お詫び
お詫びの品の選び方
菓子折りの種類・のし・渡し方と例文
お詫びの品は「日持ちする・個包装で分けやすい・落ち着いた包装」の菓子折りを選ぶのが基本です。焼き菓子や、日持ちのする和菓子が選びやすい種類です。渡すのは、お詫びと今後の対応を伝え、相手が話を受け止めてくれてから。部屋に入ってすぐ差し出すと、品物で済ませようとしている印象になります。
「このたびは誠に申し訳ございませんでした。ささやかではございますが、お詫びのしるしにお持ちしました。どうぞお納めください」
このページでは、種類別の向き不向き、金額の決め方、のしと表書き、当日の流れ、場面別の言葉の例文、郵送するときの添え状、よくある失敗をまとめました。手土産全般のマナーはビジネスの手土産を見てください。
結論
お詫びの品はお詫びの気持ちを形にして添えるもので、お詫びの言葉や再発防止の説明の代わりにはなりません。選ぶときは①相手の負担にならない ②分けやすい ③目立ちすぎないの三つを基準にします。相手の会社の決まりで贈り物を受け取れない場合もあるので、相手の方針と自社の決まりに従ってください。
結論:何を・いくらで・いつ・どう渡すか
| 項目 | 結論 | ポイント |
|---|---|---|
| 何を | 日持ちして個包装の菓子折り(焼き菓子・日持ちのする和菓子など) | 職場で分けやすく、すぐに食べなくても困らない |
| いくらで | 相手が返礼を考えなくて済む程度。自社の決まりと上司の判断で決める | 高価すぎる品は、かえって相手に気をつかわせる |
| のし | かけない・無地にする、または紅白結び切りに「御詫び」 | 会社や地域で分かれるので上司に確認 |
| いつ渡すか | お詫びと今後の対応を伝え、相手が受け止めてくれてから | お詫びの最中は紙袋ごと足元に置いておく |
| 誰が渡すか | 同行者のうち、いちばん立場が上の人 | 事前に誰が渡すか決めておく |
| どう渡すか | 紙袋から出し、相手に正面を向けて両手で | 紙袋は持ち帰るのが基本 |
このたびは、多大なご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。
心ばかりのお詫びのしるしです。皆さまでお召し上がりいただけましたら幸いです。
Point
品物は「お詫びの言葉のあと」に渡します。品物を受け取ってもらえたかどうかより、経緯と今後の対応を相手に理解してもらえたかどうかが大切です。
持参する・しないの判断
| 場面 | 考え方 |
|---|---|
| 取引先にお詫びの訪問をする | 持参することが多い。相手の会社の方針で受け取れない場合は控える |
| 個人のお客様のご自宅へ伺う | 持参することが多い。辞退されたら無理に渡さない |
| 店舗にご来店いただいたお客様へ | その場でお詫びし、品物を渡すかどうかは店の決まりに従う |
| 訪問できず、電話・書面でお詫びする | 品物を送るなら、必ずお詫びの手紙を同封する |
| 社内の上司・同僚へのお詫び | 通常は要らない。言葉とその後の仕事ぶりで示す |
| 公務員、贈り物を受け取らない方針の会社 | 持参しない |
国家公務員は、国家公務員倫理規程で利害関係者から物品の贈与を受けることが禁止されています(第3条第1項第1号)。相手が利害関係にある公務員なら、お詫びであっても品物は持参しません。民間の会社でも贈り物を受け取らない決まりを設けていることがあるので、相手の方針が分からないときは、自社の上司に相談してから決めてください。
種類別:お詫びの品の向き不向き
| 種類 | 向いている点 | 気をつけたい点 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 焼き菓子(クッキー・フィナンシェなど) | 日持ちし、個包装が多く分けやすい | 軽すぎる印象にならないよう、箱の格を整える | 取引先の職場、部署あて |
| 日持ちのする和菓子(羊羹・最中など) | 落ち着いた印象で、年配の方にも選びやすい | 好みが分かれることがある | 役職者あて、格式を重んじる相手 |
| ゼリー・水ようかんなど | 季節によっては喜ばれやすい | 重さがあり、冷やす手間がかかるものもある | 暑い時期の訪問 |
| 生菓子(ケーキ・大福など) | その日のうちに渡せるなら選択肢になる | 日持ちせず、相手の都合で食べられないと無駄になる | 個人宅で、すぐに召し上がれると分かっているとき |
| 飲み物(ジュース・お茶など) | 家族や職場で分けやすい | 重くて持ち運びにくい | 郵送するとき |
| カタログギフト | 相手が好きなものを選べる | 金額の見当がつきやすく、相手に気をつかわせることがある | 個人のお客様へ郵送でお詫びするとき |
| 商品券・デジタルギフト | 受け取りや保管の手間が少ない | 金額がはっきり分かるため、お詫びの場では生々しく見えることがある | 会社の決まりで認められている場合だけ |
迷ったら、個包装の焼き菓子か、日持ちのする和菓子を選べば大きく外すことはありません。相手の職場の人数が分かっていれば、全員に行き渡る数が入っているものにします。
金額の決め方
お詫びの品の金額は、会社や業界、お詫びの内容によって違うため、ここでは一律の数字を示しません。次の順に考えて、最後は上司の判断で決めるのが確実です。
- 01
自社の決まりを確認する
贈答品の上限や、経費で買うときの手続きが決まっていないかを確かめる。
- 02
お詫びの重さを考える
相手にかけた手間や損害が大きいほど、品物の格も整える。ただし品物の金額で埋め合わせようとはしない。
- 03
相手の負担を考える
相手が返礼を考えなければならないほど高価なものは避ける。
- 04
渡す相手の人数を考える
部署あてなら、人数分が入った箱を選ぶ。
- 05
上司に確認する
品物の種類・数・金額・掛け紙をまとめて伝え、了承を得てから買う。
選び方のチェックリスト
- 日持ちがするか(相手がすぐに食べられなくても困らない)
- 個包装で、職場の人数分に分けやすいか
- 相手の人数に足りる量か
- 高価すぎないか(相手が返礼を考えなくてよい程度)
- 香りが強すぎないか、好みが大きく分かれないか
- 持ち運びやすく、崩れにくい大きさ・重さか
- 相手の職場のすぐ近くの店で買ったものではないか(間に合わせに見えることがある)
- 派手な包装や季節のお祝いの柄になっていないか
- 掛け紙をかけるかどうか、自社の慣習を上司に確かめたか
- 相手の会社が贈り物を受け取る方針かどうか確かめたか
のし(掛け紙)と表書き
お詫びの品の掛け紙は考え方が分かれます。お詫びはおめでたいことではないので掛け紙をかけない、または無地にする考え方と、紅白の結び切りの掛け紙に「御詫び」などと書く考え方があります。会社や地域の慣習、相手との関係で決まることが多いので、上司や先輩に確認してください。
| 選び方 | どんなとき | 注意 |
|---|---|---|
| 掛け紙をかけない | 品物を目立たせたくないとき | 包装は落ち着いた色にしてもらう |
| 無地の掛け紙 | 改まった印象にしたいが、水引は避けたいとき | 表書きは書かないか、会社名だけ |
| 紅白結び切り+表書き | 自社でお詫びの品にも掛け紙をかける慣習があるとき | 結び切りは「繰り返さない」の意味で選ぶ。蝶結びは使わない |
| 表書きの例 | 使う場面 |
|---|---|
| 御詫び | お詫びであることをそのまま示すとき |
| 深謝 | 改まった場面で、深くお詫びする気持ちを示すとき |
| 粗品 | お詫びと書くのを控えたいとき |
| 御挨拶 | お詫びのあとの改めてのご挨拶として渡すとき |
名前は、会社名、または会社名と訪問する人の名前を入れます。お店では「お詫びの品です」と伝えて相談すると、包み方を合わせてもらえることがあります。自分で掛け紙を用意するなら、のし紙作成ツールで表書きと名前を入れて印刷できます(水引は結び切りを選びます)。表書きの一覧はのしの表書き一覧にまとめています。
訪問当日の流れ:品物の扱い
- 01
出発前
品物・掛け紙・紙袋の状態を確かめ、同行者の誰が渡すかを決めておく。
- 02
受付・入室
紙袋は手に持ったまま。受付で品物を先に渡さない。
- 03
お詫びの最中
紙袋は自分の足元に置き、相手から目立たないようにする。品物の話はしない。
- 04
話が一段落してから
相手がお詫びと今後の対応を受け止めてくれたのを確かめてから、紙袋から出す。
- 05
手渡す
相手に正面を向けて両手で渡す。上司が同行していれば上司から、相手側のいちばん立場が上の人へ。
- 06
辞退されたら
重ねて勧めず、お礼を言って持ち帰る。
- 07
退出
紙袋は畳んで持ち帰る。最後にもう一度お詫びして退出する。
訪問の約束の取り方は謝罪訪問のアポイントの取り方、上司と一緒に伺うときの段取りは上司同行の訪問にまとめています。
そのまま使える:渡すときの言葉の例文
①取引先の担当者へ(基本)
改めまして、このたびは誠に申し訳ございませんでした。
ささやかなものですが、部署の皆さまで召し上がっていただければと存じます。
②上司が同行し、上司から渡す
(上司)このたびは、弊社の不手際でご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。
ささやかなものですが、どうぞお納めください。
自分が品物を持ってきた場合は、タイミングを見て上司にそっと手渡します。
③相手の役職者へ、改まって
このたびは、私どもの不手際により多大なご迷惑をおかけいたしましたこと、深くお詫び申し上げます。
お詫びのしるしに、心ばかりの品をお持ちいたしました。どうぞお納めください。
④個人のお客様のご自宅で
このたびは、ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。
ほんの気持ちばかりですが、よろしければご家族の皆さまでお召し上がりください。
⑤日持ちが短い品を渡すとき
心ばかりのものですが、お納めください。
日持ちがあまりしないものですので、お早めにお召し上がりいただけましたら幸いです。
⑥相手が不在で、受付や代理の方に預けるとき
株式会社△△の□□と申します。◯◯様に、本日お詫びに伺いました。
ご不在とのことですので、恐れ入りますが、こちらをお渡しいただけますでしょうか。改めてご連絡いたします。
注意
預けたあとは、その日のうちに電話かメールで、伺った用件とお詫びを本人に伝えます。
⑦辞退されたとき
かしこまりました。お気遣いいただき、ありがとうございます。
それでは、本日はこれで失礼いたします。改めまして、申し訳ございませんでした。
⑧上司に、持参するかどうかを相談する
本日◯◯社へお詫びに伺う件で、品物を持参するかご判断をいただけますか。
持参する場合は、日持ちのする個包装の焼き菓子を、◯◯部の人数分用意したいと考えています。
⑨お店で品物を買うとき
お詫びにお持ちする品ですので、落ち着いた包装でお願いできますか。
掛け紙は(かけずに/無地で/紅白の結び切りで「御詫び」と)お願いします。
郵送するときの添え状とメールの例文
訪問できずに品物を送る場合は、品物の箱にお詫びの手紙を同封し、発送したことをメールでも知らせます。手紙の書き方は詫び状の書き方を参考にしてください。
①品物に同封する手紙
株式会社◯◯
◯◯様
拝啓 このたびは、◯◯の件で多大なご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。
本来であれば直接お詫びに伺うべきところ、書中にてのご挨拶となりますことをお許しください。
今後このようなことのないよう、社内の確認体制を改めてまいります。
心ばかりの品をお送りいたしましたので、お納めいただけましたら幸いです。
敬具
②発送を知らせるメール
件名:お詫びの品をお送りいたしました(株式会社△△ □□)
株式会社◯◯
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
このたびは、◯◯の件で多大なご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。
本日、心ばかりの品をお送りいたしました。◯日ごろに届く予定です。
改めまして、深くお詫び申し上げます。
③個人のお客様へ、お詫びの品をお送りする前の連絡
このたびは、ご迷惑をおかけし誠に申し訳ございませんでした。
お詫びのしるしに、心ばかりの品をお送りしたいと考えております。ご迷惑でなければ、お送り先を確認させていただけますでしょうか。
よくある失敗と避けたい言い方
| よくある失敗・言い方 | なぜ良くないか | 代わりに |
|---|---|---|
| 部屋に入ってすぐ品物を差し出す | 品物で済ませようとしている印象になる | お詫びと今後の対応を伝えてから渡す |
| 紙袋に入れたまま渡す | 改まった場では丁寧さに欠ける | 紙袋から出して渡す(雨の日などで袋ごと渡すときは「袋に入れたままで恐縮です」と一言) |
| 相手の会社のすぐ近くで買う | 間に合わせに見えることがある | 事前に用意しておく |
| 高価な品を選ぶ | 相手に返礼を考えさせてしまう | 分けやすく、手頃なもの |
| 日持ちしない生菓子を選ぶ | 相手の都合ですぐに食べられないことがある | 焼き菓子など日持ちのするもの |
| お祝いの柄・派手な包装 | お詫びの場にそぐわない | 落ち着いた包装 |
| 品物の説明を長くする | お詫びより品物が主役になってしまう | 「心ばかりのものですが」と短く添える |
| 「つまらないものですが」 | お詫びの場では軽く聞こえることがある | 「心ばかりのものですが」 |
| 「これでご勘弁ください」 | 品物で済ませようとしているように聞こえる | 言わない。お詫びは言葉で伝える |
| 「お受け取りになられてください」 | 二重敬語 | 「お納めください」「お受け取りください」 |
| 辞退されたのに何度も勧める | 相手の会社の決まりを困らせることがある | お礼を言って持ち帰る |
後日のフォロー
品物を受け取っていただいた場合、そのお礼は、お詫び訪問のあとのお礼メールに一緒に書けば十分です。
件名:本日のお時間のお礼
◯◯様
株式会社△△の□□です。
本日はお時間をいただき、誠にありがとうございました。
心ばかりの品までお受け取りいただき、恐れ入ります。
お約束した再発防止の取り組みは、◯月◯日までにご報告いたします。
再発防止の伝え方は再発防止策を伝えるお詫び、お詫びの言葉の言い換えはお詫びの言い換えを見てください。
この記事の要点
- お詫びの品はお詫びの言葉の代わりではない。言葉と今後の対応が先。
- 選ぶなら日持ちして、個包装で分けやすい菓子折り。迷ったら焼き菓子か日持ちのする和菓子。
- 金額は相手が返礼を考えなくて済む程度にし、自社の決まりと上司の判断で決める。
- 渡すのは相手がお詫びを受け止めてくれてから。お詫びの最中は紙袋を足元に。
- のしはかけない・無地、または紅白結び切りに「御詫び」。上司に確認する。
- 辞退されたら押しつけない。相手の会社の方針を尊重する。
FAQ
よくある質問
日持ちがして、個包装で職場の人数分に分けやすい菓子折りが基本です。迷ったら、焼き菓子か、羊羹などの日持ちのする和菓子を選びます。包装は落ち着いたものにしてもらいます。
必ずというものではありません。訪問してお詫びするときに添えることが多いですが、相手の会社が贈り物を受け取らない方針の場合もあります。利害関係にある国家公務員は、国家公務員倫理規程で物品の贈与を受けることが禁止されているので持参しません。迷ったら自社の上司に相談してください。
会社や業界、お詫びの内容によって違うため、一律の目安はありません。相手が返礼を考えなくて済む程度にとどめ、自社の決まりや上司の判断に従ってください。品物の金額でお詫びを埋め合わせようとしないことが大切です。
考え方が分かれます。掛け紙をかけない、または無地にする考え方と、紅白の結び切りの掛け紙に「御詫び」などと書く考え方があります。会社や地域の慣習によるので、上司や先輩に確認するのが確実です。
お詫びを伝え、経緯や今後の対応の話を相手が受け止めてくれてから渡します。お詫びの最中は紙袋ごと足元に置き、部屋に入ってすぐに差し出さないようにします。
同行者のうち、いちばん立場が上の人から、相手側のいちばん立場が上の人へ渡すのが基本です。事前に誰が渡すかを決めておき、自分が持参した場合はタイミングを見て上司に手渡します。
使えないわけではありませんが、金額の見当がつきやすく、相手に気をつかわせることがあります。取引先へ訪問するときは菓子折りのほうが無難です。個人のお客様へ郵送でお詫びするときなどに、自社の決まりを確かめたうえで選びます。
訪問できない事情があるときは郵送することもあります。その場合は品物の箱にお詫びの手紙を同封し、発送したことをメールでも知らせます。品物だけを送るのは避けます。
重ねて勧めず、「お気遣いいただき、ありがとうございます」とお礼を言って持ち帰ります。受け取ってもらえなくても、お詫びの気持ちは言葉と今後の対応で伝わります。