手順
プレゼン資料(スライド)の作り方
1枚1メッセージ・図表・文字量の考え方
プレゼン資料を見やすくする一番の近道は、1枚のスライドに言いたいことを1つだけ置くことです。やり方の要点は、全体で伝えたいことを一文にする、スライドを作る前に骨組み(各スライドで言うこと)を並べる、タイトルに結論を書く、図表と短い言葉で見せるの四つです。見本は、タイトルを「導入の効果」ではなく「◯◯を導入すると、入力の手間が減る」のように文で書くこと。聞き手はタイトルだけ追っても話の筋が分かります。スライドの枚数や文字数に決まった正解はなく、持ち時間と見せ方で変わります。社内の書式やテンプレートがある場合は会社の決まりに従ってください。話し方や時間配分は社内プレゼンのやり方を見てください。
結論
プレゼン資料は①伝えたいことを一文に ②骨組み(スライドごとの一文)を並べる ③タイトルに結論を書く ④中身は図表と短い言葉で ⑤話すことは資料に書きすぎないの順で作ります。1枚1メッセージとは、そのスライドで聞き手に覚えて帰ってほしいことを一つに絞る考え方です。
スライドを作る手順
- 01
伝えたいことを一文にする
「◯◯を◯月から導入したい。理由は◯◯だから」のように、資料全体の結論を一文で書きます。これが決まらないうちにスライドを作り始めると、枚数ばかり増えます。
- 02
骨組みを先に作る
作成ソフトを開く前に、紙やメモにスライドごとに言うことを一文ずつ並べます。並べた文を上から読んで筋が通れば、骨組みはできています。
- 03
タイトルに結論を書く
各スライドのタイトルは「現状」「課題」のような単語ではなく、「◯◯の作業に時間がかかっている」のように、そのスライドで言いたいことを文で書きます。
- 04
中身を図表と短い言葉で作る
タイトルを支える根拠だけを置きます。比べるなら表やグラフ、流れなら矢印の図、と伝えたいことに合う形を選びます。
- 05
文字を減らす
話す言葉で補えることは消し、文章は短い言葉や箇条書きにします。話す内容の全文はスライドではなく手元の原稿に書きます。
- 06
通しで見直す
スライド一覧の画面でタイトルだけを読み、話の筋が通るか確かめます。数字・名前・日付の誤りも、このときに確認します。
Point
迷ったらスライドを分けてください。1枚に言いたいことが二つ入ると、聞き手はどちらを見ればよいか迷います。分けて枚数が増えても、1枚ずつの内容が軽くなれば、見る側の負担は減ります。
1枚1メッセージとタイトルの書き方
| 伝わりにくいタイトル | 伝わりやすいタイトル | ポイント |
|---|---|---|
| 現状 | ◯◯の入力に毎回手作業が発生している | 単語ではなく文で書く |
| アンケート結果 | 参加者の多くが開始時刻を早めてほしいと答えた | 結果から言えることを書く |
| 今後のスケジュール | ◯月に試験導入し、◯月に全社に広げる | いつ何をするかまで書く |
| 費用について | 初年度の費用は◯◯円で、◯年目から下がる見込み | 数字の意味が分かる形にする |
| まとめ | ◯◯の導入をご承認いただきたい | 最後は聞き手へのお願いで締める |
タイトルを文で書くと、そのスライドに置くべきものと、置かなくてよいものがはっきりします。タイトルを支えない図や数字は、別のスライドに移すか、補足の資料に回します。
図表の選び方
| 見せたいこと | 合う形 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 量の大小を比べる | 横棒・縦棒のグラフ | 比べる項目を並べる順番をそろえる |
| 時間による変化 | 折れ線グラフ | 期間と単位を必ず書く |
| 全体の中の内訳 | 積み上げ棒・円グラフ | 項目が多いときは、主なもの以外をまとめる |
| 手順・流れ | 矢印でつないだ図 | 左から右、上から下の一方向に流す |
| 複数の案を比べる | 表 | 比べる観点を行にそろえ、おすすめの案を目立たせる |
グラフには、何を伝えたいグラフなのかをタイトルで書き、伝えたい部分だけ色を変えると目が向きます。グラフや表の数字は、元の資料と食い違っていないか必ず確かめます。数字の出典がある場合は、スライドの下に小さく書きます。
文字量の考え方
- スライドの文字は聞き手が話を聞きながら読み切れる量にとどめる。読み終わらないうちに次へ進むと、話も文字も頭に入らない。
- 文章は短い言葉や箇条書きにする。「〜することにより〜が可能となる」は「〜で〜できる」に縮める。
- 配る資料と映す資料は分けてもよい。詳しい数字や説明は、配布用の資料や補足のスライドに回す。
- 文字の大きさは、会場の一番後ろの席や、オンラインの小さな画面から読めるかで確かめる。
注意
スライドの枚数や1枚あたりの文字数に、どこでも通じる決まった目安はありません。持ち時間、映すか配るか、会場の広さで変わります。迷ったら、実際に映して後ろから見てみるのが確実です。
そのまま使える構成の見本(場面別)
社内で新しい取り組みを提案する
①表紙:◯◯の導入のご提案
②結論:◯月から◯◯部で試験導入したい
③今の課題:◯◯の作業に手間がかかっている
④解決策:◯◯で入力を自動にできる
⑤費用と手間:初期費用◯◯円、準備は◯週間
⑥進め方:◯月試験導入、◯月に結果を報告
⑦お願い:試験導入のご承認をいただきたい
進み具合を報告する
①結論:全体は予定どおり、◯月◯日完了の見込み
②終わったこと:◯◯と◯◯
③遅れていること:◯◯(原因と対応)
④次にやること:◯◯
⑤相談したいこと:◯◯について判断をいただきたい
取引先に提案する
①表紙:◯◯様向け ◯◯のご提案
②本日のご提案の要点
③◯◯様の課題の整理(打ち合わせで伺った内容)
④ご提案の内容
⑤導入後の流れ
⑥お見積りの概要
⑦今後の進め方
注意
社外向けでは、打ち合わせで相手から聞いた言葉を課題のスライドに使うと、「話を聞いてくれた」と伝わります。提案書全体の作り方は企画書・提案書の書き方も参考にしてください。
社内研修で作業手順を説明する
①今日分かるようになること
②全体の流れ(図)
③手順1〜手順3(1枚に1手順)
④よくある間違い
⑤まとめと、質問の受け付け先
スライドの下に書く注記の見本
※数字は◯月◯日時点の社内集計です。
※出典:◯◯(◯年◯月)
よくある失敗と直し方
| よくある失敗 | 困ること | 直し方 |
|---|---|---|
| 1枚に言いたいことを詰め込む | どこを見ればよいか分からない | 言いたいことごとにスライドを分ける |
| 話す内容を全文スライドに書く | 聞き手が読むのに追われ、話を聞かない | 全文は手元の原稿に。スライドは要点だけ |
| タイトルが単語だけ | スライドを見ても何が言いたいか分からない | タイトルを結論の文にする |
| 色や飾りを多く使う | 大事なところが目立たない | 強調の色は一つに絞る |
| グラフの単位・期間がない | 数字の意味が伝わらず、質問が増える | 単位・期間・時点を必ず書く |
避けたい書き方
| 避けたい書き方 | 気になる点 | こう書く |
|---|---|---|
| 「ご確認いただきたく存じます事項について」のような長い敬語の見出し | 見出しが長く、何のスライドか分かりにくい | 「ご確認いただきたい点」 |
| 「画期的」「圧倒的」などの強い言葉 | 根拠がないと、かえって信用されない | 何がどう良くなるかを具体的に書く |
| 出典のない数字や他社の数字 | 質問されたときに説明できない | 社内の実績や、出典の分かる数字だけを使う |
| 社内でしか通じない略語(社外向け資料で) | 相手に意味が伝わらない | 初めて出るところで正式な名前を書く |
後日のフォロー(資料の送付・訂正)
プレゼンの後に資料を送る
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
本日はお時間をいただき、ありがとうございました。
ご説明に使った資料をお送りします。当日お見せしなかった補足の資料も、末尾に付けております。
ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
資料の誤りに気づいて訂正する
皆さま
お疲れさまです。◯◯部の◯◯です。
本日の会議でお配りした資料の◯ページに誤りがありました。申し訳ありません。
「◯◯」とあるのは、正しくは「◯◯」です。
訂正した資料を添付しますので、差し替えをお願いします。
注意
資料を送るメールの書き方は会議資料の送付メールにもまとめています。
この記事の要点
- 最初に資料全体で伝えたいことを一文にする。
- 作成ソフトを開く前に、スライドごとの一文で骨組みを作る。
- 1枚に言いたいことは1つ。タイトルにその結論を文で書く。
- 図表は見せたいことに合う形を選び、単位・期間を書く。
- 話す全文は手元の原稿に。スライドの文字は読み切れる量に絞る。
FAQ
よくある質問
決まった枚数の正解はありません。持ち時間、1枚あたりにかける時間、映すか配るかで変わります。骨組みの一文の数がそのままスライドの枚数になると考え、通しで練習して時間に収まるか確かめるのが確実です。
枚数は増えることがありますが、1枚ずつの内容が軽くなるので、めくる速さも上がります。時間に収まらない場合は、メッセージそのものを減らせないか、骨組みの段階で見直します。
同じでも構いませんが、映すスライドは文字を少なく、配る資料は後から読んで分かるように詳しく、と分ける方法もあります。どちらにするかは、会議の進め方や会社の決まりに合わせます。
社内のテンプレートがあれば、それに従います。ない場合は、読みやすい文字を一種類に決め、強調の色を一つに絞ると、まとまって見えます。
会社の決まりで認められていれば、骨組みの案出しや文章の言い換えに役立ちます。数字や事実の確認、社外秘の情報を入れてよいかの判断は、自分で行ってください。AIで資料を作るときの指示の出し方は資料作成をAIで速くする、企画書づくりの手順はAIで企画書を作る手順にまとめています。