手順
社内プレゼンのやり方
構成・時間配分と、質疑応答で使える言い方
社内プレゼンでいちばん大切なのは、聞き手に何をしてほしいのか(承認・判断・協力・理解)を最初に伝えることです。やり方の要点は、目的を一文にする、結論から話す、持ち時間を本題と質疑に割り振る、想定質問に答えを用意するの四つです。見本の言い方は「本日は、◯◯の導入について、ご承認をいただきたくご説明します。結論から申し上げると、◯月から◯◯部で試験的に始めたいと考えています」。社内の聞き手は忙しく、前提知識もばらばらです。話し上手かどうかより、何の話で、何を決めればよいかがすぐ分かることが評価されます。上司への短い口頭報告は口頭での報告の仕方、スライドの作り方はプレゼン資料の作り方を見てください。
結論
社内プレゼンは①目的(何を決めてほしいか) ②結論 ③理由・根拠 ④具体策(いつ・誰が・いくらで) ⑤お願いの順に組み立てます。時間は本題に一番多く、質疑応答の時間は最初から確保し、話す内容は持ち時間より少し短く作ります。
社内プレゼンの手順
- 01
目的と聞き手を決める
「◯◯の予算の承認をもらう」「◯◯の進め方に合意してもらう」のように、終わったときに聞き手にしてほしいことを一文で書きます。あわせて、決める人は誰か、聞き手がどこまで事情を知っているかを確かめます。
- 02
結論から組み立てる
結論→理由・根拠→具体策→お願いの順に、話す内容を箇条書きにします。経緯や調べた過程は、聞かれたら答える補足に回します。
- 03
持ち時間を割り振る
会議の持ち時間を確かめ、冒頭・本題・まとめ・質疑応答に割り振ります。質疑応答の時間を先に取っておき、残りで話す内容を決めます。
- 04
資料を作る
話の順番どおりにスライドや配布資料を作ります。社内の書式や使うツールは会社の決まりに従います。
- 05
想定質問と答えを用意する
決める人が気にしそうな点(費用、手間、ほかの部署への影響、うまくいかなかったときの対応)を書き出し、答えを一文ずつ用意します。
- 06
声に出して通しで練習する
時間を計りながら一度は通して話します。可能なら同僚や上司に聞いてもらい、分かりにくい所を直します。
Point
話す内容は、持ち時間より少し短く作ってください。当日は前の議題が延びたり、途中で質問が入ったりします。時間が足りなくなったときに削る部分も、あらかじめ決めておくと慌てません。
時間配分の考え方
| パート | 話すこと | 時間の取り方 |
|---|---|---|
| 冒頭 | 目的・結論・話の流れ | 短く。前置きや言い訳を入れない |
| 本題 | 理由・根拠・具体策 | 一番長く取る。決めてほしい点に集中する |
| まとめ | 結論の繰り返しとお願い | 短く。新しい話を足さない |
| 質疑応答 | 質問に答える | 最初に確保しておく。余ったら議論に使う |
割り振りの例を挙げると、持ち時間10分なら、冒頭1分・本題5分・まとめ1分・質疑応答3分といった具合です。実際の割り振りは、会議の進め方や聞き手の人数で変わります。話す量の見当をつけたいときは、原稿の文字数から話す時間を計るスピーチ時間計算や、練習用のタイマーが使えます。
時間が足りなくなったときの削り方
- 経緯や調査の過程から削る。結論と具体策は残す。
- 細かい数字は「詳しくは資料の◯ページです」と資料に任せる。
- まとめとお願いは削らない。最後の一言が抜けると、何を決める会だったのかが曖昧になる。
そのまま使える言い方(場面別)
企画・新しい取り組みを提案するとき
◯◯部の◯◯です。本日は、◯◯の導入について、ご承認をいただきたくご説明します。
結論から申し上げると、◯月から◯◯部で試験的に始めたいと考えています。
理由は二つあります。一つ目は◯◯、二つ目は◯◯です。
進み具合を報告するとき
◯◯プロジェクトの進み具合をご報告します。
全体としては予定どおり進んでおり、◯月◯日の完了を見込んでいます。
一点だけ、◯◯の作業に遅れがあり、本日はその対応についてご相談させてください。
予算や人手を相談するとき
本日お願いしたいのは、◯◯の費用として◯◯円の追加のご承認です。
追加が必要になった理由と、追加しない場合にどうなるかを、順にご説明します。
注意
お金や人手が絡む提案では、「承認しない場合にどうなるか」も並べると、決める人が比べやすくなります。
他部署に仕組みや手順を説明するとき
◯◯部の◯◯です。本日は、来月から変わる◯◯の手続きについてご説明します。
皆さんにお願いしたいことは、◯◯の一点だけです。
変わる点と変わらない点を、この順にお話しします。
話の途中で、質問を後に回してもらうとき
ご質問ありがとうございます。その点は、この後の◯◯のところでご説明しますので、少しお待ちいただけますか。
質疑応答に移るとき
説明は以上です。ご質問やご意見があれば、お願いします。
質疑応答での答え方
- 01
最後まで聞く
質問の途中で答え始めないようにします。要点をメモしながら聞きます。
- 02
質問を短く言い直す
「◯◯の費用がどこから出るか、というご質問ですね」と確かめると、聞き違いを防げ、ほかの参加者にも質問が伝わります。
- 03
結論から答える
「はい、できます」「いまの案では含めていません」と先に答え、理由はその後に短く添えます。
- 04
答えられないことは持ち帰る
その場で分からないことは推測で答えず、「確認して◯日までにお返事します」と期限を言って持ち帰ります。
| 質問の場面 | 言い方 |
|---|---|
| すぐ答えられる | はい、◯◯です。理由は◯◯だからです |
| その場で分からない | 申し訳ありません、いま手元に数字がありませんので、確認して◯日までにお送りします |
| 質問の意図が分からない | ◯◯という理解でよろしいでしょうか |
| 反対意見を受けた | ご指摘ありがとうございます。その点は◯◯のように考えていますが、◯◯のご懸念については、改めて検討してご報告します |
| 自分の担当外 | その点は◯◯部の◯◯さんがご担当ですので、確認してご連絡します |
答えに詰まったときの言い方は会議で答えられないときの言い方にもまとめています。
よくある失敗と直し方
| よくある失敗 | 困ること | 直し方 |
|---|---|---|
| 経緯や調査の話から始める | 聞き手が何を判断すればよいか分からない | 冒頭で目的と結論を言う |
| 持ち時間をすべて説明に使う | 質疑や判断の時間がなくなる | 質疑応答の時間を先に確保する |
| スライドの文字を読み上げるだけ | 資料を配れば済む話になる | スライドは要点だけにし、補足を口で話す |
| お願いを言わずに終わる | 「で、どうすれば?」と聞き返される | まとめで「◯◯をご承認ください」と言い切る |
| 質問に推測で答える | 後で訂正が必要になり、信頼を落とす | 分からないことは期限を言って持ち帰る |
言ってはいけない・避けたい言い方
| 避けたい言い方 | 気になる点 | こう言う |
|---|---|---|
| 準備不足で申し訳ないのですが | 最初から内容を疑わせてしまう | (言わずに本題に入る) |
| ご説明させていただきます | 「ご〜する」と「させていただく」が重なり、くどく感じる人もいる | ご説明します/ご説明いたします |
| たぶん大丈夫だと思います | 決める人が判断できない | ◯◯の条件であれば、◯日までに終えられる見込みです |
| それは資料に書いてあります | 質問した人を突き放す言い方になる | 資料の◯ページにもございますが、要点は◯◯です |
| (社外の人の前で)◯◯部長がおっしゃったとおり | 社外の人の前で、身内の上司に尊敬語を使っている | 部長の◯◯が申しましたとおり |
後日のフォロー(お礼・お詫び)
プレゼンの後、参加者にお礼と資料を送る
皆さま
お疲れさまです。◯◯部の◯◯です。
本日は◯◯のご説明のためにお時間をいただき、ありがとうございました。
当日の資料を添付します。いただいたご質問のうち、◯◯の点は◯日までに改めてご回答します。
練習に付き合ってくれた上司・先輩へのお礼
◯◯さん
昨日は練習を聞いていただき、ありがとうございました。
ご指摘いただいた冒頭の流れを直したところ、本日は時間内に説明を終えられました。
持ち帰った質問に答える
◯◯部長
お疲れさまです。◯◯部の◯◯です。
本日のご説明の際にいただいた、◯◯の費用についてのご質問にお答えします。
確認したところ、◯◯の費用は◯◯の予算の範囲で賄える見込みです。
時間を超えてしまったときのお詫び
◯◯さん
本日は私の説明が予定の時間を超えてしまい、申し訳ありませんでした。
後の議題を短くしていただき、ありがとうございました。次回は時間内に収まるよう準備します。
この記事の要点
- 冒頭で何を決めてほしいかと結論を言う。
- 結論→理由→具体策→お願いの順に話す。
- 持ち時間は本題に一番多く、質疑応答の時間は先に確保する。
- 質問は言い直して確かめてから、結論で答える。分からないことは期限を言って持ち帰る。
- 終わった後はお礼と資料、持ち帰った質問の答えを送る。
FAQ
よくある質問
聞き手が自分を知らない場合は「◯◯部の◯◯です」と名乗ります。毎週の定例会議のように顔ぶれが決まっているなら、名乗りは短くし、すぐ目的と結論に入るほうが喜ばれます。
社内では、聞き手が会社の事情を知っている分、前置きを短くして判断に必要な点に絞れます。一方で、決める人が誰か、どの会議で決めるかといった社内の手順を押さえておく必要があります。社外では、会社や担当の紹介、相手にとっての利点の説明に時間を割くことが多くなります。
「ご判断に必要な点で、足りない情報はございませんか」と一度だけ尋ね、なければお願いを繰り返して終えます。質問がないことを無理に引き延ばす必要はありません。
事前に上司と、誰がどこを話すか、質問が出たら誰が答えるかを決めておきます。決めていないと、二人で同時に答えたり、上司が全部話してしまったりします。
画面共有の確認を事前に済ませ、聞き手の反応が見えにくいので、区切りごとに「ここまでで質問はありますか」と声をかけます。オンライン会議のふるまいはオンライン会議のマナーも参考にしてください。