ビジネス文書
紹介状の書き方と例文
取引先に人・会社を紹介する文書
ビジネスの紹介状は、自分がよく知っている人や会社を、取引先などに引き合わせるための文書です。決まりごとは三つあります。①誰を紹介するか(会社名・役職・氏名) ②自分とどういう関係か ③何のために会ってほしいかを書き、最後は「ご面談の機会をいただけましたら幸いに存じます」と、会うかどうかの判断を相手に委ねる一文で結びます。下にそのまま使える見本を置き、続けて決まりごとの一覧、場面別の例文、よくある間違いをまとめました。メールで人を紹介するときは人を紹介するメールの例文を見てください。
結論
紹介状は、紹介する人(紹介者)が、紹介される人(被紹介者)のために、紹介先にあてて書く文書です。被紹介者が持参して紹介先に渡す形と、紹介者が紹介先に郵送する形があります。病院で受け取る「診療情報提供書」も紹介状と呼ばれますが、このページで扱うのはビジネスの紹介状です。
結論:紹介状の決まりごとと見本
Point
誰を・どういう関係で・何のために。この三つを主文に書き、褒め言葉は短く、最後は相手が断りやすい言い方で結びます。紹介者の名前は、相手に会ってもらうきっかけであって、断りにくくするためのものではありません。
被紹介者が持参する形の見本です(横書き)。社外文書の基本の形(日付・宛名・差出人・表題・本文)に沿っています。
令和◯年◯月◯日
株式会社◯◯
営業部 部長 ◯◯◯◯様
(右寄せ)株式会社△△
(右寄せ)営業部 □□□□
(中央)ご紹介
拝啓 ◯◯の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、本状持参の株式会社☆☆ 企画部の☆☆☆☆氏をご紹介申し上げます。☆☆氏とは、弊社の◯◯の制作で長くお取引をいただいており、丁寧で確かな仕事ぶりは弊社がよく存じております。
このたび☆☆氏より、◯◯の分野で実績のある貴社のお話をぜひ伺いたいとの相談を受け、ご紹介申し上げる次第です。
ご多忙のところ誠に恐縮ですが、ご面談の機会をいただけましたら幸いに存じます。
まずは書中にてご紹介申し上げます。
(右寄せ)敬具
縦書きにする場合は、右の行から頭語・本文・結語の順に書き、そのあとに日付(行の頭から少し下げる)→差出人(行の下に寄せる)→宛名(行の頭から)の順で後付けとして置きます。表題の「ご紹介」は省いてもかまいません。位置の決まりはビジネスの手紙の書き方(縦書き)、横書きの各部分の位置は社外文書の基本フォーマットにまとめています。
紹介状の決まりごと一覧
| 部分 | 書くこと | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 日付 | 紹介状を書いた日 | 和暦か西暦かは、社内の文書の書き方に合わせる |
| 宛名 | 紹介先の会社名・部署・役職・氏名と「様」 | 「部長様」のように役職と様を重ねない |
| 差出人 | 紹介者の会社名・部署・氏名 | 紹介先が問い合わせできるよう、必要なら電話番号も |
| 表題 | 「ご紹介」など | 手紙の形にするなら省いてもよい |
| 前文 | 頭語・時候の挨拶・日頃のお礼 | 頭語と結語は「拝啓・敬具」が使いやすい |
| 主文:誰を | 被紹介者の会社名・部署・役職・氏名 | 氏名の読み方が難しいときは、ふりがなを添えるか名刺を同封する |
| 主文:関係 | 紹介者と被紹介者がどういう間柄か | 「長くお取引をいただいている」など、知っている範囲だけを書く |
| 主文:目的 | 何のために会ってほしいか | 「お話を伺いたい」「ご提案の機会をいただきたい」など具体的に |
| 結び | 判断を相手に委ねる一文 | 「ご面談の機会をいただけましたら幸いに存じます」 |
| 結語 | 敬具 | 頭語と対にする |
被紹介者の人柄や実績は、自分が直接知っていることに限って、短く書きます。知らないことまで保証するような書き方をすると、紹介した後に食い違いが出たとき、紹介者の信用にも響きます。頭語と結語の組み合わせは頭語と結語の組み合わせ一覧、時候の挨拶は時候の挨拶の一覧から選んでください。
場面別の紹介状の例文
どれも、前文(拝啓・時候の挨拶・日頃のお礼)のあとに続く主文と結びの部分です。最後に「敬具」を書きます。
協力会社を取引先に紹介する
さて、本状持参の株式会社☆☆ 代表取締役の☆☆☆☆氏をご紹介申し上げます。同社は◯◯の加工を手がけており、弊社でも◯◯の部品で長くお世話になっております。
先日、貴社で◯◯の新しい外注先をお探しと伺い、お役に立てるのではないかと考え、ご紹介申し上げる次第です。
ご検討のうえ、一度お話をお聞きいただけましたら幸いに存じます。
知人の会社を販売先に紹介する(営業の橋渡し)
さて、株式会社☆☆ 営業部の☆☆☆☆氏をご紹介申し上げます。同社は◯◯の商品を扱っており、☆☆氏とは以前の勤務先で同じ部署にいた間柄です。
貴社の店舗で扱っておられる◯◯と相性のよい商品だと考え、ご提案の機会をいただけないかと、ご紹介申し上げる次第です。
お取り扱いいただくかどうかは、もちろん貴社のご判断にお任せいたします。近日中に☆☆氏よりご連絡を差し上げますので、お話だけでもお聞きいただけましたら幸いです。
専門家(税理士・デザイナーなど)を紹介する
さて、先日ご相談いただいた◯◯の件につきまして、☆☆事務所の☆☆☆☆氏をご紹介申し上げます。☆☆氏には、弊社も◯◯の手続きでお世話になっており、説明が分かりやすく、相談しやすい方です。
☆☆氏には、貴社からご連絡がある場合があるとお伝えしております。ご依頼になるかどうかは、お話しになったうえでご判断いただければと存じます。
連絡先は、同封の名刺のとおりです。
人材を紹介する(採用のご検討をお願いする)
さて、かねてより貴社で◯◯の経験がある方をお探しと伺っておりましたので、☆☆☆☆氏をご紹介申し上げます。☆☆氏は、弊社の◯◯の案件で外部の担当者として一緒に仕事をした方で、段取りのよさと誠実な人柄は、私が直接見てまいりました。
採用についてはもちろん貴社のご判断によるものと存じますが、一度お会いいただけましたら幸いに存じます。経歴書を同封いたしますので、ご高覧いただけますと幸いです。
紹介先に、紹介者から先に郵送する
さて、このたび株式会社☆☆の☆☆☆☆氏が、◯◯の件で貴社にご相談したいとのことで、私からご紹介申し上げることにいたしました。☆☆氏とは◯◯の会合を通じて知り合い、以来、親しくお付き合いをしております。
近日中に☆☆氏より、ご面談のお願いのご連絡を差し上げる予定です。ご多用のところ恐縮ですが、お心に留めていただけましたら幸いに存じます。
後任の担当者を紹介する(自分の異動・退職に合わせて)
さて、私こと、このたび◯月◯日付で◯◯部へ異動することとなりました。在任中は格別のご厚情を賜り、心より御礼申し上げます。
後任は、同じ営業部の☆☆☆☆が務めます。☆☆は◯◯の業務の経験が長く、これまでの経緯も引き継いでおりますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。
近日中に☆☆とともにご挨拶に伺いたく存じます。
注意
後任の紹介は、自社の人なので「☆☆氏」ではなく「☆☆」と呼び捨てにします。社外の人を紹介するときは「☆☆様」「☆☆氏」とします。紹介を頼まれる前の段階、つまり自分が誰かに紹介をお願いするときは紹介のお願いメールの例文、紹介してもらったあとのお礼は紹介のお礼メールの例文にあります。
封筒の書き方と渡し方
- 封筒は白無地を使う。縦書きの紹介状なら和封筒、横書きなら洋封筒でもよい。
- 表は紹介先の会社名・役職・氏名と「様」。左下に「◯◯様ご紹介」や「紹介状在中」と書くと、開ける前に用件が伝わる。
- 裏は紹介者の住所・会社名・氏名。
- 被紹介者に持たせるときは、封をしないで渡すのが一般的な作法とされる。紹介される本人が中身を確かめられるようにするため、と説明されることが多い。
- 受け取った被紹介者は、紹介先に渡す前に封をするのが丁寧とされる。郵送するときは紹介者が封をする。
封をするかどうかは、地域や業界、マナー本によって説明が分かれるところです。迷ったら、被紹介者に「封はせずにお渡しします。先方に渡す前に閉じてください」と一言添えておけば行き違いがありません。宛名の書き方は封筒の宛名の書き方、宛名を印刷するなら封筒の宛名印刷ツールが使えます。
よくある間違い
| ありがちな書き方 | 気になる点 | 直し方 |
|---|---|---|
| 「ぜひお取引ください」「必ずお会いください」 | 紹介者の名前で、断りにくい状況を作ってしまう | 「ご面談の機会をいただけましたら幸いに存じます」と判断を委ねる |
| 被紹介者を大げさに褒める | 自分が知らないことまで保証しているように読める | 直接知っている仕事ぶりや付き合いの長さに絞る |
| 何のために会ってほしいかが書いていない | 紹介先が、時間を取るべきかどうか判断できない | 「◯◯についてお話を伺いたい」など目的を一文で書く |
| 被紹介者に断りなく紹介先へ送る | 被紹介者が事情を知らないまま連絡を受けることになる | 書く前に、紹介の目的と書く内容を本人と確かめる |
| 紹介先の都合を聞かずに書く | 先方が受け入れられない時期だと、双方が困る | 親しい相手なら、先に電話やメールで紹介してよいか打診する |
この記事の要点
- 紹介状は誰を・自分との関係・何のためにの三つを主文に書く。
- 結びは判断を相手に委ねる一文。断りにくくする書き方はしない。
- 被紹介者の人柄や実績は、自分が直接知っていることだけを短く。
- 縦書きは本文のあとに日付・差出人・宛名を後付けとして置く。
- 本人に持たせるときは封をせずに渡すのが一般的な作法とされる。
FAQ
よくある質問
どちらでも紹介はできます。初めて会う相手のところへ本人が出向くときや、改まった紹介にしたいときは文書の紹介状が向いています。日頃からメールでやり取りしている相手なら、メールで紹介するのも一般的です。
被紹介者に持たせる場合は、封をしないで渡すのが一般的な作法とされます。本人が内容を確かめられるようにするためと説明されることが多く、受け取った本人が先方に渡す前に封をします。郵送する場合は紹介者が封をします。説明は資料によって分かれるので、渡すときに一言添えると安心です。
紹介先が会うかどうかを判断できる程度で足ります。会社名・役職・紹介者との関係・会ってほしい理由を書き、詳しい経歴は名刺や経歴書を同封して任せると、本文が長くなりません。
紹介先に電話やメールで「◯◯氏をご紹介しました」と一言伝えておくと、相手が戸惑いません。面談が終わったら、被紹介者から結果を聞いておくと、次に紹介先と会ったときにお礼を伝えられます。
付けません。社外の人に向けて自社の人を紹介するときは「後任の☆☆」と呼び捨てにします。紹介先から見て社外の人を紹介するときに「☆☆氏」「☆☆様」を使います。