敬語
「拝見しました」「拝受しました」の意味と使い分け
拝読・確認しましたとの違いとメール例文
「拝見」「拝読」「拝受」は、どれも自分の行為をへりくだって言い、相手を立てる言葉です。違いは何をしたかで、見たなら「拝見しました」、読んだなら「拝読しました」、受け取ったなら「拝受しました」。どれも目上・取引先にそのまま使えます。たとえば資料を受け取って目を通したなら、「資料を拝受しました。早速拝見し、◯日までにご返信いたします。」と書けば、受け取りと確認の両方が一文で伝わります。
結論
「拝」は、相手を敬って自分の動作を低める意味を添える字です。拝見=見る、拝読=読む、拝受=受け取る、拝聴=聞くのように、元の動作に対応しています。どれも自分の動作に使う言葉なので、相手に「拝見してください」とは言いません。相手に見てもらうときは「ご覧ください」を使います。
意味の違いと使える場面
| 言葉 | 元の動作 | 使う場面 | 例 |
|---|---|---|---|
| 拝見しました | 見る | 資料・写真・サイト・企画書に目を通した | 企画書を拝見しました。 |
| 拝読しました | 読む | 手紙・メール本文・著書・原稿を読んだ | ご著書を拝読しました。 |
| 拝受しました | 受け取る | 書類・データ・品物・メールを受け取った | 契約書を拝受しました。 |
| 拝聴しました | 聞く | 講演・説明・話を聞いた | ご講演を拝聴しました。 |
| 確認しました | 確かめる | 内容に誤りがないか確かめた | 請求書の内容を確認しました。 |
「拝見」と「拝読」は重なる部分がありますが、文章を読み込んだことを伝えたいときは「拝読」、図や画面も含めて目を通したときは「拝見」が自然です。「確認しました」は敬語としてはふつうの丁寧語ですが、内容を確かめたことがはっきり伝わるので、ビジネスではむしろ使いやすい場面も多くあります。
言い換え一覧(丁寧さの段階つき)
| 言い方 | 丁寧さ | 向く相手 |
|---|---|---|
| 見ました/受け取りました | ふつう | 同僚・チャット |
| 確認しました/受け取りました | 丁寧 | 社内の上司・取引先 |
| 拝見しました/拝受しました | 丁寧(へりくだる) | 取引先・目上の人 |
| 確かに拝受しました | 丁寧(受け取りを強調) | 契約書・原本など大事な書類 |
| 拝見いたしました/拝受いたしました | 改まった言い方 | 改まった文書・目上(ただし、くどく感じる人もいる) |
注意
「拝見いたしました」「拝受いたしました」は広く使われていますが、へりくだる言葉が重なっていると感じる人もいます。迷うときは「拝見しました」「拝受しました」で十分丁寧です。
そのまま使えるメール例文
取引先から資料を受け取り、確認したことを伝える
件名:Re: ◯◯のご提案資料
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
ご提案資料をお送りいただき、ありがとうございます。確かに拝受しました。
早速拝見し、社内で共有いたしました。
◯◯の点について、◯日までに担当者から改めてご連絡いたします。
取り急ぎ、お礼とご報告まで。
契約書の原本を受け取った
件名:契約書原本受け取りのご連絡
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
本日、◯◯に関する契約書の原本を確かに拝受しました。
弊社控えに押印のうえ、◯日までにご返送いたします。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
相手の書いた記事・著書を読んだ(目上)
件名:ご寄稿記事を拝読しました
◯◯様
ご無沙汰しております。株式会社△△の□□です。
◯◯誌に掲載された◯◯様のご寄稿を拝読しました。
◯◯についての考え方は、弊社の企画にもすぐに生かせる内容で、大変勉強になりました。
また改めてお話を伺えれば幸いです。
上司から送られた企画書に目を通した(社内)
件名:Re: ◯◯企画書(案)
◯◯部長
お疲れさまです。□□です。
企画書を拝見しました。
◯ページの予算の項目について、二点ご相談したいことがありますので、明日の打ち合わせでお時間をいただけますでしょうか。
相手のサイト・SNSを見て連絡する
件名:◯◯のご相談(株式会社△△ □□)
◯◯様
はじめてご連絡いたします。株式会社△△の□□です。
貴社のウェブサイトで◯◯の事例を拝見し、ぜひご相談したくご連絡いたしました。
相手に見てもらうとき(拝見ではなく「ご覧ください」)
資料を添付いたしましたので、お手すきの際にご覧いただけますと幸いです。
受け取った書類ごとの受領メールの組み立ては受領メールの例文、資料を送る側のメールは資料送付メールの例文にまとめています。
よくある間違い
- 相手の行為に使っていないか。「資料を拝見してください」「ご拝読ください」ではなく「ご覧ください」「お読みください」
- 「拝見させていただきました」と重ねていないか。「拝見しました」で十分(重ねた言い方をくどいと感じる人もいる)
- 「拝受」をメールの受信だけに使って、中身を見たかどうかが分からなくなっていないか
- 「拝見しました」だけで終わらず、次に何をするかを書いたか
- 同僚とのチャットで堅すぎる言い方になっていないか(「見ました」「確認しました」で十分)
「拝見しました」「拝受しました」と言われたときの返事
相手から「拝受しました」と連絡が来たら、送った側は「ご確認いただき、ありがとうございます」と返せば十分です。続けて次の段取りがあれば書き、なければ返信を省いても失礼にはなりにくい場面です。
□□様
ご確認いただき、ありがとうございます。
ご不明な点がございましたら、お気軽にお知らせください。
この記事の要点
- 見た=拝見、読んだ=拝読、受け取った=拝受、聞いた=拝聴。
- どれも自分の行為に使う。相手に見てもらうときは「ご覧ください」。
- 「拝見させていただきました」は重ねた言い方。「拝見しました」で十分。
- 受け取ったら「拝受しました。早速拝見し…」と次の動きまで書く。
- 内容を確かめたことを伝えたいときは「確認しました」も使いやすい。
FAQ
よくある質問
「拝見」は見ること、「拝読」は読むことをへりくだった言い方です。資料や写真、サイトに目を通したなら「拝見しました」、手紙や著書、原稿をしっかり読んだなら「拝読しました」が自然です。
どちらも受け取ったことを表します。「拝受」は相手を立ててへりくだる言い方で、目上や取引先からいただいたものに合います。「受領」は事務的な言い方で、書類の手続きなどで使われます。
広く使われている言い方ですが、「拝見」と「させていただく」の両方でへりくだっているため、くどいと感じる人もいます。「拝見しました」で十分丁寧なので、メールではこちらを選ぶと無難です。
使えます。上司から送られた資料や企画書に目を通したときに「拝見しました」と返すのは自然です。毎日やり取りする上司とのチャットなら「確認しました」でも問題ありません。
「ご覧ください」「ご覧いただけますと幸いです」を使います。「拝見してください」は、自分をへりくだる言葉を相手の動作に使っているため、不自然な言い方になります。