メール
謝礼の渡し方と表書き
講師・協力者への封筒・言葉・振込案内メール
講師や取材の協力者に謝礼を渡すときの結論は三つです。渡すのは終わった直後か、事前に伝えた期日の振込。表書きは「御礼」が無難で、交通費を分けるなら「御車代」。封筒には表書き・自社名・(中袋に)金額を書く。手渡しの言葉は短くて構いません。
「本日はありがとうございました。心ばかりですが、御礼でございます。どうぞお納めください。」
このページでは、相手別の渡し方の文例、振込を案内するメールの件名と例文、避けたい言い方をまとめました。講演の後に送るお礼メールは講師へのお礼メール、講演料の源泉徴収は講演料の源泉徴収を見てください。
結論
謝礼の準備は①支払い方法(手渡しか振込か)を事前に相手と決める ②表書きと封筒を用意する ③受領書や請求書など、社内で必要な書類を確認するの三段階です。金額の決め方、受領書の様式、支払いの社内手続きは会社の決まりに従います。
結論:時期・表書き・封筒に書く項目
| 項目 | 基本 | 補足 |
|---|---|---|
| 渡す時期 | 手渡しは終わった直後。振込は事前に伝えた期日まで | 後日になる場合は、当日に「◯日までにお振り込みします」と伝える |
| 表書き | 御礼 | 「謝礼」とも書く。交通費を別に包むときは「御車代」 |
| 封筒 | 白無地の封筒、または紅白の蝶結びの水引ののし袋 | どちらを使うかは会社の決まりや、これまでの慣例に合わせる |
| 表に書く名前 | 会社名(必要なら部署名・担当者名) | 表書きの下に、表書きより少し小さく書く |
| 中袋・裏に書くこと | 金額、会社名・担当者名 | 金額は会社の決まりに従って書く |
Point
「寸志」は使いません。寸志は目上の人が目下の人に渡すときの表書きです。講師や協力者には「御礼」を使います。違いは寸志のお礼のページでも触れています。
渡すタイミングの目安
| 場面 | 渡すタイミング | 気をつけること |
|---|---|---|
| 講演・研修の講師 | 講演が終わった後、控室など人目のない場所で | 登壇前は準備の邪魔になるので避ける |
| インタビュー・ヒアリングの協力者 | 終わって挨拶をするとき | オンラインなら、終了時に支払い方法と時期を口頭で伝え、メールでも送る |
| 審査員・ゲスト | 会の終了後、帰り支度の前 | 複数人なら、渡す順番は事前に社内で決めておく |
| 通訳・手伝いの方 | 終わった後、まとめて | 交通費を立て替えてもらっている場合は、その精算も同時に |
| 振込で支払う場合 | 事前に伝えた期日まで | 振込後に「お振り込みいたしました」と一報する |
注意
振込の期日や締め日は、会社の経理の決まりで決まります。相手に伝える前に、担当部署に支払いの予定日を確認してください。
相手別の手渡しの言葉
講師へ(控室で)
◯◯先生、本日は誠にありがとうございました。
参加者からも「◯◯の話がすぐに使える」という声が出ておりました。
心ばかりですが、御礼でございます。どうぞお納めください。
講師へ(交通費を別に包んでいるとき)
こちらが本日の御礼、こちらはお車代でございます。
お手数ですが、受領書にご署名をお願いできますでしょうか。
インタビューの協力者へ
本日はお時間をいただき、ありがとうございました。
伺ったお話は、◯◯の検討に活かします。
ささやかですが、御礼をお受け取りください。
審査員・ゲストへ
本日は審査をお引き受けいただき、ありがとうございました。
おかげさまで、無事に終えることができました。
心ばかりの御礼でございます。お納めいただけますと幸いです。
当日手伝ってくださった方へ
本日は朝早くからお手伝いいただき、本当に助けられました。
ほんの気持ちですが、御礼でございます。どうぞお受け取りください。
相手が受け取りを遠慮したとき
お気遣いありがとうございます。
当社の決まりでお渡ししているものですので、どうぞお納めください。
相手の勤務先の規程で受け取れないと言われたら、無理に渡しません。その場合のお礼の伝え方は、下の「後日のフォロー」を見てください。
振込を案内するメールの件名
| 用件 | 件名の例 |
|---|---|
| 事前に支払い方法を伝える | 謝礼のお支払い方法について(◯月◯日 ◯◯セミナー) |
| 振込先を尋ねる | 謝礼のお振込先のご確認のお願い(株式会社△△) |
| 振り込んだことを知らせる | 謝礼のお振込みについてのご連絡 |
| 受領書をお願いする | 受領書ご返送のお願い(◯◯の謝礼) |
| 遅れを詫びる | 【お詫び】謝礼のお振込みが遅れております |
| 金額を訂正する | 【訂正】謝礼の金額についてのご連絡 |
件名には何の謝礼か(日付・催しの名前)を入れると、相手が後から探しやすくなります。件名全般の付け方はメールの件名の書き方にまとめています。
準備のチェックリスト
- 支払い方法(手渡し・振込)を事前に相手と決めたか
- 表書きは「御礼」(交通費は「御車代」)にしたか
- 封筒の表に会社名、中袋か裏に金額と担当者名を書いたか
- 受領書・請求書など社内で必要な書類を経理に確認したか
- 源泉徴収の扱いを経理に確認したか
- 当日、誰がどこで渡すかを決めたか
- 振込なら、振込の予定日を相手に伝えたか
場面別のメール例文
初めて依頼する相手に、支払い方法を事前に伝える
件名:謝礼のお支払い方法について(◯月◯日 ◯◯セミナー)
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
このたびはご登壇をお引き受けいただき、ありがとうございます。
謝礼のお支払いについて、ご案内いたします。
・お支払い方法:銀行振込
・お振込みの予定:◯月◯日
・ご用意いただくもの:請求書(様式は自由です)
ご不明な点がございましたら、お気軽にお知らせください。
どうぞよろしくお願いいたします。
振込先を尋ねる
件名:謝礼のお振込先のご確認のお願い(株式会社△△)
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
先日はご協力いただき、誠にありがとうございました。
謝礼をお振り込みするため、お振込先を下記のフォームからご登録いただけますでしょうか。
◯◯(フォームのURL)
お手数をおかけしますが、◯月◯日までにご登録いただけますと幸いです。
注意
口座の情報は、メール本文に書いてもらうより、社内で決められた受付方法(フォームなど)で受け取るほうが安全です。受け取り方は会社の決まりに従ってください。
振り込んだことを知らせる
件名:謝礼のお振込みについてのご連絡
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
先日の◯◯の謝礼を、本日お振り込みいたしました。
ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
改めまして、このたびはご協力いただき、ありがとうございました。
受領書の返送をお願いする
件名:受領書ご返送のお願い(◯◯の謝礼)
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
経理の手続きのため、受領書へのご署名をお願いしたく、ご連絡いたしました。
本日、受領書を郵送いたしましたので、ご署名のうえ、同封の返信用封筒でご返送いただけますでしょうか。
お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
振込が遅れているお詫び
件名:【お詫び】謝礼のお振込みが遅れております
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
◯月◯日にお振り込みするとお伝えしておりました謝礼が、当社の手続きの遅れにより、まだお振り込みできておりません。
大変申し訳ございません。
◯月◯日までに必ずお振り込みいたします。
ご迷惑をおかけし、重ねてお詫び申し上げます。
支払いが遅れたときのお詫びの組み立ては支払い遅延のお詫びメールも参考になります。
金額の誤りを訂正する
件名:【訂正】謝礼の金額についてのご連絡
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
先日お送りしたご案内で、謝礼の金額に誤りがございました。
正しくは、◯◯円です。
確認が不十分で、大変失礼いたしました。
お振込みは、正しい金額で◯月◯日に行います。
当日、急に手渡しから振込に変える
件名:本日の御礼と、謝礼のお支払いについて
◯◯様
本日はありがとうございました。株式会社△△の□□です。
本日お渡しする予定でした謝礼ですが、こちらの準備が間に合わず、お振込みとさせてください。
◯月◯日までにお振り込みいたします。
直前のご連絡となり、申し訳ございません。
言ってはいけない・避けたい言い方
| 避けたい言い方 | 理由 | 言い換え |
|---|---|---|
| 寸志です | 目上から目下へ渡すときの言葉 | 御礼でございます |
| 少ないですが | 金額の話に聞こえる | 心ばかりですが/ささやかですが |
| ご苦労さまでした | 目上から目下へのねぎらいとして受け取られやすい | ありがとうございました |
| お受け取りになられてください | 尊敬語を重ねた言い方 | お受け取りください/お納めください |
| (人前で)謝礼です、どうぞ | 金銭のやり取りを周りに見せることになる | 控室など人目のない場所で渡す |
注意
「つまらないものですが」は品物を渡すときの謙遜の言葉です。お金を渡すときは「心ばかりですが」が収まりのよい言い方です。
後日のフォロー
謝礼を辞退された相手へのお礼
件名:先日の御礼(株式会社△△)
◯◯様
先日はご協力いただき、誠にありがとうございました。
謝礼をご辞退とのこと、お心遣いに深く感謝いたします。
改めて、心より御礼申し上げます。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
渡し忘れ・封筒の誤りがあったときのお詫び
◯◯様
株式会社△△の□□です。
本日お渡しした封筒に、お車代を入れ忘れておりました。
大変失礼いたしました。
お車代は、◯月◯日までにお振り込みいたします。
謝礼のほかに、講演の内容や参加者の反応を伝えるお礼メールを送ると、気持ちが伝わります。例文は講師へのお礼メールと取材・ヒアリング協力のお礼メールにあります。
この記事の要点
- 渡すのは終わった直後に人目のない場所で、または事前に伝えた期日の振込。
- 表書きは「御礼」。交通費を分けるなら「御車代」。「寸志」は使わない。
- 手渡しの言葉は「心ばかりですが、御礼でございます」。
- 受領書・源泉徴収・振込日は経理に確認してから相手に伝える。
- 振込の案内メールは件名に何の謝礼かを入れる。
FAQ
よくある質問
どちらも使われますが、「御礼」がより広く使われる無難な書き方です。社内で前例があれば、それに合わせてください。交通費を別に包む場合は、もう一つの封筒に「御車代」と書きます。
白無地の封筒か、紅白の蝶結びの水引ののし袋が使われます。どちらにするかは会社の決まりや、これまでの慣例に合わせてください。
所得税法第204条第1項第1号には、居住者に支払うときに源泉徴収の対象となる報酬として講演料が挙げられています。相手が個人か法人か、謝礼が何の対価かなどで扱いが変わるため、条文は講演料の源泉徴収を見て、実際の処理は経理の担当者に確認してください。
一度は「当社の決まりでお渡ししているものですので」と伝えます。それでも辞退されたり、相手の勤務先の規程で受け取れないと言われたりした場合は、無理に渡さず、後日お礼のメールや手紙で感謝を伝えます。
必要かどうか、どの様式を使うかは会社の決まりで違います。必要な場合は、渡すときに「お手数ですが、受領書にご署名をお願いできますでしょうか」とお願いします。