企画
謎解き・宝探しイベントの企画
形式とルールを先に決め、必ずテストプレイする
結論から言うと、謎解き・宝探しイベントの企画で最初に決めるのは謎の中身ではありません。①形式(ルーム型・周遊型・宝探し・オンライン・ハイブリッド) ②参加の単位(個人かチームか) ③所要時間と難易度 ④詰まったときのヒントの出し方 ⑤正解の確認方法の5つです。次に自作するか、既製のキットを使うか、制作会社に頼むかを決め、作った謎は作った人以外に必ず解いてもらう(テストプレイ)。この順番を守れば、社内レクでも地域の催しでも成立します。下に、目的別の企画アイデア一覧、例題つきの作り方、企画書テンプレート、そのまま使えるアナウンス文例をまとめました。
結論
謎解きイベントは、参加者が問題(謎)を解いて答えを導き、最終的な答えやゴールにたどり着く参加型の企画です。宝探しは、手がかりを頼りに隠された物や場所を見つける企画で、謎解きと組み合わせることもよくあります。企画は①目的と形式 ②作り方(自作・キット・外注) ③ルール ④謎・手がかりの制作 ⑤テストプレイと修正 ⑥会場・協力先の確認と告知 ⑦当日の運営 ⑧振り返りの順で進めます。社内レクリエーション全般の選び方は社内レクリエーションの企画で整理しています。
まず決める5つ(早見表)
| 決めること | 最初の一案(迷ったとき) | これが決まらないと起きること |
|---|---|---|
| 形式 | 会議室で解くルーム型 | 場所の許可・設置物・天候対応が後から増える |
| 参加の単位 | 部署や世代を混ぜたチーム | 一人で黙々と解く人と、何もしない人に分かれる |
| 所要時間と難易度 | 全員がゴールでき、速さで差がつく難易度 | 誰も解けない、または早く終わって時間が余る |
| ヒントの出し方 | 申告制+残り時間に応じて全体に配布 | 詰まったチームが手持ち無沙汰になり投げ出す |
| 正解の確認方法 | 解答用紙の回収かフォーム提出 | 判定の前に列ができ、順位の公平さに不満が出る |
形式の選び方
| 形式 | どんな企画か | 向いている場面 | 主催者の負担 |
|---|---|---|---|
| ルーム型(卓上型) | 会議室やテーブルで、配られた問題冊子・封筒を順に解く | 社内研修、懇親会の一部、雨天でも開きたいとき | 制作は冊子中心。会場の準備は少ない |
| 周遊型 | 会場内や街の複数の地点を回り、各地点で手がかりを得て解く | 社屋見学、地域の回遊促進、商店街・観光のイベント | 地点ごとの設置と、協力先との調整が要る |
| 宝探し | 手がかりをもとに、隠された物(宝箱・カード)を見つける | 子ども向け、家族参加、公園・施設のイベント | 隠し場所の安全確認と、見つからない場合の対応が要る |
| オンライン型 | ビデオ会議で集まり、画面共有やPDFの問題をチームで解く | 拠点が離れた社員の交流、内定者の懇親 | 通信が切れたときの扱いと、チーム分けの操作が要る |
| ハイブリッド型 | 会場の参加者とオンラインの参加者が同じチームで解く | 出社と在宅が混ざる部署、全社イベント | 両方に同じ情報が届く設計と、会場側の機材が要る |
Point
初めて開くならルーム型が無難です。場所の調整が少なく、時間を区切りやすく、天候の影響も受けません。周遊型と宝探しは場所の許可と安全確認、オンライン・ハイブリッドは通信と機材の確認が増えます。オンラインの進め方全般はオンラインイベントの開き方、会場とオンラインの併用はハイブリッドイベントで整理しています。
目的別の企画アイデア一覧
テーマは「解けたときに参加者が何を持ち帰るか」から選びます。下の一覧は、目的と形式の組み合わせで考えた企画の例です。社名や地名を入れ替えればそのまま企画の叩き台になります。
| 企画アイデア | 形式 | 対象 | 狙い・設計のポイント |
|---|---|---|---|
| 新入社員の「最初の一週間」を追いかけ、社内の制度にちなんだ謎を解いて最終日の予定を当てる | ルーム型 | 社員・新入社員 | 制度を覚えるのではなく「社内ポータルで調べれば分かる」形にする |
| 自社製品の開発の歩みをたどり、最後に次の製品名を当てる | ルーム型 | 社員・内定者 | 年表や製品写真を手がかりにする |
| 各フロアの担当者から手がかりをもらう社内ツアー | 周遊型 | 新入社員 | 受け入れ部署の業務時間と調整する |
| 避難経路・消火器・集合場所を回って答えを集める防災謎解き | 周遊型 | 社員・住民 | 防災訓練と組み合わせる。訓練全体は防災イベントの企画 |
| 怪しいメールを見分けて暗号を解く情報セキュリティ謎解き | ルーム型・オンライン | 社員 | 研修の確認テストを謎の形にする |
| ごみの分別や省エネをテーマにした環境謎解き | ルーム型・周遊型 | 社員・子ども | 正解の解説で学びを持ち帰ってもらう |
| 会社の周年記念で、創業からの出来事を手がかりにする | ルーム型 | 社員・家族 | 古い写真や社内報を配布物に使う |
| 懇親会のテーブル対抗で、短い謎を数問 | ルーム型 | 参加者全員 | 食事と並行するので、紙一枚で読める量にする |
| 忘年会の余興としてのチーム戦 | ルーム型 | 社員 | クイズとの違いは「答えが次の問題につながる」こと。クイズ形式は忘年会のクイズ |
| 拠点をまたいだオンラインチームで、各拠点にしかない情報を持ち寄って解く | オンライン型 | 社員 | 情報を分けて持たせると、全員が話す理由ができる |
| 内定者がチームで解き、最後に配属先の部署名が現れる | オンライン型 | 内定者 | 答えに意味を持たせ、解説で部署紹介につなげる |
| 会場には地図、オンラインには凡例だけを配り、照らし合わせて答えを出す謎 | ハイブリッド型 | 全社 | どちらか片方だけが有利にならないよう、情報量をそろえる |
| 参加店舗に手がかりを置き、ゴールで記念品を渡す商店街の周遊 | 周遊型 | 地域の人 | 店舗の営業の妨げにならない受け渡し方法を決める |
| 地域の史跡や石碑の文字を手がかりにする郷土の謎解き | 周遊型 | 地域の人・観光客 | 史跡の管理者に確認し、文字が読める場所だけを使う |
| 図書館・博物館の展示を見ないと解けない謎 | 周遊型 | 家族・学生 | 展示の見学を促す。館の了承を得る |
| 展示会で複数のブースを回って答えを集める | 周遊型 | 来場者 | ブース訪問のきっかけにする。協力出展者と事前に合意する |
| 公園で年齢別のコースに分けた宝探し | 宝探し | 家族・子ども | 保護者同伴などのルールと、危険な場所に隠さないことが前提 |
| 子ども会・学童で、地図の記号を読み解いて宝箱を探す | 宝探し | 子ども | 文字が読めない年齢向けに絵の手がかりも用意する |
| 社員の家族を招く日に、親子で職場を回る宝探し | 宝探し・周遊型 | 社員の家族 | 立ち入ってよい範囲を決める。家族参加の全体設計はファミリーデー |
| 店舗の新装開店で、店内の商品棚を手がかりにする謎 | 周遊型 | 来店客 | 販促の景品を出すなら上限を確認する(下の「決めておくこと」参照) |
自作・キット・制作会社の比較
| 作り方 | 主催者の手間 | 内容の自由度 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 自作 | 謎の制作・テストプレイ・印刷まですべて自分たち | 高い。社内ネタや地域の名所を自由に入れられる | 少人数の社内レク、懇親会の一部、予算をかけたくないとき |
| 既製のキット(購入・レンタル) | 当日の運営と準備物の確認が中心 | 低い。ストーリーや謎は決まっている | 準備の時間がない、初めてで品質を安定させたいとき |
| 制作会社にオリジナルを依頼 | 目的・条件の伝達と、内容の確認が中心 | 高い。目的に合わせて作ってもらえる | 大人数、街全体を使う、研修の効果まで設計したいとき |
依頼するときは、下の項目を先にまとめて伝えると、見積もりと提案がぶれにくくなります。費用の考え方はイベントの内製と外注も参考にしてください。
- 目的(交流、会社理解、研修、集客)と、参加者に持ち帰ってほしいこと
- 対象(社員、内定者、家族、地域の人)と年齢層、想定する参加人数
- 形式(ルーム型・周遊型・宝探し・オンライン・ハイブリッド)の希望
- 開催日、使える時間の枠、会場
- 入れたいテーマや社内の素材(製品、歴史、制度)
- 運営スタッフを出してもらうか、自社で回すか
- 予算の上限と、配布物・景品を含むかどうか
謎の作り方とテストプレイ
謎は答えから逆に作るのが基本です。最後に参加者にたどり着いてほしい答え(言葉、場所、物)を先に決め、そこへ向かう手がかりを分けて配置していきます。
- 01
最終の答えを決める
社名、イベントのテーマ、ゴールの場所など、解けたときに意味のある答えにします。
- 02
答えを小問に分ける
最終の答えを複数の小問の答えの組み合わせで導けるようにします。小問が解けた手応えが、途中でやめない理由になります。
- 03
手がかりの種類を混ぜる
文字の並べ替え、抜き文字、仲間はずれ、場所の観察など、得意な人が違う種類を混ぜると、チームの全員に出番ができます。
- 04
ヒントを段階で用意する
小問ごとに、方向だけ示すヒント、ほぼ答えに近いヒントなど段階を作り、いつ・どう渡すかを決めます。
- 05
作った人以外にテストプレイしてもらう
企画に関わっていない人に、本番と同じ条件(時間・人数・配布物)で解いてもらいます。かかった時間、詰まった箇所、誤解した表現を記録します。
- 06
修正して、もう一度テストする
詰まった箇所はヒントを足すか、問題を易しくします。修正したら別の人でもう一度試します。
例題(社内イベント向けに作った見本)
| 種類 | 問題の例 | 答え | 最初のヒントの例 |
|---|---|---|---|
| 並べ替え | 「つ・け・う・け」を並べ替えると、今日まず向かう場所になる | うけつけ(受付) | 会場に入ってすぐの場所です |
| 抜き文字 | たぬきの絵の横に「いたべたんたと」と書いてある | いべんと(「た」を抜く) | たぬき=「た」を抜く、と読んでください |
| 仲間はずれ | 「会議室・応接室・給湯室・駐車場」の中で仲間はずれは? | 駐車場(ほかは「室」がつく) | 文字の終わりに注目してください |
| 場所の観察 | 受付の看板で、赤い文字だけを左から読む | 看板に仕込んだ言葉 | 看板の色に注目してください |
| 最終問題 | 小問の答えの頭文字を、封筒に書いた順に並べる | 最終の答え(例:社名や合言葉) | ここまでの答えを一列に書き出してください |
Point
作った本人は答えを知っているので、難しさを測れません。テストプレイをせずに本番を迎えるのが、謎解きイベントでよくある失敗の原因です。テストの時間を準備スケジュールに必ず入れてください。
注意
市販の謎解きや他のイベントの問題をそのまま使うのは避けてください。権利者がいるため、使う場合は許諾が必要になることがあります。迷ったら自作するか、制作会社に依頼してください。
企画書テンプレート(そのまま埋める)
上司や協力先に説明するときは、下の項目を一枚にまとめます。企画書全体の書き方はイベント企画書の書き方にあります。
| 項目 | 書く内容 | 記入例(社内のルーム型) |
|---|---|---|
| タイトル | 参加者に伝わる企画名 | 「本社の七不思議を解け」チーム対抗謎解き |
| 目的 | なぜ開くか、何を持ち帰ってほしいか | 部署を越えた顔見知りを増やす |
| 対象・単位 | 誰が、個人かチームか | 全社員。部署を混ぜたチーム |
| 形式 | ルーム型・周遊型・宝探し・オンライン・ハイブリッド | ルーム型(会議室を複数使用) |
| 日時・会場 | 開催日、時間の枠、場所 | 懇親会の前半の時間枠、本社の会議室 |
| 作り方 | 自作・キット・制作会社 | 自作(企画チームで制作、他部署がテストプレイ) |
| ルール | 難易度、ヒント、正解の確認、スマートフォンの扱い | 全員ゴールできる難易度、申告制ヒント、解答用紙を回収、検索は不可 |
| 体制 | 司会・ヒント係・判定係・本部 | 企画チームで分担 |
| 予算 | 印刷、景品、外注費 | 印刷と上位チームの景品のみ |
| スケジュール | テストプレイと告知の時期を含む | 制作→テストプレイ→修正→告知→当日 |
| リスクと対策 | 解けない・時間が余る・体調不良 | 段階ヒント、予備の問題、救護の連絡先 |
準備のスケジュール(やる順番)
- 01
目的・形式・対象を決める
誰に何を持ち帰ってほしいか、形式、対象(社員、家族、地域の人)を決めます。
- 02
作り方を決め、予算を確保する
自作・キット・制作会社のどれにするかを決めます。予算の組み方はイベントの予算の立て方。
- 03
会場と協力先を押さえる
周遊型・宝探しは、使う場所の管理者や参加店舗に、使ってよい範囲と時間を確認します。場所が決まらないと謎が作れません。
- 04
ルールを決める
個人かチームか、制限時間、ヒントの出し方、正解の確認方法、景品の有無を決めます。
- 05
謎と手がかりを作る
答えから逆算して小問を作り、配布物・設置物のデザインまで仕上げます。
- 06
テストプレイと修正
作った人以外に解いてもらい、時間と難易度を調整します。
- 07
告知と申込を始める
所要時間、対象年齢、持ち物(筆記具、スマートフォン)、雨天時の扱いを書きます(文例は下)。
- 08
配布物を印刷し、設置物を用意する
予備を多めに用意します。周遊型は地点ごとの設置物と案内表示、オンライン型は配布ファイルと回答フォームを準備します。
- 09
スタッフに説明し、当日の役割を決める
ヒント係・正解判定係には、全問の答えとヒントの一覧を渡します。
- 10
前日・当日朝に設置し、全地点を確認する
宝探しは隠した場所を地図に記録し、撤収時に全部回収できるようにします。
告知文例
社内向け(チャット・メール)
【参加者募集】チーム対抗の謎解きイベントを開きます。本社にまつわる謎に、部署を混ぜたチームで挑みます。所要時間は〇分の予定です。謎解きが初めての方でも、ヒントを用意しているので最後まで楽しめます。チームは事務局で組みます。筆記具をお持ちください。参加希望の方は、申込フォームからお申し込みください。
地域・一般向け(チラシ・SNS)
商店街を歩いて謎を解く、親子で楽しめる謎解きラリーを開催します。参加店舗に置いた手がかりを集めて、最後の答えをゴールの受付でお伝えください。正解された方には記念品をお渡しします。歩きやすい服装でお越しください。雨天時の開催可否は、当日の朝にお知らせします。
オンライン向け(招待メール)
オンライン謎解きイベントのご案内です。当日はビデオ会議に参加いただき、チームごとに分かれて謎を解きます。問題は画面共有でお見せするので、パソコンからの参加をおすすめします。メモ用の紙と筆記具をご用意ください。接続が切れた場合は、同じリンクから入り直してください。
当日の進行例(ルーム型・チーム戦)
| 順番 | 内容 | 運営のポイント |
|---|---|---|
| 1 | 受付・チーム分け | チーム番号を名札や席札で示す |
| 2 | ルール説明 | 制限時間、ヒントのもらい方、答えの提出方法、禁止事項(スマートフォンでの検索の可否など)を伝える |
| 3 | 開始 | 全チーム同時に封筒を開ける。カウントダウンを画面に出す |
| 4 | 解いている時間 | ヒント係が巡回し、詰まっているチームに声をかける。途中で残り時間を知らせる |
| 5 | 終了・答えの回収 | 時間が来たら筆記具を置いてもらい、解答用紙を回収する |
| 6 | 解説 | 全員が解けなかった問題を中心に、司会が解き方を説明する |
| 7 | 結果発表・表彰 | 早く解いたチーム、正解数の多いチームなど、決め方は事前にルール説明で伝えておく |
制限時間の表示はカウントダウンやタイマーで画面に出せます。周遊型やオンライン型で解答を受け付けるフォームへの誘導にはQRコード作成が使えます。
オンライン型で変えるところ
| 場面 | ルーム型との違い | 対応 |
|---|---|---|
| チーム分け | 席ではなく、会議ツールの小部屋で分ける | 事前にチーム表を作り、開始前に割り当てを確認する |
| 配布物 | 封筒を開ける代わりに、ファイルや画面共有で見せる | 早く開かれないよう、開始の合図でリンクを送る |
| ヒント | 巡回して表情を見ることができない | ヒントを求める合図(チャットの決まった言葉)を決める |
| 正解の確認 | 解答用紙を回収できない | 回答フォームで受け付け、到着時刻を記録する |
| 通信の切断 | 一人が抜けるとチームの情報が欠ける | 入り直し方を先に案内し、情報はチーム全員に配る |
決めておくことと判断の基準
| 決めること | 選択肢 | 判断の基準 |
|---|---|---|
| 参加の単位 | 個人/チーム | 交流が目的ならチーム。チームの人数は、全員が問題に手を出せる数にとどめる |
| 難易度 | 全員が最後まで解ける/一部のチームだけ解ける | 交流や会社理解が目的なら、全員がゴールできる難易度にし、速さで差をつける |
| ヒントの出し方 | 申告制/一定時間で自動配布/ヒントを使うと減点 | 途中で投げ出す参加者を出さないことを優先する |
| スマートフォンの使用 | 可/検索は不可/不可 | 解答の提出にスマートフォンを使うなら、検索との線引きを明確にする |
| 正解の判定 | スタッフが口頭で判定/解答用紙を回収/フォームで提出 | 参加人数が多いほど、判定待ちの列ができない方法を選ぶ |
| 景品 | なし/上位チームのみ/参加者全員に記念品 | 社内の景品の課税の考え方は社内イベントの景品と課税、販促として一般の人に景品を出すならイベントの景品の上限を確認する |
地域・屋外で開くときの確認先
周遊型や宝探しを社外で開く場合、使う場所ごとに管理者が違います。手がかりを置く場所・隠す場所は、すべて管理者の了承を得た場所に限ってください。
| 場所 | 確認する相手 | 確認すること |
|---|---|---|
| 公園 | 公園の管理者(自治体・指定管理者) | イベントとして使う場合の許可の要否、物を置く・隠すことの可否。手続きは公園でイベントを開く許可 |
| 道路・歩道 | 所轄の警察署、道路管理者 | 参加者が立ち止まる・集まる地点を道路上に作らない。看板などを出すなら道路使用許可の要否を確認 |
| 商店街・参加店舗 | 各店舗、商店街の組織 | 手がかりの受け渡し方法、営業時間、店舗の負担 |
| 施設・社屋・史跡 | 施設の管理者、ビル管理会社、史跡の管理者 | 立ち入ってよい範囲、他のテナントや来訪者への影響 |
Point
宝探しで私有地、植え込みの奥、水辺、車道の近く、高い場所に物を隠さないでください。参加者、とくに子どもはそこまで探しに行きます。隠し場所は地図に記録し、撤収時に全部回収します。
周遊型で街を回る場合は、地点の間の移動が交通の安全を損なわないことも設計に入れます。謎は地点に着いてから解く形にし、ルール説明と配布物に「移動中は画面を見ずに周囲に注意する」ことを書いてください。日没後にかかる時間帯や、交通量の多い道を通らないと次の地点に行けない配置は避けます。
注意
子どもが参加する場合のはぐれへの備えはイベントの迷子対応、事故への備えはイベント保険の考え方を参照してください。
準備のチェックリスト
- 形式・対象・所要時間・難易度を決め、告知に書いた
- 自作・キット・制作会社のどれにするかを決め、予算を確保した
- 作った人以外のテストプレイを本番と同じ条件で行い、修正した
- ヒント係・判定係が持つ「全問の答えとヒントの一覧」を作った
- 配布物の予備と、筆記具を用意した
- 周遊型・宝探しで使う場所の管理者・協力先の了承を得た
- 宝探しの隠し場所を地図に記録した(撤収時の回収用)
- 雨天時の扱い(屋内に切り替える、延期する)を決めた
- オンライン型は、小部屋の割り当て・回答フォーム・入り直し方の案内を確認した
- スマートフォンでの検索の可否など、禁止事項をルール説明に入れた
- 表彰の決め方(速さ・正解数)を事前に決め、ルール説明に入れた
- 途中でやめたいときや体調が悪くなったときの連絡先を、参加者に案内した
- 周遊型は、移動中にスマートフォンを見ながら歩かないよう、ルール説明と配布物に書いた
- 終了後のアンケートを用意した
当日の運用(役割・連絡・アナウンス)
| 役割 | やること |
|---|---|
| 司会 | ルール説明、開始・終了の合図、残り時間の告知、解説と結果発表 |
| ヒント係 | 巡回して詰まっているチームに声をかけ、決めた段階のヒントを渡す |
| 判定係 | 答えの正誤を判定し、到着順・正解数を記録する |
| 地点係(周遊型・宝探し) | 担当地点で手がかりを渡す、参加者の安全を見る、異常を本部に連絡する |
| 本部 | 全体の進み具合を把握し、時間の延長・打ち切りを判断する |
周遊型・宝探しでは、地点係と本部の連絡手段(電話、チャット、無線)を決め、「地点の手がかりがなくなった」「参加者がけがをした」「参加者が迷った」の3つは必ず本部に上げるようにします。
開始前のアナウンス文例
これから謎解きを始めます。制限時間は画面に表示します。どうしても分からないときは、手を挙げてスタッフにお知らせください。ヒントをお渡しします。答えが分かったチームは、解答用紙を持って前の受付までお越しください。スマートフォンでの検索はご遠慮ください。それでは、封筒を開けてください。
宝探し(屋外)の開始前のアナウンス文例
宝は、ロープで区切った範囲の中にだけ隠してあります。範囲の外や、植え込みの奥、水のある場所には入らないでください。小学生以下のお子さまは、保護者の方と一緒に探してください。困ったときは、黄色いベストのスタッフに声をかけてください。
残り時間のアナウンス文例
残り時間が少なくなりました。まだ最後の問題にたどり着いていないチームは、ヒントを使ってください。時間になりましたら、筆記具を置いてお待ちください。
全体にヒントを出すときの文例
同じ問題で悩んでいるチームが多いようですので、全体にヒントをお伝えします。封筒の裏側に書かれている記号にも注目してみてください。
終わった後の振り返り
次の開催に生かすため、終了直後にアンケートを取り、運営側で記録を残します。アンケートは目的に沿った質問に絞ります。
| 見ること | 記録の取り方 | 次回への生かし方 |
|---|---|---|
| 難易度 | ゴールしたチームの数、最後まで解けなかった問題 | 解けなかった問題のヒントを早める、易しくする |
| 時間 | 最初と最後のゴールの時刻 | 制限時間を調整する、予備の問題を用意する |
| ヒント | ヒントを求められた問題と回数 | 詰まりやすい問題の表現を見直す |
| 目的の達成 | アンケートで「他部署の人と話せたか」など目的に沿った質問 | チームの組み方や形式を見直す |
| 運営 | 判定待ちの列、スタッフの手の空き具合 | 判定方法や人員の配置を変える |
よくある失敗
- テストプレイをしない:本番で誰も解けない、または開始直後に解かれて時間が余る
- ヒントの出し方を決めていない:詰まったチームが手持ち無沙汰になり、途中で投げ出す
- 社内ネタが一部の人にしか分からない:知っている人だけで解いてしまい、交流にならない
- 判定の場所に列ができる:答えを持ってきたチームが待たされ、順位の公平さにも疑問が出る
- オンラインで情報を一人に持たせる:その人の通信が切れるとチーム全体が止まる
- 宝の隠し場所を記録しない:撤収時に回収しきれず、後日施設から連絡が来る
- 場所の管理者に確認していない:当日に使用を止められる、手がかりを撤去される
- 解説をしない:解けなかった人に不満が残り、学びのある企画でも内容が伝わらない
この記事の要点
- 最初に決めるのは謎の中身ではなく、形式・単位・所要時間と難易度・ヒントの出し方・正解の確認方法。
- 自作・既製のキット・制作会社のどれにするかを、準備の時間と自由度で選ぶ。
- 謎は最終の答えから逆算して小問に分け、得意な人が違う種類の手がかりを混ぜる。
- 作った人以外のテストプレイを本番と同じ条件で行い、修正したら別の人でもう一度試す。
- 周遊型・宝探しは、手がかりを置く・隠す場所をすべて管理者の了承を得た場所に限り、隠し場所は地図に記録して全部回収する。
- 終了後は難易度・時間・ヒントの記録とアンケートで振り返り、次回に生かす。
FAQ
よくある質問
できます。答えから逆算して小問を作り、作った人以外にテストプレイしてもらって難易度を調整すれば、社内イベントや懇親会の一部として十分に成立します。準備の時間がなければ既製のキット、規模が大きい・街全体を使う・研修の効果まで設計したい場合は制作会社への依頼が選択肢です。
部署を越えた交流、新入社員の会社理解、研修内容の定着、懇親会の盛り上げなどが代表的です。交流が目的なら部署混合のチームにし、全員が最後まで解ける難易度にして速さで差をつけると、取り残される人が出にくくなります。
できます。ビデオ会議の小部屋でチームに分かれ、問題は画面共有やファイルで配り、答えは回答フォームで受け付けます。通信が切れたときの入り直し方を先に案内し、手がかりを一人だけに持たせないようにしてください。
目的で決めます。交流や会社理解が目的なら全員がゴールできる難易度、競技として楽しむなら一部のチームだけが解ける難易度でも構いません。どちらの場合も、作った人以外のテストプレイで実際にかかる時間を測り、制限時間に収まるように調整してください。
形式と作り方で変わります。自作の場合は、謎の制作に加えてテストプレイと修正を最低一回は挟めるだけの期間が必要です。周遊型・宝探しは場所の管理者や協力店舗の了承に時間がかかるため、まず場所の確認から始めてください。制作会社に頼む場合は、問い合わせの段階で開催日を伝えて相談します。
公園の管理者(自治体・指定管理者)に、イベントとしての使用の許可の要否と、物を置く・隠すことの可否を確認します。手続きの考え方は公園でイベントを開く許可で整理しています。隠し場所は危険のない範囲に限り、地図に記録して撤収時に全部回収してください。
小問ごとに段階のあるヒントを用意し、申告制にするか、一定時間で配るかを決めます。多くのチームが同じ問題で止まっているときは、全体に向けてヒントを出します。ヒントを使ったチームの扱い(減点の有無)はルール説明で先に伝えてください。
必須ではありませんが、上位チームへの景品や参加者全員への記念品があると、ゴールまで続ける理由になります。社内イベントの景品の考え方は社内イベントの景品と課税、販促として一般の人に景品を出す場合はイベントの景品の上限を確認してください。