敬語
「ご覧ください」「ご覧いただく」の使い方
「ご覧になる」「拝見する」との違い
「ご覧」は「見る」を相手を敬って言うときの言葉です。「ご覧になる」は相手が見ることを敬う尊敬語、「ご覧ください」は相手に見るよう丁寧に促す言い方、「ご覧いただく」は相手に見てもらうことを自分の側がありがたく受ける言い方です。目上・取引先にそのまま使える一文は「お手すきの際にご覧いただけますか。」。自分が見るときは「拝見する」を使い、相手に「拝見してください」とは言いません。このページでは、三つの違い、使える場面の表、言い換え、場面別のメール例文をまとめました。
結論
「ご覧」は、「見る」ことを敬って言う名詞(「御覧」)で、「ご覧になる」(尊敬語)、「ご覧ください」、「ご覧いただく」などの形で使います。どの形も見るのは相手です。自分や自分の会社の人が見るときは、謙譲語の「拝見する」を使います。
「ご覧になる」「ご覧ください」「ご覧いただく」の違い
| 言い方 | 誰の動作をどう言うか | 例 |
|---|---|---|
| ご覧になる | 相手が見ることを敬う(尊敬語) | 部長はもう資料をご覧になりましたか |
| ご覧ください | 相手に、見るよう丁寧に促す | 詳しくは添付の資料をご覧ください |
| ご覧いただく | 相手に見てもらうことを、自分の側がありがたく受ける | 資料をご覧いただき、ありがとうございます |
| 拝見する | 自分が見ることをへりくだる(謙譲語) | お送りいただいた資料を拝見しました |
「ご覧ください」は「見てください」を丁寧にした言い方で、案内や説明の文でよく見かけます。ただ、相手に何かをしてもらうお願いとして書くなら、「ご覧いただけますか」「ご覧いただけますと幸いです」のように相手の手間を受ける形にすると、やわらかく伝わります。
Point
見るのが相手なら「ご覧」、自分なら「拝見」。お願いは「ご覧いただけますか」、確認は「ご覧いただけましたか」、お礼は「ご覧いただき、ありがとうございます」。
「拝見」の使い方は「拝見しました」「拝受しました」の使い分け、改まった「ご高覧」は「ご一読ください」と「ご高覧」の違いにまとめています。
場面ごとの使い分け
| 場面 | 合う言い方 | ひと言 |
|---|---|---|
| 資料を添付して、見てほしいと伝える | ご覧いただけますか/ご覧ください | お願いなら「いただけますか」がやわらかい |
| 案内文で、詳細の場所を示す | 詳しくは◯◯をご覧ください | 説明・案内の文で使いやすい |
| 送った資料を見てもらえたか確かめる | ご覧いただけましたか | 「ご覧になられましたか」と重ねない |
| 見てくれたことにお礼を言う | ご覧いただき、ありがとうございます | 返信の書き出しに使える |
| 上司が見たかどうかを尋ねる(社内) | もうご覧になりましたか | 話し言葉でも使える |
| 自分が相手の資料を見た | 拝見しました | 「ご覧になりました」は使わない |
| 相手に見てもらうよう頼むのに「拝見」 | 使わない | 「ご覧ください」「ご覧いただけますか」 |
注意
「ご覧ください」は失礼な言い方ではありませんが、命令の形(「ください」)なので、目上の相手へのお願いでは「ご覧いただけますか」のほうがやわらかいと感じる人もいます。案内や説明の文では「ご覧ください」で十分です。
言い換え一覧(丁寧さの段階つき)
| 言い方 | 丁寧さ | 使いやすい場面 |
|---|---|---|
| ご高覧いただけますと幸いです | より改まった言い方 | 作品・企画書・報告書を見てもらう文書 |
| ご覧いただけますと幸いです | 改まった言い方 | 取引先・お客様へのお願い |
| ご覧いただけますか | 丁寧 | 取引先・上司へのお願い |
| お手すきの際にご覧ください | 丁寧 | 急がない資料の共有、案内 |
| もうご覧になりましたか | 丁寧 | 上司に確認を尋ねる(話し言葉) |
| 見てもらえますか | 標準 | 社内の同僚・後輩 |
「ご覧ください」のあとには、何を見てほしいのか、いつまでに返事がほしいのかを添えると相手が動きやすくなります。添付ファイルが複数あるときは、どのファイルのどこを見てほしいかを一行で書きます。
場面別のメール例文
取引先に資料を送り、見てもらう
件名:◯◯のご提案資料の送付
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
先日お打ち合わせした◯◯について、ご提案資料をお送りします。
お手すきの際にご覧いただけますか。
特に◯ページの費用の内訳について、ご意見をいただけますと幸いです。
送った資料を見てもらえたか確認する
件名:◯◯の資料についてのご確認
株式会社◯◯
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
◯月◯日にお送りした◯◯の資料は、ご覧いただけましたか。
お忙しいところ恐縮ですが、◯月◯日(◯)ごろまでにご意見をいただけますと幸いです。
上司に動画を見てもらうお願い(社内)
件名:◯◯イベントの記録動画の共有
◯◯部長
お疲れさまです。□□です。
先日の◯◯イベントの記録動画をまとめましたので、共有いたします。
下記のリンクからご覧になれます。
社外に公開する前に、気になる場面があればお知らせいただけますか。
イベントの案内で詳細の場所を示す
件名:◯◯セミナーのご案内
◯◯株式会社
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
◯月◯日(◯)に、◯◯をテーマにしたセミナーを開きます。
当日のプログラムと会場の地図は、添付のご案内をご覧ください。
ご都合がよろしければ、ぜひお越しください。
資料を見てくれたことへのお礼
件名:Re:◯◯の企画書について
株式会社◯◯
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
お忙しいところ企画書をご覧いただき、ありがとうございます。
いただいたご意見をもとに、◯ページの進行表を直しました。
修正版を添付しますので、改めてご確認いただけますか。
相手から届いた資料を見たと伝える
件名:Re:◯◯のお見積もり
株式会社◯◯
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
お送りいただいたお見積もりを拝見しました。
社内で確認のうえ、◯月◯日(◯)までにお返事いたします。
資料を送るメール全体の書き方は資料送付のメールにまとめています。
よくある間違い
| 書きがちな言い方 | 気になる点 | 直し方 |
|---|---|---|
| こちらの資料を拝見してください | 「拝見する」は自分が見るときの謙譲語 | こちらの資料をご覧ください |
| 資料はご覧になられましたでしょうか | 「ご覧になる」にさらに「れる」を重ねた二重敬語 | 資料はご覧いただけましたか |
| お送りいただいた資料をご覧になりました | 自分の動作に尊敬語を使っている | お送りいただいた資料を拝見しました |
| ご覧になってくださいませ | メールでは丁寧にしすぎて、くどく感じる人もいる | ご覧ください/ご覧いただけますか |
| (自社の上司について社外へ)部長の◯◯がご覧になりました | 社外に対して、自社の人の動作に尊敬語を使っている | 部長の◯◯も拝見しております |
注意
「ご覧になられる」のような重ねた形は、二重敬語の一覧にまとめています。
「ご覧ください」「ご覧いただけますか」への返事
資料を見てほしいと頼まれたら、見たことは「拝見しました」と伝え、意見や次の動きを添えます。すぐに見られないときは、いつまでに見るかを返しておくと相手が安心します。
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
資料をお送りいただき、ありがとうございます。
本日は外出が続くため、明日の午前中に拝見し、改めてご連絡いたします。
この記事の要点
- 「ご覧」は相手が見るときの言葉。自分が見るときは「拝見する」。
- 「ご覧になる」は尊敬語、「ご覧ください」は丁寧に促す言い方、「ご覧いただく」は見てもらうことを受ける言い方。
- お願いは「ご覧いただけますか」、確認は「ご覧いただけましたか」。
- 「拝見してください」「ご覧になられる」は使わない。
- 見てほしい箇所と返事の期限を一行添える。
FAQ
よくある質問
失礼ではありません。「見てください」を丁寧にした言い方で、取引先や上司にも使えます。お願いの気持ちを強く出したいときは「ご覧いただけますか」「ご覧いただけますと幸いです」とすると、やわらかく伝わります。
「ご覧になる」は相手が見ることを敬う尊敬語です。「ご覧いただく」は相手に見てもらうことを、自分の側がありがたく受け止める言い方です。お願いや確認のメールでは「ご覧いただけますか」「ご覧いただけましたか」が使いやすい形です。
「拝見する」は自分が見ることをへりくだって言う謙譲語なので、相手の動作に使うと相手を低めることになります。相手に見てもらうときは「ご覧ください」を使います。
「ご覧になる」にさらに尊敬の「れる」を重ねた二重敬語で、くどいと受け取る人もいます。「ご覧になりましたか」「ご覧いただけましたか」で十分に丁寧です。
「御覧」とも書きますが、メールでは「ご覧」と書くことが多く、読みやすくなります。社内の表記の決まりがあれば、それに合わせます。