例文
会議の議長・進行役の言い回し
開会・議題の切り替え・まとめ・閉会
会議の進行役(議長)が口にする言葉は、実は種類が多くありません。始まりと終わりを「宣言する」言葉、議題と議題を「つなぐ」言葉、決まったことを「確かめる」言葉の三種類で、ほとんどの場面をまかなえます。結論から言うと、開会は「定刻になりましたので、始めます」、切り替えは「次の議題に移ります」、まとめは「ここまでの内容を確認します」、閉会は「以上で本日の会議を終わります」の四つを覚えておけば困りません。このページは、場面ごとに一言ずつ引ける言い回し集です。冒頭から締めまでを通した台本が必要なら会議の司会進行の台本を、議論を引き出す問いの立て方は会議のファシリテーションを見てください。
結論
進行役の言い回しは①宣言(開会・閉会・休憩)②つなぎ(議題の切り替え・発言の指名・話を戻す)③確認(まとめ・決定事項・宿題)の三つに分けて覚えると、言葉に詰まりません。社内なら「です・ます」で十分です。社外の人がいる会議では「いたします」「いただけますか」を使い、「させていただきます」を重ねないように気をつけます。
結論:まず覚える四つの言い方
| 場面 | 社内の会議 | 社外の人がいる会議 |
|---|---|---|
| 開会 | 定刻になりましたので、始めます。 | 定刻となりましたので、◯◯の打ち合わせを始めます。本日はお時間をいただき、ありがとうございます。 |
| 議題の切り替え | では、次の議題に移ります。 | それでは、次の議題に移ります。◯◯について、◯◯からご説明いたします。 |
| まとめ | ここまでの内容を確認します。 | ここまでの内容を確認いたします。認識に違いがあればお知らせください。 |
| 閉会 | 以上で本日の会議を終わります。お疲れさまでした。 | 以上で本日の打ち合わせを終わります。ありがとうございました。 |
Point
言い回しより大事なのは「区切りを声に出すこと」です。「次に移ります」「ここで確認します」と口に出すだけで、参加者は今どこを話しているかが分かり、議事録を取る人も書きやすくなります。
進行役が言葉を準備する手順
- 01
アジェンダに「区切りの一言」を書き込む
議題ごとに、始めるときの一言と終えるときの一言をメモしておきます。アジェンダの作り方はアジェンダの書き方を参照してください。
- 02
参加者の呼び方を決める
社内なら「◯◯さん」、社外の方は「◯◯様」または役職名で呼びます。自社の上司を社外の人の前で呼ぶときは、敬称を付けずに名字だけで呼ぶのが一般的です。社内に慣例があればそれに従います。
- 03
時間が押したときの一言を決めておく
どの議題を削るか、持ち越すかを事前に決めておくと、その場で迷わずに言えます。
- 04
締めで読み上げる項目を空欄で用意する
「決まったこと」「持ち越し」「宿題(誰が・何を・いつまでに)」の三つの欄を作り、会議中に埋めていきます。
場面別の言い回し
開会する
皆さん、おそろいでしょうか。定刻になりましたので、始めます。本日の進行は◯◯部の◯◯が担当します。今日のゴールは、◯◯を決めることです。終了は◯時を予定しています。
注意
開会では「何を決めるか」と「何時に終わるか」を最初に言います。この二つを言っておくと、話が長くなったときに戻る場所ができます。
議題を切り替える
この件は、◯◯の方向で進めることにします。では、次の議題に移ります。議題二、◯◯について、◯◯さんからお願いします。
発言を促す・指名する
◯◯さん、営業の立場からはいかがですか。/まだお話しいただいていない方からも、一言ずつお願いできますか。/オンラインの方は、チャットでも構いません。
話を本題に戻す
大事なお話なので、別の機会に時間をとりましょう。いったん今日の議題に戻ります。
長い発言を区切る
ありがとうございます。要点は◯◯ということですね。ほかの方のご意見も伺いたいので、ここで一度区切らせてください。
時間を調整する
予定の時間が近づいています。この議題は、今日はここまでとし、続きは次回に回します。/あと◯分ほどで次の議題に移ります。
途中でまとめる
ここまでの内容を確認します。◯◯については賛成の方が多く、懸念は◯◯の一点、という理解でよろしいでしょうか。
閉会する
以上で、本日の議題はすべて終わりました。最後に、決まったことと宿題を確認します。(読み上げ)漏れがあればおっしゃってください。次回は◯月◯日です。本日はありがとうございました。これで会議を終わります。
よくある失敗と直し方
| よくある失敗 | なぜ困るか | 直し方 |
|---|---|---|
| 切り替えを言わずに次の話を始める | どの議題の話か分からなくなり、議事録も混ざる | 「では、次の議題に移ります」と一言はさむ |
| まとめを言わずに次へ進む | 決まったかどうかが人によって違う理解になる | 「この件は◯◯で決定とします」と言い切ってから移る |
| 指名せずに「何かありますか」とだけ聞く | 誰も話さず、沈黙が続く | 名前を挙げて「◯◯さん、いかがですか」と聞く |
| 進行役が自分の意見を長く話す | ほかの人が反対しにくくなる | 意見を言うときは「進行役としてではなく、一参加者として」と断る |
| 閉会で宿題を読み上げない | 誰が何をやるかが残らない | 宿題の担当と期限を声に出して確認する |
避けたい言い方と言い換え
| 避けたい言い方 | 理由 | 言い換え |
|---|---|---|
| それでは始めさせていただきます。本日の進行を務めさせていただきます◯◯です | 一続きの発言で「させていただく」が重なり、くどく聞こえる | それでは始めます。本日の進行を担当します◯◯です |
| ◯◯部長がおっしゃられたように | 「おっしゃる」と「られる」が重なる二重敬語 | ◯◯部長がおっしゃったように |
| (社外の方の前で)弊社の◯◯部長がおっしゃいました | 自社の人に尊敬語を使っている | 弊社の◯◯が申しておりました |
| それは関係ない話なので | 発言した人を否定する言い方になる | 大事なお話なので、別に時間をとりましょう |
| 時間がないので手短にお願いします | 急かされた印象が強い | 残り時間が少ないので、要点からお願いできますか |
| では、これで決まりということで | 誰が決めたのかがあいまい | では、◯◯の案で決定とします。◯◯さん、よろしいでしょうか |
敬語の重なりや身内への尊敬語は、会議の場で特に目立ちます。司会全般の言葉遣いは司会のつなぎ言葉と言い回しも参考になります。
会議の後のフォロー(お礼・お詫び)
参加者へのお礼(社内チャット)
本日はご参加ありがとうございました。決定事項と宿題を議事録にまとめましたので、ご確認ください。修正があれば◯日までにお知らせください。
時間を延長してしまったお詫び
本日は私の進行が至らず、予定の時間を過ぎてしまい申し訳ありませんでした。次回は持ち越しの議題を先頭に置き、時間内に終えるようにします。
社外の方へのお礼(メール)
本日はお忙しいところ、打ち合わせのお時間をいただき、ありがとうございました。本日確認した内容を以下にまとめましたので、ご確認をお願いいたします。
議事録の送り方は議事録の送付メール、社外へのお礼の書き方は打ち合わせのお礼メールを参照してください。
この記事の要点
- 進行役の言葉は宣言・つなぎ・確認の三種類。
- 開会では「何を決めるか」と「何時に終わるか」を最初に言う。
- 議題を移るときは「この件は◯◯で決定とします」と言い切ってから。
- 発言を求めるときは名前を挙げて聞く。
- 社外の人の前では、自社の上司に尊敬語を使わない。「させていただく」を重ねない。
FAQ
よくある質問
厳密な使い分けは会社や会議の種類によって違います。社内の打ち合わせでは、議題を進めて結論をまとめる人を議長・司会・進行役のどれで呼んでも通じます。取締役会や総会のように規程や定款で議長が決まっている会議は、その定めに従ってください。
使っても間違いではありませんが、社内の会議なら「始めます」で十分です。社外の人がいる場合も「始めます」「始めたいと思います」で失礼にはなりません。「させていただきます」を一つの発言の中で何度も重ねると、くどい印象になります。
「では、次の議題に移ります」が最も使いやすい言い方です。直前の議題の結論を「この件は◯◯とします」と一言でまとめてから言うと、参加者が区切りをつかみやすくなります。
発言の中身を否定せず、「大事なお話なので、別に時間をとりましょう」と預かる形にします。預かった話題は、閉会のときに宿題や次回の議題として読み上げると、言いっぱなしになりません。
決まったこと、持ち越しになったこと、宿題(誰が・何を・いつまでに)の三つを読み上げ、次回の予定を伝えてから「以上で本日の会議を終わります」と締めます。