例文
会議で答えられないときの言い方
発言を振られて困ったときの返し方と例文
会議で発言を求められて答えられないときは、ごまかさずに「今は答えられない」と言い、分かる範囲を伝え、いつまでに誰が答えるかを約束するのが基本です。一言目は「申し訳ございません。今すぐには正確にお答えできませんので、確認して◯日までにご回答いたします」。推測で答えて後で訂正するより、持ち帰って正確に答えるほうが信頼を損ないません。このページでは、すぐ使える一言目、状況別・相手別の例文、時間を稼ぐつなぎの言い方に加えて、答えられなくなる原因と、次の会議で困らないための準備と練習までまとめました。
結論
答えられないときの返し方は①正直に言う(「今すぐには正確にお答えできません」) ②分かる範囲を言う ③回答の期限と方法を約束する(「◯日までにメールで」) ④会議の後に必ず回答するの四段階です。「分かりません」で終わらせず、次に何が起きるかまで言うのがポイントです。
答えられないときの流れ
- 01
一呼吸おく
黙り込まず「少し考えさせてください」「確認いたします」とまず声を出す
- 02
正直に言う
「申し訳ございません、今すぐには正確にお答えできません」
- 03
分かる範囲を言う
「◯◯までは決まっていますが、◯◯はまだ確認が取れていません」
- 04
期限と方法を約束する
「本日中に確認し、明日の午前中までにメールでご回答いたします」
- 05
会議の後に回答する
約束した期限までに回答し、遅れそうなら途中で一度連絡する
Point
答えられないこと自体より、黙り込むことのほうが印象を悪くします。頭が真っ白になったら、まず「確認いたします」「少しお時間をください」と口に出すだけで、場の空気は保てます。
まず使える一言目(そのまま言える即答フレーズ)
頭が真っ白になったときのために、状況ごとの一言目を一つずつ覚えておくと、黙り込まずにすみます。
| 困っていること | そのまま言える一言目 |
|---|---|
| 何を聞かれたかあいまい | 「確認させてください。◯◯についてのご質問でよろしいでしょうか」 |
| 答えを考える時間がほしい | 「少し考えを整理させてください」 |
| 手元に情報がない | 「申し訳ございません、手元に正確な数字がございませんので、確認してご連絡いたします」 |
| 自分では決められない | 「私の一存ではお答えできかねますので、社内で確認いたします」 |
| 担当ではない | 「その件は担当の◯◯が詳しいため、確認のうえご回答いたします」 |
| 意見がまとまっていない | 「まだ考えがまとまっていないのですが、今の時点では◯◯と感じています」 |
| 聞き逃した | 「申し訳ございません、聞き逃してしまいました。もう一度伺ってもよろしいでしょうか」 |
| 部分的には分かる | 「◯◯まではお答えできますが、◯◯は確認が必要です」 |
| 社外に言えない内容 | 「申し訳ございません、現時点ではお伝えできない内容になっております」 |
| 答えに自信がない | 「私の理解では◯◯ですが、念のため確認してから改めてお伝えいたします」 |
どの一言目も、最後に「確認して◯日までに」「後ほど」など次の動きを足すと完成します。
時間を稼ぐ・質問を確かめるつなぎの言い方
すぐに答えが出なくても、質問を確かめる・論点を絞る・話す順番を宣言するだけで、考える時間を自然に作れます。的外れな答えを防ぐ効果もあります。
質問の意図を確かめる
自分:ご質問は、◯◯の費用についてでしょうか、それとも◯◯の時期についてでしょうか。
自分:確認させてください。◯◯が遅れた場合の影響について、というご質問で合っていますか。
答える範囲を絞る
自分:◯◯全体についてはまだ整理中ですので、まず◯◯の点に絞ってお答えします。
話す順番を先に言う
自分:結論から申し上げると、現時点では決まっておりません。理由と、今後の進め方の順にご説明します。
詳しい人に補足を頼む(社内の会議)
自分:私の分かる範囲では◯◯です。◯◯さん、補足があればお願いできますか。
注意
人に振るのは、自分の分かる範囲を先に言ってからにします。最初から丸投げすると、責任を押し付けたように見えます。
メモを見ながら答える
自分:資料を確認しますので、少々お待ちください。……◯ページにあるとおり、◯◯です。
相手・状況別の返し方(例文)
上司に数字や状況を聞かれて分からないとき
上司:◯◯の進み具合はどうなっている?
自分:申し訳ございません、最新の状況を把握できておりません。◯◯さんに確認して、本日中にご報告いたします。
注意
上司への返事では、分からない理由の説明より、いつ報告するかを先に言います。報告の仕方は報連相とはも参考にしてください。
取引先に聞かれ、自分の担当ではないとき
相手:◯◯の仕様はどうなっていますか。
自分:恐れ入ります、その件は担当の◯◯が詳しいため、確認のうえ、◯日までに改めてご回答いたします。
注意
社外の相手に自社の人のことを話すときは、役職をつけず名字だけ、尊敬語も使わないのが基本です。「担当の◯◯がおっしゃっていました」ではなく「担当の◯◯が申しておりました」とします。
取引先に、自分では決められないことを聞かれたとき
相手:あと少し、費用を下げていただけませんか。
自分:ご相談いただきありがとうございます。申し訳ございませんが、私の一存ではお答えできかねます。社内で検討し、◯日までにご連絡いたします。
注意
値引きや納期の変更など、自分に決める権限のないことは、その場で約束しないのが鉄則です。「たぶん大丈夫です」は、後で断るときにかえって相手をがっかりさせます。
急に意見を求められて、考えがまとまらないとき
司会:□□さんはどう思いますか。
自分:ありがとうございます。まだ考えがまとまっていないのですが、◯◯の点は良いと感じました。◯◯については、少し考えてから改めてお伝えしてもよろしいでしょうか。
注意
考えがまとまっていないときは、今言える感想を一つだけ言い、残りは後で伝えると約束します。何も言わないより、場が先に進みます。
話を聞き逃していて、何を聞かれたか分からないとき
自分:申し訳ございません、ご質問を正確に理解できているか不安ですので、もう一度伺ってもよろしいでしょうか。
自分:申し訳ございません。◯◯の件についてのご質問ということで合っていますでしょうか。
注意
聞き逃したときは素直に聞き直すのがいちばんです。質問の内容を自分の言葉で言い直して確かめると、的外れな答えを防げます。
役員・社長に質問されたとき
役員:その施策の効果はどのくらい見込めるのか。
自分:現時点では、◯◯の結果までしか出ておりません。◯◯の結果がそろうのは◯月の予定ですので、その時点で改めてご報告いたします。
注意
立場が上の相手ほど、分かっていることと分かっていないことを分けて伝えます。分かっていないことを推測で埋めないことが、いちばんの誠実さです。
前任者から引き継いだ件で、経緯が分からないとき
自分:申し訳ございません。その件は前任の◯◯から引き継いだもので、経緯を十分に把握できておりません。◯◯に確認のうえ、◯日までにご連絡いたします。
社外の会議で、答えられない(言えない)内容を聞かれたとき
自分:申し訳ございません。その点は、現時点では社外にお伝えできない内容になっております。お伝えできる段階になりましたら、改めてご連絡いたします。
注意
社外に話してよい範囲は会社の決まりに従います。迷ったら答えず、「確認のうえご連絡いたします」と持ち帰ってから上司に相談します。
プレゼンの質疑応答で、想定外の質問が来たとき
質問者:その数字の根拠はどこから来ていますか。
自分:ご質問ありがとうございます。手元の資料では出典まで示せておりませんので、確認して資料と一緒に後ほどお送りいたします。
注意
質疑応答では、まずお礼を言い、答えられる部分と後で送るものを分けて伝えます。発表者が推測で答えると、資料全体の信頼まで下がります。
数字や前提を突っ込まれて、すぐに説明できないとき
上司:その見込みは楽観的すぎないか。
自分:ご指摘ありがとうございます。前提にしている条件を整理し直して、悪い場合の見込みも合わせて明日ご報告いたします。
クレームや不具合の原因を聞かれ、まだ分かっていないとき
相手:なぜこのようなことが起きたのですか。
自分:ご迷惑をおかけし、申し訳ございません。原因は現在調べております。分かっている範囲では◯◯です。原因が分かりしだい、遅くとも◯日までにご報告いたします。
注意
原因が分からないうちに「◯◯のせいだと思います」と推測を言わないことが大切です。先にお詫びと、分かっている事実と、報告の期限を伝えます。
オンライン会議で急に指名されたとき
自分:(ミュートを外して)□□です。失礼しました。今の◯◯の件についてでしょうか。……私からは、◯◯の点を確認してから、チャットで共有いたします。
状況別の返し方の早見表
| 状況 | 一言目 | 続けて言うこと |
|---|---|---|
| 事実・数字が分からない | 「申し訳ございません、手元に正確な情報がございません」 | 誰に確認し、いつまでに答えるか |
| 自分では決められない | 「私の一存ではお答えできかねます」 | 社内で検討し、いつ連絡するか |
| 考えがまとまらない | 「まだ考えがまとまっていないのですが」 | 今言える感想を一つ+後で伝える約束 |
| 質問を聞き逃した | 「申し訳ございません、もう一度伺ってもよろしいでしょうか」 | 質問の内容を言い直して確かめる |
| 担当外 | 「その件は担当の◯◯が詳しいため」 | 確認して回答する期限 |
| 言えない内容 | 「現時点ではお伝えできない内容になっております」 | 伝えられる段階になったら連絡すること |
どの状況でも、最後は「いつまでに、どうやって答えるか」で締めるのが共通の形です。期限は「近日中」ではなく、「◯日まで」「本日中」と具体的に言います。
やりがちなNG
| NG | なぜ困るか | こうする |
|---|---|---|
| 推測で断言する | 後で訂正が必要になり、信頼を損なう | 分からないことは「確認します」と持ち帰る |
| 黙り込む | 場が止まり、聞いていなかったと思われる | 「確認いたします」とまず声を出す |
| 「分かりません」だけで終わる | 相手は次に何を待てばよいか分からない | 回答の期限と方法まで言う |
| 期限をあいまいにする(「そのうち」「近日中」) | 回答が忘れられやすい | 「◯日までに」と具体的に約束する |
| 持ち帰ったまま回答しない | 約束を破ったことになる | 期限内に回答し、遅れるなら途中で連絡する |
| 権限のないことをその場で約束する | 後で撤回することになる | 「私の一存では」と言って持ち帰る |
言ってはいけない・避けたい言い方
| 避けたい言い方 | 理由 | 言い換え |
|---|---|---|
| 「分かりません」「知りません」 | 突き放した印象になる | 「申し訳ございません、確認いたします」 |
| 「私に聞かれても…」 | 責任を投げ出しているように聞こえる | 「担当の◯◯に確認のうえ、ご回答いたします」 |
| 「たぶん大丈夫だと思います」 | 根拠がなく、後で困る | 「確認してからお答えいたします」 |
| 「確認させていただきます」を繰り返す | 「させていただく」が続くと回りくどい | 「確認いたします」 |
| 「担当の◯◯部長がおっしゃっていました」(社外へ) | 社外の相手に身内を高めている | 「部長の◯◯が申しておりました」 |
| 「分かりかねます」だけで終わる | 丁寧でも、次の動きが分からない | 「分かりかねますので、◯日までに確認してご連絡いたします」 |
自社の人を社外の相手に話すときの言い方はおっしゃる・申すの使い分けも参考にしてください。
会議で答えられなくなる原因と対策
答えられない場面が続くときは、言い方より前に原因を見直すと、次の会議から変わります。自分に当てはまるものを探してみてください。
| 原因 | よくある様子 | 対策 |
|---|---|---|
| 準備が足りない | 自分の担当の数字や進み具合を即答できない | 会議の前に、担当分の最新の状況を一枚にまとめておく |
| 質問の意図をつかめていない | 聞かれたことと違う答えを長く話してしまう | 答える前に「◯◯についてでしょうか」と確かめる |
| 完璧な答えを言おうとする | 考え込んで黙ってしまう | 「今言えること」と「後で答えること」に分けてよいと決めておく |
| 緊張で頭が真っ白になる | 知っているはずのことが出てこない | 一言目のフレーズを決めておき、まず声を出す |
| 自分の担当・権限があいまい | 答えてよいのか迷って固まる | 担当範囲と、決めてよいことを事前に上司と確認する |
| 話を追えていない | 指名されて初めて話題に気づく | 議題ごとにメモを取り、自分に来そうな質問に印をつける |
「答えられなかった=能力が低い」と考えすぎる必要はありません。多くは準備と型で減らせるものです。
会議の前にできる準備(チェックリスト)
- 議題と資料に目を通し、自分に聞かれそうな質問を書き出した
- 担当している案件の最新の数字・進み具合・期限を確認した
- 自分が決めてよいこと/持ち帰るべきことを把握している
- 分からない点を、会議の前に担当者へ聞いておいた
- 答えられないときの一言目(「確認して◯日までにご連絡いたします」)を決めている
- 意見を求められたときに言うことを、一つだけ用意した
- オンライン会議なら、ミュートの外し方と資料をすぐ開ける状態を確かめた
- 持ち帰った件を書き留めるメモ欄を用意した
とっさに答えられるようになる練習
- 01
想定質問を書き出す
会議の前に、聞かれそうな質問を三つ書き、それぞれの答えを一行で用意する
- 02
答える型を決める
「結論 → 理由 → 次の動き」の順で話すと決めておく。分からないときも「結論:現時点では未確定」から始められる
- 03
声に出して言ってみる
一言目のフレーズを、実際に口に出して言い慣れておく
- 04
会議の後に振り返る
答えられなかった質問と、本当はどう答えればよかったかをメモに残す
- 05
次の会議の準備に足す
振り返りで出た質問を、次回の想定質問に加える
Point
練習の目的は、上手な答えを用意することではありません。会議で役に立つのは、分かることと分からないことをはっきりさせ、次に何が起きるかを示すことです。
会議の後のフォロー(回答のメール)
持ち帰った件は、約束した期限までに回答するところまでが答え方です。回答が遅れそうなときは、期限の前に一度連絡を入れます。
社外の相手への回答
件名:先日のお打ち合わせでのご質問への回答
株式会社◯◯
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
先日のお打ち合わせでは、◯◯についてその場でお答えできず、失礼いたしました。
確認いたしましたので、ご回答いたします。
・◯◯:◯◯です
・◯◯:◯◯となります
ご不明な点がございましたら、お気軽にお申し付けください。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
社内(上司)への回答
◯◯部長
お疲れさまです。□□です。
本日の会議でお尋ねいただいた◯◯の件、確認いたしましたのでご報告します。
◯◯は◯◯の状況で、◯月◯日に完了する見込みです。
会議の場でお答えできず、申し訳ございませんでした。
回答が期限に間に合わないとき
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
先日お尋ねいただいた◯◯の件、本日ご回答するとお伝えしておりましたが、確認に時間がかかっております。
大変申し訳ございませんが、◯日までお時間をいただけますでしょうか。
途中の状況を伝えるメールの書き方は途中経過の報告メール、「改めてご連絡いたします」の使い方は改めてご連絡いたしますにまとめています。
この記事の要点
- 答えられないときはごまかさず、正直に言う。
- 分かる範囲と分からない部分を分けて伝える。
- 「いつまでに・どうやって」回答するかまで約束する。
- 決める権限のないことはその場で約束せず持ち帰る。
- 持ち帰った件は期限内に回答し、遅れるなら途中で連絡する。
FAQ
よくある質問
丁寧な言い方なので使って構いません。ただし「分かりかねます」だけで終わると、相手は次に何を待てばよいか分かりません。「分かりかねますので、確認して◯日までにご連絡いたします」と、回答の期限まで続けて言います。
まず「ありがとうございます。少し考えさせてください」と声を出します。そのうえで、今言える感想を一つだけ言い、「詳しくは整理して後ほどお伝えします」と約束します。黙り込むより、短くても何か返すほうが場は進みます。
「持ち帰らせていただきます」は意味は通じますが、「させていただく」で回りくどく聞こえることがあります。「社内で検討のうえ、◯日までにご連絡いたします」と言うと、何をしていつ連絡するのかが伝わります。
回答のメールや報告の中で「その場でお答えできず、失礼いたしました」と一言添えれば十分です。改めて別にお詫びをする必要は、多くの場合ありません。大事なのは、約束した期限までに正確な回答を届けることです。
答えられない場面の多くは、準備不足・質問の意図の取り違え・完璧に答えようとする気持ちなどが原因で、練習で減らせます。会議の前に想定質問を書き出し、答えられないときの一言目を決めておくだけでも、黙り込むことは減ります。
社内の会議であれば構いません。ただし、まず自分の分かる範囲を言ってから「◯◯さん、補足をお願いできますか」と頼みます。社外の相手がいる場では、身内に振るより「担当の◯◯に確認のうえご回答いたします」と持ち帰るほうが確実です。
言い訳をせず、「申し訳ございません、聞き逃してしまいました。もう一度伺ってもよろしいでしょうか」と聞き直します。その後は会議に集中し、必要ならメモを取りながら聞きます。