敬語
「ご検討ください」の意味と使い方
目上への言い換えとメール例文
結論から言うと、「ご検討ください」は「この内容をよく考えて、判断してください」という意味の丁寧な依頼です。敬語として誤りはなく目上にも使えますが、「ください」は指示の形なので、取引先・お客様・上司にはお願いの形に変えるとやわらかくなります。迷ったら、下の表の一文をそのまま使えば足ります。
結論
「検討」は内容をいろいろな面から調べ、よいかどうかを考えることです。相手の行為に「ご」を付け、依頼の「ください」を続けた「ご検討ください」は、こちらの案を考えて判断してもらうことを丁寧に頼む言い方です。ただ見てもらうだけなら「ご確認」、受け取ってもらうなら「ご査収」で、判断を求めるときだけ「ご検討」を使います。
すぐ使える一文(結論)
| 相手・場面 | そのまま使える一文 |
|---|---|
| 取引先・お客様(標準) | ご検討のほど、よろしくお願いいたします。 |
| 断られてもよいお願い・初めての相手 | ご検討いただけますと幸いです。 |
| 正式な依頼状・役員あて | ご検討くださいますようお願い申し上げます。 |
| 自分が考える側 | 社内で検討のうえ、◯月◯日までにお返事いたします。 |
Point
「何を」「いつまでに」判断してほしいかを一緒に書くと、どの言い方を選んでも相手が動きやすくなります。
「ご検討ください」の意味と、目上に使うときの注意
「ご検討ください」は、尊敬の「ご〜ください」の形で、相手が検討するという動作を立てながら頼む言い方です。言葉そのものに失礼な点はありません。
気をつけたいのは「〜ください」が依頼の中でも指示に近い、はっきりした形である点です。社内や付き合いの長い相手なら問題なく通じますが、初めての相手やこちらからお願いする立場の場面では、「〜のほど、よろしくお願いいたします」「〜いただけますと幸いです」のように、お願いや問いかけの形にするのが無難です。
| 相手 | 「ご検討ください」をそのまま使うか | おすすめの形 |
|---|---|---|
| 社内の同僚・後輩 | 使える | ご検討ください/検討をお願いします |
| 直属の上司 | 使える(お願いの形がより丁寧) | ご検討いただけますでしょうか |
| 付き合いの長い取引先 | 使える | ご検討のほど、よろしくお願いいたします |
| 初めての取引先・お客様 | お願いの形に変える | ご検討いただけますと幸いです |
| 役員・正式な文書 | 改まった形に変える | ご検討くださいますようお願い申し上げます |
目上に使える言い換え(丁寧さの段階つき)
| 言い方 | 丁寧さ | 使いやすい場面 |
|---|---|---|
| ご検討を賜りますようお願い申し上げます | 最も改まった言い方 | 役員・大切なお客様・依頼状 |
| ご検討くださいますようお願い申し上げます | 最も改まった言い方 | 正式な提案書・依頼状 |
| ご検討いただきたく存じます | 改まった言い方(はっきり) | 判断をしっかり求めたい依頼 |
| ご検討いただければと存じます | 改まった言い方(控えめ) | 相手の判断にゆだねたい依頼 |
| ご検討のほど、よろしくお願いいたします | 改まった言い方 | 取引先・お客様への提案・見積 |
| ご検討いただけますでしょうか | 改まった言い方(問いかけ) | 上司・取引先へのお願い |
| ご検討いただけますと幸いです | 改まった言い方(やわらかい) | 断られる余地を残したいお願い |
| ご一考いただけますと幸いです | 改まった言い方(軽め) | 一度考えてみてほしい程度のお願い |
「ご一考」は一度考えてみることで、「ご検討」よりも軽い頼み方です。見積や契約など判断に時間がかかる内容には「ご検討」、意見やアイデアを一度考えてほしい程度なら「ご一考」が合います(「ご一考ください」の使い方)。「存じます」の意味は「存じます」の意味と使い方、「幸いです」は「幸いです」の意味と使い方にまとめています。
「ご検討のほど」「くださいますよう」「いただきますよう」「幸いです」の違い
| 形 | 働き | ニュアンス | 例 |
|---|---|---|---|
| ご検討のほど | 「ほど」で言い切りを避ける | 控えめなお願い。メールの結びで最もよく使う | ご検討のほど、よろしくお願いいたします。 |
| ご検討くださいますよう | 相手の動作を尊敬語で立てる | 改まった文書向き。「お願い申し上げます」と組む | ご検討くださいますようお願い申し上げます。 |
| ご検討いただきますよう | 自分が「いただく」側としてへりくだる | 改まった文書向き。意味は上とほぼ同じ | ご検討いただきますようお願い申し上げます。 |
| ご検討いただけますと幸いです | 「そうしてもらえるとうれしい」と希望を伝える | 強制感が最も弱い。断られる余地を残せる | ご検討いただけますと幸いです。 |
| ご検討いただけますでしょうか | 問いかけの形で頼む | 相手に返事を求める。社内の上司にも使いやすい | 再度ご検討いただけますでしょうか。 |
結びの「お願いいたします」と「お願い申し上げます」は、どちらも目上に使えます。「申し上げます」のほうが改まるので、依頼状や初めての相手への正式なお願いに向きます。普段のメールなら「よろしくお願いいたします」で十分です。
前置きに添えるクッション言葉
「ご検討」の前にひとこと添えると、お願いの印象がやわらぎます。相手の手間がかかるほど、前置きを入れると覚えておくと選びやすくなります。
| 前置き | 合う場面 | 組み合わせた一文 |
|---|---|---|
| お忙しいところ恐縮ですが | 相手の時間をもらうお願い全般 | お忙しいところ恐縮ですが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。 |
| 恐れ入りますが | 期限や条件を添えるとき | 恐れ入りますが、◯月◯日までにご検討いただけますと幸いです。 |
| お手数をおかけしますが | 資料を読み込んでもらうとき | お手数をおかけしますが、添付の資料をご検討いただけますでしょうか。 |
| ご無理を申し上げますが | 値引きや納期の前倒しなど相手に負担があるお願い | ご無理を申し上げますが、再度ご検討いただけますと幸いです。 |
| 急なお願いで申し訳ございませんが | 期限が近いお願い | 急なお願いで申し訳ございませんが、今週中にご検討いただけますでしょうか。 |
注意
前置きの使い分けは「お忙しいところ恐縮ですが」の使い方、「恐縮ですが」と「恐れ入りますが」の違い、「お手数をおかけしますが」の使い方を見てください。
使える場面・使わないほうがよい場面
| 場面 | 「ご検討」 | 代わりに使う言葉 |
|---|---|---|
| 企画・提案を送る | 使える | ― |
| 見積書を提出する | 使える | ― |
| 面談・打ち合わせの日程候補を出す | 使える(候補を選んでもらう) | ご都合をお聞かせください |
| 協賛・出展などの参加を打診する | 使える(お願いの形が無難) | ご検討いただけますと幸いです |
| 価格や条件の見直しをお願いする | 使える(理由を添える) | ― |
| 上司に稟議や購入を上げる | 使える | ご検討いただけますでしょうか |
| 書類の中身を確かめてほしいだけ | 合わない | ご確認ください |
| 送ったものを受け取ってほしい | 合わない | ご査収ください |
| すでに決まったことを知らせる | 合わない | ご承知おきください |
| 自分が考えると伝える | 「ご」を付けない | 検討いたします |
注意
確認のお願いの言い方は「ご確認のほどよろしくお願いいたします」の使い方にまとめています。
そのまま使える一文テンプレート
依頼の結びに
- 添付の企画書をご覧いただき、ご検討のほどよろしくお願いいたします。
- 下記の2案のうち、どちらがよいかご検討いただけますと幸いです。
- ご予算の範囲に合わせた案もご用意できますので、あわせてご検討ください。
- ご判断に追加の資料が必要でしたら、追ってお送りいたします。
期限を添えるとき
- 恐れ入りますが、◯月◯日(◯)までにご検討いただけますでしょうか。
- 会場の仮押さえが◯月◯日までのため、それまでにご意向をお聞かせいただけますと幸いです。
- お急ぎではございませんので、ご都合のよいときにご検討いただければと存じます。
再検討をお願いするとき
- 条件を一部見直しましたので、改めてご検討いただけますと幸いです。
- ご無理を申し上げますが、再度ご検討いただけますでしょうか。
検討の状況をうかがうとき
- その後のご検討の状況はいかがでしょうか。
- ご検討にあたって不足している資料がございましたら、お申し付けください。
電話・対面で言うとき
- 「本日お持ちした案を、ぜひご検討いただけますと幸いです。」
- 「お返事はいつごろいただけそうでしょうか。」
- 「ご不明な点があれば、いつでもご連絡ください。」
場面別のメール例文
企画を提案する(取引先)
件名:◯◯イベントの企画のご提案
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
先日お打ち合わせでうかがった課題をもとに、◯◯イベントの企画案をまとめました。
企画書を添付いたしましたので、ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
恐れ入りますが、◯月◯日(◯)ごろまでにご意向をお聞かせいただけますと、会場の仮押さえを進めることができます。
見積書を送る
件名:◯◯のお見積書の送付
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
ご依頼いただいた◯◯のお見積書をお送りいたします。
前回のお打ち合わせでご相談した内容から、◯◯の項目を追加しております。
ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
打ち合わせの日程候補を出す
件名:◯◯のお打ち合わせ日程のご相談
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
◯◯の件で、一度お打ち合わせのお時間をいただきたく、ご連絡いたしました。
下記の日程でご都合のよい日時はございますでしょうか。
・◯月◯日(◯)14時〜16時
・◯月◯日(◯)10時〜12時
・◯月◯日(◯)終日
いずれも難しい場合は、ご都合のよい日時をお聞かせいただけますでしょうか。
オンラインでのお打ち合わせも可能ですので、あわせてご検討いただけますと幸いです。
初めての相手に面談をお願いする(新規の営業)
件名:◯◯のご紹介と、面談のお願い
株式会社◯◯
◯◯ご担当者様
突然のご連絡失礼いたします。株式会社△△の□□と申します。
当社は、展示会や社内イベントの運営をお手伝いしております。
御社の◯◯の取り組みを拝見し、運営の負担を減らすお手伝いができるのではと考え、ご連絡いたしました。
30分ほどオンラインでご説明の機会をいただけないでしょうか。
ご都合がよろしければ、候補の日時をいくつかお聞かせください。
お忙しいところ恐縮ですが、ご検討いただけますと幸いです。
協賛・出展を打診する
件名:◯◯へのご協賛のお願い
◯◯株式会社
◯◯ご担当者様
突然のご連絡失礼いたします。◯◯実行委員会の□□と申します。
◯月◯日(◯)に開催する◯◯について、ご協賛のお願いでご連絡いたしました。
協賛の内容と特典を資料にまとめましたので、ご検討いただけますと幸いです。
ご関心をお持ちいただけましたら、詳しいご説明に伺います。
価格の見直しをお願いする
件名:◯◯のお見積もりについてのご相談
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
先日はお見積書をお送りいただき、ありがとうございました。
社内で検討したところ、今回は予算の範囲に収まらない状況です。
ご無理を申し上げますが、◯◯の仕様を簡略にした場合の金額について、再度ご検討いただけますでしょうか。
上司に購入の判断をお願いする(社内)
件名:◯◯の導入についてのご相談
◯◯部長
お疲れさまです。□□です。
受付業務の負担を減らすため、◯◯の導入を考えております。
費用と効果の見込みを資料にまとめましたので、ご検討いただけますでしょうか。
◯月◯日(◯)の会議までにご判断をいただけますと、来月からの運用に間に合います。
提案のあと、検討の状況をうかがう
件名:Re:◯◯イベントの企画のご提案
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
先日お送りした企画案について、その後のご検討の状況はいかがでしょうか。
ご不明な点や、変えたほうがよい点がございましたら、修正案をお持ちいたします。
お忙しいところ恐縮ですが、ご意向をお聞かせいただけますと幸いです。
注意
返事が来ないときの問い合わせ方は催促メールの例文、アポイントのメール全体はアポイントメールの例文、提案書の組み立てはイベントの企画書・提案書、協賛のお願いは協賛依頼文の書き方を見てください。
よくある間違い・気をつけたい言い方
| 書きがちな言い方 | 気になる点 | 直し方 |
|---|---|---|
| 社内でご検討させていただきます | 自分の動作に「ご」を付けたうえ「させていただく」も重なり、くどく聞こえる | 社内で検討いたします |
| ご検討してください | 「ご〜する」は自分の動作をへりくだる形なので、相手への依頼としては不自然 | ご検討ください/ご検討いただけますでしょうか |
| ご検討されましたか | 「ご〜される」は尊敬語の形として本来適切ではないとされる(文化審議会「敬語の指針」) | ご検討なさいましたか/ご検討いただけましたでしょうか |
| 前向きにご検討ください | 相手の判断の向きまで指定しているように聞こえ、押しつけがましいと受け取る人もいる | ご検討いただけますと幸いです |
| 期限も書かずに「ご検討ください」だけ | 相手がいつまでに判断すればよいか分からない | ◯月◯日ごろまでにご意向をお聞かせいただけますと幸いです |
| 一通のメールで「ご検討」を何度も | くどくなる | お願いの箇所で一度だけ |
「ご検討の程」と漢字で書いても誤りではありませんが、「ほど」はひらがなで書くことが多い言葉です。社内の表記のルールがあれば、それに合わせます。「させていただく」の使いどころは「させていただく」の使い方にまとめています。
送る前のチェックリスト
- 判断してほしい内容か(見てほしいだけなら「ご確認」)
- 相手に合った丁寧さか(社外・初めての相手は「ご検討ください」をお願いの形に)
- 何を検討してほしいのか、資料や案の名前を書いたか
- いつまでに返事がほしいか、その理由を添えたか
- 相手に負担があるお願いなら、前置きの言葉を入れたか
- 「ご検討」を一通で何度も使っていないか
- 自分の動作に「ご検討」と書いていないか
「ご検討ください」と言われたときの返事
検討を頼まれたら、まず受け取ったことと、いつごろ返事ができるかを伝えます。すぐに結論が出ないときほど、返事の目安を書いておくと相手が安心します。
受け取ったことを伝える
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
企画書をお送りいただき、ありがとうございます。
社内で検討のうえ、◯月◯日(◯)までにお返事いたします。
確認したい点が出てきましたら、改めてご相談させてください。
前向きな返事をする
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
ご提案いただいた企画案について、社内で検討いたしました。
ぜひ進めさせていただきたく、詳しい日程と体制についてご相談できますでしょうか。
お打ち合わせの候補日をいくつかお知らせいただけますと幸いです。
お断りする
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
先日はご丁寧なご提案をいただき、ありがとうございました。
社内で検討いたしましたが、今期は予算の都合により、見送ることとなりました。
せっかくご提案いただいたのに申し訳ございません。また機会がございましたら、どうぞよろしくお願いいたします。
お断りは検討したことへのお礼、結論、理由をひとことの順で書きます。見積のお断りは相見積もりのお断りメールにも例文があります。
英語で伝えるとき
| 日本語 | 英語の言い方の例 |
|---|---|
| ご検討ください | Please consider our proposal. |
| ご検討いただけますと幸いです | We would appreciate it if you could consider our proposal. |
| ◯日までにご検討いただけますでしょうか | Could you let us know your decision by [date]? |
| 検討いたします | We will review it and get back to you. |
この記事の要点
- 「ご検討ください」は内容を考えて判断してほしいと頼む丁寧な言い方。敬語として誤りはない。
- 目上・社外には「ご検討のほど、よろしくお願いいたします」「ご検討いただけますと幸いです」がやわらかい。
- 正式な文書は「ご検討くださいますようお願い申し上げます」。
- 自分が考えるときは「検討いたします」。「ご検討させていただきます」「ご検討される」は避ける。
- 中身を見てほしいだけなら「ご確認」。何を・いつまでにを添える。
FAQ
よくある質問
敬語として誤りはなく、目上の人にも使えます。ただ「ください」は指示の形なので、押しが強く聞こえることもあります。取引先やお客様には「ご検討のほど、よろしくお願いいたします」「ご検討いただけますと幸いです」とするとやわらかくなります。
言い切りを避けて表現をやわらげる働きをする言葉です。「ご検討のほど、よろしくお願いいたします」とすると、控えめなお願いになります。
どちらも使えます。「くださいますよう」は相手の動作を立てる言い方、「いただきますよう」は自分がしてもらう側としてへりくだる言い方で、伝わる意味はほぼ同じです。
「ご」を付けず「検討いたします」「社内で検討のうえ、お返事いたします」と言います。
「ご検討」は内容をいろいろな面から調べて判断してもらうこと、「ご一考」は一度考えてみてもらうことで、「ご一考」のほうが軽い頼み方です。見積や契約には「ご検討」が合います。
判断を求めるときは「ご検討」、内容に間違いがないかを見てほしいときは「ご確認」です。提案や見積には「ご検討」、日程や書類の中身のチェックには「ご確認」を使います。
誤りではありませんが、相手の判断の向きを指定しているように受け取る人もいます。お願いする立場なら「ご検討いただけますと幸いです」とし、熱意は提案の中身や理由で伝えるほうが無難です。