撮影の実務
撮影のお礼メール例文
撮影前から公開まで、相手別に
撮影のお礼メールは、撮影場所を貸してくれた協力先には次も貸してもらえるかどうかが、出演者やスタッフには次の案件でも協力してもらえるかどうかがかかっています。このページでは、撮影の前・直後・公開時の場面と、相手ごとの例文をまとめました。社名や日付は◯◯で伏せているので、書き換えてそのまま使えます。
結論
結論:撮影のお礼メールは、記憶が新しいうちに送ります(決まった期限はありません。迷ったら当日中か翌営業日の朝までを目安にします)。件名に「撮影日・お礼・社名」を入れ、本文には①お礼 ②当日に具体的に助かった場面 ③報告(片付け・素材など) ④今後の予定(編集・納品・公開)の順で書きます。
場面と相手の早見表
まず、どの場面で誰に何を送るかを確かめてください。表の右端の「例文」の見出しへ進むと、書き換えて使える文面があります。
| 場面 | 相手 | 主に書くこと | 例文 |
|---|---|---|---|
| 撮影の前(承諾・下見) | 撮影場所の管理者・店舗 | 承諾へのお礼、撮影日時と人数・機材の確認 | 撮影前のお礼 |
| 撮影の直後 | 撮影場所の協力先 | お礼、片付けと原状回復の報告、公開の予定 | 協力先へ |
| 撮影の直後 | 公共施設・自治体などの許可者 | 許可の条件どおりに撮影と撤収を終えた報告 | 協力先へ |
| 撮影の直後 | カメラマン・スタッフ | 当日の場面へのお礼、素材の提出と編集の予定 | カメラマン・スタッフへ |
| 撮影の直後 | 出演者・事務所・社員 | お礼、仕上がりの確認と公開の予定、使う範囲 | 出演者へ |
| 撮影の直後 | 制作会社⇔広告主 | お礼、当日に出た宿題、確認の日程 | 広告主と制作会社の間 |
| 初回の確認・納品 | 広告主(制作会社から) | 確認用の映像の送付、修正の受付、納品のお礼 | 広告主と制作会社の間 |
| 公開したとき | 協力先・出演者 | 公開日と公開先のURL、あらためてのお礼 | 公開のお知らせ |
| お礼を受けたとき | 撮影した側へ(協力した側から) | お礼への返信、公開を楽しみにしていること | お礼を受けた側の返信 |
イベントの参加者や登壇者へのお礼はイベントのお礼メール例文、取材を受けてもらった相手へのお礼は取材協力のお礼、打合せのお礼は打ち合わせのお礼メール例文にまとめています。
お礼メールに入れる項目と件名
- 01
件名
「◯月◯日の撮影のお礼(◯◯株式会社)」のように、撮影日・用件・社名を入れます。協力先は撮影の依頼をたくさん受けていることがあるので、どの撮影か一目で分かるようにします。
- 02
宛名
社名・部署・氏名の順。担当者の名前が分からなければ「ご担当者様」とします。
- 03
名乗り
社名と名前。撮影当日の名札や名刺と同じ表記にすると、相手が思い出しやすくなります。
- 04
お礼と、具体的に助かった場面
「動線を空けていただいた」「日が陰ったときに撮る順番を入れ替えてくださった」など、その人がしてくれたことを一つ書きます。これがあるだけで、定型文に見えなくなります。
- 05
報告
協力先には片付けと原状回復を終えたこと、スタッフには素材の受け取りなど、相手が気にしていそうなことを先に伝えます。
- 06
今後の予定
編集の確認、納品、公開の時期と媒体。決まっていなければ「決まりしだいご連絡します」と書きます。
- 07
結び
「重ねてお礼申し上げます」「今後とも、よろしくお願いいたします」など。お礼のメールに返信を求めない場合は、その旨を添えることもあります(お礼メールの返信の返信)。
件名の例
| 相手・場面 | 件名の例 |
|---|---|
| 協力先(撮影場所) | 撮影へのご協力のお礼(◯月◯日 ◯◯株式会社) |
| 撮影許可を出した管理者 | ◯月◯日の撮影終了のご報告とお礼(◯◯株式会社) |
| カメラマン・スタッフ | ◯月◯日の撮影のお礼 |
| 出演者の事務所 | ◯月◯日撮影のお礼(◯◯ウェブ広告) |
| 制作会社から広告主へ | ◯月◯日の撮影のお礼と、今後の進め方について |
| 公開のお知らせ | 撮影にご協力いただいた映像を公開しました |
撮影前のお礼(承諾・下見)
撮影を承諾してもらったとき(店舗・施設へ)
件名:撮影ご承諾のお礼と、当日のご確認(◯◯株式会社)
◯◯株式会社
◯◯様
お世話になっております。◯◯株式会社の◯◯です。
このたびは、◯◯での撮影をご承諾いただき、誠にありがとうございます。
当日の予定は、次のとおりです。
・日時:◯月◯日(◯)◯時〜◯時(撤収まで)
・人数:スタッフ・出演者あわせて◯名
・使用する範囲:◯◯(事前にお伝えした範囲のみ)
・持ち込む機材:カメラ、照明、三脚など
営業やほかのお客様の妨げにならないよう進めます。気になる点がございましたら、撮影日までにお知らせください。
当日は、どうぞよろしくお願いいたします。
ロケハン(下見)に協力してもらったとき
件名:下見のお礼(◯月◯日 ◯◯株式会社)
◯◯様
お世話になっております。◯◯株式会社の◯◯です。
本日は、お忙しいところ下見にお付き合いいただき、ありがとうございました。
電源の位置や搬入の経路まで教えていただいたおかげで、撮影の段取りを具体的に考えることができました。
撮影をお願いするかどうかは、社内で検討のうえ、◯月◯日までにご連絡いたします。
引き続き、よろしくお願いいたします。
注意
下見で確かめることはロケハンのやり方、許可の相手の洗い出しは撮影許可申請書の書き方にまとめています。
撮影場所の協力先・管理者へ
店舗・会社など撮影場所の協力先へ
件名:撮影へのご協力のお礼(◯月◯日 ◯◯株式会社)
◯◯株式会社
◯◯様
お世話になっております。◯◯株式会社の◯◯です。
昨日は、◯◯での撮影にご協力いただき、誠にありがとうございました。
営業中にもかかわらず、スタッフの皆様に動線を空けていただいたおかげで、予定どおり撮影を終えることができました。
撤収後、使用した範囲の清掃と原状回復を行い、◯◯様にご確認いただきました。お気づきの点がございましたら、お手数ですがお知らせください。
完成した映像は、◯月ごろに◯◯(ウェブ広告・SNS)で公開する予定です。公開の際には、あらためてご連絡いたします。
このたびのご厚意に、重ねてお礼申し上げます。
撮影許可を出した公共施設・自治体などへ
件名:◯月◯日の撮影終了のご報告とお礼(◯◯株式会社)
◯◯(施設名・課の名称)
ご担当者様
お世話になっております。◯◯株式会社の◯◯です。
◯月◯日の撮影につきましては、許可をいただき、誠にありがとうございました。
撮影は、許可いただいた範囲と時間のとおり、◯時に撤収まで終えました。使用した場所の清掃と原状回復を行い、ほかの利用者の方への影響は出ていないことを確かめております。
報告書の提出が必要でしたら、ご指定の書式でお送りいたします。
このたびは、ご配慮をいただき、ありがとうございました。
注意
許可の条件として撮影後の報告を求められている場合は、メールではなく指定の書式に従います。トラブルや破損があったときは、お礼のメールに混ぜずに、先に電話で知らせてから書面で報告します。
カメラマン・スタッフへ
動画のカメラマン・撮影スタッフへ
件名:◯月◯日の撮影のお礼
◯◯様
お世話になっております。◯◯株式会社の◯◯です。
昨日は長時間の撮影、ありがとうございました。
午後に日が陰ったとき、すぐに撮る順番を入れ替えてくださったおかげで、屋外のカットを撮り切ることができました。商品のカットも、広告主の◯◯様がとても喜んでいらっしゃいました。
今後は、◯月◯日にオフライン編集の確認、◯月◯日に納品を予定しています。素材のご提出については、別途ご連絡いたします。
また別の案件でもご一緒できれば幸いです。引き続き、よろしくお願いいたします。
写真の撮影を頼んだカメラマンへ(データの受け取り後)
件名:撮影データ受領のご連絡とお礼
◯◯様
お世話になっております。◯◯株式会社の◯◯です。
先日の撮影、ありがとうございました。本日、写真のデータを確かに受け取りました。
商品の質感がよく出ていて、社内でも「このまま使える」と好評です。とくに、俯瞰で撮っていただいたカットはカタログの表紙に使う予定です。
請求書は、◯◯宛にお送りいただけますでしょうか。
また次の撮影の際にも、ご相談させてください。
社内の撮影スタッフ・手伝ってくれた人へ(チャット向け)
◯◯さん、昨日の撮影ありがとうございました!
機材の搬入から片付けまで手伝ってもらえて、とても助かりました。
編集が上がったら共有しますね。
出演者へ(事務所・社員・一般の方)
出演者の事務所・マネージャーへ
件名:◯月◯日撮影のお礼(◯◯ウェブ広告)
◯◯プロダクション
◯◯様
お世話になっております。◯◯株式会社の◯◯です。
昨日は、◯◯さんにご出演いただき、ありがとうございました。
急な段取りの変更にも柔軟に対応していただき、現場の雰囲気も明るくしていただきました。◯◯さんにもよろしくお伝えください。
仕上がりは◯月◯日ごろにご確認いただけるよう進めております。公開日と媒体が確定しましたら、あらためてご連絡いたします。
今後とも、よろしくお願いいたします。
社員の出演者へ
件名:撮影へのご協力ありがとうございました
◯◯さん
◯◯部の◯◯です。
昨日は、業務の合間に撮影に協力していただき、ありがとうございました。自然な表情で、とても良い映像が撮れました。
撮影した映像は、事前にお伝えしたとおり、◯◯(採用サイト・SNS)で◯月ごろから使う予定です。公開したら、リンクをお送りします。
使い方について気になることがあれば、いつでも私までご連絡ください。
一般の方・お客様に出演してもらったとき
件名:撮影へのご協力のお礼(◯◯株式会社)
◯◯様
◯◯株式会社の◯◯です。
先日は、お休みの日にもかかわらず撮影にご協力いただき、誠にありがとうございました。
商品を使ったときのお話がとても分かりやすく、見る方に伝わる映像になりそうです。
映像は、撮影の前にご同意いただいた範囲(◯◯の公式サイトと◯◯)でのみ使用いたします。公開日が決まりましたら、あらためてご連絡いたします。
使用について気になる点があれば、このメールにご返信ください。
注意
社員や一般の方の映像・写真をどこまで使うかは、撮影前の合意の範囲に限ります。考え方は二次利用とはとイベント写真のSNS投稿と個人情報にまとめています。
広告主と制作会社の間
広告主から制作会社へ
件名:◯月◯日の撮影のお礼
◯◯株式会社
◯◯様
お世話になっております。◯◯株式会社の◯◯です。
昨日は撮影の進行をありがとうございました。現場での判断が早く、私どもも安心して立ち会うことができました。
当日お話しした、◯◯のカットの差し替え案については、社内で確認のうえ、◯月◯日までにお返事いたします。
オフライン編集の確認は◯月◯日と伺っております。引き続き、よろしくお願いいたします。
制作会社から広告主へ(撮影の直後)
件名:◯月◯日の撮影のお礼と、今後の進め方について
◯◯株式会社
◯◯様
お世話になっております。◯◯株式会社の◯◯です。
昨日は、早朝からの撮影に立ち会っていただき、ありがとうございました。商品の見せ方についてその場でご判断いただけたので、予定していたカットをすべて撮り終えることができました。
今後の進め方は、次のとおりです。
・◯月◯日:初回の確認用映像をお送りします
・◯月◯日まで:修正のご希望をお知らせください
・◯月◯日:納品
当日いただいた◯◯の件は、編集で反映いたします。引き続き、よろしくお願いいたします。
制作会社から広告主へ(確認用の映像を送るとき)
件名:確認用映像のご送付(◯◯ウェブ広告)
◯◯様
お世話になっております。◯◯株式会社の◯◯です。
先日の撮影では、ありがとうございました。初回の確認用映像ができましたので、お送りします。
◯◯(視聴用のリンク)
音楽とテロップは仮のものです。修正のご希望は、時間の位置(◯分◯秒など)を添えて、◯月◯日までにお知らせいただけますと助かります。
どうぞよろしくお願いいたします。
制作会社から広告主へ(納品のとき)
件名:納品のご連絡とお礼(◯◯ウェブ広告)
◯◯様
お世話になっております。◯◯株式会社の◯◯です。
◯◯ウェブ広告の完成データを、本日納品いたしました。
◯◯(受け渡し用のリンク・ファイル形式)
企画から撮影、修正まで、多くの場面でご協力をいただき、誠にありがとうございました。公開後に気になる点が出てきた場合も、お気軽にご相談ください。
また別の機会にもご一緒できれば幸いです。
撮影に立ち会う側の準備は撮影立ち会いの役割とマナー、制作の全体の流れはCM制作の流れにまとめています。
公開のお知らせ
件名:撮影にご協力いただいた映像を公開しました
◯◯様
お世話になっております。◯◯株式会社の◯◯です。
◯月にご協力いただいた撮影の映像を、本日公開いたしました。
◯◯(公開先のURL)
あらためて、ご協力に心よりお礼申し上げます。今後とも、よろしくお願いいたします。
公開のお知らせは、協力先が店頭やSNSで紹介してくれるきっかけにもなります。協力先の名前を映像や概要欄に載せる約束をしていた場合は、載せた場所もあわせて伝えます。
お礼を受けた側の返信(協力した側から)
撮影場所を貸した側や出演した側が、お礼のメールに返信するときの例です。短くてかまいません。
件名:Re: 撮影へのご協力のお礼(◯月◯日 ◯◯株式会社)
◯◯株式会社
◯◯様
ご丁寧にご連絡いただき、ありがとうございます。
当日は手際よく進めていただき、片付けまできれいにしてくださったので、こちらも安心しておりました。
公開を楽しみにしております。
◯◯(店名) ◯◯
よくある失敗と直し方
| よくある失敗 | なぜ困るか | 直し方 |
|---|---|---|
| どの相手にも同じ定型文を送る | 協力の中身に触れないと、形だけのお礼に見える | その人がしてくれたことを一つ、具体的に書く |
| 件名が「お礼」だけ | どの撮影の話か分からず、埋もれる | 撮影日・用件・社名を件名に入れる |
| 協力先に原状回復の報告がない | 相手が自分で確かめることになり、次の協力に響く | 片付けを終えたことと、気になる点の連絡先を書く |
| 公開の予定を書かない、公開後に知らせない | 協力した側が、いつどこで使われたか分からない | 予定を書き、公開したらURLを送る |
| 合意していない使い方を書く・後から広げる | 出演者や協力先との約束に反する | 使う媒体と時期は撮影前の合意の範囲で書く |
| トラブルの報告をお礼メールに混ぜる | 大事な報告が読み流される | 破損や苦情は先に電話で伝え、別に報告する |
| 「ご協力される」などの敬語の誤り | 文化審議会の「敬語の指針」は「ご……される」を、本来は尊敬語の適切な形ではないとしている | 「ご協力いただき」「ご協力くださり」にする |
敬語の言い換えは間違えやすい敬語の一覧にまとめています。
送る前のチェックリスト
- 撮影の記憶が新しいうちに送れている
- 件名に撮影日・用件・社名が入っている
- 宛名の社名・部署・氏名の表記が正しい
- 具体的に助かった場面を一つ書いた
- 協力先には片付けと原状回復の報告を書いた
- 編集・納品・公開の予定(未定ならその旨)を書いた
- 使う媒体と時期が、撮影前の合意の範囲に収まっている
- トラブルや破損の報告は、別に連絡した
- 複数の相手に送るとき、ほかの人のアドレスが見えない送り方にした
- 公開したら、お知らせを送る予定を入れた
この記事の要点
- 撮影のお礼は記憶が新しいうちに送る。期限の決まりはない。
- 件名に撮影日・用件・社名、本文に具体的に助かった場面を書く。
- 協力先には原状回復の報告と公開の予定を添える。
- 出演者には使う媒体と時期を合意の範囲で伝える。
- 制作会社は撮影直後・確認用映像・納品の節目ごとにお礼を伝える。
- 公開したらURLつきのお知らせを送ると、次の協力につながる。
FAQ
よくある質問
決まった期限はありません。撮影の記憶が新しいうちに送ります。迷ったら当日中か翌営業日の朝までを目安にし、会社や相手との関係で調整します。撮影が深夜に終わった場合は、翌朝に送ってもかまいません。
「◯月◯日の撮影のお礼(◯◯株式会社)」のように、撮影日・用件・社名を入れます。協力先の管理者には「撮影終了のご報告とお礼」とすると、報告であることも伝わります。
協力へのお礼に加えて、具体的に助かった点、撤収と原状回復の報告、気になる点があれば知らせてほしいこと、公開の予定を書きます。公開したら、あらためてお知らせを送ります。
当日の具体的な場面を挙げてお礼を伝えると、定型文に見えません。素材やデータの受け取り、請求書の宛先など事務的な連絡があれば一緒に書きます。
事務所に所属している出演者には、連絡の窓口であるマネージャーや事務所に送り、本人へのお礼の言付けを頼みます。本人に直接送ってよいかは、事務所の方針に従います。
相手の返信に質問がなければ、こちらからの返信は省いてもかまいません。続けるなら一言で締めます。考え方は「お礼メールの返信の返信」の記事にまとめています。
大きな協力を受けた相手や、日頃メールでやりとりしない相手には、手紙やはがきでお礼を送ることもあります。会社や相手との関係で判断します。書き方はお礼状の記事を参照してください。