挨拶
年末の挨拶回りマナー
時期・言葉の例文・手土産
年末の挨拶回りは、今年一年のお礼と「来年もよろしくお願いいたします」を顔を見て伝える短い訪問です。結論から言うと、相手の仕事納めより前に、アポを取って伺い、用件だけで切り上げるのが基本です。このページでは、すぐ使える早見表のあと、アポのメールと電話、到着から退出までの流れ、場面別の挨拶の言葉、手土産・カレンダーの渡し方、不在のときと訪問後のお礼までを例文付きで並べました。
結論
年末の挨拶回りは、①時期を決める(相手の仕事納めより前) ②アポを取る ③訪問して一年のお礼と来年のお願いを伝える ④品物を渡す(あれば) ⑤短く切り上げる ⑥必要ならお礼の連絡の順で進めます。何日から回るという決まりはなく、相手の繁忙期と仕事納めの日に合わせて決めます。
まず結論:年末の挨拶回り早見表
| 迷うこと | 答え |
|---|---|
| いつまでに | 相手の仕事納めより前。最終日と相手の締めの時期は避ける。官公庁は御用納め(2026年は12月28日)より前 |
| アポは | 取る。メールか電話で、所要時間を先に伝える |
| 話す内容 | 一年のお礼/今年の具体的な出来事を一つ/来年のお願い/よいお年を |
| 滞在時間 | アポで伝えた時間内。相手が引き留めない限り、挨拶が済んだら失礼する |
| 手土産 | 必須ではない。持つなら職場で分けやすい個包装の菓子か、自社のカレンダーなど |
| 相手が不在 | 受付に名刺(一言を書いたもの)と品物を預け、後でメールを送る |
| 回れない相手 | 年末の挨拶メールか電話で代える。年明けに回るなら年始の挨拶回りに切り替える |
訪問・電話・メールの使い分け
年末の挨拶は訪問だけではありません。相手との関係と距離で手段を選びます。
| 手段 | 向いている相手 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 訪問 | 主要な取引先、今年特にお世話になった相手、関係を深めたい相手 | 相手の時間を使う。アポを取り、短く済ませる |
| 電話 | 訪問するほどではないが声で伝えたい相手、遠方の相手 | 忙しい時間帯を避け、用件は挨拶だけと最初に伝える |
| メール | 取引先が多く回りきれない場合、訪問を控えている相手 | 一斉送信に見えないよう、相手ごとに一行を足す |
注意
訪問を受けない方針の会社もあります。アポの段階で「お電話でのご挨拶でも」と選べる書き方にしておくと、相手が断りやすくなります。
いつからいつまでに回るか
- 相手の仕事納めより前に。最終日は片付けや社内の挨拶で忙しいことが多い
- 相手の繁忙期(年末の締め・決算・納品の集中する時期)は避ける
- 官公庁の場合は御用納め(2026年は12月28日)より前に(御用納めとは)
- 回る先が多いときは、関係の深い相手から日程を押さえる
- 01
回る先の一覧を作る
今年取引のあった相手を書き出し、訪問・電話・メールのどれで挨拶するかを決めます。
- 02
相手の仕事納めを確かめる
取引先の年末年始の休業のお知らせや、担当者への確認で最終日を把握します。
- 03
近い相手をまとめて回る
同じ地域の訪問先を同じ日に組み、移動の時間を減らします。
- 04
アポの連絡を早めに出す
相手の予定が埋まる前に、候補日を複数出して連絡します。
注意
「何日から回るのが正しい」という決まりはありません。社内で例年の時期が決まっていれば、それに合わせてください。
アポイントの取り方(メール・電話)
メールの例文
件名:年末のご挨拶に伺いたく存じます(株式会社◯◯ ◯◯)
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社◯◯の◯◯です。
年末のご挨拶に伺いたく、ご連絡いたしました。
お時間は10分ほどで失礼いたします。
下記のいずれかでご都合はいかがでしょうか。
・12月◯日(◯)◯時〜
・12月◯日(◯)◯時〜
ご都合が合わない場合や、ご訪問がご負担な場合は、お電話でのご挨拶に代えさせていただきますので、お気軽にお知らせください。
ご多用の折、恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
電話で取るときの言い方
お忙しいところ恐れ入ります。株式会社◯◯の◯◯です。いつもお世話になっております。年末のご挨拶に伺いたいと思い、お電話いたしました。お時間は10分ほどで失礼いたしますが、◯日か◯日でご都合のよい時間はございますか。
上司が同行するとき
当日は、弊社部長の◯◯も同行し、ご挨拶させていただきたいと申しております。
注意
所要時間を先に伝えると、相手は受けやすくなります。上司の同行は相手の側の出席者にも関わるので、アポの段階で伝えます。候補日の作り方は日程候補の作成ツール、メールの型の詳細は年末の挨拶のアポメール、同行の段取りは上司同行の訪問にあります。
出かける前の準備
- 名刺を多めに持った(相手の上役や同席者に渡す分、不在時に預ける分)
- 手土産・カレンダーを訪問先の数だけ用意し、紙袋も付けた
- 訪問先ごとに今年あったこと(一緒に進めた案件、助けてもらったこと)をメモした
- 相手の会社名・部署・担当者名・役職を確かめた(異動していないか)
- 移動の順路と時間に余裕を持たせた(年末は道路や駅が混みやすい)
- 服装を整えた(コートやマフラーは建物に入る前に脱げるもの)
到着から退出までの流れ
- 01
建物に入る前にコートを脱ぐ
コートやマフラーは入口の手前で脱ぎ、裏返しにたたんで腕に掛けます。手袋も外しておきます。
- 02
受付で名乗る
「株式会社◯◯の◯◯と申します。◯時に◯◯部の◯◯様と年末のご挨拶のお約束をいただいております」と伝えます。
- 03
応接室では勧められた席に座る
案内されたら、勧められるまでは下座側で立って待ちます。荷物は足元に置き、コートは椅子の背には掛けずに手元か脇に置きます。
- 04
挨拶をして品物を渡す
相手が来たら立って挨拶し、品物は紙袋から出して、相手から正面が見える向きで渡します。紙袋は持ち帰るのが基本です。相手が社内で持ち運ぶのに袋があったほうがよさそうなら、渡したあとに「よろしければ袋もお使いください」と添えます。
- 05
今年のお礼と来年のお願いを伝える
商談は持ち込まず、一年のお礼、今年の出来事を一つ、来年のお願いを伝えます。
- 06
自分から切り上げる
伝えた時間が近づいたら「お忙しいところ、ありがとうございました」とこちらから切り上げます。コートは建物を出てから着ます。
場面別・挨拶の言葉の例文
基本の形はお礼→今年の具体的な出来事→来年のお願い→よいお年をです。相手との関係に合わせて真ん中を入れ替えます。
例文1 基本
本日はお忙しいところ、お時間をいただきありがとうございます。今年一年、大変お世話になりました。来年も変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。どうぞよいお年をお迎えください。
例文2 長く付き合いのある取引先
今年も一年、大変お世話になりました。◯◯の件では、急なお願いにもご対応いただき、本当に助かりました。来年も引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
例文3 今年取引が始まった相手
今年からお取引をいただき、誠にありがとうございました。初めてのことも多い中、丁寧に教えていただき感謝しております。来年はさらにお役に立てるよう努めますので、よろしくお願いいたします。
例文4 今年ご迷惑をおかけした相手
今年は◯◯の件で大変ご迷惑をおかけし、申し訳ございませんでした。その後も変わらずお付き合いいただき、心より感謝しております。来年は同じことのないよう努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
例文5 担当が替わることを伝える
今年一年、大変お世話になりました。実は来年から、こちらの◯◯が御社を担当させていただくことになりました。引き続き私も社内でお手伝いいたしますので、今後ともよろしくお願いいたします。
例文6 上司を紹介する
ご紹介いたします。弊社部長の◯◯です。本日は、今年のお礼をぜひ直接申し上げたいと申しまして、同行いたしました。
例文7 相手の上役にも挨拶する
◯◯部長、本年は◯◯様をはじめ皆様に大変お世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
例文8 受付や立ち話で短く済ませる
お忙しいところ失礼いたします。年末のご挨拶に伺いました。本年もお世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。
例文9 官公庁の担当者へ
本年は◯◯の手続きで大変お世話になりました。おかげさまで滞りなく進めることができました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
例文10 退出するとき
お忙しいところ、お時間をいただきありがとうございました。皆様もどうぞよいお年をお迎えください。失礼いたします。
Point
今年あったことを一つ具体的に入れると、定型の挨拶になりません。挨拶の言い回しの言い換えは年末の挨拶の言葉にもあります。
手土産・カレンダー・名入れの品
| 品物 | 渡すときの一言・注意 |
|---|---|
| 手土産(菓子など) | 「皆様で召し上がってください」。職場で分けやすい個包装で、日持ちするものを |
| 自社のカレンダー | 「来年のカレンダーです。よろしければお使いください」。郵送するならカレンダーの送付状を添える |
| 名入れの粗品(手帳・タオルなど) | のしの表書きは「粗品」や「御年賀」(年明けに渡す場合)。のし紙作成で印刷できる |
渡すときの言葉の例
- 「ほんの気持ちですが、皆様で召し上がってください」
- 「来年のカレンダーをお持ちしました。よろしければお使いください」
- 「日持ちするものを選びましたので、お休み前でもよろしければどうぞ」
注意
相手の会社が贈答品の受け取りを控えている場合もあります。わからなければ担当者に確かめてください。国家公務員は、国家公務員倫理規程(第3条第1項第1号)で利害関係者から物品の贈与を受けることが禁じられています。官公庁へは品物を持たずに挨拶だけで伺うのが無難です。手土産の選び方は手土産のマナー(ビジネス)にもまとめています。
相手が不在のとき
受付の方に名刺と品物を預け、「年末のご挨拶に伺いました。◯◯様によろしくお伝えください」と伝えます。名刺の余白に一言書いておくと丁寧です。
名刺に書く一言の例
- 「本年も大変お世話になりました。来年もよろしくお願いいたします」
- 「年末のご挨拶に伺いました。またあらためてご連絡いたします」
- 「◯◯の件ではありがとうございました。よいお年をお迎えください」
あとで送るメール
件名:年末のご挨拶(株式会社◯◯ ◯◯)
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社◯◯の◯◯です。
本日、年末のご挨拶に伺いましたが、ご不在とのことでしたので、受付の方に名刺とささやかな品をお預けいたしました。
本年は大変お世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
ご返信には及びません。
訪問後のお礼
年末の挨拶回りのあとのお礼は必須ではありませんが、時間を取ってもらった相手には、当日か翌日に短いメールを送ると印象が残ります。
件名:本日のお礼(株式会社◯◯ ◯◯)
◯◯様
本日はお忙しいところ、お時間をいただきありがとうございました。
直接ご挨拶ができ、うれしく存じます。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。よいお年をお迎えください。
ご返信には及びません。
注意
訪問のお礼メールの書き方は訪問のお礼メールにあります。
挨拶回りをしない場合
遠方の相手や、訪問を控えたい場合は、年末の挨拶メールか電話で代えられます(年末の挨拶メール)。電話なら「本来は伺うところ、お電話で失礼いたします」と一言添えます。年明けに回る場合は年始の挨拶回りを参照してください。
よくある失敗
| 失敗 | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 相手の最終日に行く | 片付けや社内の挨拶で忙しく、迷惑になる | 仕事納めより前の日程で組む |
| アポなしで行く | 相手が会議や外出中で会えない、予定を崩させる | メールか電話で候補日を出す |
| 長居する・商談を始める | 挨拶のつもりが相手の時間を奪う | 伝えた時間内でこちらから切り上げる |
| 全員に同じ定型の挨拶 | 印象に残らない | 今年の出来事を一つ入れる |
| コートを着たまま受付へ | 身だしなみへの配慮が足りないと受け取られる | 建物に入る前に脱ぐ |
| 相手の受け取り方針を確かめずに品物を渡す | 相手が受け取れず困る | 迷う相手には事前に確認する |
| 不在のまま連絡しない | 伺ったことが伝わらない | 名刺に一言書き、後でメールを送る |
この記事の要点
- 年末の挨拶回りは一年のお礼と来年のお願いを伝える短い訪問。
- 相手の仕事納めより前に、繁忙期を避けて。官公庁は御用納めより前に。
- アポのメールや電話では所要時間を伝え、訪問以外の挨拶も選べるようにする。
- 挨拶には今年あったことを一つ入れ、伝えた時間内でこちらから失礼する。
- 不在なら名刺に一言書いて預け、後でメールを送る。
FAQ
よくある質問
決まった時期はありません。相手の仕事納めより前に、年末の締めなどの繁忙期を避けて回るのが無難です。官公庁の場合は御用納め(2026年は12月28日)より前にします。社内で例年の時期が決まっていれば、それに合わせてください。
「今年一年、大変お世話になりました。来年も変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。どうぞよいお年をお迎えください」が基本です。今年あったことを一つ具体的に添えると、定型の挨拶になりません。
相手の時間を取らせるので、アポを取るのが基本です。近くまで行く用事があり短く顔を出すだけの場合でも、事前に連絡しておくと相手が困りません。
必須ではありません。持っていく場合は、職場で分けやすい個包装の菓子や、自社のカレンダーなどが向いています。相手の会社が贈答品の受け取りを控えていることもあるので、迷う場合は担当者に確かめてください。
両方行う必要はありません。主要な相手には訪問、回りきれない相手にはメールと、相手ごとに一つの手段を選べば足ります。訪問の予定がある相手には、メールではなくアポの連絡を送ります。
使い始めに間に合うよう、年末の挨拶回りで渡すか、年内に届くように郵送します。年明けの訪問で渡す場合は、早い時期に渡します。
コートは建物に入る前に脱いでたたみ、腕に掛けます。応接室では荷物を足元に置き、コートは手元か脇に置きます。建物を出てから着直します。