結論
ビジネスのお悔やみメールは、件名で用件と差出人が分かるようにし、本文は時候の挨拶などの前置きを省いてお悔やみから始め、相手を気遣う一文と「ご返信には及びません」で結びます。故人の死因を尋ねたり、業務の依頼を同じメールに混ぜたりはしません。
結論:まず使える最短の文面
迷ったら、次の文面の◯◯を埋めて送れば失礼になりません。社内・社外どちらにも使えます。
件名:お悔やみ申し上げます(株式会社◯◯ ◯◯)
株式会社◯◯
◯◯部 ◯◯様
このたびはご尊父様のご逝去を伺い、謹んでお悔やみ申し上げます。
ご家族の皆さまのお悲しみをお察しいたします。
略儀ながら、メールにてお悔やみを申し上げます。
なお、ご返信には及びません。
(署名)
| 本文の要素 | 入れる内容 | 入れないもの |
|---|---|---|
| お悔やみ | 「ご逝去を伺い、謹んでお悔やみ申し上げます」 | 「拝啓」「いつもお世話になっております」などの前置き |
| 気遣い | 「お悲しみをお察しいたします」「ご無理をなさいませんよう」 | 「頑張ってください」などの励まし、死因の質問 |
| 結び | 「ご返信には及びません」 | 業務の依頼・日程の確認(必要なら別のメールで) |
メールで送ってよいかの判断
| 相手・場面 | メールでよいか | 考え方 |
|---|---|---|
| 普段メールでやりとりしている取引先の担当者(家族の不幸) | 多くの場合はよい | 担当者個人への気遣いとして送る。会社として弔電を出すかは別に決める |
| 取引先の社長・役員の逝去 | メールだけでは足りない | 会社として弔電・供花を検討し、メールは担当者どうしの連絡にとどめる |
| 取引先の担当者本人の逝去 | 後任・上司宛てなら送れる | 会社宛てのお悔やみとして送り、葬儀の案内があれば参列・弔電を検討する |
| 社内の上司・同僚・部下(家族の不幸) | よい | 社内チャットより、落ち着いて読めるメールのほうが丁寧 |
| 目上で、普段ほとんど連絡しない相手 | 避けたほうがよい | 弔電か手紙にする |
| 家族葬で「弔問・香典は辞退」と知らされた | よい | 弔問の代わりに短いメールで気持ちだけ伝える。香典や供花は送らない |
- 送る時期:訃報を知ったら、なるべく早く送ります。通夜・葬儀の前後は相手が慌ただしいので、短く済ませます。
- 送る時間帯:深夜・早朝は避け、相手が受け取って負担にならない時間に送ります。
- 宛先:個人宛てに送ります。CCに多くの人を入れたり、一斉送信にしたりはしません。
注意
判断に迷う場合は、上司か総務に「会社として何を出すか」を先に確認してください。会社の対応と個人のメールが食い違うと、先方が戸惑います。
件名と本文の型
件名は「用件+差出人」
| 場面 | 件名の例 |
|---|---|
| 取引先の担当者のご家族 | お悔やみ申し上げます(株式会社◯◯ ◯◯) |
| 取引先の役職者の逝去 | 貴社会長 ◯◯様のご逝去に際して(株式会社◯◯ ◯◯) |
| 参列できないとき | お悔やみ申し上げます/参列できないお詫び(株式会社◯◯ ◯◯) |
| 後から知ったとき | 遅ればせながらお悔やみ申し上げます(株式会社◯◯ ◯◯) |
| 社内の上司・同僚 | お悔やみ申し上げます(◯◯部 ◯◯) |
本文の流れ
- 01
宛名
会社名・部署名・氏名(社内なら部署と氏名)。役職者には「◯◯部長」のように役職で呼ぶ。
- 02
お悔やみ
「◯◯様のご逝去を伺い、謹んでお悔やみ申し上げます」。続柄は下の敬称表に合わせる。
- 03
相手への気遣い
「ご家族の皆さまのお悲しみをお察しいたします」「どうかご無理をなさいませんよう」。
- 04
仕事の配慮(必要なときだけ)
「進行中の件はこちらで調整いたします」のように、相手が休めるようにする一文。
- 05
結び
「略儀ながらメールにて失礼いたします」「なお、ご返信には及びません」。
- 06
署名
いつもの署名でよい。宣伝のバナーや告知文が入る署名は外す。
Point
「拝啓」「いつもお世話になっております」などの前置きは省きます。 書くとしても「突然のご連絡失礼いたします」程度にして、すぐ本題に入ってください。
続柄の敬称(相手の家族を書くとき)
| 故人 | 改まった書き方 | やわらかい書き方(社内・親しい相手) |
|---|---|---|
| 父 | ご尊父様 | お父様 |
| 母 | ご母堂様 | お母様 |
| 夫 | ご主人様 | ご主人様 |
| 妻 | ご令室様 | 奥様 |
| 祖父・祖母 | ご祖父様・ご祖母様 | おじい様・おばあ様 |
| 息子・娘 | ご令息様・ご令嬢様 | 息子さん・娘さん |
取引先へのお悔やみメール 例文
取引先の担当者のご家族が亡くなったとき
件名:お悔やみ申し上げます(株式会社◯◯ ◯◯)
株式会社◯◯
◯◯部 ◯◯様
ご尊父様のご逝去を伺い、謹んでお悔やみ申し上げます。
ご家族の皆さまのお悲しみはいかばかりかとお察しいたします。
本来であれば直接お伺いすべきところ、略儀ながらメールにて失礼いたします。
進行中の件は、こちらで調整いたしますので、どうかご心配なさらないでください。
なお、ご返信には及びません。
担当者が休む間の連絡先を、先方の上司に確認したいとき
件名:◯◯様ご不在中のご連絡先について(株式会社◯◯ ◯◯)
株式会社◯◯
◯◯部 課長 ◯◯様
◯◯様がご母堂様を亡くされたと伺いました。謹んでお悔やみ申し上げます。
◯◯様には別にお悔やみをお送りし、業務のご連絡は控えております。
ご不在の間に急ぎのご相談が生じた場合の窓口を、ご都合のよいときにお知らせいただけますでしょうか。
お手数をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。
業務の確認は、喪中の担当者本人ではなく、先方の上司や同じ部署の方に別のメールで尋ねます。本人へのお悔やみメールには書きません。
取引先の役職者が亡くなったとき(担当者宛て)
件名:貴社会長 ◯◯様のご逝去に際して(株式会社◯◯ ◯◯)
株式会社◯◯
◯◯部 ◯◯様
貴社会長 ◯◯◯◯様のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。
生前は弊社に格別のご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。
貴社の皆さまのご心痛をお察しいたします。
弊社といたしましては、別途弔電にて弔意をお伝えさせていただきます。
お取り込みのところ恐縮ですので、ご返信には及びません。
取引先の担当者ご本人が亡くなったとき(上司・後任宛て)
件名:◯◯様のご逝去に際して(株式会社◯◯ ◯◯)
株式会社◯◯
◯◯部 部長 ◯◯様
◯◯様のご逝去のお知らせをいただき、言葉もございません。謹んでお悔やみ申し上げます。
◯◯様には長くお力添えをいただき、弊社一同、深く感謝しております。
貴社の皆さまのお悲しみをお察しいたします。
今後のお取引のご連絡は、貴社のご都合が整ってからで差し支えございません。
ご返信には及びません。
取引先の代表者のご家族が亡くなったとき(改まった文面)
件名:お悔やみ申し上げます(株式会社◯◯ ◯◯)
株式会社◯◯
代表取締役 ◯◯様
ご令室様のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。
ご家族の皆さまのご心痛はいかばかりかと拝察いたします。
本来であれば拝眉のうえお悔やみを申し上げるべきところ、略儀ながらメールにて失礼いたします。
ご返信には及びません。
注意
宗教が分からないときは「ご冥福をお祈りいたします」(仏教の言葉)を避け、「安らかなお眠りをお祈りいたします」「心よりお悔やみ申し上げます」にすると、場面を選びません。
社内の上司・同僚・部下へのお悔やみメール 例文
上司へ
件名:お悔やみ申し上げます(◯◯部 ◯◯)
◯◯部長
ご母堂様のご逝去を伺い、心よりお悔やみ申し上げます。
突然のことで、さぞお力落としのことと存じます。
部内の業務は、皆で分担して進めておりますので、どうかご心配なさらないでください。
落ち着かれるまで、ご無理をなさいませんよう。
ご返信には及びません。
同僚へ
件名:お悔やみ申し上げます(◯◯)
◯◯さん
お父様のことを聞きました。心からお悔やみ申し上げます。
仕事のことは気にせず、今はご家族との時間を大切にしてください。
急ぎの件は私が引き受けますので、引き継ぎが必要なものだけ、落ち着いたら教えてください。
返信は不要です。
部下へ
件名:お悔やみ申し上げます(◯◯)
◯◯さん
おばあ様のご逝去を聞きました。心よりお悔やみ申し上げます。
休暇の手続きは総務に伝えてありますので、心配しなくて大丈夫です。
担当の案件は私が預かります。戻る日が決まったら、そのときに一言だけ連絡をください。
返信はいりません。
チーム一同から送るとき
件名:お悔やみ申し上げます(◯◯チーム一同)
◯◯さん
このたびはご主人様のご逝去を伺い、チーム一同、心よりお悔やみ申し上げます。
こちらのことは皆で進めていますので、どうぞご自身とご家族を大切になさってください。
返信は不要です。
◯◯チーム一同(代表:◯◯)
状況別のお悔やみメール 例文
葬儀に参列できないとき
件名:お悔やみ申し上げます/参列できないお詫び(株式会社◯◯ ◯◯)
◯◯様
ご尊父様のご逝去を伺い、謹んでお悔やみ申し上げます。
ご葬儀の日は出張先におり、お見送りに伺えません。お許しください。
遠方からではございますが、ご尊父様を偲び、ご家族の皆さまのお気持ちが少しでも和らぎますようお祈りしております。
ご返信には及びません。
訃報を後から知ったとき
件名:遅ればせながらお悔やみ申し上げます(株式会社◯◯ ◯◯)
◯◯様
本日、◯◯様よりご母堂様のご逝去を伺いました。
お知らせが届いていたことに気づかず、ご連絡がこのように遅れてしまい、失礼いたしました。
遅ればせながら、謹んでお悔やみ申し上げます。
お疲れが出る頃かと存じます。どうかご自愛ください。
ご返信には及びません。
家族葬で弔問・香典を辞退されたとき
件名:お悔やみ申し上げます(株式会社◯◯ ◯◯)
◯◯様
ご家族のみでお見送りされたと伺いました。ご意向に沿い、弔問は控えさせていただきます。
メールにて失礼いたしますが、謹んでお悔やみ申し上げます。
ご家族の皆さまが穏やかに過ごされますよう、お祈りしております。
ご返信には及びません。
会社として弔電を手配したことを担当者に伝えるとき
件名:弔電をお送りしました(株式会社◯◯ ◯◯)
◯◯様
このたびは謹んでお悔やみ申し上げます。
弊社より、ご葬儀の会場宛てに弔電をお送りいたしました。
お取り込みのところ失礼いたします。ご返信には及びません。
注意
弔電の文面は弔電の文例、香典を会社名義で出すときの書き方は香典の会社名の書き方にまとめています。
避ける言葉と言い換え
| 避ける言葉・書き方 | 理由 | 言い換え |
|---|---|---|
| 「重ね重ね」「たびたび」「くれぐれも」などの重ね言葉 | 不幸が重なることを連想させる | 「深く」「心より」。気遣いは「どうかご無理をなさいませんよう」 |
| 「再び」「続いて」「追って」 | 不幸が続くことを連想させる | 「改めて」「後日」 |
| 「死亡」「死去」「生きていた頃」 | 直接的で強い | 「ご逝去」「ご生前」 |
| 「ご冥福をお祈りします」「成仏」「供養」 | 仏教の言葉で、宗教によっては合わない | 「心よりお悔やみ申し上げます」「安らかなお眠りをお祈りいたします」 |
| 「頑張ってください」「元気を出して」 | 悲しんでいる相手に負担をかける | 「どうかご無理をなさいませんよう」 |
| 死因や最期の様子を尋ねる | 相手に説明の負担をかける | 触れない |
| 絵文字・顔文字・機種依存文字 | 軽く見える、文字化けする | 使わない |
注意
気遣いの定番の「くれぐれも」も重ね言葉なので、お悔やみでは「どうか」に替えます。重ね言葉の考え方は重ね重ねの使い方、口頭で伝える言葉はお悔やみの言葉(口頭)にあります。
よくある失敗
- 件名が「Re:」のまま:別件の返信で送ると、お悔やみが埋もれます。新しいメールで件名を付けて送ります。
- 業務の催促を同じメールに書く:「ところで◯◯の件ですが」と続けると、お悔やみが形だけに見えます。必要な連絡は日を改め、別のメールにします。
- CCに大勢を入れる:家族の不幸は、相手が広く知らせたくない場合もあります。個人宛てにします。
- 長文で思い出を書きすぎる:読む負担になります。お悔やみ・気遣い・結びの数文で十分です。
- 「返信不要」を書き忘れる:相手が返信しなければと気にします。
- 会社の対応と食い違う:個人のメールで「弊社から供花を」と書いたのに会社は出さない、などを避けるため、先に総務に確認します。
送信前チェックリスト
- 件名だけで用件と差出人が分かる
- 故人の続柄の敬称が合っている(ご尊父様・ご母堂様など)
- 前置きの挨拶を入れていない
- 重ね言葉・直接的な言葉・宗教に合わない言葉がない
- 死因を尋ねていない
- 業務の依頼や催促を混ぜていない
- 「ご返信には及びません」が入っている
- 宛先が個人で、不要なCCが入っていない
- 署名から宣伝のバナーや告知を外した
- 深夜・早朝の送信になっていない(予約送信も確認)
お悔やみメールへの返信 例文(受け取った側)
「返信不要」と書かれていても、落ち着いてから短くお礼を返すと丁寧です。仕事に戻る日が決まっていれば、あわせて伝えます。
取引先への返信
件名:お悔やみへのお礼(株式会社◯◯ ◯◯)
株式会社◯◯
◯◯様
このたびはご丁寧なお悔やみをいただき、誠にありがとうございました。
お心遣いに感謝しております。
◯日より通常どおり業務に戻ります。不在の間ご迷惑をおかけしましたが、引き続きよろしくお願いいたします。
上司への返信
件名:お悔やみへのお礼(◯◯)
◯◯部長
温かいお言葉をいただき、ありがとうございました。
業務を引き受けていただき、大変助かりました。
◯日から出社いたします。戻りましたら、改めてご挨拶に伺います。
同僚・チームへの返信
件名:ありがとうございました(◯◯)
皆さん
温かいメッセージをありがとうございました。
仕事を引き受けてもらえたおかげで、家族との時間をとることができました。
◯日から戻ります。引き継ぎの内容は、戻ったら確認させてください。
注意
香典や供花をいただいた相手へのお礼は香典のお礼メール、不在中の連絡先の知らせ方は不在・休暇の連絡メールが参考になります。
送った後の対応
- 返信がなくても催促しない:返信不要と書いた以上、返事を待ちません。
- 業務の連絡は日を改める:急ぎでなければ、相手が戻ってからにします。
- 相手が戻ったら一声かける:社内なら「大変でしたね」程度の短い言葉で十分です。根掘り葉掘り聞きません。
この記事の要点
- 最短の型はお悔やみ→気遣い→「ご返信には及びません」の3要素。
- 件名は「お悔やみ申し上げます(会社名 氏名)」。前置きを省いて本題から。
- メールは略式。会社としての弔意は弔電・供花・参列で別に示す。
- 死因を聞かない・業務の催促を混ぜない・CCを広げない。
- 宗教が分からないときは「ご冥福」を使わない言い方に。
FAQ
よくある質問
「ご尊父様のご逝去を伺い、謹んでお悔やみ申し上げます。ご家族の皆さまのお悲しみをお察しいたします。略儀ながらメールにて失礼いたします。なお、ご返信には及びません」のように、前置きを省いてお悔やみと気遣いを短く伝えます。
「お悔やみ申し上げます(株式会社◯◯ ◯◯)」のように、用件と差出人が件名だけで分かるようにします。後から知った場合は「遅ればせながらお悔やみ申し上げます」とします。
訃報を知ったら、なるべく早く送ります。深夜・早朝は避け、相手が慌ただしい時期なので短くまとめます。
送ってかまいません。「心よりお悔やみ申し上げます。部内の業務は皆で分担して進めておりますので、どうかご心配なさらないでください。ご返信には及びません」のように、仕事の心配をさせない一言を添えます。
普段からチャットでやりとりしている同僚なら、短い言葉を送ることはあります。上司や取引先には、メールのほうが落ち着いて読めて丁寧です。チャットで送る場合も文章だけにし、絵文字やスタンプは添えません。
仏教の言葉なので、相手の宗教が分かっていて合う場合に使います。分からないときは「心よりお悔やみ申し上げます」にすると場面を選びません。
送ってかまいません。弔問は控える旨を添え、短いお悔やみだけにします。香典や供花は送りません。
「返信不要」とあれば急ぐ必要はありませんが、落ち着いてから「ご丁寧なお悔やみをいただき、ありがとうございました」と短くお礼を返すと丁寧です。業務に戻る日が決まっていれば添えます。