敬語
「ご無沙汰しております」の意味と使い方
久しぶりに連絡するメールの例文と返し方
「ご無沙汰しております」は、しばらく連絡をしていなかった相手に、そのことをわびる気持ちを込めて使う挨拶です。目上の人や取引先にもそのまま使えます。メールなら、次の書き出しをそのまま使えます。
「◯◯様 ご無沙汰しております。以前◯◯の件でお世話になりました、株式会社△△の□□です。お変わりなくお過ごしでしょうか。」
同僚や親しい相手には「お久しぶりです」で十分です。このページでは、相手別の言い分け、書き出しの部品、場面別の例文(メール・電話・対面・年賀状)、英語の言い方、言われたときの返し方まで並べました。
結論
沙汰には「便り・知らせ」という意味があり、無沙汰は長く便りや訪問をしないことを表します。「ご無沙汰しております」は、自分が連絡しなかったことを相手に向けて言う挨拶で、「長らくご連絡せず失礼しました」という気持ちが含まれます。「お久しぶりです」は時間が空いたことそのものを言う言葉で、わびる気持ちは薄めです。
結論:相手別に、この一言で書き出す
| 相手・場面 | 使えるか | 書き出しの一言 |
|---|---|---|
| 取引先・お客様 | 使える | ご無沙汰しております |
| 元上司・恩師・目上の知人 | 使える | 大変ご無沙汰しております |
| 社内の上司(部署が変わり話していない) | 使える | ご無沙汰しております |
| 約束した連絡が遅れた相手 | 使える(わびを添える) | ご無沙汰しており、申し訳ございません |
| 親しい先輩・同僚・同期・後輩 | やや堅い | お久しぶりです |
| 先週会ったばかりの相手 | 合わない | 先日はありがとうございました |
| 普段からやり取りしている相手 | 合わない | お世話になっております |
| 初めて連絡する相手 | 使えない | はじめてご連絡いたします |
迷ったら、目上・社外なら「ご無沙汰しております」、社内の親しい相手なら「お久しぶりです」と覚えておけば外しません。
「お久しぶりです」との違い
| 比べる点 | ご無沙汰しております | お久しぶりです |
|---|---|---|
| 言っていること | 自分が連絡しなかったこと | 時間が空いたこと |
| わびる気持ち | 含まれる | ほとんど含まれない |
| 向く相手 | 目上・取引先・恩師 | 同僚・親しい相手・後輩 |
| 改まった度合い | 高い | ふつう |
| メール・手紙 | 書き出しの定番 | 親しい相手なら使える |
| 対面・電話 | 目上には自然 | 親しい相手には自然 |
「ご無沙汰です」「ご無沙汰しています」も意味は同じですが、取引先や目上の人には「ご無沙汰しております」のほうが改まった印象になります。「ご無沙汰です」は短く、くだけて聞こえると感じる人もいるため、社外には避けておくと安心です。
どれくらい空いたら使うか・使わない場面
どれくらい空いたら使うかに決まりはありません。「しばらく連絡していなかった」と自分が感じる程度が目安で、季節が変わるくらい間が空いた相手なら自然に使えます。間がそれほど空いていなくても、「次は自分から連絡する」と言っておきながら連絡できていなかった相手には、わびの意味で使えます。
- 初めての相手:会ったことがないので使えません。
- 頻繁にやり取りしている相手:かえって不自然です。
- 相手が自分を覚えていないかもしれない相手:使ってよいですが、名乗りと前回の関わりを必ず添えます。
注意
久しぶりの相手に「いつもお世話になっております。ご無沙汰しております。」と挨拶を重ねると、「いつも」と「久しぶり」が食い違い、くどいと感じる人もいます。書き出しは「ご無沙汰しております」だけにして、お礼は「以前は◯◯の件で大変お世話になりました」と過去のこととして書くと自然です。「いつも」を付けない「お世話になっております。長らくご無沙汰しており、申し訳ございません」という書き方もあります。
言い換え一覧(丁寧さの段階つき)
| 言い方 | 丁寧さ | 向く相手・場面 |
|---|---|---|
| お久しぶりです | 標準 | 同僚・親しい取引先 |
| ご無沙汰しています | 丁寧(やや軽め) | 顔なじみの社内の先輩 |
| ご無沙汰しております | 丁寧 | 取引先・目上の人 |
| 長い間ご無沙汰しております | 丁寧(間の長さを強める) | かなり間が空いた取引先 |
| 大変ご無沙汰しております | 改まった言い方 | しばらく空いた目上の人・恩師 |
| すっかりご無沙汰してしまい、失礼いたしました | 丁寧(柔らかい) | 以前親しくしていた目上の人 |
| 長らくご無沙汰しており、申し訳ございません | 改まった言い方(わびを強める) | 本来は連絡すべきだった相手 |
| 日頃の不義理をお許しください | 改まった言い方(手紙向き) | 恩師・目上の親族など、礼を欠いたと感じる相手 |
| その後いかがお過ごしでしょうか | 丁寧(気遣いを前に出す) | わびより近況を尋ねたい相手 |
注意
わびる言葉を足しすぎると、本題にたどり着くまでが長くなります。わびは一文にとどめ、次の行で名乗りと用件に進むと読みやすくなります。
書き出しの部品集(組み合わせて使う)
久しぶりのメールの書き出しは、①挨拶 → ②名乗り → ③前回の関わり → ④気遣いの順に一文ずつ選べば組み立てられます。
③前回の関わり(相手が思い出せる一言)
- 以前、◯◯の件で大変お世話になりました
- 昨年の◯◯展示会でご挨拶いたしました
- ◯◯社に在籍していた折に、◯◯をご一緒しました
- ◯◯様のご紹介で、一度お打ち合わせの機会をいただきました
- ◯◯部で◯◯様の下におりました
④相手を気遣う一言
- お変わりなくお過ごしでしょうか
- お元気でご活躍のことと拝察いたします
- ◯◯でのご活躍、拝見しております
- 寒い日が続いておりますが、お変わりございませんか
- 新しい部署でもお忙しくされていることと存じます
わびを足すときの一言(どれか一つだけ)
- すっかりご連絡が途絶えてしまい、失礼いたしました
- ご連絡すると申し上げながら、間が空いてしまい申し訳ございません
- 長らくご挨拶もせず、失礼いたしました
久しぶりのメールの組み立てと件名
- 01
ご無沙汰しております+名乗り
会社名と名前を書き、相手が思い出せるよう前回の関わりを添えます。
- 02
相手を気遣う一言
「お変わりなくお過ごしでしょうか」など、短く一言だけ。
- 03
連絡した理由
「このたびは◯◯の件でご連絡いたしました」と、なぜ今連絡したのかを書きます。
- 04
用件
依頼や相談なら、相手が判断できる情報をまとめます。
- 05
結び
「今後ともよろしくお願いいたします」などで締めます。
件名は「ご無沙汰しております」だけにしないのがコツです。用件と名前が件名に入っていれば、相手は開く前に何の連絡か分かります。
| 場面 | 件名の例 |
|---|---|
| 取引の再開を打診する | ◯◯のご相談(株式会社△△ □□) |
| 近況を報告する | 近況のご報告(元◯◯部 □□) |
| 紹介をお願いする | ◯◯分野の方のご紹介のお願い(株式会社△△ □□) |
| 転職・異動の挨拶 | 入社のご挨拶(株式会社△△ □□) |
| 遅れていた連絡をする | ◯◯の件のご報告が遅くなり申し訳ございません(□□) |
書き出しの一文の選び方はメールの書き出し 例文も参考にしてください。
場面別のメール例文
以前の取引先に、取引の再開を打診する
株式会社◯◯
◯◯様
ご無沙汰しております。
以前、◯◯の件で大変お世話になりました、株式会社△△の□□です。
お変わりなくお過ごしでしょうか。
このたび、弊社で◯◯の企画が始まり、ぜひ改めて◯◯様にご相談したくご連絡いたしました。
ご都合のよいときに、オンラインで少しお時間をいただけますでしょうか。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
元上司に近況を報告する
◯◯様
大変ご無沙汰しております。◯◯部でお世話になった□□です。
すっかりご連絡が途絶えてしまい、失礼いたしました。
このたび、◯◯の担当になりましたので、ご報告を兼ねてご連絡いたしました。
◯◯様に教えていただいたことが、今の仕事でも大きな支えになっています。
またお目にかかれる機会がありましたら、うれしく思います。
久しぶりの相手に紹介をお願いする
◯◯様
ご無沙汰しております。株式会社△△の□□です。
昨年の◯◯セミナーではお世話になりました。
突然のお願いで恐縮ですが、◯◯の分野に詳しい方をご存じでしたら、ご紹介いただけないかと思いご連絡いたしました。
ご無理のない範囲で構いませんので、ご検討いただけますと幸いです。
転職後に、以前の取引先へ挨拶する
◯◯様
ご無沙汰しております。以前、◯◯社で◯◯を担当しておりました□□です。
このたび、株式会社△△に入社し、◯◯を担当することになりました。
以前と同じく、◯◯の分野でお役に立てればと考えております。
改めてご挨拶に伺えれば幸いです。今後ともよろしくお願いいたします。
約束していた連絡が遅れてしまった
◯◯様
ご無沙汰しており、申し訳ございません。株式会社△△の□□です。
◯◯の件、改めてご連絡すると申し上げながら、すっかり間が空いてしまいました。
社内での検討がまとまりましたので、結果をご報告いたします。
(以下、本文)
社内の別部署の上司に相談する
◯◯部長
ご無沙汰しております。◯◯部の□□です。
◯◯の件で、◯◯部長のお知恵をお借りしたくご連絡いたしました。
来週のどこかで、少しお時間をいただけますでしょうか。
恩師に報告とお礼を伝える
◯◯先生
大変ご無沙汰しております。◯◯ゼミでお世話になりました□□です。
日頃の不義理をお許しください。
このたび、◯◯の仕事を任されることになり、先生にぜひご報告したくご連絡いたしました。
季節の変わり目ですので、どうぞご自愛ください。
親しい取引先・同僚へ(柔らかい言い方)
◯◯さん、お久しぶりです。△△の□□です。
◯◯の件でまたご一緒できればと思い、ご連絡しました。
電話・対面・年賀状での一言
| 場面 | そのまま使える一言 |
|---|---|
| 電話の第一声 | 株式会社△△の□□でございます。ご無沙汰しております。以前◯◯の件でお世話になりました。 |
| 展示会・会合で再会したとき | ◯◯様、ご無沙汰しております。△△の□□です。その節はありがとうございました。 |
| 相手が自分に気づいていないとき | ご無沙汰しております。以前◯◯でご一緒した□□です。 |
| 年賀状・季節の挨拶の一文 | 日頃はご無沙汰ばかりで失礼しております。本年もよろしくお願い申し上げます。 |
| 親族の集まり・冠婚葬祭 | ご無沙汰しております。なかなか伺えず、失礼いたしました。 |
電話では、相手が誰からの電話か分かるまで時間がかかります。名乗り→「ご無沙汰しております」→前回の関わりの順で、早めに名前を出すと話が進みます。年賀状の書き方はビジネスの年賀状、電話の受け答えはビジネス電話も参考にしてください。
英語ではどう言うか
| 英語の表現 | ニュアンス | 向く相手 |
|---|---|---|
| It's been a while. | 久しぶりですね | 同僚・顔なじみの取引先 |
| Long time no see. | くだけた「久しぶり」 | 親しい相手(対面) |
| I hope this email finds you well. | お変わりないでしょうか(メールの書き出し) | 取引先・目上の人 |
| I apologize for not being in touch for so long. | 長らくご連絡せず申し訳ありません | 連絡すべきだった相手 |
英語には「ご無沙汰しております」とまったく同じ一語はありません。わびを含めたいときは apologize を使った文、気遣いを前に出したいときは I hope this email finds you well、と目的で選びます。
送る前のチェックリスト
- 初めての相手に「ご無沙汰しております」を使っていないか
- 名乗りだけで、前回どこで関わったかを書き忘れていないか
- 件名が「ご無沙汰しております」だけになっていないか
- 「いつもお世話になっております」と重ねて書いていないか
- わびの言葉を何行も重ねて、用件が後ろに埋もれていないか
- 毎日やり取りしている相手に使っていないか
- 社外・目上の相手に「ご無沙汰です」と短くしていないか
「ご無沙汰しております」と言われたときの返し方
返すときは「こちらこそご無沙汰しております」が定番です。相手だけが連絡を怠ったわけではない、という気持ちが伝わります。そのあとに、連絡をもらったお礼、相手を気遣う一言、用件への返事を続けます。返信はなるべく早めに送ると、連絡をもらってうれしかった気持ちが伝わります。
取引先から相談の連絡が来たとき
□□様
こちらこそ、すっかりご無沙汰しております。
ご連絡をいただき、ありがとうございます。□□様もお元気そうで何よりです。
◯◯の件、ぜひお話を伺えればと思います。来週であれば、◯日の午後が空いております。
元部下・後輩から近況報告が来たとき
□□さん
お久しぶりです。連絡をもらえてうれしいです。
◯◯の担当になったとのこと、おめでとうございます。
落ち着いたら、ぜひ食事にでも行きましょう。
依頼に応えられないとき
□□様
こちらこそご無沙汰しております。ご連絡をありがとうございます。
ご相談いただいた◯◯の件ですが、あいにく現在は担当を離れており、お力になれず申し訳ございません。
後任の◯◯をご紹介いたしますので、よろしければお申し付けください。
対面や電話で言われたときは「こちらこそご無沙汰しております。お元気そうで何よりです」と返せば十分です。
この記事の要点
- 「ご無沙汰しております」は連絡しなかったことをわびる挨拶で、目上・取引先に使える。
- 同僚・親しい相手には「お久しぶりです」で十分。初めての相手には使わない。
- メールは挨拶→名乗り→前回の関わり→気遣いの順。「いつもお世話になっております」と重ねない。
- 件名には用件と名前を入れる。
- 返すときは「こちらこそご無沙汰しております」に、お礼と用件への返事を続ける。
FAQ
よくある質問
「ご無沙汰しております」は、自分が連絡しなかったことをわびる気持ちを含む挨拶で、目上や取引先に向きます。「お久しぶりです」は時間が空いたことを言う言葉で、同僚や親しい相手に使いやすい言い方です。
決まった期間はありません。自分が「しばらく連絡していなかった」と感じる程度が目安です。約束していた連絡が遅れた相手にも使えます。頻繁に連絡している相手には使いません。
使えます。部署が変わってしばらく話していない上司や、元上司への連絡に合います。毎日顔を合わせる上司には使いません。
意味は通じますが、取引先や目上の人には「ご無沙汰しております」のほうが改まった印象になります。「ご無沙汰です」はくだけて聞こえると感じる人もいるため、社外では避けると安心です。
久しぶりの相手に「いつもお世話になっております」と重ねると、「いつも」と「久しぶり」が食い違います。書き出しは「ご無沙汰しております」にして、お礼は「以前は大変お世話になりました」と過去のこととして書くと自然です。
「こちらこそご無沙汰しております」と返すのが定番です。続けて、連絡をもらったお礼と、用件への返事を書きます。
件名だけでは用件が分からず、後回しにされることがあります。「◯◯のご相談(株式会社△△ □□)」のように、用件と名前を入れた件名にして、本文の一行目で「ご無沙汰しております」と書くほうが伝わります。
まったく同じ一語はありません。くだけた場面なら It's been a while.、メールの書き出しなら I hope this email finds you well.、わびを含めるなら I apologize for not being in touch for so long. が使えます。