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敬語

「ご厚情」と「ご厚誼」の違い
意味・読み方と挨拶状・メールの例文

「ご厚情」と「ご厚誼」は、どちらも挨拶状でよく見る改まった言葉です。「ご厚情(ごこうじょう)」は相手の厚い思いやり、「ご厚誼(ごこうぎ)」は心のこもった親しい付き合いを敬って言います。迷ったら、してもらった親切へのお礼は「ご厚情」、長い付き合いそのものへのお礼は「ご厚誼」と考えると分けやすくなります。そのまま使える一文は「在職中は格別のご厚情を賜り、心より御礼申し上げます。」。このページでは、二つの違い、使える場面の表、似た言葉との言い換え、場面別の例文をまとめました。

更新: 2026-11-04読了:約6分PRODUCER AGENT 編集部

結論

「厚情」は厚い情け、心からの思いやり、「厚誼」は心のこもった親しい交わりのことです。「誼」は「よしみ」とも読み、親しい関係を表します。相手に向けて「ご」を付け、「ご厚情を賜り」「ご厚誼を賜り」「変わらぬご厚誼のほど」の形で、お礼やこれからのお願いに使います。

「ご厚情」と「ご厚誼」の意味

「厚情」の「情」は思いやりや情けのことで、「ご厚情」は相手がこちらに向けてくれた厚い気持ちを表します。助けてもらった、気にかけてもらった、ひいきにしてもらったといった相手からの働きかけに目を向けた言葉です。

「厚誼」の「誼(よしみ)」は親しい関係のことで、「ご厚誼」は相手と自分のあいだに続いてきた付き合いそのものを表します。「長年にわたるご厚誼」「生前のご厚誼」のように、期間の長さと組み合わせて使われることが多い言葉です。

Point

「ご厚情」は相手からの思いやり、「ご厚誼」は相手との付き合い。どちらもお礼にもお願いにも使えますが、何に感謝しているのかで選ぶと自然です。

違いと使い分け

言葉読み方表す内容合う言い回し
ご厚情ごこうじょう相手の厚い思いやり・親切格別のご厚情を賜り/温かいご厚情に感謝し
ご厚誼ごこうぎ心のこもった親しい付き合い長年にわたるご厚誼/変わらぬご厚誼のほど
ご交誼ごこうぎ親しい交わり・付き合いご交誼を賜り
ご厚志ごこうし厚い志、心づくしの贈り物などご厚志を賜り(贈り物・お心付けへのお礼)

「ご厚誼」と「ご交誼」は読みが同じで、どちらも付き合いを表します。「厚」の字が入る分、「ご厚誼」のほうが手厚い付き合いへの感謝がにじむ言い方です。変換のときに意図した字になっているか確かめましょう。

「ご厚志」は気持ちを形にした贈り物やお金について使うことが多く、「ご厚情」とは使う場面が違います。贈り物への言葉は「ご笑納ください」と「お納めください」もあわせて見てください。

使える場面・使わないほうがよい場面

場面合う言葉例
退職・異動のあいさつ状ご厚情(在職中の親切)/ご厚誼(長い付き合い)在職中は格別のご厚情を賜り
年末年始の挨拶状ご厚情/ご厚誼旧年中は格別のご厚情を賜り
会葬・香典へのお礼状ご厚誼(故人との付き合い)/ご厚志(香典)生前に賜りましたご厚誼に深く感謝し
就任・着任のあいさつ状ご厚誼(これからの付き合いのお願い)前任者同様のご厚誼を賜りますよう
ふだんの業務メールどちらも重く聞こえやすいいつもありがとうございます/お世話になっております
社内の同僚・後輩への連絡合わないありがとう/助かりました

注意

どちらも手紙や挨拶状で使う書き言葉です。日々のやり取りのメールで使うと、かしこまりすぎて距離を感じさせることがあります。メールで使うのは、退職・異動・年末年始など節目のあいさつくらいにとどめると自然です。

言い換え一覧(丁寧さの段階つき)

言い方丁寧さ使いやすい場面
ひとかたならぬご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます特に改まった言い方挨拶状・役員名の文書
長年にわたり格別のご厚誼を賜り、心より御礼申し上げます特に改まった言い方退職・会葬のお礼状
格別のお引き立てを賜り、ありがとうございます改まった言い方取引先・お客様への文書
温かいお心遣いをいただき、ありがとうございました丁寧親切へのお礼メール
長いあいだ、大変お世話になりました丁寧退職・異動のメール
いろいろとありがとうございました標準社内の同僚

「お引き立て」はひいきにして目をかけてもらうことで、取引先やお客様向けの文書で使います。詳しくは「お引き立て」の意味と使い方に、「ご高配」「ご愛顧」との違いは「ご高配」と「ご愛顧」の違いにまとめています。

場面別の例文

退職のあいさつメール(取引先へ)

件名:退職のご挨拶(株式会社△△ □□)

株式会社◯◯
◯◯様

いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
私事で恐縮ですが、◯月◯日をもちまして退職することとなりました。
在職中は格別のご厚情を賜り、心より御礼申し上げます。

後任は同じ部署の◯◯が務めます。改めて◯◯よりご連絡いたします。
末筆ながら、◯◯様のますますのご活躍をお祈り申し上げます。

異動のあいさつ状(長く担当した取引先へ)

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、私こと
このたび◯月◯日付で◯◯支店に転勤することとなりました。
◯◯部在籍中は長年にわたり格別のご厚誼を賜り、誠にありがとうございました。
新任地におきましても、変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。
敬具

着任のあいさつ(前任者からの引き継ぎ)

件名:着任のご挨拶(株式会社△△ □□)

株式会社◯◯
◯◯様

はじめてご連絡いたします。株式会社△△の□□と申します。
◯月◯日付で、前任の◯◯に代わり貴社の担当となりました。
至らない点もあるかと存じますが、前任者同様のご厚誼を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

年末の挨拶状

拝啓 師走の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
本年中はひとかたならぬご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。
来る年も変わらぬお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。
敬具

会葬・香典へのお礼(社葬・お別れの会のあと)

弊社前会長◯◯の葬儀に際しましては、ご多用のなかご会葬を賜り、また過分なるご厚志をいただき、誠にありがとうございました。
故人が生前に賜りましたご厚誼に深く感謝いたしますとともに、今後とも変わらぬご指導を賜りますようお願い申し上げます。
略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます。

注意

会葬礼状では、故人との付き合いに「ご厚誼」、香典や供花に「ご厚志」と、二つを書き分けることがあります。お悔やみの側の書き方はお悔やみメールの例文(ビジネス)を見てください。

長く付き合いのあるお客様へのお礼(閉店・事業終了のお知らせ)

◯◯様

いつも当店をご利用いただき、ありがとうございます。
このたび、◯月◯日をもちまして◯◯店の営業を終了することとなりました。
開店以来、長きにわたり温かいご厚情をお寄せいただき、従業員一同、心より感謝申し上げます。

よくある間違い

書きがちな言い方気になる点直し方
(日々の業務メールで)ご厚情に感謝いたします改まりすぎて、かえって距離を感じさせることがあるいつもありがとうございます
(贈り物へのお礼だけで)ご厚誼を賜り「ご厚誼」は付き合いを表す言葉で、品物へのお礼とはずれる結構なお品をいただき/ご厚志を賜り
ご厚情いただきまして誠に恐縮でございます誤りではないが、挨拶状では「ご厚情を賜り」の形のほうが座りがよいと感じる人もいるご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます
同じ一通で「ご厚情」「ご厚誼」「ご高配」を並べる定型句が重なり、くどくなる一通に一つか二つまで
自分の行為に「厚情」を使う相手の思いやりを敬う言葉なので、自分のことには使わない微力ながら努めてまいります

「ご厚情」「ご厚誼」を使ったあいさつを受け取ったときの返事

退職・異動のあいさつで「ご厚情を賜り」と書かれていたら、返事は同じくらいの改まり方で十分です。「こちらこそ」と受け、相手のこれからを願う一言を添えます。

□□様

ご丁寧なご挨拶をいただき、ありがとうございます。
こちらこそ、在職中は大変お世話になりました。
新しい職場でのご活躍を、心よりお祈り申し上げます。

返事の中で「ご厚情」を使い返す必要はありません。相手の今後を祈る結びの言い方は「末筆ながら」の使い方も参考にしてください。

この記事の要点

  • 「ご厚情(ごこうじょう)」は相手の厚い思いやり、「ご厚誼(ごこうぎ)」は親しい付き合い。
  • してもらった親切には「ご厚情」、長く続いた関係には「ご厚誼」。
  • 定型は「格別のご厚情を賜り」「変わらぬご厚誼のほど」。
  • 香典や贈り物には「ご厚志」。会葬礼状では「ご厚誼」と書き分ける。
  • どちらも挨拶状向けの言葉。日々のメールでは「いつもありがとうございます」で十分。

FAQ

よくある質問

01「ご厚情」と「ご厚誼」の読み方は?

「ご厚情」は「ごこうじょう」、「ご厚誼」は「ごこうぎ」と読みます。

02「ご厚情」と「ご厚誼」はどう使い分けますか?

相手がしてくれた親切や思いやりへのお礼なら「ご厚情」、長く続いてきた付き合いそのものへのお礼やお願いなら「ご厚誼」が合います。退職や異動のあいさつではどちらも使われます。

03「ご厚誼」と「ご交誼」の違いは?

読みは同じ「ごこうぎ」で、どちらも付き合いを表します。「ご厚誼」は「厚」の字が入る分、手厚い付き合いへの感謝がにじむ言い方です。

04メールで「ご厚情」を使ってもよいですか?

退職・異動・年末年始などの節目のあいさつなら使えます。日々の業務のやり取りでは改まりすぎるので、「いつもありがとうございます」「お世話になっております」で十分です。

05「ご厚志」とはどう違いますか?

「ご厚志」は厚い志のことで、香典や贈り物、お心付けなど、気持ちを形にしたものへのお礼に使うことが多い言葉です。

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