スピーチ
スピーチの文字数と時間の目安
自分の速さで換算する方法
「1分のスピーチは何文字か」は、よく調べられる疑問です。ただ、同じ原稿でも、話す人によってかかる時間ははっきり違います。早口の人とゆっくり話す人では、同じ字数でも収まる時間が変わるからです。いちばん確実なのは、自分が1分で読める字数を一度測り、それを基準に原稿の長さを決めることです。このページでは、その測り方と、1分・3分・5分のスピーチに当てはめる手順をまとめました。
結論
スピーチの原稿の長さは、①自分が1分で読める字数を測る ②話す分数をかける ③間(ま)と拍手のぶんを差し引くの順で決めます。計算は「1分で読めた字数 × 話す分数」です。換算はスピーチ文字数・時間換算ツールでもできます。
「1分=◯文字」を鵜呑みにしないほうがよい理由
インターネット上には「1分あたり◯文字」という目安がいくつも出ています。参考にはなりますが、その数字がそのまま自分に当てはまるとは限りません。時間がずれる主な原因は次のとおりです。
| ずれる原因 | どうずれるか |
|---|---|
| 話す速さの個人差 | 同じ原稿でも、早口の人は短く、ゆっくり話す人は長くかかる |
| 本番の緊張 | 練習より速くなる人もいれば、言葉に詰まって遅くなる人もいる |
| 漢字とかなの割合 | 字数が同じでも、漢字の多い原稿は読み上げる音が多くなる |
| 間(ま)の取り方 | 段落の切れ目や、聞き手の反応を待つ時間は字数に表れない |
| 拍手・笑い・登壇の移動 | 原稿にない時間が、持ち時間の中に入ってくる |
Point
原稿の字数は「目安」、本当に確かめるべきなのは「声に出して何分かかったか」です。字数で下書きを作り、最後は必ず時間を計って調整してください。
自分の話す速さを測る方法
- 01
試しに読む文章を用意する
これから話すスピーチに近い文章を選びます。挨拶なら過去の挨拶文や、挨拶の例文の一つを使うと、本番に近い速さで測れます。
- 02
タイマーを1分に合わせる
タイマーやスマートフォンのストップウォッチを使います。
- 03
本番のつもりで声に出して読む
黙読や小声では速くなりがちです。人前で話す声の大きさと速さで読みます。
- 04
1分で読めたところに印を付ける
時間になったら止め、どこまで読めたかに線を引きます。
- 05
読めた字数を数える
ワープロソフトやメモアプリの文字数カウント機能で、冒頭から印までの字数を確かめます。
- 06
何度か測って平均をとる
一回だけだと、その時の調子に左右されます。日を変えて測ると、自分の速さがつかめます。
注意
測った字数は手帳やメモに残しておくと、次にスピーチを頼まれたときにすぐ使えます。原稿を読むときと、メモを見ながら話すときでは速さが変わるので、本番と同じやり方で測るのがおすすめです。
1分・3分・5分の原稿の長さを出す
自分の「1分で読める字数」が分かったら、話す時間をかけるだけです。下の表の「A」に、測った字数を当てはめてください。
| 持ち時間 | 原稿の長さの出し方 | 書き方のポイント |
|---|---|---|
| 1分 | A × 1 | 話題は一つだけ。結論から入る |
| 3分 | A × 3 | 話題は一つか二つ。具体的なエピソードを一つ入れる |
| 5分 | A × 5 | 前置き・本題・まとめを分け、途中で要点を言い直す |
計算で出た字数は、間や拍手を入れない「読み切り」の長さです。実際の原稿は、ここから少し短めにしておくと、本番で慌てずに済みます。どれだけ減らすかは、最後に声に出して計った時間で決めてください。
Point
持ち時間をきっちり使い切る原稿は、本番で延びやすくなります。拍手や笑いが起きたり、言い直したりする時間が入るからです。短めに作り、余ったら一言足すほうが楽です。
持ち時間と測った速さを入れると原稿の目安の字数が出るスピーチ文字数・時間換算ツールも使えます。逆に、書いた原稿の字数から何分かかるかを確かめるときにも便利です。
時間どおりに収める原稿の作り方
- 01持ち時間を確認する:主催者や司会に「何分で」と聞き、登壇と降壇を含むかも確かめる
- 02言いたいことを一文で書く:このスピーチで聞き手に残したいことを一つに絞る
- 03型に当てはめて下書きする:挨拶 → 結論 → 理由やエピソード → まとめ → 結びの挨拶
- 04字数を確かめる:自分の「1分で読める字数 × 分数」と比べる
- 05声に出して時間を計る:タイマーで計り、長ければ削る
- 06本番の環境を想定してもう一度計る:立って、マイクを持つつもりで読む
長すぎるときの削り方
| 削る候補 | 理由 |
|---|---|
| 前置きの「僭越ながら」「お時間をいただき」の重ね | 一度言えば十分。重ねると本題が遅れる |
| エピソードの二つ目 | 一つに絞ったほうが印象に残りやすい |
| 結論の言い直しの重複 | まとめで一度言い直せば足りる |
| 固有名詞や数字の羅列 | 聞いただけでは覚えにくい。資料に回す |
短すぎるときの足し方
- 結論のあとに具体的な場面を一つ足す(いつ、誰が、何をしたか)
- 聞き手への問いかけを一つ入れる
- 結びの前にこれからへの一言(お願い・期待・感謝)を足す
本番前のチェックリスト
- 持ち時間と、登壇・降壇を含むかを主催者に確認した
- 自分が1分で読める字数を、本番と同じやり方で測った
- 原稿の字数を「1分で読める字数 × 分数」と比べた
- 声に出して、立った状態で時間を計った
- 持ち時間より少し短く終わる長さにした
- 時間が押したときに削る段落に印を付けた
- 司会や進行役と、残り時間の合図の出し方を決めた
原稿を覚える方法と、手元に置くメモ(カンペ)の作り方はスピーチを覚えるコツとカンペの作り方にまとめています。
この記事の要点
- スピーチの文字数は話す人の速さで変わる。一般論の数字より自分で測る。
- 原稿の長さは「1分で読める字数 × 話す分数」で出す。
- 測るときは本番と同じ声の大きさ・同じやり方で読む。
- 計算で出た長さは間や拍手を含まない。少し短めに作る。
- 最後は必ず声に出して時間を計り、長ければ削る段落を決めておく。
FAQ
よくある質問
話す人の速さで変わるため、一つの数字には決められません。自分が本番のつもりで1分間声に出して読み、どこまで読めたかの字数を数えると、自分にとっての1分の字数が分かります。換算ツールやタイマーを使うと手軽に測れます。
自分が1分で読める字数に3をかけた長さが目安です。ただし、その長さは間や拍手を含まない読み切りの時間なので、実際の原稿は少し短めにし、声に出して計って調整してください。
原稿の字数を、自分が1分で読める字数で割ると、おおよその分数が出ます。最後は必ず声に出して計り、計算とずれていないか確かめてください。
あらかじめ「削ってもよい段落」に印を付けておき、そこを飛ばします。結論と結びの挨拶は残し、エピソードや補足から削ると、話の筋が崩れにくくなります。