ビジネス用語
ガントチャートとは?作り方とExcelの手順
イベント準備の例つき
「ガントチャート」は、作業を縦に、日付を横に並べ、それぞれの作業をいつからいつまでやるかを横棒で示す予定表のことです。日本語に言い換えるなら「工程表」「線表」。使った一文は「準備の流れをガントチャートにまとめたので、担当の重なりを見てください。」。どの作業が同時に進むのか、どこが遅れると後ろに響くのかが一目で分かるのが特長です。このページでは、意味と由来、書く項目、Excelで作る手順、例文、イベント準備の例、社外での言い換えをまとめました。
結論
「ガントチャート」は英語のGantt chartをそのまま読んだ言葉で、考案者とされるヘンリー・ガント(Henry Gantt)の名前に由来すると言われます。縦軸に作業、横軸に日付(時間)を取り、作業ごとの期間を横棒で塗って示す表を指し、「ガントチャートを引く」「ガントで管理する」のように使われます。
「ガントチャート」の意味と由来
ガントチャートは、作業の順番と期間を一枚で見渡すための表です。名前は、この形式の表を広めた人物とされるヘンリー・ガントに由来すると言われ、プロジェクト管理や、製造・建設の工程管理などで使われています。
一般的には、次の項目を左側に並べ、右側に日付の列を並べて、作業の期間を塗りつぶします。
| 項目 | 書くこと | 例 |
|---|---|---|
| 作業名 | やることを動詞で短く | 会場を本契約する |
| 担当 | 責任を持つ人を一人 | □□ |
| 開始日 | 作業を始める日 | ◯月◯日 |
| 終了日 | 作業を終える日 | ◯月◯日 |
| 進み具合 | 未着手・作業中・完了など | 作業中 |
| 日付の列 | 期間を横棒で塗る | 開始日から終了日まで色を付ける |
Point
ガントチャートは「誰が・何を・いつからいつまで」を一枚で見せる表。作業の重なりや、遅れたときに影響が出る範囲が目で分かります。
Excel(エクセル)でガントチャートを作る手順
専用のソフトがなくても、Excelの条件付き書式を使えば、開始日と終了日を入れるだけで横棒が自動で塗られるガントチャートを作れます。メニューの名前や位置は、Excelの版や画面の幅によって少し違うことがあります。
手順1:左側に項目の列を作る
A列から順に「作業名」「担当」「開始日」「終了日」の見出しを入れ、その下に作業を一行ずつ書きます。ここでは、作業が3行目から始まり、C列に開始日、D列に終了日が入っているとします。
手順2:右側に日付の列を並べる
E列の2行目に最初の日付を入れ、右隣のセルに「=E2+1」と入れて右へコピーすると、日付が一日ずつ並びます。列の幅を狭くし、セルの表示形式で日付を「日」だけにすると見やすくなります。土日を飛ばしたい場合は、営業日を数える関数(WORKDAY関数など)を使う方法もあります。
手順3:条件付き書式で期間を塗る
日付の列の、作業が入る範囲(例:E3から右下まで)を選び、「ホーム」→「条件付き書式」→「新しいルール」→「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選びます。数式の欄に次のように入れ、塗りつぶしの色を選びます。
=AND(E$2>=$C3, E$2<=$D3)
これで、その列の日付が開始日から終了日の間に入っているセルだけに色が付きます。「$」の位置は、日付は2行目に固定、開始日・終了日はC列・D列に固定する、という意味です。
手順4:今日の線や締切を目立たせる
同じ範囲に、もう一つ条件付き書式のルールを足し、数式を「=E$2=TODAY()」にして枠線や別の色を付けると、今日がどこかが分かります。マイルストーンの日には、2行目の日付に色を付けておくと目印になります。
手順5:共有して更新する
作業の開始日・終了日が変わったら、日付を書き換えるだけで横棒が動きます。誰がいつ更新するかを決めておかないと、すぐに古い表になってしまうので、定例の会議の前に担当が更新するなど、運用の決まりもあわせて決めておきます。
注意
日付の数え方に迷ったら営業日計算ツール、日ごとの予定を表にするならスケジュール表作成ツールも使えます。
イベント準備のガントチャートの例
イベントの準備では、会場・出演者・告知・印刷物・備品など、別々の担当が同時に動きます。ガントチャートにすると、同じ時期に一人の担当へ作業が重なっていないか、どの作業が終わらないと次に進めないかが見えます。下は作業の並べ方の例です。期間は案件によって大きく変わるので、自分の案件に合わせて置き換えてください。
| 作業 | 担当 | 前に終わっている必要がある作業 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 企画書の作成と承認 | 企画担当 | ― | 準備の最初 |
| 会場の比較と本契約 | 企画担当 | 企画の承認 | 承認の直後 |
| 出演者・登壇者の依頼と確定 | 企画担当 | 会場の本契約(日程の確定) | 本契約の後 |
| 告知ページ・案内状の作成 | 広報担当 | 出演者の確定 | 出演者が決まり次第 |
| 印刷物のデザインと入稿 | 広報担当 | 出演者の確定 | 告知と並行 |
| 備品・機材の手配 | 運営担当 | 会場の本契約 | 開催の数週間前まで |
| 当日の進行表・マニュアル作成 | 運営担当 | 出演者の確定 | 開催の直前まで |
| 最終人数の確定と発注 | 運営担当 | 申込の締切 | 開催の数日前 |
「前に終わっている必要がある作業」の列を入れておくと、一つの遅れがどこまで響くかを説明しやすくなります。開催日からの逆算はイベント準備スケジュールの組み方、当日の分刻みの流れはタイムテーブルの作り方、当日の運営手順は運営マニュアルの作り方にまとめています。
使い方の例文(会議・メール・チャット)
会議で(社内)
準備の流れをガントチャートにまとめました。広報の作業が◯月の後半に重なっているので、印刷物の入稿を少し前倒しできないか相談させてください。
出演者の確定が遅れると、告知と印刷物の両方がずれます。ガントチャートで赤く塗ってあるところが、今いちばん遅らせられない作業です。
チャットで(社内)
ガント更新しました。会場の本契約が◯日にずれたので、備品の手配も◯日後ろにずらしています。
来週の定例の前に、各自の担当分のガントチャートを更新しておいてもらえますか?
メールで(社内の上司へ)
件名:◯◯イベントの準備工程表のご確認
◯◯課長
お疲れさまです。□□です。
◯◯イベントの準備工程表(ガントチャート)を添付いたします。
◯月の後半に広報担当の作業が集中しているため、印刷物の入稿日を前倒しする案も併せて記載しています。
ご確認いただけますと幸いです。
メールで(取引先へ・言い換えた形)
件名:◯◯の進行スケジュールのご共有
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
◯◯の進行スケジュールを、作業ごとの期間がわかる工程表にまとめましたので、お送りいたします。
御社にご対応いただく作業には色を付けております。
ご都合の合わない日程がございましたら、お知らせいただけますでしょうか。
似た言葉との違い
| 言葉 | 表す内容 | 使いやすい場面 |
|---|---|---|
| ガントチャート | 作業ごとの期間を横棒で示す予定表 | 準備期間全体の見える化 |
| 工程表・線表 | 作業の順番と期間を示す表(ガントチャートとほぼ同じ意味で使われることが多い) | 社内外の資料、建設・製造の現場 |
| WBS | やることを大きな単位から細かい作業に分けて並べた一覧 | ガントチャートを作る前の洗い出し |
| タイムテーブル | 当日の時刻ごとの進行を並べた表 | イベント当日の進行 |
| マイルストーン | 途中の節目・中間目標 | ガントチャートの上に目印として置く |
流れとしては、WBSでやることを洗い出し、ガントチャートで期間と順番を並べ、その上にマイルストーンを目印として置く、という使い分けができます。節目の置き方はマイルストーンの意味と設定の例を見てください。
社外・目上の人に使ってよいか
「ガントチャート」は失礼な言葉ではなく、プロジェクトの資料では社外でも使われます。ただ、名前を聞いても形が思い浮かばない人もいるので、相手によっては「工程表」「作業ごとの期間がわかる表」と言い換えると通じやすくなります。
| 相手・場面 | おすすめの言い方 |
|---|---|
| 社内のチーム・チャット | ガント更新しました/ガントチャートで見ると |
| 社内の上司 | 準備工程表(ガントチャート)を添付します |
| 取引先 | 進行スケジュール/工程表 |
| カタカナ語に慣れていない相手 | 作業ごとの期間がわかる表/工程表 |
作るとき・使うときに気をつけたいこと
| ありがちなこと | 気になる点 | 直し方 |
|---|---|---|
| 作業を細かく書きすぎる | 行が多すぎて全体が見えなくなる | 細かい作業はToDoリストに分け、ガントには大きな単位で書く |
| 担当を複数名にする | 誰が進めるのかがあいまいになる | 責任を持つ人を一人だけ書く |
| 作ったきり更新しない | 実際の予定とずれ、誰も見なくなる | 定例の前に担当が更新する決まりを作る |
| 前後のつながりを書かない | 一つの遅れがどこまで響くのか分からない | 「前に終わっている必要がある作業」の列を足す |
| 予備日を入れない | 少しの遅れで締切に間に合わなくなる | 大事な締切の前に予備日を入れる |
注意
予備日の入れ方はバッファの取り方、作業を誰に割り振るかはアサインの意味と使い方も参考にしてください。
この記事の要点
- 「ガントチャート」は作業を縦、日付を横に並べ、期間を横棒で示す予定表。考案者とされるガントの名前に由来すると言われる。
- 日本語なら「工程表」「線表」。
- Excelでは条件付き書式の数式で、開始日〜終了日のセルを自動で塗れる。
- イベント準備では担当の重なりと遅れが響く範囲を見るのに使う。
- 作ったら更新する人とタイミングを決めておく。
FAQ
よくある質問
作業を縦に、日付を横に並べ、それぞれの作業の期間を横棒で示す予定表です。考案者とされるヘンリー・ガントの名前に由来すると言われます。日本語では「工程表」「線表」と呼ばれることもあります。
作れます。左側に作業名・担当・開始日・終了日を書き、右側に日付の列を並べて、条件付き書式の「数式を使用して、書式設定するセルを決定」で、日付が開始日から終了日の間に入るセルを塗るように設定します。
WBSは、やることを大きな単位から細かい作業に分けて並べた一覧です。ガントチャートは、その作業の期間と順番を日付の上に並べた表です。WBSで洗い出してからガントチャートを作る、という進め方があります。
ガントチャートは準備期間全体を日単位で見渡す表で、タイムテーブルはイベント当日の時刻ごとの進行を並べた表です。
通じる相手も多いですが、形が思い浮かばない人もいます。「工程表」「作業ごとの期間がわかる表」と言い換えるか、表そのものを添付すると確実です。