手順
説明がわかりやすくなる話し方
結論・理由・具体例の順番と、そのまま使える言い方
わかりやすい説明は、話す順番を決めてから話すだけで大きく変わります。要点は、結論を先に言う、理由を一つか二つ添える、具体例で相手の頭に絵を浮かべてもらう、最後にもう一度結論で締めるの四つです。見本の言い方は「結論から言うと、来月から申請は◯◯の画面からになります。理由は、紙の回覧だと承認に時間がかかっていたからです。たとえば交通費なら、◯◯の画面で金額を入れて送るだけです。なので、来月からは紙の申請書は使いません」。この順番は、頭文字を取って「PREP法」と呼ばれることもあります。上司への報告の順番は口頭での報告の仕方にまとめているので、このページでは相手が知らないことを説明するときの話し方に絞ります(資料を映して話すプレゼンは社内プレゼンのやり方)。
結論
わかりやすい説明の型は①結論 ②理由 ③具体例 ④もう一度結論です。話し始めに「話は二つあります」「まず全体、次に手順の順でお話しします」と全体の地図を示すと、聞き手は迷わずについて来られます。
説明をわかりやすくする手順
- 01
相手が何を知っているかを確かめる
説明の前に「◯◯はご存じですか」「前回の◯◯は見ていますか」と聞きます。相手が知っていることを出発点にすると、説明が短くなります。
- 02
結論を一文にする
話す前に「つまり何が言いたいか」を一文で言えるか試します。一文にならないときは、話す内容がまだ整理できていない合図です。
- 03
全体の地図を先に示す
「話は二つあります」「まず結論、次に手順です」と、これから何をどの順で話すかを先に言います。
- 04
結論・理由・具体例の順で話す
理由は一つか二つに絞ります。具体例は、相手の仕事に近い場面を選ぶと伝わりやすくなります。
- 05
言葉をそろえ、一文を短くする
同じものを途中で別の呼び方にしないようにします。「◯◯で、◯◯なので、◯◯ですが」と続けず、文を切って話します。
- 06
最後に結論を言い直し、伝わったかを確かめる
「なので、◯◯です」と締めてから、「分かりにくいところはありましたか」と聞きます。
Point
説明が伝わらない原因の多くは、話し方より順番です。背景から話し始めると、聞き手は「結局どういうことか」を待ちながら聞くことになります。先に結論を言えば、そのあとの話は全部その理由として聞いてもらえます。
結論・理由・具体例の作り方
| 部分 | 話すこと | 言い出しの例 |
|---|---|---|
| 結論 | 相手にいちばん伝えたいこと | 結論から言うと/一言でいうと |
| 理由 | なぜそう言えるか(一つか二つ) | 理由は◯◯だからです/理由は二つあります |
| 具体例 | 相手の仕事に近い場面 | たとえば◯◯のときは/実際に◯◯では |
| もう一度結論 | 最初の結論を短く言い直す | なので/ですから、◯◯です |
理由と具体例では、確かめた事実と自分の考えを分けて話します。「◯◯という記録があります(事実)。なので◯◯だと考えています(考え)」のように言い分けると、聞き手が判断しやすくなります。言い分け方はファクト・ロジカルの意味、根拠の示し方はエビデンスの意味も参考にしてください。
そのまま使える言い方(場面別)
社内の手続きの変更を説明する
結論から言うと、来月から経費の申請は◯◯の画面から出すことになります。
理由は、紙の回覧だと承認までに時間がかかっていたからです。
たとえば交通費なら、◯◯の画面で日付と金額を入れて送るだけです。
なので、来月からは紙の申請書は使わないでください。
仕事の手順を説明する
この作業は三つの手順に分かれます。
一つ目は◯◯、二つ目は◯◯、三つ目は◯◯です。
いちばん間違えやすいのは二つ目なので、そこだけ詳しく説明します。
注意
手順が多いときは、先に数を言ってから一つずつ話します。聞き手は「いま何番目か」が分かるので、途中で迷いません。
相手が知らない仕組みを説明する
◯◯は、ひと言でいうと「◯◯の予約の窓口」のようなものです。
お客さまが◯◯で申し込むと、私たちの画面に一覧で表示されます。
たとえば昨日の◯◯の申し込みも、ここに出ています。
知らない仕組みは、相手が知っているものにたとえてから中身を話すと、頭に入りやすくなります。たとえは一つにして、細かい違いは後で補います。
トラブルの状況を説明する
結論から申し上げると、◯◯の納品が一日遅れます。
原因は、◯◯の工程で不具合が見つかったためです。
今日の◯時に、◯◯さんが先方へ連絡します。
ほかの案件への影響は、今のところありません。
上司に判断材料を説明する
◯◯について、A案とB案のどちらにするかご判断をお願いしたく、ご説明します。
私はA案がよいと考えています。
理由は、◯◯の手間が少ないからです。
B案は費用が抑えられる一方で、◯◯の作業が毎月増えます。
説明の途中で相手が分かっていなさそうなとき
少し分かりにくかったかもしれません。言い方を変えます。
要するに、◯◯の前に◯◯をする、という順番だけ覚えていただければ大丈夫です。
相手に「分かりましたか」と聞くより、「分かりにくかったかもしれません」と自分の説明の側に原因を置くほうが、相手は聞き返しやすくなります。
よくある失敗と直し方
| よくある失敗 | 困ること | 直し方 |
|---|---|---|
| 経緯から話し始める | 聞き手が結論を待ちながら聞くことになる | 結論を先に言い、経緯は聞かれたら話す |
| 理由をたくさん並べる | どれが大事か分からなくなる | 理由は一つか二つに絞る |
| 専門用語や略語をそのまま使う | 相手が言葉の意味でつまずく | 初めて出す言葉は、言い換えを添える |
| 同じものを別の呼び方で言う | 別のものの話だと思われる | 呼び方を一つに決めて通す |
| 一文が長い | 主語と述語が離れて、何の話か見失う | 「〜ので」「〜が」でつながず文を切る |
| 説明して終わる | 伝わったかどうかが分からない | 最後に結論を言い直し、質問を受ける |
言ってはいけない・避けたい言い方
| 避けたい言い方 | 気になる点 | こう言う |
|---|---|---|
| これくらい分かりますよね | 相手を見下しているように聞こえる | ◯◯はご存じでしょうか |
| 前にも言いましたけど | 相手を責める言い方になる | 念のため、もう一度お伝えします |
| なんか、いい感じにやる仕組みです | 中身がなく、相手に伝わらない | ひと言でいうと、◯◯をする仕組みです |
| ご説明させていただきます | 「させていただく」の多用で回りくどく聞こえる | ご説明します |
| ご理解いただけましたでしょうか | 相手の理解力を試すように聞こえることがある | 分かりにくいところはありましたか |
説明の言葉で迷ったら、相手が使っている言葉に合わせるのがいちばん確実です。説明が足りなかったことに後から気づいたときの書き方は説明不足のお詫びにまとめています。
後日のフォロー(補足・お礼・お詫び)
口頭で説明した内容を文字で送る
◯◯さん
お疲れさまです。◯◯です。
先ほどご説明した◯◯の手順を、文字でもお送りします。
1.◯◯
2.◯◯
3.◯◯
特に2の◯◯だけ、お気をつけください。
質問してもらったことへのお礼
先ほどは質問していただき、ありがとうございました。
私の説明で抜けていた点に気づけました。ほかの方にも同じ内容を補足しておきます。
説明が足りなかったときのお詫び
◯◯さん
お疲れさまです。◯◯です。
昨日の◯◯の説明で、◯◯の点をお伝えしておりませんでした。申し訳ありません。
正しくは◯◯です。お手数ですが、◯◯の部分だけご確認ください。
注意
口頭の説明は記録に残らないので、大事な説明ほど、後から要点を文字で送ると行き違いが減ります。文章を短くまとめるこつはメールを短くするコツを見てください。
この記事の要点
- 説明は結論→理由→具体例→もう一度結論の順。
- 話し始めに「話は◯つあります」と全体の地図を示す。
- 相手が知っていることを出発点にし、知らない仕組みはたとえてから話す。
- 呼び方を一つにそろえ、一文を短く切る。
- 最後に結論を言い直し、「分かりにくいところはありましたか」と聞く。
FAQ
よくある質問
話す前に、結論を一文で言えるかを試してください。一文で言えないときは、何を伝えたいかがまだ整理できていません。結論が決まったら、それを最初に言い、理由を一つか二つ添えるだけで、聞き手の受け止め方は変わります。
結論(Point)、理由(Reason)、具体例(Example)、もう一度結論(Point)の順に話す型を、頭文字を取ってそう呼ぶことがあります。名前を覚えるより、「結論を先に、最後にもう一度」と覚えておけば十分です。
どちらも結論を先に言う点は同じです。報告は、相手が知っている仕事の進み具合を伝えるので、結論と事実を短く伝えます。説明は、相手が知らないことを分かってもらうのが目的なので、具体例やたとえが大事になります。
前置きを一言添えれば和らぎます。「お時間いただきありがとうございます。結論から申し上げると」のように始めれば、順番はそのままで印象が柔らかくなります。
変えたほうが伝わります。詳しい人には要点と違いだけを、初めての人にはたとえと具体例を多めにします。相手が何を知っているかを最初に確かめると、どちらに寄せればよいか決めやすくなります。