書式
香典の会社名の書き方
会社名義・連名・部署一同・代理の見本12例
先に答えです。香典袋の下段の中央に氏名、その右に会社名を少し小さく書きます。会社として出すなら中央に「代表取締役 ◯◯◯◯」、右に正式な社名。何人かでまとめるときは、3人までは連名(目上が右)、4人以上は「◯◯部一同」などとするのが目安で、全員の名前は別紙に書いて中に入れます。このページでは、仕事の関係で出す香典を12の場面に分けて見本にし、中袋・別紙の名簿・取りまとめの社内連絡まで、そのまま使える形で載せました。金額は会社の慶弔規程や地域の慣習で決まるので扱いません。
結論
香典袋は、水引の上に表書き(御霊前・御香典など)、水引の下に差出人を書きます。会社名を添えるのは、遺族が「どこの誰からの香典か」を後で整理できるようにするためです。だから社名は略さず正式名称で書き、中袋には会社の住所まで入れておきます。
12場面の書き方見本(早見表)
下段は右から左へ読みます。表の「右→左」は、右端に書くものから順に並べています。
| 場面 | 下段の書き方(右→左) | 別紙の名簿 |
|---|---|---|
| 1. 仕事の関係で個人として出す | 株式会社◯◯(小さく)→ 中央に氏名 | 不要 |
| 2. 会社として出す(代表者名義) | 株式会社◯◯(小さく)→ 中央に「代表取締役 ◯◯◯◯」 | 不要 |
| 3. 役職と氏名が一行に収まらない | 株式会社◯◯ → 役職(小さく)→ 中央に氏名 | 不要 |
| 4. 上司と二人で | 株式会社◯◯ → 上司の氏名 → 自分の氏名 | 不要 |
| 5. 同僚三人で(役職の差なし) | 株式会社◯◯ → 三人の氏名を五十音順など社内で決めた順に | 不要 |
| 6. 部署でまとめる | 株式会社◯◯(小さく)→ 中央に「◯◯部一同」 | 必要 |
| 7. 部署の有志でまとめる | 株式会社◯◯(小さく)→ 中央に「◯◯部有志一同」 | 必要 |
| 8. 代表者を立てて4人以上 | 株式会社◯◯ → 中央に代表者の氏名 → 左下に小さく「外一同」 | 必要 |
| 9. 支店・営業所でまとめる | 株式会社◯◯(小さく)→ 中央に「◯◯支店一同」 | 必要 |
| 10. 社長の代わりに持参する | 袋は場面2のまま。受付で代理であることを伝え、名刺を添える | 不要 |
| 11. 上司の代わりに持参する | 袋は上司の名前のまま。受付で代理であることを伝える | 不要 |
| 12. 社名が長くて入らない | 社名を二行に分けるか、氏名より小さな字で詰める。略称や「(株)」にはしない | 場面による |
Point
迷ったら「遺族が後で読んで、誰からか分かるか」で判断します。人数が多いのに全員の名前を袋に詰め込むより、袋は「一同」、名前は別紙のほうが読みやすくなります。
名義を決める順番
- 01
会社の慶弔規程を見る
会社名義で出すか、誰の名前で出すか、どの続柄まで出すかは、規程や前例で決まっていることがあります。総務に確認すると早く決まります。
- 02
会社か、部署か、個人か
取引先の関係者なら会社名義、社員やその家族なら部署一同、個人的に親しかったなら個人、というように、故人との関係で名義を選びます。
- 03
人数で書き方を決める
3人までは全員の氏名を並べ、4人以上は「一同」か「代表者名+外一同」にして別紙を付けます。
- 04
表書きと、宗教による違い
| 表書き | 使われる場面 |
|---|---|
| 御霊前 | 宗教が分からないときに広く使われる。ただし浄土真宗では使わないとされる |
| 御香典・御香料 | 仏式で使われる |
| 御仏前 | 仏式で、四十九日の法要以降に使われる。浄土真宗では葬儀でも使うとされる |
| 御花料 | キリスト教式で使われる |
| 御玉串料・御榊料 | 神式で使われる |
注意
宗教・宗派は、訃報の連絡や葬儀社への問い合わせで分かることがあります。分からないときは、上司や総務、先方の窓口に確認してください。地域によって慣習が違うこともあります。
中袋の書き方(会社関係の場合)
| 書く場所 | 書くこと | 会社関係でのポイント |
|---|---|---|
| 中袋の表 | 包んだ金額 | 縦書きなら漢数字の大字で「金◯萬圓」のように書く |
| 中袋の裏 | 住所・氏名 | 会社名義・部署一同なら会社の住所・社名・部署名を書く |
| 中袋の裏(余白) | 取りまとめ役 | 問い合わせ先として担当者の氏名と電話番号を添えると、遺族が連絡しやすい |
| 横書きの欄 | 金額・住所・氏名 | 縦書きにこだわらず、印刷された欄どおりに書く。金額は「金10,000円」のような算用数字で足りる |
金額で使う大字
| ふだんの字 | 一 | 二 | 三 | 五 | 十 | 千 | 万 | 円 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 大字 | 壱 | 弐 | 参 | 伍 | 拾 | 阡 | 萬 | 圓 |
中袋が付いていない封筒型の香典袋なら、裏面に住所・氏名・金額を書きます。会社の住所は、名刺に載っている表記をそのまま写すと書き漏れがありません。
別紙の名簿テンプレート(部署一同・有志・外一同)
白い無地の便箋か、白い紙を使います。袋の書き方を「一同」にしたときは必ず入れます。遺族がお礼状や香典返しを考えるときに、この紙を見ます。
株式会社◯◯ 営業部 〒◯◯◯-◯◯◯◯ 東京都◯◯区◯◯ ◯-◯-◯ ◯◯ビル◯階 部長 ◯◯ ◯◯ 課長 ◯◯ ◯◯ ◯◯ ◯◯ ◯◯ ◯◯ ◯◯ ◯◯ (取りまとめ)◯◯ ◯◯ 電話 ◯◯-◯◯◯◯-◯◯◯◯
- 並びは役職の高い順、同じ役職なら五十音順など、社内で決めた順にする
- 一人ずつの金額を書くかは社内の慣例に合わせる(合計は中袋に書く)
- 個人の自宅住所は書かず、会社の住所にまとめる
- 有志の場合は、出した人だけを書く(部署の全員を書かない)
取りまとめの社内連絡(文例2つ)
部署でまとめるときは、誰が集めて、いつまでに、どの名義で出すかを一度に伝えます。訃報そのものの伝え方は訃報の社内通知を見てください。
文例1:部署内メール
件名:【ご連絡】◯◯さんのご尊父ご逝去にともなう香典の取りまとめ 営業部の皆さま すでにお知らせしたとおり、◯◯さんのお父様が亡くなられました。 部として香典をお供えすることになりましたので、取りまとめをお願いします。 名義 :株式会社◯◯ 営業部一同 取りまとめ:◯◯(内線◯◯◯) 締め切り:◯月◯日(◯)◯時まで 参加される方は、締め切りまでに私まで直接お持ちください。 名前は別紙にまとめて香典袋に入れます。 ◯◯
文例2:チャットの短文
【香典の取りまとめ】 ◯◯さんのご家族のご葬儀に、部として香典をお供えします。 名義は「営業部一同」です。参加される方は◯日◯時までに◯◯へお持ちください。 ご遺族から辞退のご連絡があった場合は、改めてお知らせします。
注意
家族葬などで香典辞退の案内があれば、取りまとめ自体をしません。案内が無いまま集めると、後で返す手間が出ます。先に先方の意向を確認してから連絡を出します。
筆記具と書き方
- 表書きと名前は薄墨の筆ペンで書くとされる
- 薄墨の筆ペンが手元に無ければ、黒のサインペンで書く方法もある。ボールペンは避けたほうがよいとされる
- 中袋の住所・金額は、読みやすさを優先して普通の黒で書いてもよいとする考え方もある
- 社名・役職・氏名は、名刺や登記上の表記と一字ずつ照らし合わせてから書く
お札の入れ方・包み方・渡し方
- 01
真新しいお札は避ける
手元にピン札しか無いときは、軽く折ってから包む方法が知られています。複数枚なら向きを揃えます。
- 02
袱紗(ふくさ)に包んで持参する
受付で袱紗から出し、表書きが相手から読める向きにして両手で渡します。
- 03
受付で一言添える
会社として持参するなら「株式会社◯◯の◯◯と申します。このたびはご愁傷さまでございます。心ばかりですが、ご霊前にお供えください」と伝えます。
- 04
代理で持参するときは名刺を添える
受付で「◯◯の代理で参りました」と伝えます。預かった名刺の右上に「弔」、自分の名刺の右上に「代」と書いて添える方法が知られています。
受付での一言(場面別)
| 場面 | 一言の例 |
|---|---|
| 会社名義で持参 | 株式会社◯◯の◯◯でございます。弊社代表の◯◯より預かってまいりました。ご霊前にお供えください。 |
| 上司の代理 | 株式会社◯◯の◯◯と申します。本日は◯◯の代理で参りました。ご霊前にお供えください。 |
| 部署一同 | 株式会社◯◯の◯◯と申します。営業部一同からでございます。ご霊前にお供えください。 |
| 自分の分と預かり分を一緒に | こちらは私から、こちらは◯◯から預かってまいりました。 |
参列できないときは郵送
現金を送るときは現金書留を使います。日本郵便は、現金を送るものは現金封筒を使い必ず現金書留にするよう案内しており、専用封筒はのし袋も入る大きさです。香典袋に入れたうえで現金書留の封筒に入れ、喪主宛てに送ります。
同封する手紙の文例
(会社名義) ご尊父様のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。 本来であれば参上すべきところ、略儀ながら書中にてお悔やみ申し上げます。 心ばかりのものを同封いたしましたので、ご霊前にお供えくださいますようお願い申し上げます。 株式会社◯◯ 代表取締役 ◯◯◯◯ (部署一同) ◯◯様のご逝去を知り、営業部一同、心よりお悔やみ申し上げます。 ささやかではございますが、部の皆で香典をお送りいたします。 どうかご無理をなさらず、お体を大切になさってください。 株式会社◯◯ 営業部一同
注意
お悔やみの手紙では「重ね重ね」「たびたび」などの重ね言葉を避けるとされます。メールで先にお悔やみを伝える場合はお悔やみメールの文例を使えます。
よくある失敗
| 失敗 | 直し方 |
|---|---|
| 「(株)◯◯」と略した | 「株式会社◯◯」と正式名称で書く |
| 会社名を氏名と同じ大きさで中央に書いた | 中央は氏名(または代表者名・一同)、会社名は右に小さく |
| 連名の順番が逆(目上が左) | 目上の人を右端に。会社名はさらにその右 |
| 5人分の氏名を袋に詰め込んだ | 「◯◯部一同」にして、名前は別紙へ |
| 「一同」にしたのに別紙を入れ忘れた | 遺族が誰からか分からなくなる。別紙を必ず中袋に入れる |
| 有志なのに「部一同」と書いた | 出していない人の名前で出したことになる。「有志一同」にする |
| 中袋に個人の自宅住所を書いた | 会社関係なら会社の住所にまとめる |
| 辞退の案内があったのに持参した | 辞退とあれば持参も郵送もしない |
書く前のチェックリスト
- 先方が香典を辞退していないか
- 宗教・宗派(表書きが決まる)
- 名義(会社・個人・連名・部署一同・有志)を上司や総務と確認したか
- 会社名・役職・氏名を正式な表記で書いたか(名刺と照合)
- 連名の順番は目上が右になっているか
- 「一同」「外一同」なら別紙の名簿を入れたか
- 中袋に金額・会社の住所・取りまとめ役の連絡先を書いたか
- 供花・弔電と名義を揃えたか
この記事の要点
- 会社関係の香典は氏名を中央、会社名をその右に小さく。社名は略さない。
- 会社として出すなら代表者の役職・氏名+正式な社名。
- 3人までは連名で目上が右。4人以上は「◯◯部一同」か「代表者名+外一同」+別紙の名簿。
- 中袋には会社の住所と取りまとめ役の連絡先を入れる。
- 表書きは宗教で変わる。分からなければ確認する。辞退の案内があれば出さない。
FAQ
よくある質問
水引の下段の中央に氏名を書き、その右側に会社名を少し小さく書きます。社名は「(株)」などと略さず正式名称で書きます。会社として出す場合は、中央に代表者の役職と氏名を書きます。
氏名と同じ行に収まるなら「代表取締役 ◯◯◯◯」のように氏名の上に書きます。収まらないときは、氏名を中央に書き、その右に役職を小さく書きます。
3人までなら、右から目上の順に氏名を並べ、いちばん右に会社名を書きます。役職に差が無ければ五十音順など社内で決めた順にします。4人以上なら「株式会社◯◯ ◯◯部一同」とし、全員の名前を別紙に書いて中に入れます。
部署全体で出すなら「◯◯部一同」、代表者を立てて名前を出すなら中央に代表者の氏名、左下に小さく「外一同」と書きます。どちらも別紙に全員の名前を書いて入れます。
合計の金額、会社の住所、部署名を書き、別紙に全員の氏名を並べて入れます。取りまとめ役の名前と連絡先を添えると、遺族が後で整理するときに助かります。
袋は社長の名前のまま書きます。受付で「◯◯の代理で参りました」と伝え、社長の名刺の右上に「弔」、自分の名刺の右上に「代」と書いて添える方法が知られています。
宗教が分からないときは「御霊前」が広く使われますが、浄土真宗では使わないとされるなど宗派で違いがあります。訃報の連絡や葬儀社への問い合わせで宗教が分かれば、それに合わせてください。迷ったら上司や総務に確認します。
現金は現金書留で送ります。日本郵便は現金を送るものは現金封筒を使って必ず現金書留にするよう案内しています。専用封筒はのし袋も入る大きさなので、香典袋ごと入れて、お悔やみの手紙を添えます。
持参も郵送もしません。部署での取りまとめもしません。気持ちを伝えたいときは、後日お悔やみの手紙やメールにします。