時短テクニック
イベント会議の議事録を15分で仕上げる
AI文字起こしを確認する順番
手作業の議事録は、会議そのものより長い時間がかかることがあります。AIで文字起こしをしても、出てきた全文を頭から読み直していては時間は縮みません。この記事では、会議が終わってから15分ほどで共有できる状態にすることを目標に、確認する箇所を絞る手順を示します。かかる時間は会議の長さ、録音の状態、使うツールで変わるため、15分はあくまで目指す目安です。
結論
議事録を手早く仕上げる流れは、①会議中に録音する ②終わったらすぐ文字起こしにかける ③金額・日付・可否・人名だけを先に確かめる ④決定事項・保留・ToDoを書き出す ⑤その日のうちに共有するの5段階です。要点は「全文を読まない」「間違えると困る箇所から確かめる」「書き出す型を先に決めておく」の3つです。
全体の流れ
60分前後の打合せを想定した流れです。かかる時間は会議の内容と録音の状態で変わるため、目安の列は「どこに時間をかけるか」の見当として読んでください。
| 段階 | やること | 誰が | 目安 |
|---|---|---|---|
| 会議中 | 話す人の近くに録音機を置く。決まったときに「これで決定とします」と口に出す | 進行役・記録者 | 会議の時間そのもの |
| 会議直後 | 録音ファイルを文字起こしのツールに取り込む | 記録者 | 1〜2分 |
| 処理待ち | 文字起こしと要約ができるのを待つ。その間に別の作業を進める | ツール | ツールと音声の長さで変わる |
| 確認 | 金額・日付・可否・人名だけを確かめる。怪しい箇所は音声で聞き直す | 記録者 | 議事録づくりの中心 |
| 書き出し | 決定事項・保留・ToDoを型に沿って書き出す | 記録者 | 数分 |
| 共有 | チャットやメールで配る。ToDoをタスク管理に登録する | 記録者 | 1〜2分 |
Point
時間を縮める鍵は「確認」の段階です。全文を読むのではなく、間違えると後で困る箇所だけを決まった順番で確かめます。この順番を決めておくことが、この記事でいちばん伝えたいことです。
事前準備:これだけやっておく
最初に一度だけやる準備と、毎回の会議の前にやる準備があります。ここを省くと、確認の段階で直す箇所が増え、結局時間がかかります。
最初に一度だけやること
- 01
ツールを決める
まず無料の範囲で流れを試し、固有名詞の登録や話者の区別が必要になったら有料プランを検討します。候補の比べ方はAI議事録ツールの選び方にまとめています。
- 02
用語集を作る
会社名、会場名、ブランド名、出演者名など、絶対に間違えられない言葉をテキストで書き出します。
- 03
ツールに用語を登録する
固有名詞を登録できるツールなら登録します。Klangでは単語リストが、グローバル版の料金ページでProの機能として記載されています(Klangの無料枠と有料プラン)。
- 04
確認リストを作る
過去の議事録で実際に間違えた金額・日付・人名の例を拾い出し、確認リストに入れます。
- 05
役割を決める
記録者は毎回同じ人か交代制か、決定事項を最終確認するのは誰かを決めます。
毎回の会議の前にやること
- 録音機(またはスマートフォン)の充電と、保存先の空き容量を確かめる
- 会議が始まる少し前から録音を回す。冒頭の前提の共有に大事な情報が入ることがある
- 出席者に「AIで議事録を作るため録音します」と伝え、了承を得てから始める
- 決まったときに「これで決定とします」、持ち越すときに「保留にします」と口に出す約束をしておく
4つの段階の詳しい手順
1. 会議中の録音
文字起こしの結果は録音の質で大きく変わります。良い録音ほど直す箇所が減り、全体が早く終わります。
- 録音機の置き場所:できるだけ話す人の近くに置きます。発言の多い人が決まっているなら、その人の側に寄せます
- 始めるタイミング:「では始めます」の前から回し始めます
- 決まったときの合図:「これで決定とします」「この点は保留にしましょう」とはっきり言葉にしてもらうと、後で決定事項を探しやすくなります
- 終わるタイミング:「今日はここまで」のあとも少し回し続けます。最後に「そういえば」と大事な話が出ることがあります
2. 文字起こしにかける
会議が終わったら、すぐに録音ファイルをツールに取り込みます。処理を待つ間に記録者が画面の前で待つ必要はありません。処理にかかる時間はツールと音声の長さで変わり、公式に目安が示されていないこともあるため、待ち時間が出る前提で別の作業を進めてください。
3. 要所だけを確かめる
ここがいちばん大事な段階です。全文を読むのではなく、間違えると後で困る箇所だけを、次の順番で確かめます。
- 01可否・条件:「できます」と「できません」、「可能」と「不可能」の取り違えは最も危険です。「できる」「OK」「不可」「NG」などが出てくる行は、必ず音声で聞き直します
- 02金額:「万」「千」「円」を検索して、金額が出てくる箇所をすべて確かめます。桁の取り違えに注意します
- 03日付・時刻:日付と時刻を拾い出し、カレンダーと照らし合わせて曜日や前後関係に矛盾がないかを見ます
- 04人名・社名:用語集の言葉を検索して、正しく書かれているかを確かめます
- 05業界の用語:バミリ、山台、香盤などの用語が別の言葉になっていないかを見ます。よく間違うものは用語集に足します
4. 決定事項・保留・ToDoを書き出す
要約から、決定事項・保留・ToDoの3つを抜き出します。毎回同じ型に沿って埋めると迷いません。
| 区分 | 書き方の例 | 確かめること |
|---|---|---|
| 決定事項 | 次回の打合せは◯月◯日(◯)◯時から。会場は◯◯ホール。 | 「決定とします」の合図のあとの発言か。複数の案が残っていないか(残っていれば保留) |
| 保留 | 予算は◯◯部の判断待ち。次回の打合せで確認する。 | 「保留にしましょう」「確認して連絡します」といった発言と対応しているか |
| ToDo | ◯◯さん:会場への問い合わせを◯月◯日までに行う。 | 誰が・何を・いつまでに、の3つがそろっているか |
注意
AIの要約は下書きです。共有する前に、決定事項だけは出席者の誰かにも目を通してもらうと、認識のずれに早く気づけます。決定事項とToDoの取り出し方はAI議事録をイベント案件で使うでも詳しく扱っています。
そのまま使える確認リスト
自社の過去の議事録で実際に起きた間違いを足しながら育ててください。
金額の確認
- 金額の桁が、音声と同じになっているか
- 1つの発言に複数の金額が出てくるとき、それぞれが正しい費目に結びついているか
- 「予算」「見積」「上限」のように意味の違う金額が、取り違えられていないか
日付・時刻の確認
- 日付が別の日付や、ありえない日付になっていないか
- 午前・午後や時刻が短く書き換わっていないか
- 「再来週の月曜」のような言い方が、正しい日付に置き換えられているか
可否・条件の確認
- 「できません」が「できます」になっていないか
- 「保留」「次回に持ち越し」が「決定」になっていないか
- 「どちらの案でもよい」が「この案に決定」になっていないか
- 禁止事項や制約が、肯定の文に読み替えられていないか
よくある間違いと直し方
可否が反対になる
「壁面への固定は不可能です」が「壁面への固定は可能です」と書かれてしまうような間違いです。打ち消しの一音を聞き落とすと、意味が正反対になります。可否に関わる行は、要約ではなく音声の原文を確かめ、議事録には発言をそのまま引用するルールにしておくと安全です。
金額の桁が変わる
金額は桁がひとつずれるだけで大きな問題になります。金額の表現を検索ですべて拾い出し、音声で聞き直して直します。同じ費目の金額が他の箇所にも出てこないかも確かめます。
人名・社名が別の言葉になる
登録していない人名は、似た音の別の言葉になりがちです。見つけたら直したうえで用語集に足しておくと、次の会議から同じ間違いが減ります。
決定と保留が混ざる
要約では、話題に出ただけのことが決定事項のように書かれることがあります。「決定とします」の合図があったかどうかで見分け、合図がなければ保留に回します。
自社の目安を測ってみる
どれだけ時間が縮むかは、会議の長さや録音の状態、確認する人の慣れで変わります。他社の例ではなく、自社の会議で測った時間を目安にしてください。
- 01
今のやり方の時間を測る
次の会議で、会議が終わってから議事録を共有するまでの時間をストップウォッチで測ります。修正の往復にかかった時間も含めます。
- 02
この手順で同じように測る
録音、文字起こし、要所の確認、書き出し、共有までの時間を測ります。どの段階に時間がかかったかもメモしておきます。
- 03
時間がかかった段階を直す
確認に時間がかかったなら用語集や確認リストを足し、聞き直しが多かったなら録音機の置き場所を見直します。
- 04
何回か続けてから判断する
最初の数回は慣れていないため時間がかかります。何回か続けて時間が落ち着いてから、続けるかどうかを決めます。
縮んだ時間は、前回のToDoの進み具合を確かめる、論点を整理する、といった議事録の質を上げる作業に回すのがおすすめです。
よくあるつまずきと対処
最初から15分では終わらない
最初は用語集も確認リストも育っていないため、時間がかかるのが普通です。間違いを見つけるたびに用語集と確認リストに足していくと、回を重ねるごとに確認が速くなります。
要約の間違いを直すのに時間がかかった
確認リストが足りていない合図です。「金額は必ず音声で聞き直す」「可否は原文を引用する」など、間違えると困る項目を先に決め、そこだけを確実に確かめてください。
複数のチームで同じやり方を使いたい
チームごとに記録者を決め、用語集と確認リストは共通のものを置いておくと、やり方がそろいます。
録音を嫌がる人がいる
冒頭で「AIで議事録を作るために録音します」と目的を伝え、了承を得てから始めます。了承が得られない場合は録音をやめ、決定事項だけをその場で読み上げて確認し、手で書き留める方法に切り替えてください。
この記事の要点
- 議事録を手早く仕上げる鍵は、AIの文字起こしを全文読み直さず、間違えると困る箇所だけを確かめること。
- 確かめる順番は、可否・条件、金額、日付・時刻、人名・社名、業界の用語。
- 決定事項・保留・ToDoは毎回同じ型で書き出す。ToDoは誰が・何を・いつまでにをそろえる。
- 用語集と確認リストは、見つけた間違いを足して育てる。回を重ねるほど確認が速くなる。
- どれだけ縮むかは自社の会議で測る。15分はあくまで目指す目安。
FAQ
よくある質問
全文を読み直さず、間違えると困る箇所だけを決まった順番で確かめることです。可否・条件、金額、日付・時刻、人名・社名の順に確かめ、怪しい箇所だけ音声で聞き直します。そのうえで、決定事項・保留・ToDoを毎回同じ型で書き出すと、迷う時間が減ります。会議中に「これで決定とします」と口に出してもらうと、決定事項も探しやすくなります。
見落としはゼロにはなりません。そのため、間違えると後で困る可否・金額・日付・人名に確認を集中させています。重要な金額や条件は音声で聞き直し、決定事項は共有前に出席者の誰かにも目を通してもらうと安心です。
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回せます。前の会議の録音を文字起こしにかけている間に次の会議に出て、終わってからまとめて確認する流れにできます。ただし確認を後回しにしすぎると記憶が薄れて判断しにくくなるため、その日のうちに確認と共有まで終えるのがおすすめです。
使えます。会議ツールの録画・録音ファイルを、文字起こしのツールに取り込めば同じ流れで進められます。会場とオンラインをつなぐ会議では、どちらの音声を正として使うかを先に決めておくと、確認のときに迷いません。
この記事の「決定事項・保留・ToDo」の3区分がそのまま型として使えます。共有のドキュメントに3つの見出しを用意しておき、要約からそれぞれに書き写すと、毎回の書き出しが速くなります。