四字熟語
切磋琢磨の意味とは?
由来・場面別の例文30と目上への使い方
結論:「切磋琢磨(せっさたくま)」は、仲間どうしが励まし合い、競い合って、互いに力を高めることです。例文は「同期と切磋琢磨しながら、ここまで来ることができました。」。もとは骨や角、玉や石を切って磨き上げるように、学問や人柄を磨くことを表した言葉で、中国の古典『詩経』の句に由来します。対等な相手に使う言葉なので、上司や取引先には言い換えが必要です。このページでは、由来と一字ずつの意味、学校・部活・職場・自己PRまで場面別の例文30、朝礼・送別会のスピーチ例、類語・英語との比較、目上に使うときの注意をまとめました。
結論
「切磋琢磨」は、①学問や技芸、人柄を努力して磨くこと、②仲間どうしが励まし合い競い合って、互いを高めることを表す四字熟語です。いまの職場や学校では②の意味で使われることが多く、「同僚と切磋琢磨する」「切磋琢磨しながら成長する」の形で使います。
まず結論:切磋琢磨を一目で
| 項目 | 答え |
|---|---|
| 読み方 | せっさたくま |
| 意味 | 仲間どうしが励まし合い競い合って、互いに力を高めること(もとは、学問や人柄を努力して磨くこと) |
| 由来 | 『詩経』衛風「淇奥」の句「如切如磋、如琢如磨」。『論語』学而篇でも引かれる |
| 一字ずつ | 切・磋=骨や角を切って磨く/琢・磨=玉や石を打って磨く |
| 使う相手 | 同期・同僚・同級生・チームメイト・同業者など、対等な相手 |
| よく使う形 | 切磋琢磨する/切磋琢磨しながら〜/切磋琢磨できる仲間/切磋琢磨の日々 |
| 言い換え | 互いに高め合う/学び合う/しのぎを削る(競争の面が強い)/研鑽を積む(一人の努力) |
| 英語にするなら | push each other to improve/friendly rivalry |
| 目上の人には | 「切磋琢磨しましょう」ではなく「ご指導いただきながら力をつけてまいります」 |
Point
迷ったら「誰と」「何をして」高め合ったかを一緒に書く。「同期と、提案書を見せ合いながら切磋琢磨した」のように具体にすると、決まり文句に聞こえません。
「切磋琢磨」の意味と由来・出典
由来は中国の古典で、『詩経』衛風の「淇奥(きいく)」という詩に、すぐれた人物を「如切如磋、如琢如磨」(切するが如く磋するが如く、琢するが如く磨するが如し)とたたえる句があります(本によっては「磋」を「瑳」と書きます)。『論語』学而篇でも、孔子の弟子の子貢がこの句を引いています。
一字ずつの意味
| 字 | 磨くもの | 動作のイメージ |
|---|---|---|
| 切(せつ) | 骨・角 | 刃物で切り出して形を整える |
| 磋(さ) | 骨・角 | やすりなどで表面を磨く |
| 琢(たく) | 玉・石 | のみで打って形を整える |
| 磨(ま) | 玉・石 | 砥石などで磨いて光らせる |
辞書では、「切」「磋」は骨や角を、「琢」「磨」は玉や石を細工して磨くことと説明されます。荒く形を出し、仕上げに磨くという手順を重ねて、自分を根気よく磨き上げる、というのがもとの意味です。
「自分を磨く」から「互いに高め合う」へ
そこから、仲間どうしが刺激し合って高め合う意味でも使われるようになりました。辞書によっては一人で努力する意味を先に挙げるものもあり、どちらを中心に説明するかは辞書で揺れがあります。いまの会話や文章では「仲間と高め合う」の意味で使うと誤解がありません。
Point
もとの意味=自分を磨くこと。いまよく使う意味=仲間と互いに高め合うこと。どちらも誤りではありません。
よく使う形(文型)と使い方
| 形 | 例文 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 〜と切磋琢磨する | 同じ部署の◯◯さんと切磋琢磨しています。 | 会話・報告 |
| 切磋琢磨しながら〜 | 仲間と切磋琢磨しながら、資格の勉強を続けています。 | 自己紹介・自己PR |
| 切磋琢磨できる〜 | 切磋琢磨できる仲間に出会えたことに感謝しています。 | 挨拶・手紙 |
| 切磋琢磨の日々 | 入社から三年、同期との切磋琢磨の日々でした。 | 送別・振り返り |
| 切磋琢磨を重ねる | 選手たちは練習で切磋琢磨を重ね、本番に臨みました。 | 報告書・紹介文 |
| 切磋琢磨し合う | これからも切磋琢磨し合いましょう。 | くだけた会話・寄せ書き |
注意
仲間と高め合う意味の「切磋琢磨」はそれだけで「互いに」の意味を含むため、「切磋琢磨し合う」は意味が重なると感じる人もいます。会話では広く使われていますが、改まった文書では「切磋琢磨する」とするのが無難です。
場面別の例文30(そのまま使える形)
どれも自分で書いた例文です。◯◯は氏名・部署名・案件名に置き換えてください。
学校・勉強
- 受験までの一年間、友人と切磋琢磨しながら模試の点数を伸ばしました。
- ゼミでは互いの発表に意見を出し合い、切磋琢磨しています。
- 同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨できる環境を選びたいと考え、この学校を志望しました。
- クラス全員が切磋琢磨して、合唱コンクールの練習に励みました。
- 研究室の先輩や同期と切磋琢磨した経験が、卒業論文の支えになりました。
部活動・スポーツ
- レギュラーを争う同級生と切磋琢磨したことで、最後の大会で力を出し切れました。
- ライバル校の選手とは、試合のたびに切磋琢磨してきた間柄です。
- 先輩・後輩の区別なく切磋琢磨できるのが、このチームの良さです。
- 練習相手がいるからこそ切磋琢磨でき、一人では届かない記録に近づけました。
趣味・習い事・芸事
- 書道教室の仲間と作品を見せ合い、切磋琢磨しています。
- 同じ時期に入門した仲間と切磋琢磨しながら、茶道の許状をいただけるよう稽古を続けています。
- 将棋の研究会では、勝ち負けよりも切磋琢磨できる時間を大切にしています。
- ランニング仲間と記録を報告し合い、切磋琢磨しながらフルマラソン完走を目指しています。
職場(同僚・同期・チーム)
- 同期とは成績を比べ合いながらも、切磋琢磨して一緒に伸びてきました。
- 各チームの成功事例を月に一度共有し、互いに切磋琢磨できる場にしたいと考えています。
- 新人の皆さんには、同期と切磋琢磨しながら、気軽に相談し合える関係をつくってほしいと思います。
- 提案書を見せ合う会を始めてから、チーム全体で切磋琢磨する雰囲気ができてきました。
- ◯◯さんと切磋琢磨しながら、今期は二人とも目標を達成できました。
自己PR・面接・エントリーシート
- 私の強みは、周りと切磋琢磨しながら自分を伸ばせることです。アルバイト先では、同僚と接客の工夫を共有し合い、店舗の満足度調査で評価を上げることができました。
- 前職では、同じ営業目標を持つ同僚と毎週振り返りを行い、切磋琢磨しながら提案の質を高めてきました。
- 御社の、社員どうしが切磋琢磨できる研修制度に魅力を感じ、志望いたしました。
- 自己評価:同じ案件を担当する◯◯さんと切磋琢磨し、提案書の作成時間を短くする工夫を重ねました。
注意
自己PRでは「切磋琢磨しました」だけで終わらせず、誰と・何をして・どうなったかまで書くと伝わります。評価シートの書き方は自己評価の例文も参考にしてください。
挨拶・手紙・年賀状・寄せ書き
- (年賀状・同期へ)今年もお互い切磋琢磨して、良い一年にしましょう。
- (寄せ書き・同期へ)一緒に切磋琢磨できた三年間は、私の宝物です。新天地でのご活躍を応援しています。
- (同業者の集まりで)同じ業界で切磋琢磨している皆様とお会いでき、大変うれしく思います。
- (卒業・修了の挨拶で)ともに切磋琢磨した仲間がいたからこそ、最後までやり遂げることができました。
報告書・社内報・紹介文
- 若手社員が部署の垣根を越えて切磋琢磨する場として、社内勉強会を始めました。
- 参加者どうしが切磋琢磨できるよう、発表のあとに必ず意見交換の時間を設けています。
- 両社の技術者が切磋琢磨した成果が、今回の新製品につながりました。
- 選手たちは日々の練習で切磋琢磨を重ね、大会で過去最高の成績を収めました。
朝礼・年頭の挨拶・送別会のスピーチ例
「切磋琢磨」は誰と高め合うのかがはっきりしていると、聞き手に届きやすくなります。以下はいずれも、ゆっくり読んで1分ほどの長さです。
朝礼のスピーチ例
おはようございます。今日は「切磋琢磨」という言葉についてお話しします。
この言葉はもともと、骨や玉を少しずつ削って磨き上げる様子から来ているそうです。一度に仕上げるのではなく、何度も手を入れて磨くところに意味があるのだと思います。
先週、◯◯さんに企画書を見てもらったところ、私が気づかなかった点をいくつも指摘してもらいました。人に見てもらうことは、まさに自分を磨いてもらうことだと感じました。
今週は私も、頼まれたら気づいたことを遠慮せずに伝えるようにします。本日もよろしくお願いいたします。
年頭の挨拶(管理職から部署へ)の例
皆さん、あけましておめでとうございます。
今年は、部署の中で互いの仕事を見せ合う機会を増やしたいと考えています。良いやり方は真似をし、気になるところは率直に伝え合う。そうして切磋琢磨できるチームでありたいと思います。
競い合うことも大切ですが、目指すのは誰かが勝つことではなく、全員が去年より一段上手になることです。
今年もどうぞよろしくお願いします。
送別会(送られる側から)の例
本日はこのような会を開いていただき、ありがとうございます。
入社してから、同期の皆さんとは何度も成績を比べ合い、ときには悔しい思いもしました。けれど、その悔しさがあったからこそ、ここまで続けてこられたのだと思います。皆さんと切磋琢磨できたことは、私の大きな財産です。
新しい場所でも、ここで学んだことを忘れずに頑張ります。本当にお世話になりました。
歓迎会・新人の自己紹介の例
本日から◯◯部に配属になりました、◯◯です。
前の部署では、同じ時期に配属された仲間と切磋琢磨しながら仕事を覚えてきました。こちらでも、皆さんのやり方をよく見て学び、早く力になれるよう努めます。
至らない点も多いと思いますが、ご指導のほどよろしくお願いいたします。
座右の銘・新年の抱負として使うとき
座右の銘として挙げるなら、「切磋琢磨。人と比べて落ち込むより、人から学んで磨く」のように自分の解釈を添えると、人柄が伝わります。新年の抱負なら「今年は同じ担当の◯◯さんと切磋琢磨し、互いの資料を見せ合う時間を毎週つくります」と、相手と行動を具体的にします。
類語・言い換え・英語・反対の表現の比較
| 表現 | 意味・ニュアンス | 切磋琢磨との違い・使い分け |
|---|---|---|
| 互いに高め合う | 相手と一緒に力を伸ばす | 意味はほぼ同じ。目上・社外にも使いやすい |
| 学び合う | 互いに教え、教わる | 競争の面がない。勉強会・チームの方針に |
| しのぎを削る | 激しく競い合う | 競争そのものに重きがある。高め合う面は弱い |
| 競い合う | 相手より上を目指して争う | 互いが伸びるかどうかは含まない |
| 研鑽(けんさん)を積む | 学問や技術を深く磨く | 一人の努力。改まった文書向き |
| 練磨・錬磨(れんま) | 心身や技を鍛えて磨く | 一人の努力。「百戦錬磨」の形でも使う |
| 精進(しょうじん)する | 一つのことに打ち込み努力する | 一人の努力。挨拶の決意表明に多い |
| 好敵手(ライバル) | 力が拮抗し、競い合う相手 | 人を指す言葉で、行為ではない |
| push each other to improve | 互いに押し上げて伸びる(英語) | 日本語の意味に近い言い方 |
| friendly rivalry | 友好的な競争関係(英語) | 関係を指す名詞。「切磋琢磨する関係」に近い |
| 現状に甘んじる・慢心する | 今のままで満足し、努力をしない | 反対の姿勢を言うとき(決まった対義語ではない) |
「切磋琢磨」には決まった対義語が示されないことが多いため、反対の姿勢を言いたいときは「現状に甘んじる」「慢心する」のように、状態を表す言葉で言い表します。英語の例文なら We pushed each other to improve.(私たちは互いに高め合った)のように言えます。
目上の人・社外に使うときの注意
「切磋琢磨」は、同期・同僚・同業者など、対等な相手に使う言葉です。上司や取引先の担当者を相手に「切磋琢磨しましょう」と言うと、自分と相手を同列に並べているように受け取られることがあります。
| 場面 | 避けたい言い方 | 言い換えの例 |
|---|---|---|
| 上司との関係を言うとき | 部長と切磋琢磨して成長できました | ◯◯部長にご指導いただきながら、力をつけることができました |
| 上司への決意表明 | 部長とも切磋琢磨していきたいです | 部長のご指導を糧に、いっそう精進してまいります |
| 取引先への挨拶 | 御社と切磋琢磨していきたいと存じます | 今後とも互いによい仕事ができますよう、よろしくお願いいたします |
| 恩師への手紙 | 先生と切磋琢磨した日々 | 先生のもとで学んだ日々 |
| 業界団体・同業者の集まり | (そのまま使える) | 同じ業界で切磋琢磨している皆様と |
| 社内の同期・同僚に | (そのまま使える) | これからも切磋琢磨していきましょう |
注意
目上の人が聞いている場でも、「同期と切磋琢磨してきました」のように、自分と対等な相手との関係を語るのであれば問題ありません。気をつけるのは、目上の人自身を相手として並べる場合です。
よくある間違いと使う前のチェックリスト
| ありがちな使い方 | 気になる点 | 直し方の例 |
|---|---|---|
| 「切磋拓磨」「切差琢磨」と書く | 正しい表記は「切磋琢磨」。「磋」は石へん | 切磋琢磨 |
| 「せっさたくみ」と読む | 読みは「せっさたくま」 | せっさたくま |
| 相手を蹴落とす競争の意味で使う | 高め合うことに重きがある言葉なので、ずれて聞こえる | 競い合う、しのぎを削る |
| 目上の人に「部長と切磋琢磨して」と言う | 対等な相手の言葉なので、同列に並べているように聞こえることがある | 部長にご指導いただきながら |
| 相手のいない場面で「一人で切磋琢磨した」 | 誤りではないが、いまは仲間と高め合う意味で受け取られやすい | 研鑽を積んだ、努力を重ねた |
| 「切磋琢磨しました」だけで終わる | 決まり文句に聞こえ、中身が伝わらない | 誰と・何をして・どうなったかを足す |
使う前のチェックリスト
- 高め合う相手(同期・同僚・同級生など)がいるか
- その相手は対等な立場か。上司・取引先・恩師なら言い換える
- 何をして高め合ったか(見せ合う・比べ合う・教え合う)を書いたか
- 相手を負かす話になっていないか(それなら「しのぎを削る」「競い合う」)
- 表記は「切磋琢磨」、読みは「せっさたくま」で合っているか
- 改まった文書で「切磋琢磨し合う」としていないか(「切磋琢磨する」が無難)
この記事の要点
- 「切磋琢磨(せっさたくま)」は仲間どうしが励まし合い競い合って、互いを高めること。
- 由来は『詩経』衛風「淇奥」の「如切如磋、如琢如磨」。『論語』学而篇でも引かれている。
- 切・磋は骨や角、琢・磨は玉や石を磨くこと。もとは自分を磨き上げる意味。
- 例文では誰と、何をして、どうなったかまで書くと決まり文句にならない。
- 対等な相手の言葉。目上の人には「ご指導いただきながら」と言い換える。
FAQ
よくある質問
「せっさたくま」と読みます。仲間どうしが励まし合い競い合って、互いに力を高めることです。もとは学問や人柄を努力して磨くことを表しました。
中国の古典『詩経』衛風の「淇奥」という詩にある「如切如磋、如琢如磨」の句がもとになっています。この句は『論語』学而篇でも、孔子の弟子の子貢が引いています。
辞書では、「切」「磋」は骨や角を切って磨くこと、「琢」「磨」は玉や石を打って磨くことと説明されます。細工物を少しずつ仕上げるように自分を磨く、という意味になります。
もとの意味は学問や人柄を磨くことなので、一人の努力に使う説明もあります。ただ、いまは「仲間と互いに高め合う」意味で受け取られることが多く、一人の努力なら「研鑽を積む」「努力を重ねる」のほうが伝わりやすい場合があります。
対等な相手に使う言葉なので、上司に向けると同列に並べているように聞こえることがあります。「ご指導いただきながら力をつけてまいります」のように言い換えるのが無難です。
誤りではなく会話ではよく使われますが、仲間と高め合う意味の「切磋琢磨」は「互いに」の意味を含むため、意味が重なると感じる人もいます。改まった文書では「切磋琢磨する」とすると安心です。
「互いに高め合う」「学び合う」が近い言い換えです。競争の面を強く言うなら「しのぎを削る」、一人の努力なら「研鑽を積む」「精進する」を使います。
決まった対義語が示されないことが多い言葉です。反対の姿勢を言いたいときは「現状に甘んじる」「慢心する」などで表します。
動作なら push each other to improve、関係なら friendly rivalry が意味の近い言い方です。
使えます。ただし「切磋琢磨しました」だけでは中身が伝わらないため、誰と、何をして、どんな結果になったかを続けて述べるようにします。