年始
年始の挨拶の粗品・手土産(ビジネス)
選び方・のしの書き方・渡し方の例文
結論:年始の挨拶回りの粗品は「自社名入りの実用品(タオル・カレンダー・ボールペンなどの文具)」、手土産なら「部署で分けやすい個包装の菓子折り」を選べば外しません。のしは紅白の蝶結びに表書き「御年賀」、下に会社名。渡すのは挨拶の言葉を言い終えてからで、紙袋から出し、相手に正面を向けて「心ばかりの品ですが」と添えます。取引先からの贈答を受け取らない規程の会社や、公務員の方には持参しません。このページには、品物の比較表、表書きの使い分け表、場面別の例文(担当者・受付・上司同行・郵送・辞退されたとき・お礼)、準備のチェックリストとよくある失敗をまとめました。挨拶回りの時期・アポの取り方・挨拶の言葉は年始の挨拶回りにあります。
結論
年始の挨拶の品は手土産(菓子折りなど、その場で分けてもらうもの)と粗品(自社名入りのタオル・カレンダー・文具など、配る品)のどちらかを選ぶのが基本で、どちらも持参しない会社もあります。のし紙は表書き「御年賀」、名入れは会社名(または会社名と代表者名)で、持参して手渡すなら包装の外にかける外のしにすると目的がひと目で伝わります。
早見表:状況別に何を渡すか
| 状況 | 渡すもの | 表書き |
|---|---|---|
| 多くの取引先を回る(営業の挨拶回り) | 名入れの実用品(タオル・カレンダー・文具) | 御年賀(または粗品) |
| 特にお世話になった部署を訪ねる | 個包装の菓子折り | 御年賀 |
| 役員・目上の方を訪ねる | お茶・菓子折りなど名入れでない品 | 御年賀 |
| 年末にカレンダーを渡し済み | 品物なし、または菓子折りだけ | 御年賀 |
| 松の内を過ぎてから伺う | 上と同じ品 | 寒中御見舞 |
| 相手が喪中 | 品物を控える、または表書きを変える | 下の「のし」の項目を参照 |
| 贈答を受け取らない規程の会社・公務員 | 持参しない(挨拶だけ) | ― |
品物ごとの向き不向き
| 品物 | 向いている相手 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 個包装の菓子折り | 部署・チームで受け取ってもらう相手 | 相手の人数より多めに入っているもの、日持ちして冷蔵の要らないものにする |
| 名入れタオル | 多くの取引先に同じ品を配りたいとき | 名入れは業者に早めに頼む。仕上がりまでの日数は業者に確かめる |
| 名入れカレンダー | 毎年カレンダーを使ってくれている相手 | 年明けには新しいものを掛け終えていることがある。年末に渡す会社もある |
| 名入れ文具(ボールペン・ふせん・メモ帳) | 担当者個人、配る数が多いとき | かさばらず持ち運びやすい。書き味など品質の低いものは逆効果になりやすい |
| 名入れ手帳 | 個人で使ってもらいたい担当者 | 相手が自分の手帳を使い始めていることもある |
| エコバッグ・日用品 | 店舗・現場の多い取引先 | 社名の入れ方が目立ちすぎると使ってもらいにくい |
| お茶・干支柄の品 | 少人数の相手、目上の相手 | 好みが分かれにくいものにする |
| 品物なし | 贈答を受け取らない規程がある会社、挨拶を手短に済ませたい相手 | 手ぶらでも失礼にはならない。挨拶の言葉を丁寧にする |
名入れの品は、相手が使うたびに社名が目に入るのが利点です。一方、目上の方や特別な相手には、社名の入っていない菓子折りやお茶のほうが「宣伝」に見えにくくなります。年末の挨拶回りで渡す品は年末の挨拶回り、手土産の選び方の一般的な考え方はビジネスの手土産にあります。
年末に渡すか、年始に渡すか
| 年末の挨拶回り | 年始の挨拶回り | |
|---|---|---|
| 意味 | 一年のお礼 | 新年の挨拶と、今年もよろしくというお願い |
| 表書き | 御歳暮(品物を贈る場合)/粗品 | 御年賀/粗品 |
| 向く品 | 翌年のカレンダー・手帳(年が明ける前に使い始められる) | 菓子折り・タオル・文具 |
どちらか一方にする会社も、両方伺う会社もあります。両方伺う場合は、年末にカレンダー、年始は挨拶だけ、のように品が重ならないようにすると相手の負担が減ります。
選ぶ前のチェックリスト
- 相手の職場で分けやすいか(個包装・人数分以上)
- 日持ちするか、冷蔵が要らないか
- 訪問先を何社も回るとき、持ち運べる大きさと重さか
- 相手の会社に贈答を受け取らない規程がないか(分からなければ担当者に確認するか、持参しない)
- 相手が公務員ではないか(下の注意を参照)
- 相手が気を遣うほど高価になっていないか
- 食べ物なら、アレルギーや食の制限がある人でも困らないか(原材料の表示がある品にする)
- 名入れの品なら、社名の入れ方が控えめで普段使いしやすいか
- 相手が喪中でないか
- 同じ相手に年末と同じ品を重ねていないか
Point
公務員の方には持参しない。国家公務員倫理規程第3条第1項第1号は、職員が利害関係者から金銭・物品の贈与を受けることを禁じています。役所への年始の挨拶は、品物を持たず言葉だけにしてください。地方自治体の職員への対応は、その自治体に確認してください。
注意
店頭やイベントで一般のお客様に配るノベルティは、取引に付随して提供すると景品表示法の「景品類」に当たる場合があります(顧客を誘引する手段として・取引に付随して・経済上の利益、の3つ)。取引先への年始の挨拶の品がこれに当たるかはここでは断定しません。来店者に配る場合の考え方はイベントの景品と景品表示法にあります。
数と準備の段取り
- 01
訪問先のリストを作る
会社名・部署・担当者・訪問予定日を一覧にします。同じ会社の別部署を回る場合は、部署ごとに渡すか、代表の部署にまとめて渡すかを決めておきます。
- 02
数を決める
訪問先の数に、急に訪問先が増えたとき・袋や包装が汚れたときの予備を足します。
- 03
名入れ・のし紙を頼む
名入れの品は業者に、のし紙は購入する店に頼むか、自社で印刷します。仕上がりの日は業者・店に確かめます。
- 04
持ち運びの袋を用意する
一社ずつ紙袋に入れ、相手の会社名を付箋で貼っておくと、取り違えを防げます。
- 05
渡した記録を残す
誰に何を渡したかを訪問先のリストに書いておくと、翌年の準備と、お礼をいただいたときの返信に使えます。
のしの書き方と表書きの使い分け
| 表書き | 使う場面 | 補足 |
|---|---|---|
| 御年賀 | 松の内に新年の挨拶として渡す | もっとも一般的。「御年始」と書く場合もある |
| 粗品 | 名入れの品を多くの取引先に配る | へりくだった表書き。年始に限らず使える |
| 御挨拶 | 新任の担当者・初めての取引先への挨拶を兼ねる | 時期を問わず使える |
| 寒中御見舞 | 松の内を過ぎてから渡す | 松の内の期間は地域によって違うとされる |
| 項目 | 書き方 | 補足 |
|---|---|---|
| 水引 | 紅白の蝶結び | 何度あってもよいお祝いに使う結び方とされる |
| 名入れ・会社名のみ | 株式会社△△ | 会社として渡す場合のもっとも簡潔な形 |
| 名入れ・会社名と氏名 | 右に小さく会社名、中央に氏名 | 役員・担当者が個人として挨拶する場合 |
| 名入れ・部署から | 株式会社△△ 営業部一同 | 部署としてお世話になっている相手に |
| のしのかけ方 | 外のし(包装の外にかける) | 持参して手渡すとき。配送する場合は内のし(包装の内側にかける)にすることもある |
社名は「株式会社」を略さずに書きます。のし紙はのし紙作成ツールで表書きと名入れを入れて印刷できます。御年賀ののしをさらに詳しく知りたい場合は御年賀ののしを参照してください。
Point
松の内を過ぎてから渡す場合は、表書きを「寒中御見舞」に変えるとされます。相手の地域の慣習が分からないときは、のし紙を頼む店に相談してください。時期を過ぎた挨拶状の書き方は寒中見舞いの文例(ビジネス)にあります。
注意
相手が喪中の場合は、お祝いを表す「御年賀」の表書きや紅白の水引を避け、表書きを変えるか、品物を渡さず挨拶だけにする考え方があります。喪中の相手への対応は喪中の相手への年始の挨拶(ビジネス)を参照してください。
場面別の渡し方と添える言葉(例文)
基本の渡し方
- 01挨拶の言葉を先に言う(品物はまだ紙袋の中)
- 02挨拶が済んだら紙袋から出す。紙袋は畳んで持ち帰る
- 03のしの正面を相手に向け、両手で渡しながら一言添える
- 04応接室なら、本題や雑談に入る前に渡し終える
担当者に会えたとき(菓子折り)
あけましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
心ばかりの品ですが、皆様で召し上がってください。
名入れの品(タオル・カレンダー・文具)を渡すとき
弊社の名前が入ったもので恐縮ですが、よろしければお使いください。
毎年お使いいただいていると伺いましたので、今年もお持ちしました。
部署の大勢に向けて渡すとき
皆様で召し上がっていただけるよう、個包装のものをお持ちしました。どうぞお納めください。
新任の担当者・初めての取引先に渡すとき
本年より担当させていただきます、株式会社△△の□□と申します。
ご挨拶のしるしに、心ばかりの品をお持ちしました。どうぞよろしくお願いいたします。
受付で預けるとき(担当者が不在・会えないとき)
株式会社△△の□□と申します。新年のご挨拶に伺いました。
◯◯部の◯◯様にお渡しいただきたいのですが、お願いできますでしょうか。
こちらに名刺を添えておきます。
注意
品物には名刺を添えて、誰からのものか分かるようにします。名刺の余白に「新年のご挨拶に伺いました」と一言書いておくと、担当者に伝わりやすくなります。
上司と一緒に伺ったとき
(上司が挨拶を終えたあとで、部下が品物を上司に渡し、上司から相手へ)
ささやかですが、新年のご挨拶のしるしです。皆様でお召し上がりください。
上司と同行する場合は、品物は部下が持ち、渡すのは上司にすると流れがきれいです。誰が渡すかは、訪問の前に上司と打ち合わせておきます。
相手に辞退されたとき
承知いたしました。ご事情を存じ上げず、失礼いたしました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
規程を理由に断られたら、重ねて勧めずに持ち帰ります。訪問先のリストに「贈答不可」と書いておき、翌年から持参しないようにします。
訪問のあとに送るメール(担当者が不在だったとき)
件名:新年のご挨拶(株式会社△△)
株式会社◯◯
◯◯様
あけましておめでとうございます。株式会社△△の□□です。
本日、新年のご挨拶に伺いましたが、ご不在とのことでしたので、受付の方に心ばかりの品をお預けいたしました。
旧年中のご厚情に心よりお礼申し上げます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
伺えず、品物を送るときの添え状
新春の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
旧年中は格別のお引き立てを賜り、厚くお礼申し上げます。
本来であれば直接ご挨拶に伺うべきところ、書面にて失礼いたします。
心ばかりの品を別便にてお送りいたしましたので、ご笑納いただければ幸いです。
本年も変わらぬご愛顧を賜りますよう、お願い申し上げます。
「ご笑納」の使い方はご笑納くださいにまとめています。
よくある失敗
| 失敗 | どうすればよいか |
|---|---|
| 玄関先で挨拶より先に品物を差し出す | 挨拶を言い終えてから紙袋から出す |
| 紙袋ごと渡してしまう | 紙袋から出して渡し、袋は持ち帰る(相手が持ち運びにくそうなら「袋はお使いになりますか」と聞く) |
| 訪問先で品物を取り違える | 紙袋に相手の会社名の付箋を貼っておく |
| 受付に預けたが誰からか伝わらない | 名刺を添え、あとでメールで知らせる |
| 松の内を過ぎたのに「御年賀」のまま | 表書きを「寒中御見舞」に変える |
| 贈答を断る会社や公務員に持参する | 訪問先のリストに規程の有無を書き、事前に確かめる |
| 名入れの社名が大きく、使ってもらえない | 社名は控えめな位置・大きさにする |
品物を受け取った側のお礼
件名:新年のご挨拶とお品物のお礼
株式会社△△
□□様
あけましておめでとうございます。株式会社◯◯の◯◯です。
本日はご多忙のところ、新年のご挨拶にお越しいただき、ありがとうございました。
また、結構なお品物をいただき、恐縮しております。部署の皆でありがたく頂戴いたします。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
受け取った側は、その日のうちにメールで一言お礼を送ると丁寧です。新年の挨拶メールの書き方と返信は新年の挨拶メール 例文にまとめています。
この記事の要点
- 粗品なら名入れの実用品(タオル・カレンダー・文具)、手土産なら個包装の菓子折り。持参しない会社もある。
- 贈答を受け取らない規程の会社・公務員には持参しない。
- のしは紅白の蝶結び・表書き「御年賀」・会社名。手渡しなら外のし。
- 松の内を過ぎたら「寒中御見舞」。期間は地域で違うとされるので店に相談する。
- 渡すときは挨拶のあとに紙袋から出して、一言添える。不在なら名刺を添えて預け、メールで知らせる。
FAQ
よくある質問
多くの取引先を回るなら、自社名を入れたタオル・カレンダー・ボールペンなどの実用品が向いています。特にお世話になった部署には個包装の菓子折り、目上の方には名入れでないお茶や菓子折りが無難です。
必須ではありません。挨拶の言葉だけで伺う会社もあり、手ぶらでも失礼にはなりません。相手の会社に贈答を受け取らない規程がある場合や、相手が公務員の場合は持参しません。
どちらか一方にする会社も、両方伺う会社もあります。カレンダーや手帳は使い始める前の年末のほうが喜ばれやすく、年始は菓子折りやタオルにすると品が重なりません。
取引先に配る挨拶の品として名入れの実用品はよく使われます。社名は控えめな位置と大きさにすると普段使いしてもらいやすくなります。役員など目上の方には、名入れでない品を選ぶと宣伝に見えにくくなります。
紅白の蝶結びの水引に、上段の表書きは「御年賀」、下段に会社名を書きます。名入れの品を多くの取引先に配るなら表書きを「粗品」にしても構いません。持参して手渡すときは外のしにすると、目的がひと目で伝わります。
挨拶の言葉を言い終えてから、紙袋から出して渡します。応接室に通された場合も、本題や雑談に入る前に渡し終えます。受付で済ませる場合は、名刺を添えて担当者に渡してもらうよう頼みます。
「御年賀」ではなく「寒中御見舞」にするとされます。松の内の期間は地域によって違うとされるため、相手の地域の慣習が分からないときは、のし紙を頼む店に相談してください。
持参しないでください。国家公務員倫理規程は、職員が利害関係者から物品の贈与を受けることを禁じています。地方自治体の職員については、その自治体の規程を確認してください。
受付の人に名刺を添えて品物を預け、担当者に渡してもらうよう頼みます。訪問のあとに担当者へ、伺ったことと品物を預けたことをメールで知らせておくと丁寧です。