言葉の使い分け
「照会」と「紹介」の違い
使い分けと例文、覚え方
「照会」と「紹介」は、どちらも「しょうかい」と読みます。結論から言うと、問い合わせて事実を確かめるなら「照会」、人や物を引き合わせる・知らせるなら「紹介」です。見分け方のコツは、「問い合わせ」「確認」に置き換えられるなら照会、「引き合わせ」「案内」に置き換えられるなら紹介。使った一文は「◯◯様からご紹介いただいた会社に、納期の照会をしました。」。このページでは、それぞれの意味、早見表、メールの例文、迷いやすい書き方と覚え方をまとめました。
結論
照会は、分からないことや不確かなことを問い合わせて確かめることを指し、「残高照会」「在庫照会」「照会に回答する」の形で使われます。紹介は、知らない人どうしを引き合わせること、また物事を広く知らせることを指し、「取引先を紹介する」「自己紹介」「商品の紹介」の形で使われます。
それぞれの意味
照会:問い合わせて確かめる
「照会」は、分からないことや確かめたいことを、相手に問い合わせて確認することです。「照らし合わせる」の照の字のとおり、手元の情報を相手の情報と突き合わせて確かめる場面で使われます。「残高照会」「在庫照会」「在籍照会」「照会状」「照会への回答」のように、事実や状況の確認と組みます。
「問い合わせ」とほぼ同じ意味で使われますが、「照会」はやや改まった、事務的な響きがあります。取引先へのメールでは「お問い合わせ」「ご確認」と書いたほうがやわらかく伝わることもあります。
紹介:引き合わせる・知らせる
「紹介」は、知らない人どうしの間に入って引き合わせること、またまだ知られていない物事を知らせることです。「取引先を紹介する」「◯◯様のご紹介で」「自己紹介」「新サービスの紹介」のように使います。
Point
迷ったら「確かめるのか、つなぐ・知らせるのか」。確かめるなら「照会」、つなぐ・知らせるなら「紹介」。
使い分けの早見表
| 言葉 | 意味 | よく組む語 | 例文 |
|---|---|---|---|
| 照会 | 問い合わせて事実や状況を確かめること | 残高照会、在庫照会、在籍照会、照会状、照会に回答する、照会先 | 納期について、メーカーに照会しています。 |
| 紹介 | 人と人を引き合わせること/物事を知らせること | ご紹介、紹介者、紹介状、自己紹介、商品紹介、事例紹介 | ◯◯様のご紹介でご連絡いたしました。 |
「照会」は答えを求める言葉、「紹介」は相手に渡す言葉です。照会には回答が返ってきますが、紹介は知らせた時点で一区切りです。
ビジネス文書・メールでの例文
取引先へのメール(在庫の照会)
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
◯◯(品番:◯◯)の在庫について、照会させていただきたくご連絡いたしました。
◯月◯日(◯)までに◯個の納品が可能か、ご確認いただけますでしょうか。
照会への返信
先日ご照会いただいた◯◯の納期につきまして、メーカーに確認が取れましたのでお知らせいたします。
人を紹介するメール
◯◯様
先日お話しした会場運営の件で、株式会社◯◯の□□様をご紹介いたします。
□□様は、展示会の運営を数多く手がけていらっしゃる方です。
よろしければ、一度お打ち合わせの機会をいただけますと幸いです。
紹介を受けて初めて連絡するメール
突然のご連絡失礼いたします。株式会社△△の□□と申します。
株式会社◯◯の◯◯様からご紹介いただき、ご連絡いたしました。
社内チャット(照会の進み具合)
◯◯社の請求の件、経理に入金状況を照会中です。分かり次第ここに書きます。
イベントの案内文(登壇者の紹介)
当日は、◯◯の分野で活躍されている◯◯氏に、最新の事例をご紹介いただきます。
注意
人を引き合わせるメールの全文は人を紹介するメールの例文、問い合わせへの返信は問い合わせへの返信メールの例文、登壇者の紹介文は講師紹介の例文にまとめています。
迷いやすい例と正しい書き方
| 迷いやすい書き方 | 気になる点 | 一般的な書き方 |
|---|---|---|
| 口座の残高を紹介する | 知らせるのではなく、確かめる話 | 口座の残高を照会する |
| ◯◯様のご照会でご連絡しました | 引き合わせてもらったことを言っている | ◯◯様のご紹介でご連絡いたしました |
| 新商品を照会いたします | 相手に知らせる話 | 新商品をご紹介いたします |
| 紹介の件、回答をお待ちしています(問い合わせの意味で) | 答えを求めているのは照会 | 照会の件、ご回答をお待ちしております |
| (取引先に)照会いたします、とだけ書く | 事務的で硬く感じる人もいる | ◯◯について確認させていただけますでしょうか |
「照会」は硬く聞こえやすい言葉です。社外の相手には、「お問い合わせ」「確認させてください」と言い換えるのも一つの方法です。
覚え方
「照」は「照らし合わせる」の照。手元の情報を相手の情報と照らし合わせて確かめるのが「照会」です。
「紹」は「紹介」くらいでしか見かけない字ですが、「人と人の間を取り持つ」と結び付けて、介は「仲介」「介する」の介と覚えると、間に入ってつなぐ「紹介」が思い出せます。語源の説明ではなく、思い出すための目安です。
Point
照らし合わせて確かめるのが「照会」、間に入ってつなぐのが「紹介」。
この記事の要点
- 照会は問い合わせて事実や状況を確かめること。「残高照会」「在庫照会」。
- 紹介は人を引き合わせる・物事を知らせること。「ご紹介いただく」「商品紹介」。
- 照会には回答が返ってくる。紹介は知らせて一区切り。
- 「照会」は硬く聞こえやすいので、社外には「お問い合わせ」「ご確認」と言い換えてもよい。
- 紹介で連絡するときは誰からの紹介かを冒頭に書く。
FAQ
よくある質問
一般的には、問い合わせて事実や状況を確かめるのが「照会」、人と人を引き合わせたり物事を知らせたりするのが「紹介」です。
ほぼ同じ意味で使われますが、「照会」のほうが改まった、事務的な響きがあります。社外へのメールでは「お問い合わせ」「確認させてください」と書くほうがやわらかく伝わることもあります。
相手からの問い合わせを敬って「ご照会いただいた件」と言うことがあります。自分から問い合わせるときは「照会させていただきたく」「確認させてください」などと書くのが一般的です。改まった文書では、相手に向けた動作として「ご照会申し上げます」と書くこともあります。
ある人がその会社に在籍しているかどうかを、問い合わせて確かめることを指す言い方です。確かめる行為なので「照会」と書きます。
「先日は◯◯様をご紹介いただき、ありがとうございました」と書き、その後どうなったか(お会いできた、打ち合わせが決まったなど)を一言添えると、紹介してくれた人も安心します。