ビジネス用語
アライアンスとは?意味をわかりやすく
業務提携・M&Aとの違いと例文
ビジネスで使う「アライアンス」は、別々の会社や団体が、それぞれの強みを持ち寄るために手を組むことです。日本語に言い換えるなら「提携」「業務提携」「協業」。たとえば「◯◯社とのアライアンスで、地方会場での開催ができるようになりました。」。合併や買収(M&A)と違い、それぞれの会社は独立したまま協力します。このページでは、意味と種類、M&Aとの違い、メリットとデメリット、「アライアンス先」などの関連用語、そのまま使える例文16本、進め方と始める前のチェックリストをまとめました。
結論
「アライアンス」は英語のallianceから来た言葉で、英語では一般に同盟・連合・提携を表します。日本の職場では、会社どうしが、互いの技術・販路・人手などを生かすために協力関係を結ぶことを指します。「アライアンスを組む」「アライアンス先」「アライアンス担当」などの形でよく使われます。
30秒でわかる「アライアンス」
| 知りたいこと | 答え |
|---|---|
| 意味 | 独立した会社どうしが、強みを持ち寄って手を組むこと |
| 言い換え | 提携/業務提携/協業/手を組む |
| M&Aとの違い | M&Aは会社を一つにする・買い取る。アライアンスは別の会社のまま協力する |
| よく使う形 | アライアンスを組む/アライアンス先/アライアンス契約/アライアンス担当 |
| 社外での注意 | 中身が見えにくい言葉なので、何を一緒にやるのかを具体的に書く |
「アライアンス」の意味と種類
英語の alliance は、国どうしの同盟から、組織どうしの連携まで広く使われる語です。日本語の「アライアンス」は主に会社どうしの関係に使われ、一社だけではできないことを、相手の強みを借りて実現するという含みがあります。
どんな協力の仕方を「アライアンス」と呼ぶかは会社によって幅があります。主な種類は次のとおりです。
| 種類 | 中身 | 例 |
|---|---|---|
| 業務提携(販売) | 互いの商品を紹介し合う、相手の販路で売ってもらう | 提携先の会員向けに自社のサービスを案内してもらう |
| 業務提携(生産・運営) | 作る・運ぶ・運営する作業を分け合う | イベントの会場・集客・制作をそれぞれが受け持つ |
| 技術提携 | 技術やノウハウを提供し合う、共同で開発する | 互いの技術を組み合わせて新しいサービスを作る |
| 資本提携 | 相手の株式を持つなど、出資を伴って関係を強める | 取引先の株式の一部を持ち、長く組む前提にする |
| 産学連携 | 会社と大学・研究機関が組む | 大学の研究室と共同で調査や実証を行う |
| 業界での連合 | 同じ業界の会社が集まり、規格や仕組みを広める | 名前に「アライアンス」が付く業界団体 |
Point
「アライアンス」は「独立した会社どうしが手を組むこと」。どこまで一緒にやるかは提携ごとに違うので、中身は契約や合意の内容で確かめます。
アライアンスとM&A(合併・買収)の違い
| 比べる点 | アライアンス | M&A(合併・買収) |
|---|---|---|
| 会社の形 | それぞれ独立した会社のまま | 会社を一つにする、または買い取って傘下に入れる |
| 経営の決め方 | 各社がそれぞれ決め、提携の範囲だけ話し合う | 買った側・統合後の会社が決める |
| お金のかかり方 | 出資しない形から始められる | 株式や事業を買い取る費用がかかる |
| 関係の見直し | 契約の期間や条件にそって見直せる | 一度統合すると元に戻すのは難しい |
| 向いている場面 | まず試しに組みたい、一部の分野だけ組みたい | 相手の事業を丸ごと自社に取り込みたい |
「アライアンス」は関係の深さを段階的に決められるのが特徴です。まず一つのイベントを共同で開き、うまくいけば範囲を広げ、さらに出資を伴う資本提携へ進む、という順に深めていくこともできます。
「アライアンス」を使った言葉
| 言葉 | 意味 | 使った一文 |
|---|---|---|
| アライアンス先/アライアンスパートナー | 提携している相手の会社 | アライアンス先の◯◯社から共催の相談が来ています。 |
| アライアンス契約 | 提携の目的・役割・費用・期間などを決めた契約 | アライアンス契約の案を法務に確認してもらいます。 |
| アライアンス担当/アライアンスマネージャー | 提携先との窓口になり、関係を進める担当者 | ◯◯社の件はアライアンス担当の△△さんが窓口です。 |
| アライアンス事業 | 提携によって進める事業 | 今期はアライアンス事業の売上を伸ばす方針です。 |
| 戦略的アライアンス | 長い目で事業の方向を決めるための提携 | 単発の協力ではなく、戦略的アライアンスとして位置づけたい。 |
アライアンスのメリットとデメリット
| メリット | 中身 |
|---|---|
| 足りない強みを補える | 自社に無い技術・販路・人手を、相手から借りられる |
| 早く始められる | 一から作るより短い期間で新しい分野に入れる |
| 費用とリスクを分け合える | 出資や設備を一社で抱えずに済む |
| 小さく試せる | 一つの企画から始め、結果を見て続けるか決められる |
| デメリット | 防ぎ方 |
|---|---|
| 目的がずれる | 始める前に、何をもって成功とするかを両社で書面にする |
| 情報が漏れるおそれ | 渡す情報の範囲を決め、秘密保持の取り決めを先に結ぶ |
| 決めるのに時間がかかる | 窓口と最終的に決める人を各社一人ずつ決めておく |
| 成果や費用の分け方でもめる | 費用負担・売上の分け方・成果物の権利を契約に入れる |
そのまま使える例文16本(会議・メール・チャット)
会議で(社内)
集客は自社だけでは限界があるので、地域の団体とアライアンスを組めないか検討しましょう。
◯◯社とのアライアンスの範囲は、まず展示会の共同出展に絞って始めます。
今回のアライアンスで弊社が受け持つのは企画と当日運営、先方は会場と集客です。
半年たったら成果を振り返り、アライアンスを続けるか、範囲を広げるかを決めましょう。
上司への報告(口頭)
◯◯社とのアライアンスの件、先方の担当者と役割分担の案まで話が進みました。
アライアンス先の候補を3社に絞りました。比較表をお送りしますので、ご確認いただけますか。
チャットで(社内)
アライアンス先の◯◯社から、来月のセミナーの共催について相談が来ています。
提携先との窓口は△△さんです。条件の話はそちらを通してください。
◯◯社に渡す資料は、秘密保持の取り決めが済んでから送ってください。
メールで(社内の上司へ)
件名:◯◯社との提携のご相談
◯◯部長
お疲れさまです。□□です。
先日の商談会でお会いした◯◯社から、イベント運営での協業のご提案をいただきました。
先方は会場の手配、弊社は企画と当日の運営を受け持つ形を想定しているとのことです。
進めてよいか、一度ご相談のお時間をいただけますでしょうか。
メールで(取引先へ・協業の提案)
件名:協業についてのご相談
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
先日はお時間をいただき、ありがとうございました。
お話しした◯◯の共同開催について、両社の役割分担の案をまとめましたので、添付いたします。
貴社のご意向をうかがいながら進めたく存じますので、ご確認いただけますと幸いです。
メールで(取引先へ・初めての打診)
件名:◯◯の共同開催のご相談
株式会社◯◯
◯◯様
突然のご連絡失礼いたします。株式会社△△の□□と申します。
弊社は◯◯地域で企業向けのセミナーを開いております。
貴社の◯◯のサービスと組み合わせることで、参加者にとってより役立つ会にできるのではと考え、ご連絡いたしました。
まずは30分ほど、オンラインでお話をうかがえませんでしょうか。
メールで(取引先へ・提携のお礼と次の段取り)
件名:業務提携についてのお礼と今後の進め方
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
このたびは業務提携をご快諾いただき、ありがとうございます。
今後は、◯月◯日までに契約書の案をお送りし、◯月中に初回の打ち合わせを行えればと考えております。
引き続きよろしくお願いいたします。
メールで(取引先へ・今回は見送るとき)
件名:協業のご提案について
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
先日は協業のご提案をいただき、ありがとうございました。
社内で検討いたしましたが、今期は自社の事業に人手を集中させる方針のため、今回は見送らせていただくことになりました。
せっかくお声がけいただいたのに申し訳ございません。また機会がございましたら、ぜひご相談させてください。
社内への周知(チャット・朝礼)
◯月から◯◯社との業務提携が始まります。共同開催のイベントについての問い合わせは、△△さんにつないでください。
◯◯社とのアライアンスについて、社外への発表は◯月◯日の予定です。それまでは社外で話さないようお願いします。
注意
提携先と出会う場を作る方法は商談会の運営と流れ、知人を介して相手とつながるときは人を紹介するメールの例文、お断りの書き方は断りメールの例文にまとめています。
似た言葉との違い(業務提携・協業・パートナーシップ)
| 言葉 | 表す内容 | 使いやすい場面 |
|---|---|---|
| アライアンス | 会社どうしが手を組むこと全般 | 社内の会話、経営・事業の話 |
| 業務提携 | 業務の面で協力する提携(出資を伴わないことが多い) | 社内外の文書、発表 |
| 資本提携 | 出資を伴う提携 | 経営・財務の話 |
| 協業 | 一緒に一つの事業・仕事に取り組むこと | 社内外どちらにも |
| パートナーシップ | 対等な協力関係 | 社内外の会話、発表 |
| 業務委託 | 仕事を任せて、対価を払う取引 | 発注・契約の話 |
| 合併・買収 | 会社を一つにする、ほかの会社を買い取る | 経営・法務の話 |
「アライアンス」は手を組むこと全般を指す幅の広い言葉で、業務提携も資本提携も含めて呼ばれることがあります。社外の文書では「業務提携」「協業」など中身が分かる言葉を使うほうが誤解がありません。仕事を頼んでお金を払う関係は、提携ではなく業務委託と呼ぶのが正確です。
社外・目上の人に使ってよいか
「アライアンス」は失礼な言葉ではなく、経営や事業の話では社外でも使われています。ただし何をするのかが見えにくい言葉なので、「アライアンスを組みませんか」とだけ伝えると、相手はどこまでの話なのか判断できません。初めての提案では「◯◯を共同で開催しませんか」のように、具体的な中身から伝えるほうが進みやすくなります。
| 相手・場面 | おすすめの言い方 |
|---|---|
| 社内の会議・チャット | アライアンスを組む/アライアンス先 |
| 社内の上司・経営層 | ◯◯社との業務提携の件/協業のご提案 |
| 取引先・お客様 | 協業についてのご相談/共同での開催のご提案 |
| カタカナ語に慣れていない相手 | 手を組む/一緒に取り組む/提携する |
アライアンスの進め方(6段階)
- 01
目的を決める
自社に何が足りず、相手に何を求めるのかを一文にします。「地方での集客を増やす」のように、結果で確かめられる形にします。
- 02
候補を探して比べる
強みが自社と重ならず、補い合える相手を選びます。候補が複数あれば、強み・相手の求めるもの・窓口の人を表にして比べます。
- 03
秘密保持の取り決めを結ぶ
顧客情報や数字を見せ合う前に、渡す情報の範囲と扱い方を取り決めます。
- 04
役割と費用の分け方を決める
誰が何を受け持つか、費用・売上をどう分けるか、作ったものの権利がどちらにあるかを決めます。
- 05
契約を結ぶ
期間、見直しの時期、やめるときの手順まで書面にします。法務の確認を通します。
- 06
小さく始めて振り返る
一つの企画から始め、決めた時期に成果を振り返って、続ける・広げる・やめるを判断します。
提携の条件を書面にするときの考え方はイベント制作の契約書と業務委託契約書の雛形が参考になります。
注意
公正取引委員会は令和元年(2019年)7月10日に「業務提携に関する検討会」報告書を公表し、業務提携に関する独占禁止法上の考え方を整理しています。同業の会社と組むときは、取り決める内容を法務や専門家に確かめてから進めると安心です。
アライアンスを始める前のチェックリスト
- 何をもって成功とするかを、両社で同じ言葉にできている
- 自社が受け持つことと、相手が受け持つことを一覧にした
- 費用の負担と、売上・成果の分け方を決めた
- 作った資料・名簿・成果物の権利がどちらにあるかを決めた
- 見せる情報の範囲を決め、秘密保持の取り決めを結んだ
- 両社の窓口と、最終的に決める人がはっきりしている
- 振り返りの時期と、やめるときの手順を決めた
- 同業の会社と組む場合は、法務に取り決めの内容を確認した
よくある失敗と言い方の注意
| ありがちな言い方・やり方 | 気になる点 | 直し方 |
|---|---|---|
| (取引先に)アライアンスを組みませんか | 中身が分からず、返事がしにくい | ◯◯を共同で開催しませんか |
| 一度一緒に仕事をしただけでアライアンス先と呼ぶ | 相手は提携と思っていないこともある | ◯◯でご一緒した会社 |
| 発注先・外注先をアライアンスと呼ぶ | 対等な提携ではなく取引関係のこともある | 委託先/協力会社 |
| 役割分担を決めずにアライアンスを始める | あとで責任の所在があいまいになる | 誰が何を受け持つか、費用をどう分けるかを先に書面にする |
| 発表前に提携の話を社外でしてしまう | 相手の会社の発表の段取りを崩す | 発表日と、話してよい範囲を社内に周知する |
この記事の要点
- ビジネスの「アライアンス」は独立した会社どうしが強みを持ち寄って手を組むこと。
- 日本語なら「提携」「業務提携」「協業」。業務提携も資本提携も含めて呼ばれる幅の広い言葉。
- M&Aは会社を一つにする・買い取る。アライアンスは別の会社のまま協力する。
- 社外には「◯◯を共同で開催しませんか」と中身から伝える。
- 始める前に目的・役割分担・費用の分け方・情報の扱い・やめ方を書面にする。
FAQ
よくある質問
別々の会社や団体が、それぞれの強みを持ち寄るために手を組むことです。販売・開発・運営などで力を合わせますが、各社は独立した会社のままです。
「業務提携」は業務の面で協力する提携のことで、「アライアンス」はそれも含めて会社どうしが手を組むこと全般を指す、より幅の広い言葉として使われます。
M&Aは会社を一つにしたり、ほかの会社を買い取ったりすることです。アライアンスは、それぞれの会社が独立したまま、決めた範囲で協力します。
「提携」「業務提携」「協業」「手を組む」などがあります。社外の文書では、何を一緒にするのかが分かる言葉にするのがおすすめです。
ほかの会社と協力関係を結ぶことです。共同での販売や開発、イベントの共同開催などがあたります。
提携している相手の会社のことです。「アライアンスパートナー」「提携先」とも言います。
自社に無い強みを借りられる、早く始められる、費用とリスクを分け合えるのがメリットです。目的のずれ、情報が漏れるおそれ、成果の分け方でもめることがデメリットで、始める前の取り決めで防ぎます。
失礼な言葉ではありませんが、中身が見えにくい言葉です。「協業」「共同での開催」など、何をするのかが分かる言い方にすると話が進みやすくなります。