敬語
「ご指摘ありがとうございます」の使い方
場面別の返信例文と言い換え
結論から言うと、「ご指摘ありがとうございます」は取引先・上司・お客様にも使える感謝の言葉です。迷ったら「ご指摘いただき、ありがとうございます。早速◯◯を修正いたしました。」と書けば失礼になりません。要点は、お礼のあとに何を直したか・今後どうするかを続けること。このページでは、メール・社内チャット・会議の口頭まで場面別の返信例文、ご教示・ご指導・ご意見との使い分け、すぐ直せない指摘や相手の勘違いへの返し方、送る前のチェックリストをまとめました。
結論
「指摘」は問題点や誤りを具体的に示すことで、相手の行為に「ご」を付けた「ご指摘」は、相手がこちらの誤りや不足を教えてくれたことを敬って言う言い方です。「ご指摘ありがとうございます」は、指摘の中身を受け止めたうえで、わざわざ伝えてくれた手間に感謝する返事の決まり文句です。
まず結論:そのまま使える一文
| 相手 | そのまま使える一文 |
|---|---|
| 取引先・お客様(改まった場面) | ご指摘いただき、誠にありがとうございます。 |
| 取引先・上司(ふだん) | ご指摘いただき、ありがとうございます。 |
| 社内の上司・やりとりの多い相手 | ご指摘ありがとうございます。 |
| 相手に迷惑がかかった誤り | ご指摘いただき、ありがとうございます。ご迷惑をおかけし、申し訳ございません。 |
| 相手の勘違いだったとき | ご確認いただき、ありがとうございます。 |
| 同僚・後輩 | 教えてくれてありがとう。助かりました。 |
Point
返事の型は「お礼 → お詫び(必要なら) → 直した内容 → 今後の対応」。相手に迷惑がかかった誤りなら、お礼のすぐあとにお詫びを入れます。お礼だけで終えると、指摘が伝わったのかどうかが相手にわかりません。
「ご指摘ありがとうございます」の意味と失礼にならない理由
相手の誤りを伝えるのは、指摘する側にとって気を遣う作業です。「ご指摘ありがとうございます」は、言いにくいことを伝えてくれた相手への感謝を最初に示し、指摘を前向きに受け止めていることを伝える言葉です。相手の行為に「ご」を付けて敬っているので、目上に使っても失礼にはなりません。
「失礼では」と感じる人がいるのは、お礼だけで終わる、お礼の直後に反論が続く、迷惑をかけたのにお詫びがないといった使い方のときです。言葉そのものより、続ける中身で印象が決まります。
返信メールの組み立て(テンプレート)
- 01
お礼
「ご指摘いただき、ありがとうございます。」何についての指摘かを一言添えると、相手が読み返さずに済みます。
- 02
お詫び(迷惑がかかった場合)
「確認が不十分で、申し訳ございません。」相手の手間が増えた誤りなら必ず入れます。
- 03
直した内容
「◯ページの◯◯を△△に修正いたしました。」どこを、どう直したかを具体的に書きます。
- 04
相手にお願いすること
「お手数ですが、差し替えをお願いできますでしょうか。」差し替えや再確認が要るときだけ書きます。
- 05
今後の対応
「今後は提出前に◯◯を確認いたします。」繰り返しやすい誤りなら防ぎ方を一文で。
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
【何について】についてご指摘いただき、ありがとうございます。
【お詫び:迷惑がかかった場合】
【直した内容】を修正いたしました。
【お願い:必要な場合】
【今後の対応】
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
注意
返事は早いほど「受け止めている」ことが伝わります。直すのに時間がかかるときは、先に受け取った旨と対応の見通しだけを返し、直したあとで改めて連絡します。返信の目安はメール返信のタイミングにまとめています。
場面別のメール例文
資料の誤字を指摘された(取引先)
件名:Re:◯◯資料の記載について
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
ご指摘いただき、ありがとうございます。
◯ページの◯◯の表記に誤りがございました。確認が不十分で、申し訳ございません。
修正した資料を添付いたしますので、お手数ですがお差し替えいただけますでしょうか。
見積書の数量の誤りを指摘された(取引先)
件名:Re:お見積書の数量について
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
お見積書の数量についてご指摘いただき、誠にありがとうございます。
ご指摘のとおり、◯◯の数量を誤って記載しておりました。ご確認のお手間をおかけし、申し訳ございません。
正しい数量で作り直したお見積書を添付いたします。先にお送りしたものは破棄していただけますと幸いです。
企画の改善点をもらった(取引先)
件名:Re:◯◯企画案へのご意見
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
企画案について、細かな点までご指摘いただき、誠にありがとうございます。
当日の動線については、ご意見のとおり受付を二か所に分ける形で見直します。
修正案は◯月◯日(◯)までにお送りいたします。
いくつもの指摘をまとめて受けた
件名:Re:◯◯原稿へのご指摘
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
原稿を丁寧にご確認いただき、ありがとうございます。
いただいたご指摘について、次のとおり対応いたしました。
・◯ページの表記ゆれ:統一いたしました
・◯◯の図:最新の内容に差し替えました
・◯◯の説明:社内で確認のうえ、◯月◯日(◯)までに修正いたします
修正した原稿を添付いたしますので、ご確認をお願いいたします。
上司から書類の不備を指摘された(社内メール)
件名:Re:◯◯申請書の件
◯◯課長
お疲れさまです。□□です。
ご指摘ありがとうございます。添付書類が漏れておりました。申し訳ありません。
不足していた◯◯を添付し、改めて申請いたしました。
今後は提出前に一覧で確認するようにいたします。
ウェブサイトの誤りを教えてもらった(お客様)
件名:ウェブサイトの記載についてのご連絡のお礼
◯◯様
このたびは、弊社ウェブサイトの記載についてご連絡いただき、誠にありがとうございます。
ご指摘のとおり、◯◯のページに古い情報が残っておりました。本日、正しい内容に修正いたしました。
ご迷惑をおかけし、申し訳ございません。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
部下・後輩から指摘を受けた(上司の立場)
◯◯さん
指摘ありがとう。日程表の◯日の曜日、確かに間違っていました。
修正版を共有フォルダに置き直したので、念のため見ておいてください。
気づいたらまた教えてもらえると助かります。
困る場面の返し方
指摘が相手の勘違いだった
件名:Re:◯◯の金額について
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
ご確認いただき、ありがとうございます。
念のため確認いたしましたところ、◯◯の金額は、先日お送りした変更後のお見積もりの内容を反映したものでございました。
変更後のお見積もりを改めて添付いたしますので、お手すきの際にご覧いただけますでしょうか。
わかりにくい書き方で、お手数をおかけしました。
すぐには直せない
件名:Re:◯◯の仕様について
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
◯◯の仕様について、ご指摘いただきありがとうございます。
おっしゃる点はもっともで、社内でも対応を検討しております。
ただ、仕組みの変更が必要なため、すぐには修正できない状況です。
対応の見通しがつきましたら、◯月◯日(◯)までに改めてご連絡いたします。
指摘の意図がつかめず、確認したい
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
ご指摘いただき、ありがとうございます。
正しく修正したいので、一点確認させてください。
◯◯の部分は、「△△の表記を改める」という理解でよろしいでしょうか。それとも、項目そのものを削除したほうがよいでしょうか。
お手数をおかけしますが、ご教示いただけますと幸いです。
一部だけ対応し、残りは見送る
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
ご指摘いただき、ありがとうございます。
三点のうち、◯◯と△△は修正いたしました。
□□については、◯◯の事情があり、今回は現在の内容のままとさせていただきたく存じます。
ご意向に沿えず恐縮ですが、ご理解いただけますと幸いです。
注意
相手の勘違いだったときは、「ご指摘」ではなく「ご確認いただき」とするほうが、どちらが正しいかを際立たせずに済みます。事実を示したうえで、「わかりにくい書き方で」とこちらの伝え方を引き取ると、角が立ちません。
社内チャット・会議(口頭)での言い方
チャットや口頭では、メールほど長く書かず、お礼と次の動きだけを短く伝えます。チャットの書き方全般はビジネスチャットのマナーを見てください。
| 場面 | 言い方の例 |
|---|---|
| チャット(上司から) | ご指摘ありがとうございます。修正して再アップしました。 |
| チャット(すぐ直せない) | ご指摘ありがとうございます。本日中に直してご連絡します。 |
| チャット(同僚から) | ありがとうございます、直しました! |
| 会議・プレゼンの質疑 | ご指摘ありがとうございます。その点は確認が足りていませんでした。持ち帰って、明日までにご回答します。 |
| 会議(反対意見をもらった) | 貴重なご意見ありがとうございます。その観点は検討できていなかったので、案に加えて見直します。 |
| 電話・対面(お客様から) | ご指摘いただき、ありがとうございます。ご不便をおかけし、申し訳ございません。すぐに確認いたします。 |
口頭では、早口で言うと受け流しているように聞こえることがあります。一呼吸おいて、相手の目を見て言い、すぐに「どうするか」を続けると誠意が伝わります。
言い換え一覧と、ご教示・ご指導・ご意見との使い分け
| 言い方 | 丁寧さ | 使いやすい場面 |
|---|---|---|
| ご指摘を賜り、誠にありがとうございます | 特に改まった言い方 | お客様・改まった文書 |
| 細部までご確認いただき、厚く御礼申し上げます | 特に改まった言い方 | 手間をかけて確認してくれた目上 |
| ご指摘いただき、誠にありがとうございます | 改まった言い方 | 取引先・お客様 |
| ご指摘いただき、ありがとうございます | 丁寧 | 取引先・上司(いちばん使いやすい) |
| ご指摘ありがとうございます | 丁寧(簡潔) | 社内の上司・やりとりの多い取引先 |
| 貴重なご意見をいただき、ありがとうございます | 丁寧 | 誤りではなく意見・改善案をもらった |
| ご提案いただき、ありがとうございます | 丁寧 | 別のやり方を勧めてもらった |
| 大変勉強になりました | 丁寧(お礼に添える) | 上司・先輩から考え方を教わった |
| 教えてくれてありがとう | 標準 | 同僚・後輩 |
| 言葉 | 相手がしてくれたこと | 例 |
|---|---|---|
| ご指摘 | 誤りや足りない点を具体的に示してくれた | 誤字・数字の誤り・抜け漏れ |
| ご教示 | 知らなかったことを教えてくれた | 手順・やり方・情報 |
| ご指導 | 継続して導いてくれた | 上司・先輩・先生からの助言 |
| ご意見 | 考えや感想を述べてくれた | 企画への感想・アンケート |
| ご提案 | 別の案を出してくれた | 進め方・代案 |
単純な誤りなら「ご指摘」、手順や知識を教わったなら「ご教示」、日ごろ導いてもらっている相手には「ご指導」が合います。くわしくは「ご教示ください」の使い方、「ご指導ご鞭撻」の使い方を見てください。
場面別の使い方と、お礼に添える言葉
| 場面 | 使い方 | 添える言葉 |
|---|---|---|
| 資料・原稿の誤字や数字の誤り | 使える | 修正版をお送りします |
| 企画や進め方の改善点 | 使える | ご意見を踏まえて見直します |
| 上司からの書類の不備 | 使える | 以後気をつけます |
| 相手に迷惑がかかる誤り(請求・宛名) | 使える(お詫びを中心に) | 大変申し訳ございません |
| お客様からの苦情 | お礼だけでは足りない | まずお詫びと事実の確認 |
| 指摘が相手の勘違い | 「ご確認いただき」に替える | 念のため確認いたしましたところ |
注意
お客様からの苦情に「ご指摘ありがとうございます」だけで返すと、迷惑をかけたことを軽く扱っているように受け取る人もいます。苦情への返事は苦情への返信メールの例文、名前の誤記は名前を間違えたときのお詫び、請求書の誤りは請求書の誤りのお詫びを見てください。
よくある間違い
| 書きがちな言い方 | 気になる点 | 直し方 |
|---|---|---|
| ご指摘してくださり、ありがとうございます | 「ご〜する」は自分の動作をへりくだる形として使われ、相手の動作と噛み合わない | ご指摘くださり/ご指摘いただき、ありがとうございます |
| ご指摘ありがとうございます。しかし◯◯なので… | お礼の直後に反論が来ると、言い訳に聞こえやすい | 事実を確認したうえで、やわらかく伝える |
| ご指摘ありがとうございます。(それだけで終わる) | 直したのかどうかが伝わらない | 直した内容と今後の対応を続ける |
| ご指摘させていただいた件 | 「ご指摘」は相手の指摘を敬う言い方として使うのがふつうで、自分の指摘に使うと違和感を持たれやすい | お伝えした件/申し上げた件 |
| お客様の苦情に「ご指摘ありがとうございます」だけ | 迷惑をかけたことを軽く扱っていると受け取る人もいる | まずお詫びし、事実の確認と対応を書く |
| 何日もたってから返す | 受け止めていないように見える | 直す前でも、受け取った旨と見通しを先に返す |
送る前のチェックリスト
- 相手に合った丁寧さか(取引先・お客様には「ご指摘いただき」)
- 何についての指摘かがわかる一言がある
- 迷惑がかかった誤りなら、お詫びが入っている
- どこを、どう直したかを具体的に書いた
- 差し替え・再確認など、相手にお願いすることを書いた
- すぐ直せないなら、いつまでに連絡するかを書いた
- お礼の直後に反論や言い訳を置いていない
- 相手の勘違いなら「ご確認いただき」にして、事実をやわらかく示した
- 修正版の添付を忘れていない
「ご指摘ありがとうございます」と言われたときの返事(指摘した側)
指摘した側は、直してくれたことへのお礼と、確認した結果を短く返します。相手が恐縮しているときは、「細かいことまで申し上げてしまい」と一言添えると、やりとりがやわらかく終わります。
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
早速ご修正いただき、ありがとうございます。
差し替えの資料を確認いたしました。こちらこそ細かいことまで申し上げてしまい、失礼いたしました。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
社内で後輩から「ご指摘ありがとうございます」と言われたら、「確認しました。助かります」程度で十分です。直してくれた点を一つ具体的に挙げると、次も相談しやすい雰囲気になります。
この記事の要点
- 「ご指摘ありがとうございます」は誤りを教えてくれた手間へのお礼で、目上にも使える。
- 取引先・上司には「ご指摘いただき、ありがとうございます」が使いやすい。
- お礼のあとに直した内容と今後の対応を必ず書く。すぐ直せないときは見通しを先に返す。
- 相手の勘違いのときは「ご確認いただき」とし、事実をやわらかく伝える。
- 誤りは「ご指摘」、教わったことは「ご教示」、意見は「ご意見」と使い分ける。
- 苦情にはお詫びを先に。お礼だけで済ませない。
FAQ
よくある質問
使えます。より丁寧にしたいときは「ご指摘いただき、ありがとうございます」「ご指摘いただき、誠にありがとうございます」とします。
「ご指摘いただき」は自分を主語にして「指摘してもらった」とへりくだる言い方、「ご指摘くださり」は相手を主語にして「指摘してくれた」と相手を立てる言い方です。どちらも丁寧で、メールではどちらを使っても問題ありません。
誤りや足りない点を示してもらったときは「ご指摘」、知らなかった手順や情報を教えてもらったときは「ご教示」が合います。誤りではなく考えを述べてもらったときは「ご意見」とします。
「ご確認いただき、ありがとうございます」とお礼を述べ、「念のため確認いたしましたところ」と事実を示します。そのうえで「わかりにくい書き方で」とこちらの伝え方を引き取ると、角が立ちません。
はい。直すのに時間がかかるときは、先に「ご指摘ありがとうございます。◯日までに修正してご連絡します」と受け取った旨と見通しだけを返し、直したあとに改めて連絡します。
使えます。口頭では「ご指摘ありがとうございます。確認して◯時までにご連絡します」のように、お礼のあとにすぐ次の動きを伝えると、受け流している印象になりません。
お礼の言葉なので、それだけで失礼になることはありません。ただ、お礼のすぐあとに反論が続いたり、口頭で早口に言ったりすると、形だけのお礼に聞こえることがあります。直した内容や事実の確認を続けて伝えるのが大切です。
「ご指摘」は相手の指摘を敬って言うのがふつうで、自分の指摘に使うと、自分の行為を持ち上げているように受け取る人もいます。「先日お伝えした件」「申し上げた点」などと言い換えると無難です。