ビジネス用語
ステークホルダーとは?意味と具体例をわかりやすく
例文・言い換えまで
結論:「ステークホルダー」は「利害関係者」のことです。ある会社や取り組みに関わり、その結果によって得をしたり損をしたり、影響を受けたりする人や組織をまとめて指します。会社で言えばお客様・社員・取引先・株主・金融機関・地域社会・行政など。株主だけを指す言葉ではありません。使った一文は「この企画は社外のステークホルダーも多いので、早めに説明の場を設けましょう。」。どこまでを含めるかは話の範囲(会社全体か、1つのプロジェクトか)で変わります。このページでは、具体例の一覧、直接・間接の分け方、株主との違い、場面別の例文20、言い換え、洗い出しに使える表とチェックリストをまとめました。
結論
「ステークホルダー」は英語のstakeholderから来た言葉です。stake には賭けの掛け金・利害・関わりといった意味があり、そこに「持つ人」を表す holder が付いて、その物事の成り行きに何かを懸けている人を表します。日本の職場では、会社や事業、プロジェクトの進め方・結果によって影響を受ける人や組織をまとめて指すときに使われます。
30秒でわかる「ステークホルダー」
| 知りたいこと | 答え |
|---|---|
| 意味 | 取り組みの結果によって影響を受ける人や組織(利害関係者) |
| 読み方・英語 | ステークホルダー/stakeholder |
| 言い換え | 利害関係者、関係者、関係各社、関係する皆様 |
| 具体例(会社) | お客様、社員、取引先、株主、金融機関、地域社会、行政 |
| 具体例(イベント) | 主催者、参加者、会場・制作会社、協賛企業、近隣の住民 |
| 株主との違い | 株主(シェアホルダー)はステークホルダーの一部 |
| 社外に使ってよいか | 失礼ではないが、メールでは「関係する皆様」や具体名のほうが伝わる |
「ステークホルダー」の意味と語源
stakeholder は、もともと「賭けの掛け金を預かる人」を表す語で、そこから物事に利害や関わりを持つ人全般を指す使い方が広がりました。日本語の「ステークホルダー」も、出資しているかどうかに限らず、結果によって影響を受ける側を広く含めて使われます。
ポイントは、直接やり取りしている相手だけでなく、影響を受ける人まで視野に入れることです。たとえば会場の近くで夜にイベントを開くなら、主催者や来場者だけでなく、音や混雑の影響を受ける近隣の住民もステークホルダーになります。
Point
迷ったら「この取り組みの結果で、困る人・喜ぶ人は誰か」と考える。そこに挙がる人や組織が、その話のステークホルダーです。
ステークホルダーの具体例(会社・プロジェクト・イベント)
会社全体で見たとき
| ステークホルダー | 会社との関わり | 気にしていそうなこと |
|---|---|---|
| お客様・消費者 | 商品やサービスを買う・使う | 品質、価格、安全、対応の早さ |
| 社員・従業員 | 働いて給与を受け取る | 給与、働き方、職場の安全、将来性 |
| 取引先・仕入先 | 材料やサービスを売り買いする | 支払いの確実さ、取引条件、長く続く関係 |
| 株主・投資家 | 出資している | 業績、配当、株価、経営の透明性 |
| 金融機関・債権者 | お金を貸している | 返済の確実さ、財務の状態 |
| 地域社会 | 工場・店舗・事務所のある地域 | 雇用、環境、騒音、地域行事への関わり |
| 行政・自治体 | 許認可、税、規制 | 法令を守っているか、届出 |
| メディア・業界団体・NPOなど | 会社の情報を伝える・見守る | 情報の正確さ、社会への影響 |
1つのプロジェクトで見たとき
| ステークホルダー | 例 |
|---|---|
| 決める人 | 発注者、部長、役員、予算を持つ部署 |
| 一緒に進める人 | プロジェクトメンバー、協力会社、外部の制作会社 |
| 影響を受ける社内の人 | 営業部、経理部、情報システム部、現場の担当者 |
| 影響を受ける社外の人 | お客様、利用者、取引先 |
| 止める力がある人 | 法務、情報セキュリティの担当、監査 |
イベントで見たとき
| 立場 | イベントでの例 | 気にしていそうなこと |
|---|---|---|
| 発注者・主催者 | 主催する会社、担当部署 | 目的が達成できるか、予算に収まるか |
| 参加者・来場者 | お客様、招待客、社員 | 楽しめるか、安全か、行きやすいか |
| 登壇者・出演者 | 講演者、司会、出演者 | 出番の段取り、控室、謝礼 |
| 協力会社 | 会場、制作会社、ケータリング、警備 | 条件が守られるか、段取りが明確か |
| 協賛・後援 | 協賛企業、後援団体 | 名前の出し方、効果の報告 |
| 地域・周辺 | 近隣の住民・店舗、施設の管理者 | 騒音、混雑、ごみ |
| 行政 | 会場のある自治体、警察・消防などの窓口 | 届出や許可が必要な内容か |
注意
イベントで誰が何を決めるかの整理はイベントの役割分担にまとめています。
直接的ステークホルダーと間接的ステークホルダー
ステークホルダーは、会社や取り組みとのつながり方で2つに分けて考えると整理しやすくなります。
| 分け方 | どんな相手か | 例 | 向き合い方のポイント |
|---|---|---|---|
| 直接的ステークホルダー | 取引・雇用・出資などで直接つながり、結果の影響をそのまま受ける | お客様、社員、取引先、株主、金融機関 | 日々のやり取りの中で、約束を守り、変更を早く伝える |
| 間接的ステークホルダー | 直接の取引はないが、活動の影響を受けたり、評判を左右したりする | 地域社会、行政、メディア、業界団体、社員の家族 | 影響が出る前に知らせる。問い合わせ窓口をはっきりさせる |
どちらに入るかは固定ではありません。たとえば近隣の住民は、普段は間接的ですが、会場の前で工事や搬入をする日は直接影響を受ける相手になります。分類にこだわるより、誰がどれくらい影響を受けるかを見るほうが実務では役に立ちます。
株主(シェアホルダー・ストックホルダー)や「関係者」との違い
よく混同されるのがシェアホルダー(shareholder)とストックホルダー(stockholder)です。どちらも株主を表す英語で、ステークホルダーの一部にあたります。ステークホルダーは株主に加えて、お客様・社員・取引先・地域なども含む、より広い言葉です。
| 言葉 | 表す内容 | 範囲 | 使いやすい場面 |
|---|---|---|---|
| ステークホルダー | 取り組みの結果によって影響を受ける人や組織 | 広い | 社内の会議、企画書、会社の方針の説明 |
| シェアホルダー/ストックホルダー | 株式を持っている人(株主) | 株主だけ | IR、株主総会、決算の話 |
| 利害関係者 | 利益や損失に関わる人(ステークホルダーの訳語として使われる) | 広い | 改まった文書、報告書 |
| 関係者 | その物事に関わっている人 | 話による | 社内外のメール全般 |
| 当事者 | その物事に直接関わっている本人 | 狭い | トラブル・契約の場面 |
| キーパーソン | 物事の決定に強い影響力を持つ人 | 狭い | 営業・社内調整の話 |
会社の考え方として、株主の利益を中心に置く考え方と、株主を含む幅広いステークホルダーとの関係を重く見る考え方が対比して語られることがあります。どちらか一方だけが正しいというより、会社の方針や説明の場面によって重点の置き方が変わります。株主への案内は株主総会の招集通知を見てください。
なぜ「ステークホルダー」という言葉がよく使われるのか
上場会社向けには、東京証券取引所がコーポレートガバナンス・コードを定めています。この中には「株主以外のステークホルダーとの適切な協働」という章があり、基本原則2では、会社の成長は従業員、顧客、取引先、債権者、地域社会をはじめとする様々なステークホルダーの貢献の結果であると認識し、これらのステークホルダーとの適切な協働に努めるべきだとしています。
会社の統合報告書やサステナビリティの説明で「ステークホルダー」という言葉をよく見かけるのは、こうした考え方が背景にあります。会社の仕組みとしての話はガバナンスの意味と使い方、サステナビリティの意味と使い方にまとめています。
注意
出典:株式会社東京証券取引所「コーポレートガバナンス・コード」(日本取引所グループのサイトで公開)。上場会社向けのもので、すべての会社に同じ形で当てはまるわけではありません。
場面別の例文20(そのまま使える)
会議で(社内)
会場を変えるなら、協賛社や近隣の店舗も含めて、ステークホルダーへの説明を先に洗い出しておきましょう。
この施策は営業部と経理部にも影響するので、ステークホルダーとして早めに巻き込んでおきたいです。
決める前に、ステークホルダーごとに困ることを一つずつ挙げてみませんか。
今回いちばん影響が大きいステークホルダーは、現場で使う店舗のスタッフだと思います。
企画書・報告書で
本企画の主なステークホルダーは、来場者、協賛企業、会場の管理者、近隣の店舗です。
ステークホルダーごとの説明の時期と担当を、別紙の一覧にまとめました。
開催後は、協賛企業を含む各ステークホルダーに結果を報告します。
チャットで(社内)
キックオフの招待、ステークホルダーの漏れがないか見てもらえますか?法務の◯◯さんも入れたほうがいいかもしれません。
方針が変わったので、関係する部署のみなさんに今日中に共有します。
ステークホルダーが多い件なので、決定事項はこのスレッドにまとめていきます。
制作会社の◯◯さんにも影響が出るので、明日の打ち合わせに入ってもらえるよう声をかけておきます。
上司・社内へのメールで
件名:◯◯プロジェクトの関係者への説明について
◯◯部長
お疲れさまです。□□です。
◯◯プロジェクトの方針変更について、影響を受ける関係者を整理しました。
・社内:営業部、経理部、情報システム部
・社外:◯◯株式会社(制作)、◯◯様(協賛)
説明の順番と担当について、ご相談のお時間をいただけますか。
関係部署の皆さま
◯◯の運用変更について、事前にご意見を伺いたく、◯月◯日までにご返信をお願いいたします。
取引先へのメールで(言い換えた形)
件名:◯◯開催方針の変更についてのご連絡
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
◯◯の開催方針について、一部変更がございましたのでご連絡いたします。
関係する皆様へ順次ご説明してまいりますが、御社には先にお知らせしたく、本メールをお送りしました。
詳しい内容は添付の資料をご覧ください。ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
関係各社の皆様と日程を調整のうえ、改めてご連絡いたします。
本件は御社以外にも関わる会社がございますので、決まり次第まとめてご案内いたします。
社外向けの文書・あいさつで
当社は、お客様、取引先、社員、地域の皆様など、すべてのステークホルダーの皆様との信頼関係を大切にしてまいります。
本イベントの開催にあたり、ご協力いただいた関係者の皆様に心より御礼申し上げます。
面接・自己紹介で
前職では、社内外のステークホルダーと調整しながら、展示会の出展を担当しました。
立場の違う関係者の意見を聞き、全員が納得できる進め方を探すことを大事にしています。
よく一緒に使う言い回し
- ステークホルダーを巻き込む:早い段階から話し合いに加わってもらう
- ステークホルダーと調整する:立場の違う人の意見や条件をすり合わせる
- ステークホルダーを洗い出す:関わる人や組織を漏れなく一覧にする
- ステークホルダーへの説明責任:結果や判断の理由をきちんと説明すること
注意
関係者全員で方向をそろえる場の作り方はキックオフイベントの進め方を参考にしてください。
言い換えと、社外・目上の人に使ってよいか
「ステークホルダー」は会社の方針の説明などでも使われる言葉で、失礼にはあたりません。ただ、長いカタカナ語なので、相手によっては通じにくいことがあります。また「ステークホルダー」とまとめて書くと、具体的に誰のことなのかがぼやけるので、メールでは相手の名前や部署を書くほうが確実です。
| 相手・場面 | おすすめの言い方 |
|---|---|
| 社内の会議・企画書 | ステークホルダー/関係者 |
| 社内の上司へのメール | 関係する部署・会社(具体名を並べる) |
| 取引先・お客様 | 関係する皆様/関係各社の皆様 |
| 改まった文書・報告書 | 関係者各位/利害関係者 |
| 会社の方針・統合報告書 | ステークホルダーの皆様 |
| カタカナ語に慣れていない相手 | 関係する人たち/関わっている会社 |
ステークホルダーの洗い出し方(表・チェックリスト)
新しい企画や変更を進めるときは、決める前にステークホルダーを一覧にしておくと、あとから「聞いていない」と言われることが減ります。
- 01
関わる人を全部書き出す
社内(決める人・一緒に進める人・影響を受ける部署)と社外(お客様・協力会社・地域・行政)に分けて、思いつく限り挙げる。
- 02
影響の大きさと関心の強さを見る
結果によって大きく困る・得をする人か、この件をどれくらい気にしている人かを、大・中・小でつける。
- 03
伝え方を決める
影響も関心も大きい人には事前に相談、影響が小さい人には決まったあとの連絡、のように分ける。
- 04
時期と担当を決める
誰が、いつまでに、何で(会議・メール・資料)伝えるかを一覧に書き込む。
- 05
進めながら見直す
計画が変わったら一覧も更新し、新しく影響を受ける人がいないか確かめる。
そのまま使える洗い出し表
| ステークホルダー | 影響の大きさ | 関心の強さ | 伝え方 | 時期 | 担当 |
|---|---|---|---|---|---|
| 例:協賛企業 | 大 | 大 | 事前に打ち合わせ | 決定の前 | ◯◯ |
| 例:近隣の店舗 | 中 | 小 | 案内文を配る | 開催の前 | ◯◯ |
| 例:経理部 | 中 | 中 | 社内チャットで共有 | 決定のあと | ◯◯ |
- 社内の「決める人」と「止める力がある人」(法務・情報セキュリティなど)を入れた
- 直接やり取りしない、影響だけを受ける人(近隣・利用者など)を入れた
- それぞれに「何が困るか・何がうれしいか」を一言書いた
- 影響の大きい相手には、決める前に話す予定を入れた
- 誰が、いつ、何で伝えるかの担当を決めた
- 社外向けの文面では「ステークホルダー」を具体名や「関係する皆様」に言い換えた
- 計画が変わったときに一覧を見直す日を決めた
よくある失敗と直し方
| ありがちな言い方・やり方 | 気になる点 | 直し方 |
|---|---|---|
| ステークホルダーに共有しておいてください | 誰に送ればよいのかが人によって違う | 営業部の◯◯さんと、制作会社の◯◯様に共有してください |
| 「ステークホルダー=株主」として使う | 相手はお客様や社員も含めた意味で受け取ることがある | 株主のことなら「株主」と言う |
| (取引先へ)ステークホルダーの皆様へ | 相手によっては堅く、他人行儀に聞こえる | 関係する皆様へ |
| 声の大きい相手だけに説明する | 影響を受けるのに知らされない人が出る | 洗い出し表で影響の大きさから順に確認する |
| 決まってから知らせる | 影響を受ける人ほど反発しやすい | 決める前に、誰に何を伝えるかを洗い出す |
| 一度作った一覧を更新しない | 計画の変更で新しく影響を受ける人を見落とす | 変更のたびに一覧を見直す |
注意
関係者の意見をそろえる進め方はコンセンサス(合意形成)の意味と使い方、判断を上に上げる言い方はエスカレーションの意味と使い方にまとめています。
この記事の要点
- 「ステークホルダー」は取り組みの結果によって影響を受ける人や組織(利害関係者)。
- 会社ならお客様・社員・取引先・株主・金融機関・地域社会・行政などが含まれる。
- 株主(シェアホルダー)はその一部。株主だけを指す言葉ではない。
- 直接的・間接的に分けられるが、誰がどれくらい影響を受けるかを見るほうが役に立つ。
- メールでは具体的に誰なのかを書き、取引先には「関係する皆様」「関係各社の皆様」と言い換える。
- 進める前に洗い出し表を作ると、「聞いていない」を防ぎやすい。
FAQ
よくある質問
ある会社や取り組みに関わり、その結果によって影響を受ける人や組織のことです。日本語では「利害関係者」と訳されます。会社の話では、お客様・社員・取引先・株主・地域社会などが含まれます。
「その取り組みの結果で、困ったり喜んだりする人たち」です。直接やり取りする相手だけでなく、影響を受ける人まで含みます。
会社なら、お客様、社員、取引先、株主、金融機関、地域社会、行政などです。イベントなら、主催者、参加者、会場や制作会社などの協力会社、協賛企業、会場周辺の住民などが考えられます。
直接的ステークホルダーは、取引や雇用、出資などで直接つながる相手(お客様・社員・取引先・株主など)。間接的ステークホルダーは、直接の取引はないものの活動の影響を受けたり評判を左右したりする相手(地域社会・行政・メディアなど)です。
株主だけを指す言葉ではありません。株主(シェアホルダー・ストックホルダー)はステークホルダーの一部で、お客様・社員・取引先・地域なども含めた広い意味で使われます。
ほぼ同じ意味で使われますが、「ステークホルダー」は直接やり取りする人だけでなく、結果によって影響を受ける人まで含めて考えるときに使われやすい言葉です。メールでは「関係者」「関係する皆様」が使いやすいです。
「利害関係者」「関係者」「関係各社」「関係する皆様」などがあります。社外のメールでは「関係する皆様」、改まった文書では「関係者各位」が使いやすい言い方です。
入ります。社員は会社の取り組みの結果によって働き方や給与などの影響を受けるため、代表的なステークホルダーの一つです。