ビジネス用語
PDCAとは?意味と回し方
例文・PDCAシート・OODAとの違い
結論:「PDCA(ピーディーシーエー)」は、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)を順にくり返し、仕事のやり方を少しずつ良くしていく考え方です。ひと言でいえば「計画・実行・評価・改善のくり返し」。会議なら「前回の反省を次回の計画に入れて、PDCAを回していきましょう。」のように使います。このページでは、回し方の手順、そのまま書き込めるPDCAシート、イベント・営業・事務・個人の仕事での例、会議・メール・面接の例文、OODA・KPTとの違い、「古い」と言われる理由、うまく回らないときの直し方までまとめました。
結論
「PDCA」は、英語のPlan(計画)・Do(実行)・Check(評価・確認)・Action(改善・処置)の頭文字をつなげた言葉です。四つを一周したら改善した内容を次の計画に入れてまた一周することから、「PDCAサイクル」「PDCAを回す」と言います。Action は Act と書かれることもあり、Check を Study に置き換えた「PDSA」という呼び方もあります。
「PDCA」の意味と成り立ち
| 段階 | 英語 | やること | この段階で出すもの |
|---|---|---|---|
| P | Plan(計画) | 目的と目標を決め、やり方・担当・期限を計画する | 目標(あとで比べられる形)と実施計画 |
| D | Do(実行) | 計画どおりにやってみる。起きたことを記録する | 実施の記録(計画との違い・困ったこと) |
| C | Check(評価) | 目標と結果を比べ、うまくいった点・いかなかった点と理由を確かめる | 結果と理由のまとめ |
| A | Action(改善) | 続けること・やめること・変えることを決め、次の計画に入れる | 次回の変更点(担当・期限つき) |
PDCAは、工場などの品質管理の分野から広まった考え方です。米国の統計学者デミングらの考え方をもとに、日本の品質管理の現場で形づくられたと言われます。今では営業・企画・事務・行事の運営、個人の仕事の進め方まで、さまざまな場面で使われています。
Point
PDCAの要は「C」と「A」。やりっぱなしにせず、結果を確かめ、次の計画に何を変えるかまで決めて初めて一周したことになります。
PDCAのメリットと弱み
| 内容 | こんな仕事に向く/気をつける | |
|---|---|---|
| メリット | 目標がはっきりし、何をすればよいかがチームでそろう | 担当が多い仕事、引き継ぎがある仕事 |
| メリット | 結果と理由が記録に残り、同じ失敗をくり返しにくい | 定期的に開くイベント・会議・定型業務 |
| メリット | 一度で完璧を目指さず、小さく試して直せる | 初めての取り組み、手探りの企画 |
| 弱み | 一周に時間がかかると、状況の変化に追いつけない | 急な対応が必要な仕事(後述のOODAが合うことも) |
| 弱み | 計画づくりや報告が目的になり、形だけになりやすい | 書類を増やすより、変える点を絞る |
| 弱み | 前例の改善が中心で、まったく新しい発想は出にくい | 新規企画では、Planの段階で別の案も出しておく |
PDCAの回し方(手順)
- 01
Plan:目標を、確かめられる形で決める
「良いイベントにする」では、終わったあとに達成したかを確かめられません。「受付の待ち時間を前回より短くする」「アンケートで◯◯の満足度を聞く」のように、Checkで比べられる形にします。あわせて、誰が・いつまでに・どうやってやるかを書きます。
- 02
Do:やったことと起きたことを記録する
計画と違ったこと・困ったこと・その場で変えたことをメモしておきます。記録がないとCheckが記憶頼みになり、振り返りがあいまいになります。途中で計画を少し直すのは問題ありませんが、何を変えたかは残します。
- 03
Check:結果と理由を分けて確かめる
目標と結果を比べ、「何が起きたか(事実)」と「なぜそうなったか(理由)」を分けて話し合います。誰かを責める場にすると本当の理由が出てこなくなるので、段取りや仕組みの問題として扱います。
- 04
Action:次に変えることを決めて、計画に入れる
「続けること」「やめること」「変えること」に分け、担当と期限を決めて次の計画に書き込みます。変えることは一度に一つか二つに絞ると、次のCheckで効いたかどうかが分かります。
Planで決めておくこと(チェックリスト)
- 何のためにやるのか(目的)を一文で書いた
- 終わったあとに比べられる目標を決めた(数・時間・アンケートの項目など)
- 誰が・いつまでに・何をするかを決めた
- Doの最中に何を記録するかを決めた
- 振り返り(Check)の日時を先に決めた
注意
目標に使う指標の決め方はイベントのKPI設定と効果測定にまとめています。
そのまま使えるPDCAシート
下の表を会議資料やスプレッドシートに写し、空欄を埋めるだけで一周分を管理できます。
| 項目 | 書くこと | 記入例(セミナーの受付) |
|---|---|---|
| テーマ | 何を良くしたいか | 受付の混雑を減らす |
| P:目標 | あとで比べられる形で | 開場から開始までに受付を終える |
| P:やり方・担当・期限 | 誰が・いつまでに・何を | □□さんが前週までに受付用のQRコードを送る |
| D:やったこと | 計画どおりか、変えた点 | QRコードで受付。紙の名簿も予備で用意 |
| D:起きたこと | 事実だけを書く | QRコードを出せない人の対応で列ができた |
| C:結果 | 目標に届いたか | 開始には間に合ったが、一部の人が待った |
| C:理由 | なぜそうなったか | QRコードの出し方を案内していなかった |
| A:続ける | うまくいったこと | QRコードでの受付 |
| A:変える | 次に変えること(担当・期限) | 前日にQRコードの出し方を再案内(□□さん) |
| A:やめる | 効果がなかったこと | 紙の名簿の全員分の印刷(予備数に減らす) |
Check・Actionで使える質問
- 目標に届いたか。届かなかったなら、どこで差が出たか
- 計画どおりにできなかったことは何か。それはなぜか
- 思ったよりうまくいったことは何か。次も続けられるか
- 参加者・相手からの声で、多かったものは何か
- 次回、一つだけ変えるとしたら何を変えるか
- その変更は、誰がいつまでにやるか
場面別:PDCAを回す例
イベント運営(定期的に開くセミナー)
| 段階 | 1回目 | 2回目 |
|---|---|---|
| Plan | 受付は名簿で名前を確認する | 前回の反省から、事前にQRコードを送り、読み取りで受付する |
| Do | 開場直後に列ができ、開始が遅れた。待ち時間と列の長さをメモした | QRコードでの受付を実施。紙の名簿も予備で用意した |
| Check | 名前を探すのに時間がかかったことが主な理由。アンケートでも待ち時間への意見が多かった | 列は短くなったが、QRコードを用意していない人の対応に時間がかかった |
| Action | 次回は事前に受付用のQRコードを送る | 案内メールで、QRコードの出し方を前日にもう一度知らせる |
一回で全部を直そうとせず、毎回一つか二つの改善を確実に入れると、回を重ねるごとに運営が安定していきます。開催後のまとめ方はイベント報告書の書き方、参加証のQRコードはQRコード作成ツールで作れます。
ほかの仕事での例
| 場面 | Plan | Do | Check | Action |
|---|---|---|---|---|
| 集客メール | 件名を二通り用意し、どちらが開かれるか比べる | 送り先を半分に分けて配信 | 開封と申し込みの数を比べる | 反応が良かった件名の書き方を次回の標準にする |
| 社内の定例会議 | 議題を前日に共有し、時間内に終える | 議題を共有して開催 | 時間を超えた議題と理由を確かめる | 報告だけの議題は資料共有に回す |
| 事務作業(請求書の発行) | 作業手順をチェックリストにする | チェックリストを使って発行 | 差し戻しになった件と原因を確かめる | 差し戻しが多い項目をチェックリストの先頭に移す |
| 個人の仕事 | 一日の作業を朝に三つ決める | 決めた順に取りかかる | 夕方、終わらなかった作業と理由を書く | 見積もりが甘かった作業は次から時間を多めに取る |
注意
毎回の振り返りの場は、定例会議の一部にすると続けやすくなります。会議の持ち方は定例会議の進め方を見てください。
使い方の例文(会議・チャット・メール・面接)
会議で(社内)
前回の反省を次回の計画に入れて、PDCAを回していきましょう。まずは受付の混雑から手を付けたいと思います。
やりっぱなしにならないように、終わったら一週間以内に振り返りの時間を取り、次に変えることを三つまでに絞りましょう。
今回は計画に時間をかけすぎたので、次は小さく試して、早めにCheckまで進めたいと考えています。
チャットで(社内)
昨日のセミナーのアンケート、まとめておきました。次回に向けた改善案を、明日の定例で話せればと思います。
PDCAのCで止まっていますね。課題は出ているので、誰がいつまでに何を変えるかまで決めてしまいましょう。
前回決めた改善(前日の再案内)、効果があったか次の振り返りで確認させてください。
メールで(社内の上司へ)
件名:◯◯セミナーの振り返りと次回の改善案
◯◯課長
お疲れさまです。□□です。
先日の◯◯セミナーの振り返りをまとめました。
・よかった点:講師の説明が分かりやすいという声が多かった
・課題:受付で列ができ、開始が遅れた
・次回の改善案:事前に受付用のQRコードを送る
次回の準備計画に反映してよいか、ご確認いただけますでしょうか。
メールで(取引先へ・言い換えた形)
件名:◯◯展示会の振り返りのご報告
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
先日の◯◯展示会では、多大なご協力をいただきありがとうございました。
当日の結果と課題を整理し、次回に向けた改善案をまとめましたので、資料をお送りいたします。
次回もより良い運営となるよう、引き続きよろしくお願いいたします。
面接・自己PRで(PDCAを回した経験を聞かれたとき)
前職では社内セミナーの運営を担当し、毎回の開催後にアンケートと受付の記録を見直していました。受付の混雑が課題だと分かったため、事前にQRコードを送る方法に変え、次の回では開始の遅れがなくなりました。一度に多くを変えず、毎回一つずつ改善を重ねることを心がけています。
面接で話すときは、何を目標にし(P)、何をして(D)、結果をどう確かめ(C)、何を変えたか(A)を一つの経験で順に話すと伝わりやすくなります。「PDCAを意識しています」だけでは中身が伝わりません。
似た言葉・ほかの考え方との違い(OODA・KPTなど)
| 言葉 | 表す内容 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| PDCA | 計画・実行・評価・改善をくり返して良くしていく | くり返し行う仕事、手順を整えたい仕事 |
| OODA(ウーダ) | Observe(観察)・Orient(状況の判断)・Decide(決定)・Act(行動)。状況を見てすばやく判断し動く | 状況が変わりやすく、計画を待てない場面(当日のトラブル対応など) |
| KPT | Keep(続ける)・Problem(問題)・Try(次に試す)に分けて振り返る | PDCAのC・Aを短時間で行いたいとき |
| 振り返り | 終わったことの良かった点・課題を確かめる | 社内外どちらでも使いやすい |
| 反省会 | 終わったあとに課題を話し合う場 | 社内(責める場と受け取られることもある) |
「振り返り」はPDCAのうち主にC(評価)にあたり、PDCAはその後の改善と次の計画まで含めた一連の流れを指します。KPTは振り返りの進め方の一つで、PDCAのC・Aの場で使えます。KPTの進め方はKPTでの振り返りの書き方を参考にしてください。
PDCAとOODAは、どちらかが上というものではありません。イベントなら、準備や毎回の改善はPDCA、当日の想定外の出来事への対応はOODAのように、場面で使い分けられます。
「PDCAは古い」と言われるのはなぜか
「PDCAはもう古い」という意見を見かけることがあります。主な理由は、計画に時間がかかり、変化の速い仕事では一周する前に状況が変わってしまうことや、計画書や報告書が目的になり形だけになることです。
ただ、これはPDCAそのものより回し方の問題であることが多いと考えます。計画を小さくし、一周を短くすれば、変化の速い仕事でも使えます。定期的に開くイベントや会議、定型の事務作業のように同じことをくり返す仕事では、今も十分に役立ちます。
- 一周にかける期間を、仕事の速さに合わせて短くしている
- 計画書をつくり込む前に、小さく試している
- 変える点を毎回一つか二つに絞っている
- 急な判断が要る場面は、PDCAを待たずにその場で決めている
社外・目上の人に使ってよいか
「PDCA」は失礼な言葉ではなく、社内外の資料でも使われます。ただ、略語なので意味がすぐに思い浮かばない人もいます。また、「PDCAを回します」とだけ書くと中身が伝わらないこともあるので、何を確かめ何を変えるかを添えます。
| 相手・場面 | おすすめの言い方 |
|---|---|
| 社内のチーム・会議 | PDCAを回していきましょう |
| 社内の上司への報告 | 振り返りと次回の改善案をまとめました |
| 取引先 | 結果と課題を整理し、次回の改善案をまとめました |
| 略語に慣れていない相手 | 計画・実行・振り返り・改善をくり返す |
うまく回らないときによくあることと直し方
| 段階 | よくあること | 気になる点 | 直し方 |
|---|---|---|---|
| P | 計画に時間をかけすぎる | 動き出すのが遅れ、一周する前に時期が過ぎる | まず小さく試し、Checkで直す前提にする |
| P | 目標があいまい・高すぎる | 達成したか判断できない、やる気が続かない | 比べられる形にし、次の一周で届く高さにする |
| D | 計画を見ずに進める | 計画と実行がずれ、何が効いたか分からない | 担当と期限を計画表で毎週確かめる |
| D | 実行で終わる | やりっぱなしで、次も同じ課題が出る | 終わったら振り返りの日時を先に決めておく |
| C | 評価で個人を責める | 本当の理由が出てこなくなる | 段取りや仕組みの問題として話し合う |
| C | 感想だけで終わる | 理由が分からず、改善案が出ない | 事実(記録)と理由を分けて書く |
| A | 「気をつける」で終わる | 次に何を変えるのかが分からない | 担当・期限・具体的な変更点を決めて計画に書く |
| A | 一度に全部を直そうとする | どの改善が効いたのか分からなくなる | 毎回一つか二つに絞る |
一周できたかを確かめるチェックリスト
- 目標と結果を並べて比べた
- うまくいかなかった理由を、事実をもとに書いた
- 続けること・やめること・変えることを分けた
- 変えることに担当と期限がついている
- 変えることを次回の計画に書き込んだ
注意
振り返りで相手に課題を伝えるときの言い方はフィードバックの意味と伝え方も参考にしてください。
この記事の要点
- 「PDCA」はPlan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)をくり返して仕事を良くしていく考え方。
- 要はC と A。結果を確かめ、次に変えることを担当・期限つきで計画に入れて一周になる。
- Plan では、あとで比べられる形の目標と、振り返りの日時を先に決める。
- 変えることは毎回一つか二つに絞ると、効いたかどうかが分かる。
- 変化の速い場面はOODA、振り返りの進め方はKPTと使い分けられる。
- 社外には「振り返りと次回の改善案」と言い換えると伝わりやすい。
FAQ
よくある質問
Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)の頭文字をつなげた言葉で、この四つを順にくり返して仕事のやり方を少しずつ良くしていく考え方です。
計画・実行・評価・改善を一周したら、改善した内容を次の計画に入れて、もう一周することを指します。
どちらの書き方も見かけます。意味としてはどちらも、評価の結果をもとに改善し、次の計画につなげる段階を指します。
PDCAは計画から始めてくり返し改善する考え方、OODAは観察から始めて状況を判断し、すばやく決めて動く考え方です。準備や定期的な改善はPDCA、当日の想定外への対応はOODAのように使い分けられます。
一周に時間がかかると変化に追いつけない、形だけになりやすいといった理由で「古い」と言われることがあります。一周を短くし、変える点を絞れば、くり返し行う仕事では今も役立ちます。
振り返りは、終わったことの良かった点や課題を確かめることで、PDCAのうち主にCにあたります。PDCAは、その後の改善と次の計画まで含めた一連の流れを指します。
一つの経験について、何を目標にしたか(P)、何をしたか(D)、結果をどう確かめたか(C)、何を変えたか(A)を順に話します。変えた結果どうなったかまで添えると伝わりやすくなります。
開催前に、終わったあとで比べられる目標を一つ決め、当日に起きたことを記録しておくことから始めます。終わったら早めに振り返りの時間を取り、次回変えることを一つか二つに絞って計画に書き込みます。