メール
長いメールを短くするコツ
要点の先出しと箇条書きの書き方
長いメールを短くする基本は、①最初の数行に「用件」と「相手にしてほしいこと」を書く ②並ぶ情報は箇条書きにする ③経緯や事情は必要な分だけ後ろに回すの三つです。削るのは敬語や挨拶ではなく、前置き・同じ内容の繰り返し・相手がすでに知っている話です。
書き直しの見本を一つ挙げます。
(長い例)「先日の打ち合わせでは貴重なお時間をいただきありがとうございました。その際にお話しした件について、社内で検討を重ねた結果、いくつか確認させていただきたい点が出てまいりまして、お手数ですがご確認いただけないかと思いご連絡いたしました。……」
(短くした例)「先日はありがとうございました。◯◯の件で、確認したいことが二点ございます。◯日までにご回答いただけますと幸いです。
1. ◯◯の数量
2. 納品先の住所」
このページでは、短くするルールの一覧、悪い例と良い例の対比、場面別に書き直した例文を並べます。依頼メール全体の組み立て方は依頼メールの書き方と例文を見てください。
結論
ここでいう「短いメール」は、文字数が少ないメールではなく、相手が最初の数行で用件と次の動きをつかめるメールです。必要な情報(日時・金額・条件・期限)は削らずに、並べ方を変えて読みやすくします。どこまで簡潔にするかは、相手との関係や社内の慣習に合わせてください。
短くするルールの一覧
| ルール | やること | 例 |
|---|---|---|
| 用件を先に | 最初の数行に「何の件か」「何をしてほしいか」を書く | ◯◯の件で、ご確認をお願いしたく連絡いたしました。 |
| お願いは一度だけ | 「お願いいたします」「ご確認ください」を何度も重ねない | 依頼文は一文にまとめ、結びで一度だけお願いする |
| 並ぶ情報は箇条書き | 日時・場所・数量・確認したい点など、並べられるものは行を分ける | 1. 数量 2. 納期 3. 納品先 |
| 一文を短く | 「〜ですが、〜ので、〜して」とつなげず、文を切る | 「確認しました。◯◯は対応できます。」 |
| 経緯は後ろへ | 理由や事情は、用件のあとに必要な分だけ書く | 「経緯:◯◯のため、数量が変わりました。」 |
| 前置きを削る | 「〜についてご連絡させていただきたく」などの前置きを短くする | 「◯◯の件でご連絡いたします。」 |
| 話題は一通に一つ | 別の用件は別のメールにするか、見出しで分ける | 「【1】◯◯の件」「【2】◯◯の件」 |
| 資料に任せる | 細かい表や長い説明は添付や共有資料にして、本文には要点だけ書く | 「詳細は添付の資料をご覧ください。」 |
注意
挨拶(「お世話になっております」)と結び(「よろしくお願いいたします」)は、短くするために削らなくて構いません。決まった形の一文なので、相手の読む負担はあまり増えません。
悪い例・良い例の対比
用件が最後に出てくるメール
(悪い例)
先日はお忙しいところ、お打ち合わせのお時間をいただき誠にありがとうございました。その際にご説明いただいた内容をもとに、社内で検討を進めておりましたところ、いくつか確認が必要な点が出てまいりました。つきましては、大変お手数ではございますが、◯◯の数量と納品先のご住所について、ご確認いただくことは可能でしょうか。お忙しいところ恐縮ですが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
(良い例)
先日はお打ち合わせのお時間をいただき、ありがとうございました。
◯◯の件で、二点ご確認をお願いいたします。◯月◯日(◯)までにご回答いただけますと幸いです。
1. ◯◯の数量
2. 納品先のご住所
お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
良い例では、何の件か・何をしてほしいか・いつまでかが最初の二行で分かります。確認したい点を番号付きの箇条書きにすると、相手も「1は◯◯、2は◯◯」と番号で返信できます。
経緯の説明が長すぎるメール
(悪い例)
◯◯の件ですが、当初は◯月の予定で進めておりましたところ、先方の都合で一度延期になり、その後再調整をしたのですが、会場の空きがなく、別の候補を探していたところ、ようやく◯◯が空いていることが分かりまして、それで日程が◯月◯日に決まりました。
(良い例)
◯◯の開催日が、◯月◯日(◯)に決まりました。
(会場の空き状況により、当初の予定から変更しています)
相手が知りたいのは結果です。経緯は一文か括弧書きにし、詳しく聞かれたら答えます。
箇条書きにしすぎて冷たく見えるメール
(悪い例)
・資料受領
・内容確認済
・修正点2箇所
・明日返送
(良い例)
資料をお送りいただき、ありがとうございました。内容を確認し、修正をお願いしたい点が二か所ございます。
1. ◯ページの◯◯
2. ◯ページの◯◯
明日中に、修正点を書き込んだものをお返しいたします。
箇条書きは並ぶ情報だけに使い、お礼やお願いは文章で書きます。全部を箇条書きにすると、メモのように見えることがあります。
箇条書きの書き方
- 箇条書きの前に一文で「何のリストか」を書く(例:「確認したい点は次の三つです。」)
- 返事をもらいたい項目には番号を付ける(返信で番号を使って答えてもらえる)
- 記号(・/■/【】など)は一通のメールの中でそろえる(改行や空行の入れ方はメールの改行と段落を参照)
- 1項目は1行に収まる長さを目安にし、長くなる説明は箇条書きの下に書く
- 相手のメールソフトで表示が崩れないよう、罫線や表を記号で組まない(表は添付にする)
- 文字の装飾(太字・色)が相手に届くかは使っているメールソフトの仕様によるので、装飾に頼らず書く
Point
送る前に、最初の三行だけ読み返してください。そこで「何の件か」「何をしてほしいか」が分からなければ、用件を前に出します。
場面別の例文(短く書き直したもの)
上司への報告
件名:【報告】◯◯社 打ち合わせ結果
◯◯課長
お疲れさまです。□□です。
本日の◯◯社との打ち合わせについて、結果をご報告します。
■結論:◯◯案で進めることになりました
■次の動き:◯月◯日(◯)までに、こちらから見積を出します
■相談したいこと:値引きの幅について、明日ご相談させてください
詳しい議事メモは添付のとおりです。
取引先への確認の依頼
件名:◯◯の仕様についてご確認のお願い
株式会社◯◯
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
◯◯の制作にあたり、三点ご確認をお願いいたします。◯月◯日(◯)までにご回答いただけますと幸いです。
1. ロゴの色(カラーか白黒か)
2. 掲載する連絡先
3. 納品の形式(データか印刷物か)
お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
お詫び(経緯を短くまとめる)
件名:◯◯の納品遅れのお詫び
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
◯月◯日にお届けする予定だった◯◯が、遅れております。大変申し訳ございません。
■新しい納品日:◯月◯日(◯)
■理由:◯◯の工程で不具合が見つかり、作り直しているため
ご迷惑をおかけし、重ねてお詫び申し上げます。
お詫びは短くしすぎると軽く見えることがあります。謝罪の言葉は省かず、事情の説明を短くするのがコツです。詳しくはお詫びメールの書き方を見てください。
社内への一斉連絡
件名:【全員確認】◯月◯日 会議室の使用停止
各位
お疲れさまです。総務の□□です。
工事のため、次の日程で会議室が使えません。
■日時:◯月◯日(◯)終日
■対象:◯階の会議室すべて
■代わりの部屋:◯階の◯◯をお使いください
ご不便をおかけしますが、よろしくお願いします。
用件が二つあるとき(見出しで分ける)
件名:◯◯の件と、◯◯のご相談(二点)
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
本日は二点ご連絡いたします。
【1】◯◯の資料について
修正版を添付いたしました。ご確認ください。
【2】次回のお打ち合わせについて
日程のご相談です。◯月◯日(◯)か◯日(◯)の午後はいかがでしょうか。
よろしくお願いいたします。
用件が二つ以上あるときは、件名にも「二点」と書いておくと、相手が片方を見落としにくくなります。話題を変えるときの言い方はメールで話題を変える表現にまとめています。
この記事の要点
- 最初の数行に用件と、相手にしてほしいことを書く。
- 日時・数量・確認点など並ぶ情報は箇条書きにし、返事が欲しいものには番号を付ける。
- 経緯や事情は結果のあとに一文か括弧書きで。
- 削るのは前置き・繰り返し・相手が知っている話。挨拶と結びは残してよい。
- お礼・お願い・お詫びは箇条書きにせず文章で書く。
FAQ
よくある質問
挨拶・名乗り・結びがあり、敬語が正しければ、短いこと自体が失礼になるわけではありません。気になる相手には、お礼やお願いの一文を省かずに書けば十分です。社内の慣習がある場合はそれに合わせてください。
日時や確認点など、並べる情報に使うのは問題ありません。ただし、お礼やお願い、お詫びまで箇条書きにすると素っ気なく見えることがあるので、その部分は文章で書きます。
本文には結論と相手にしてほしいことだけを書き、詳しい説明は添付の資料や共有の文書にまとめます。込み入った相談は、メールで要点を送ったうえで、打ち合わせや電話を提案する方法もあります。
件名に用件(「◯◯のご確認のお願い」など)や期限を入れておくと、本文の書き出しで同じことを長く説明せずに済みます。件名の付け方はメールの件名の付け方にまとめています。
最初に「お世話になっております」と名乗りを入れ、そのあとすぐ用件に入れば、冷たい印象にはなりにくいです。お礼が必要な場面では、用件の前に一文だけお礼を入れます。