敬語
「重ね重ね」の意味と使い方
お礼・お詫び・念押しの例文と類語との違い
結論:「重ね重ね」(かさねがさね)は「何度も繰り返して」「くれぐれも」という意味です。使い道は3つ。①お礼「重ね重ね、お礼申し上げます。」、②お詫び「重ね重ね、申し訳ございません。」、③念押し「重ね重ね、よろしくお願いいたします。」。どれも本文で一度お礼・お詫び・お願いを述べたあと、結びで一度だけ使うと自然です。取引先や上司など目上の相手にも使えます。ただしお悔やみ・お見舞い・結婚のお祝いでは、「重なる」を連想させる重ね言葉を気にする人がいるため避けるのが無難です。この記事では、すぐ使える一文例文・メール例文・返事の例文をあわせて40以上載せています。
結論
「重ね重ね」は、「重ね」を二度続けて一語にした言葉で、同じことが何度も重なるさま/何度も繰り返してという意味です。ビジネスでは、お礼やお詫びの気持ちが一度では言い尽くせないこと、またお願いを念入りにすることを表します。似た「重ねて」は「もう一度(二度目)」、「重ね重ね」は「何度も、くれぐれも」と、繰り返しの度合いが強くなります。
「重ね重ね」の意味は3つの使われ方で覚える
| 使われ方 | 伝わる気持ち | 代表的な一文 |
|---|---|---|
| 同じことが何度も重なる | お世話・迷惑が一度ではない | 重ね重ねのご厚意に感謝申し上げます。 |
| 気持ちの深さを伝える | お礼・お詫びが言い尽くせない | 重ね重ね、申し訳ございません。 |
| 念入りに頼む(念押し) | どうか、くれぐれも | 期限の件、重ね重ねお願い申し上げます。 |
- 読み方:かさねがさね(「じゅうじゅう」とは読みません。「重々」は別の言葉です)
- 品詞:副詞として「重ね重ね、〜申し上げます」、名詞につけて「重ね重ねのご厚意」の形で使います
- 二重表現ではない:「重ね」を二度続けて一語になった言葉なので、「重ね重ね」自体は誤りではありません。ただし「重ね重ね、重ねてお詫び申し上げます」のように同じ意味の言葉を足すと重複になります
Point
「重ね重ね」は結びの言葉。本文で一度お礼やお詫びを述べてから使います。書き出しに置くと、何が重なっているのか伝わりにくくなります。
使い方の型(丁寧さの段階つき)
| 型 | 丁寧さ | 使いやすい場面 |
|---|---|---|
| 重ね重ね、厚く御礼申し上げます | 最も改まった言い方 | お礼状・あいさつ状 |
| 重ね重ね、深くお詫び申し上げます | 最も改まった言い方 | 詫び状・重大なお詫び |
| 重ね重ね、お礼申し上げます | 改まった言い方 | 取引先へのお礼メール |
| 重ね重ねお願い申し上げます | 改まった言い方 | 大切なお願いの念押し |
| 重ね重ね申し訳ございません | 丁寧 | お詫びの結び・電話 |
| 重ね重ねありがとうございます | 丁寧 | 何度もお世話になった相手へ |
| 重ね重ねのご厚意(ご配慮・ご高配) | 丁寧 | 相手から何度も助けてもらったとき |
「重ね重ね」は相手から何度も助けてもらった、あるいはこちらが何度も迷惑をかけたという事実があるときほど言葉の重みが生きます。一度だけの小さなお礼に使うと大げさに聞こえることがあります。
そのまま使える一文例文(お礼・お詫び・念押し)
お礼(12例)
- ご多用の中ご尽力いただき、重ね重ねお礼申し上げます。
- ご紹介に加えて同行までしていただき、重ね重ねありがとうございます。
- 急なお願いにもかかわらずご快諾いただき、重ね重ね感謝申し上げます。
- 資料のご提供から日程の調整まで、重ね重ねありがとうございました。
- 重ね重ねのご厚意に、心より感謝申し上げます。
- 格別のご配慮を賜り、重ね重ね厚く御礼申し上げます。
- 先日に続き本日もお時間をいただき、重ね重ねありがとうございます。
- ご丁寧なご助言まで頂戴し、重ね重ねお礼申し上げます。
- お心遣いの品までいただき、重ね重ねありがとうございました。
- 長期にわたりお力添えいただきましたこと、重ね重ね御礼申し上げます。
- (上司へ)お忙しい中、資料の確認と同席の両方をしていただき、重ね重ねありがとうございました。
- (口頭で)本日は本当にありがとうございました。重ね重ね、お礼申し上げます。
お詫び(12例)
- ご迷惑をおかけし、重ね重ね申し訳ございません。
- 度重なる不手際でご迷惑をおかけしましたこと、重ね重ねお詫び申し上げます。
- ご不便をおかけしましたこと、重ね重ね深くお詫び申し上げます。
- お手数をおかけしてばかりで、重ね重ね申し訳ございません。
- ご返信が遅くなりましたこと、重ね重ね失礼いたしました。
- せっかくのご依頼にお応えできず、重ね重ね申し訳ございません。
- 再度の訂正となり、重ね重ね申し訳ございません。
- ご期待に沿えない結果となり、重ね重ねお詫び申し上げます。
- お約束の期日を守れず、重ね重ね申し訳ございませんでした。
- 当日のご案内が行き届かず、重ね重ね失礼いたしました。
- (上司へ)ご対応までしていただき、重ね重ね申し訳ございませんでした。
- (電話で)このたびは本当に申し訳ございませんでした。重ね重ね、お詫び申し上げます。
お願い・念押し(8例)
- 期限につきましては、重ね重ねお願い申し上げます。
- お忙しいところ恐縮ですが、重ね重ねよろしくお願いいたします。
- 当日は時間厳守でのご集合を、重ね重ねお願いいたします。
- 本件は社外秘のため、取り扱いには重ね重ねご注意ください。
- ご無理のない範囲で結構ですので、ご検討のほど重ね重ねお願い申し上げます。
- 引き続きのご指導を、重ね重ねお願い申し上げます。
- 寒さ厳しき折、重ね重ねご自愛くださいませ。
- 末永いお付き合いのほど、重ね重ねお願い申し上げます。
類語「重ねて」「くれぐれも」「重々」「度々」「幾重にも」との違い
| 言葉 | 意味 | 向いている場面 | 例文 |
|---|---|---|---|
| 重ね重ね | 何度も繰り返して(強め) | お礼・お詫びの結び、念押し | 重ね重ね、申し訳ございません。 |
| 重ねて | もう一度(二度目) | お詫び・お礼の結び | 重ねてお詫び申し上げます。 |
| くれぐれも | 念を入れて、どうか | お願い・気づかい | くれぐれもご無理をなさいませんよう。 |
| 重々(じゅうじゅう) | 十分に、よくよく | 承知していることを伝える | ご多忙は重々承知しております。 |
| 度々(たびたび) | 何度も同じことが続いて | 連絡や依頼が続いたとき | 度々のご連絡で失礼いたします。 |
| 幾重にも | 何重にも、ひたすら | 改まったお詫び | 幾重にもお詫び申し上げます。 |
- 一度だけ念を押すなら「重ねて」、何度も重なったときや強く伝えたいときは「重ね重ね」。
- お願いの念押しは「くれぐれも」も近い意味ですが、「くれぐれもご注意ください」のように相手への気づかいに使いやすい言葉です。
- 「重々」は「よくわかっている」側で使う言葉で、「重々承知しております」の形が中心。お礼・お詫びの結びには「重ね重ね」を使います。
同じ相手へ立て続けにメールを送るときの「度々」「重ねてのご連絡」はメール再送の例文に、お詫びの言葉そのものの選び方はお詫びの言い換え一覧にまとめています。
「重ね重ね」を英語で言うと
| 日本語 | 英語の言い方(例) |
|---|---|
| 重ね重ねありがとうございます | Thank you again for all your help. |
| 重ね重ね、お礼申し上げます | Once again, I truly appreciate your support. |
| 重ね重ね申し訳ございません | I apologize once again for the inconvenience. |
| 重ね重ねお願い申し上げます | Thank you again for your cooperation on this. |
英語では「again」「once again」をお礼・お詫びの結びに添えると、「重ね重ね」に近い響きになります。
使える場面・避けたほうがよい場面
| 場面 | 「重ね重ね」 | 代わりの言い方 |
|---|---|---|
| 何度も助けてもらったお礼 | 合う | ― |
| 本文でお詫びしたあとの結び | 合う | 重ねてお詫び申し上げます |
| 迷惑が何度も重なったお詫び | 合う | ― |
| 大切なお願いの念押し | 使える | くれぐれもよろしくお願いいたします |
| 一度だけの小さなお礼 | 大げさに聞こえることがある | ありがとうございます |
| お悔やみの手紙・メール | 避けるのが無難 | 心よりお悔やみ申し上げます |
| お見舞いのメール | 避けるのが無難 | 一日も早いご回復をお祈りしております |
| 結婚のお祝い・披露宴のスピーチ | 避けるのが無難 | 心よりお祝い申し上げます |
注意
弔事・お見舞い・結婚のお祝いでは、「重ね重ね」「たびたび」「くれぐれも」などの重ね言葉を、不幸や再婚が重なることを連想させるとして気にする人がいます。相手に余計な気をつかわせないよう、繰り返しを含まない言葉を選ぶと安心です。ビジネスのお悔やみはお悔やみメールの例文、お見舞いはお見舞いメールの例文、披露宴のあいさつは主賓あいさつの例文を参照してください。
場面別のメール例文
紹介と同行の両方をしてもらったお礼
件名:◯◯社ご紹介のお礼
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
先日は◯◯社の◯◯様をご紹介いただき、誠にありがとうございました。
お忙しい中、初回のお打ち合わせにまでご同席いただき、おかげさまで話がとても円滑に進みました。
重ね重ね、お礼申し上げます。今後ともよろしくお願いいたします。
イベントで何度も助けてもらったお礼
件名:◯◯開催のお礼
株式会社◯◯
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
◯◯では、会場の手配に加え、前日の設営、当日の急な機材トラブルまでご対応いただき、本当にありがとうございました。
◯◯様のお力添えがなければ、無事に終えることはできませんでした。
重ね重ねのご厚意に、心より感謝申し上げます。
上司へのお礼(社内)
件名:◯◯の件のお礼
◯◯部長
お疲れさまです。□□です。
本日の◯◯社との打ち合わせでは、事前の資料確認から当日のご説明まで、多くのお力添えをいただきありがとうございました。
ご指摘いただいた点は、次回の提案書に反映いたします。
重ね重ね、ありがとうございました。
納期の遅れのお詫び(結び)
件名:【お詫び】◯◯の納品遅延について
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
◯◯の納品が予定の◯月◯日に間に合わず、大変申し訳ございません。
原因は弊社内の工程管理の不備によるものです。◯月◯日(◯)午前中には必ずお届けいたします。
今後は工程表を週ごとに共有し、同じことが起きないよう努めます。
ご迷惑をおかけし、重ね重ね申し訳ございません。
同じ相手に二度目のミスをしてしまった
件名:【お詫び】請求書の再度の誤りについて
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
先日訂正してお送りした請求書に、再び金額の誤りがございました。
確認が不十分なままお送りし、度重なるご迷惑をおかけしましたこと、深くお詫び申し上げます。
正しい請求書を添付いたしましたので、お手数ですが差し替えをお願いいたします。今後は二名で確認してから送付いたします。
重ね重ね、申し訳ございません。
大切なお願いを念押しする
件名:◯◯ご提出のお願い(◯月◯日締切)
関係者各位
お疲れさまです。□□です。
◯◯の提出期限が◯月◯日(◯)に迫っております。
期限を過ぎると、印刷の手配が間に合わなくなります。
まだの方は、お早めにご提出ください。
お忙しいところ恐縮ですが、重ね重ねよろしくお願いいたします。
お礼状(改まった文面)
件名:ご臨席のお礼
株式会社◯◯
代表取締役 ◯◯様
拝啓 平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
先日の弊社◯周年記念式典には、ご多用のところご臨席を賜り、誠にありがとうございました。
また、心のこもったご祝辞まで頂戴し、社員一同大変励まされました。
重ね重ね、厚く御礼申し上げます。
敬具
よくある間違いと直し方
| 書きがちな言い方 | 気になる点 | 直し方 |
|---|---|---|
| (書き出しで)重ね重ね申し訳ございません | まだ一度もお詫びしていないので、何が重なっているのか伝わりにくい | まず「申し訳ございません」と伝え、結びで「重ね重ね」 |
| 重ね重ね、重ねてお詫び申し上げます | 同じ意味の言葉を重ねている | 重ねてお詫び申し上げます |
| 資料は重ね重ね確認いたしました | 自分が何度も確認したことを言う使い方は不自然に聞こえる | 資料は何度も確認いたしました |
| 一通の中で「重ね重ね」を何度も | くどくなり、かえって軽く聞こえる | 結びで一度だけ |
| (お悔やみで)重ね重ねお悔やみ申し上げます | 重ね言葉を気にする人がいる | 心よりお悔やみ申し上げます |
| (ちょっとした返信で)重ね重ねありがとうございます | 大げさに聞こえることがある | ありがとうございます |
| ご多忙は重ね重ね承知しております | 「よくわかっている」は「重々」で表すのが自然 | ご多忙は重々承知しております |
送信前のチェックリスト
- 本文で一度、お礼・お詫び・お願いを具体的に述べたか
- 「重ね重ね」は結びで一度だけになっているか
- 「重ねて」「くれぐれも」と同じ一文に並べていないか
- 相手から何度も助けてもらった/何度も迷惑をかけた事実があるか(小さなお礼なら普通の言い方に)
- お悔やみ・お見舞い・結婚のお祝いの文面ではないか
- お詫びなら、原因と今後の対応も書いたか
「重ね重ね」とお礼・お詫びを言われたときの返事
お礼を言われたら、「こちらこそ」と受けて、相手に負担を感じさせない一言を添えます。お詫びを言われたら、受け止めたことと、次の対応で十分であることを短く伝えると、相手は安心します。
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
ご丁寧にありがとうございます。こちらこそ、◯◯様とご一緒できてうれしく思っております。
また何かございましたら、いつでもお声がけください。
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
差し替えの請求書を受け取りました。ご対応いただき、ありがとうございます。
こちらで確認し、問題ございませんでしたので、このまま処理を進めます。
この記事の要点
- 「重ね重ね」は「何度も繰り返して」「くれぐれも」という意味。読みは「かさねがさね」。
- 使い道はお礼・お詫び・念押しの3つ。本文で述べたあと、結びで一度だけ使う。
- 「重ねて」は「もう一度」、「重ね重ね」はより強く何度も重なったことを表す。「重々」は「よくわかっている」側の言葉。
- 一度だけの小さなお礼には大げさに聞こえることがある。
- お悔やみ・お見舞い・結婚のお祝いでは、重ね言葉を気にする人がいるため避けるのが無難。
FAQ
よくある質問
「かさねがさね」と読みます。「重々(じゅうじゅう)」は別の言葉です。
二重表現ではありません。「重ね」を二度続けて一語になった言葉です。ただし「重ね重ね、重ねてお詫び申し上げます」のように同じ意味の言葉を足すと重複になります。
使えます。「重ね重ね、お礼申し上げます」「重ね重ね、申し訳ございません」の形で、取引先や上司へのお礼・お詫びの結びに使えます。
「重ねて」は「もう一度」という意味で、お詫びの結びの「重ねてお詫び申し上げます」がよく使われる形です。「重ね重ね」は「何度も繰り返して」という意味で、より強く気持ちを伝えたいときに使います。
失礼ではありません。何度もお世話になった相手へのお礼に使えます。より改まった場面では「重ね重ね、お礼申し上げます」「重ね重ね、厚く御礼申し上げます」が向いています。
重ね言葉は、不幸や再婚が重なることを連想させるとして気にする人がいるため、避けるのが無難です。「心よりお悔やみ申し上げます」「心よりお祝い申し上げます」など、繰り返しを含まない言葉を選びます。
書き出しでは、まだお礼やお詫びを一度も述べていないため、何が重なっているのか伝わりにくくなります。本文で一度伝えてから、結びで使うと自然です。
お礼なら「Thank you again for 〜」、お詫びなら「I apologize once again for 〜」のように、again や once again を添えると近い響きになります。