯◯様

いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
◯◯の企画書をお送りいたします。
◯月◯日(◯)までにご確認いただけますでしょうか。
修正のご要望があれば、該当のページに書き込んでお戻しいただければ反映いたします。

二つの案を比べて提案する(「のほう」が自然な例)

件名:◯◯の会場候補について

◯◯様

お世話になっております。株式会社△△の□□です。
◯◯の会場について、候補を二つに絞りました。
 ・A会場:駅から近く、収容人数に余裕がある
 ・B会場:費用を抑えられるが、駅から少し歩く

参加者の移動を考えると、A会場のほうが適していると考えております。
ご意見をお聞かせいただけますと幸いです。

手配を自社で引き受けると伝える(受け持ちの「のほう」)

件名:Re: ◯◯の備品手配の件

◯◯様

お世話になっております。株式会社△△の□□です。
ご相談いただいた備品の手配は、弊社で進めます。
貴社には、当日の搬入時間だけお知らせいただければ結構です。
準備が整い次第、手配の内容をお送りいたします。

お客様に必要事項の入力をお願いする

件名:お申し込みに必要な情報のご入力のお願い

◯◯様

このたびはお申し込みいただき、ありがとうございます。△△受付担当の□□です。
お手続きを進めるため、下記のページからお名前とご連絡先をご入力いただけますでしょうか。
ご入力いただいた内容は、お申し込みの確認にのみ使用いたします。

社内で報告の期限を伝える

件名:◯月の実績報告の提出について

各位

お疲れさまです。□□です。
◯月の実績報告を、◯月◯日(◯)までに共有フォルダへ提出してください。
書式は前月と同じです。不明な点は□□まで連絡をお願いします。

注意

「よろしかったでしょうか」と「のほう」が重なる接客・電話の言い方は「よろしかったでしょうか」の使い方で扱っています。

よくある間違い

書きがちな言い方気になる点直し方
ご確認のほうよろしくお願いします比べる相手がなく、回りくどいと感じる人もいるご確認をお願いいたします
お名前のほう頂戴できますか「のほう」に加え、名前を「頂戴する」という言い方を気にする人もいるお名前を伺ってもよろしいでしょうか
資料のほう、添付のほうにてお送りします「のほう」が重なり、要点がぼやける資料を添付してお送りします
こちらのほうが資料になります「のほう」と「になります」が重なる資料をお送りいたします
私のほうから一点、質問させていただきます「のほう」と「させていただく」が重なり、くどく聞こえることがある一点、質問がございます

「〜になります」の使い方は「〜になります」は誤用かにまとめています。

「〜のほう」を使ったお願いへの返事

相手から「ご確認のほうお願いします」と届いても、言葉づかいには触れず、何を確認したのか、いつまでに返すのかをはっきり返します。

◯◯様

お世話になっております。株式会社△△の□□です。
企画書をお送りいただき、ありがとうございます。
内容を確認いたしました。◯ページの日程について一点だけ相談がございますので、別途ご連絡いたします。
そのほかは、このまま進めていただいて問題ございません。

部下や後輩の文面を直すときは、「外しても意味が変わらない『のほう』は削ろう」と、判断の基準をいっしょに伝えると次から迷いません。

この記事の要点

  • 「のほう」は本来方向・比較・受け持ちを表す。
  • 比べる相手がない「ご確認のほう」はぼかし言葉として気になる人もいる。
  • 外して読んで意味が変わらなければ削る。
  • 改まった依頼の結びは「ご確認のほど、よろしくお願いいたします」。「ほど」と「ほう」は別。
  • 「になります」「させていただく」と重ねない。

FAQ

よくある質問

01「〜のほう」は間違った日本語ですか?

間違いとは言い切れません。方向・比較・受け持ちを表すときは自然な言い方です。ただ、比べる相手がないのに付けると、回りくどい、ぼかしていると感じる人もいるので、メールでは外すほうが無難です。

02「ご確認のほど」と「ご確認のほう」は同じですか?

違います。「ほど」は言い切りを避けて控えめにお願いする言葉で、「ご確認のほど、よろしくお願いいたします」は改まった依頼の結びとして定着しています。「ほう」は方向や比較を表す言葉です。

03「弊社のほうで対応します」はおかしいですか?

相手側ではなく自分たちが受け持つ、という区別をしているので、不自然ではありません。気になる場合は「弊社で対応いたします」とすると、すっきりします。

04「のほう」は漢字で「の方」と書いてもよいですか?

書けますが、「方(かた)」と読まれて人を指すと誤解されることがあるため、ひらがなの「のほう」にしておくと読み違いが起きません。

05接客で「お会計のほう」と言うのは失礼ですか?

失礼とまでは言えませんが、回りくどいと感じる人もいます。「お会計は◯円です」「お会計をお願いいたします」と言い切るほうが、すっきり伝わります。

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