言葉の使い分け
最後・最期の違い
使い分けと例文、お悔やみでは?
結論から言うと、順番や物事のいちばんあと・終わりなら「最後」、人の命が終わるとき・死に際なら「最期」と書くのが一般的です。読みはどちらも「さいご」。ビジネスの文書やメールで使うのはほとんどが「最後」で、「最期」はお悔やみなど、人の死について書くときに限って使うのが無難です。見分けるコツは、「いちばんあと」に置き換えられるか。たとえば「◯月◯日が最後の出社日となります」、「最期まで穏やかでいらしたと伺いました」と書き分けます。このページでは、それぞれの意味、早見表、メール・お悔やみの例文、迷いやすい書き方の直し方、覚え方をまとめました。
結論
最後は、物事や順番のいちばんあと、終わり。最期は、命が終わるとき、死に際。辞書によっては「最期」に物事が滅びる終わりの意味を載せているものもありますが、ふだんの文書では人の死に限って使うのが一般的です。
それぞれの意味
最後(いちばんあと・終わり)
「最後」は、順番や時間の流れの中でいちばんあとにあるもの、物事の終わりを表します。「最後の出社日」「最後に」「最後になりましたが」「最後まで」「最後のページ」「列の最後尾」のように、仕事の場面で幅広く使います。
「これが最後のチャンス」のように、それより後がないという意味合いで使われることもあります。
最期(命が終わるとき)
「最期」の「期」は「期間」「時期」の期で、とき・時期を表します。人の命が終わるとき、死に際を指し、「最期を看取る」「最期を迎える」「安らかな最期」のように使います。
辞書によっては、組織や物事が滅びる終わりの意味も載せていますが、仕事の文書でこの意味で使うと重く響きます。人の死に関わらない話では「最後」と書くほうが無難です。
Point
最後=いちばんあと、最期=命の終わるとき。迷ったら、人の死について書いているかどうかで決めると選びやすくなります。
使い分けの早見表
| 言葉 | 意味 | よく組む語 | 例文 |
|---|---|---|---|
| 最後 | 順番や物事のいちばんあと・終わり | 出社日・最後に・最後になりましたが・最後まで・最後尾 | ◯月◯日が最後の出社日となります。 |
| 最期 | 命が終わるとき・死に際 | 看取る・迎える・安らかな・穏やかな | ご家族に見守られ、安らかな最期だったと伺いました。 |
注意
メールの結びで使う「最後になりましたが」は「最後」です。より改まった言い方の「末筆ながら」との使い分けは「末筆ながら」の意味と使い方、結びの言葉の一覧はメールの締めの言葉にまとめています。
ビジネス文書・メールでの例文
退職・異動の挨拶(最後)
私事で恐縮ですが、◯月◯日をもちまして退職することとなりました。◯月◯日(◯)が最後の出社日となります。在職中は大変お世話になり、ありがとうございました。
メールの結び(最後)
最後になりましたが、皆様のますますのご活躍をお祈り申し上げます。
会議・進行(最後)
最後に、次回の日程を確認させてください。候補は◯月◯日(◯)と◯月◯日(◯)です。
仕事への意気込み(最後)
引き継ぎが完了するまで、最後まで責任を持って対応いたします。
社内の訃報の連絡(最期には触れない)
◯◯部の◯◯さんのお父様が、◯月◯日に逝去されました。ご家族の意向により、葬儀は近親者のみで執り行われるとのことです。
社内の訃報の連絡では、亡くなった様子(最期のこと)には触れず、日時や葬儀の形式など必要なことだけを書くのが一般的です。
お悔やみの手紙・メール(最期)
ご家族に見守られ、穏やかな最期であったと伺いました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
注意
「最期」に触れるのは、ご遺族から様子をうかがった場合など、ごく親しい間柄に限るのが無難です。取引先へのお悔やみはお悔やみメールの例文(ビジネス)、社内への知らせ方は社内の訃報の連絡の例文、退職の挨拶は退職の挨拶の例文を参考にしてください。
迷いやすい例と一般的な書き方
| 迷いやすい書き方 | 一般的な書き方 | 考え方 |
|---|---|---|
| 最期の出社日 | 最後の出社日 | 勤務のいちばんあとなので「最後」 |
| 最期の挨拶をさせていただきます(退職) | 最後の挨拶をさせていただきます | 人の死とは関係ないので「最後」 |
| 最期になりましたが | 最後になりましたが | 結びの言葉は「最後」 |
| 最期まで責任を持って対応します | 最後まで責任を持って対応します | 仕事の終わりまでなので「最後」 |
| 父の最後を看取りました | 父の最期を看取りました | 命の終わるときなので「最期」 |
| 故人と最期のお別れをする | 故人と最後のお別れをする | お別れをするのは残された人なので「最後」と書かれることが多い |
葬儀の案内などで見る「最後のお別れ」は、残された人が故人と会えるいちばんあとの機会を指すため、「最後」と書かれるのが一般的です。「亡くなる人自身の命の終わり」なら最期、「残された人にとってのいちばんあと」なら最後と考えると整理しやすくなります。
結婚式などのお祝いの席では、終わりを連想させる言葉を避けて「最後に」を「結びに」と言い換える人もいます。スピーチの締め方はスピーチの締め・最後の一言の例文にまとめています。
覚え方
| 言葉 | 注目する字 | 覚え方 |
|---|---|---|
| 最後 | 後(あと) | 「いちばん後」。順番や物事の終わり |
| 最期 | 期(とき) | 「命の期(とき)」。命が終わるとき |
Point
迷ったら、順番の「後」なら最後、命の「期(とき)」なら最期と思い出してください。仕事のメールなら、まず「最後」です。
この記事の要点
- 最後は順番や物事のいちばんあと(最後の出社日・最後になりましたが)。
- 最期は命が終わるとき(最期を看取る・安らかな最期)。読みはどちらも「さいご」。
- ビジネスの文書やメールはほとんどが「最後」。
- 「最後のお別れ」は残された人にとってのいちばんあとなので「最後」が一般的。
- お悔やみで「最期」に触れるのはごく親しい間柄に限るのが無難。
FAQ
よくある質問
最後は「順番や物事のいちばんあと」、最期は「命が終わるとき」です。仕事の文書やメールで使うのは、ほとんどが「最後」です。
「さいご」と読みます。「最後」と同じ読みなので、変換のときに取り違えないよう注意が必要です。
「最期」は命が終わるときを指す言葉なので、退職の挨拶では「最後の出社日」と書くのが一般的です。「最期」と書くと、読み手を驚かせてしまうことがあります。
葬儀などで故人と会えるいちばんあとの機会を言うときは、「最後のお別れ」と書かれるのが一般的です。お別れをするのは残された人なので、「いちばんあと」の意味の「最後」が使われます。
取引先へのお悔やみでは、亡くなった様子に触れず、お悔やみの言葉を簡潔に伝えるのが一般的です。「最期」に触れるのは、ご遺族から様子をうかがった場合など、ごく親しい間柄に限るのが無難です。