手紙の書き方
一筆箋の書き方と例文
書類・資料に添えるビジネスの一言
一筆箋は、書類や資料に添えて、ひとこと気持ちを伝えるための細長い便箋です。決まりごとは多くありません。最初の行に相手の名前(◯◯様)、次に用件と一言のお礼、最後の行に自分の名前。頭語(拝啓など)や時候の挨拶は省いてかまわず、一枚に収まる短さにするのが一般的です。そのまま使える見本はこれです。
◯◯様
いつもお世話になっております。
◯月分の請求書をお送りいたします。
ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
□□
このページでは、書く位置の決まりごと、送付状との違い、請求書・契約書・資料・見本など場面別の例文、よくある間違いをまとめました。
結論
一筆箋(いっぴつせん)は、便箋より幅の狭い短冊のような形の用紙で、短い用件やお礼をさっと書いて添えるために使います。手紙ほど改まらず、メモ用紙より丁寧、という位置づけです。ビジネスでは、郵送する書類の上に添えたり、手渡しする資料にはさんだりして使われます。
一筆箋の決まりごと一覧
一筆箋は略式の手紙です。手紙のような細かい構成は求められませんが、誰あてで、誰からで、何の用件かが一目で分かるように書きます。
| 項目 | 書く位置(縦書きの場合) | 書き方の目安 |
|---|---|---|
| 宛名 | 右端の一行目、行の頭から | 「◯◯様」。会社名は省くことが多い。社内なら「◯◯部長」のように役職だけでもよい |
| 書き出し | 宛名の次の行 | 頭語・時候の挨拶は省いてよい。「いつもお世話になっております」など一言から入る |
| 本文 | 書き出しに続けて | 用件を一つに絞り、何を送ったか・何をお願いしたいかを短く |
| 結び | 本文の最後 | 「よろしくお願いいたします」「取り急ぎご挨拶まで」など |
| 名前 | 左端の最後の行、行の下に寄せる | 自分の名前。社外あてなら社名を添えてもよい |
| 日付 | 書かないことが多い | 入れるなら名前の前の行に「◯月◯日」 |
| 分量 | 一枚に収める | 書くことが多いときは便箋の手紙か送付状に切り替える |
横書きの一筆箋の場合は、一行目の左に宛名、最後の行の右に名前と、縦書きを横に置き換えた位置になります。
Point
一筆箋は「宛名・用件・名前」の三つがそろえば十分。迷ったら、手書きで三〜四行に収まる量にします。
送付状との違いと使い分け
| 送付状(添え状) | 一筆箋 | |
|---|---|---|
| 役割 | 何が何通届いたかを確かめてもらう | ひとこと気持ちを添える |
| 書き方 | パソコンで作ることが多い。発信日・宛名・差出人・書類の一覧を入れる | 手書きが多い。宛名と名前、短い本文だけ |
| 向いている場面 | 請求書・契約書など、受け取りの確認が要る書類 | 日ごろやり取りのある相手への送付、資料の手渡し |
どちらか一方でなければならない、という決まりはありません。書類の一覧は送付状に任せ、その上に一筆箋で一言を添えるという使い方もよく見られます。送付状の書き方は送付状の書き方と例文、作るなら送付状作成ツールが使えます。
場面別の例文(書類・資料に添える)
以下はどれも縦書きの一筆箋を想定しています。一行目(右端)に宛名、本文はその次の行から、名前は最後の行(左端)の下寄せで書きます。改行の位置は一筆箋の幅に合わせて調整してください。
請求書を送るとき
◯◯様
いつもお世話になっております。
◯月分の請求書をお送りいたします。
ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
株式会社△△ □□
打ち合わせのあとに資料を送るとき
◯◯様
先日はお忙しいところお時間をいただき、ありがとうございました。
お話に出ておりました◯◯の資料をお送りいたします。
ご検討の際にお役立ていただければ幸いです。
□□
契約書の返送をお願いするとき
◯◯様
いつもお世話になっております。
契約書を二部お送りいたします。
お手数をおかけしますが、ご署名・ご押印のうえ、一部をご返送いただけますでしょうか。
返信用の封筒を同封しております。
□□
頼まれた書類を返送するとき
◯◯様
ご依頼いただいた書類に記入しましたので、お送りいたします。
不備がございましたら、お手数ですがお知らせください。
どうぞよろしくお願いいたします。
□□
見本・サンプルを送るとき
◯◯様
いつもお世話になっております。
お問い合わせいただいた◯◯の見本をお送りいたします。
ご不明な点がございましたら、お気軽にお申し付けください。
□□
担当の交代を伝えて資料を送るとき
◯◯様
このたび、前任の◯◯に代わり、貴社を担当することになりました□□と申します。
引き継ぎの資料をお送りいたします。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
株式会社△△ □□
注意
社外あての一筆箋で、名刺や会社案内を同封しない場合は、名前の前に社名を書いておくと、受け取った人が誰からのものかすぐ分かります。
よくある間違い
| ありがちな書き方 | 気になる点 | 直し方 |
|---|---|---|
| 本文が長く、二枚目・三枚目に続く | 一筆箋の「短く添える」という役割から外れる | 便箋の手紙にするか、用件を一つに絞る |
| 宛名を書かずに本文から始める | 誰あてか分からず、社内で回されたときに迷わせる | 最初の行に「◯◯様」を書く |
| 名前を書き忘れる | 封筒を捨てると差出人が分からなくなる | 最後の行に自分の名前を書く |
| 書類の一覧や枚数を一筆箋に詰め込む | 確認しにくく、抜けがあっても気づかれにくい | 一覧は送付状に書き、一筆箋は一言にする |
| お詫びや重要な依頼を一筆箋だけで済ませる | 略式なので、軽く受け取られることがある | お詫びは詫び状や電話で。一筆箋は添えるだけにする |
| 派手な柄の一筆箋を取引先に使う | 相手や場面によってはくだけた印象になる | 取引先には無地か、控えめな柄を選ぶのが無難 |
お詫びの書面は詫び状の書き方と例文を参考にしてください。
この記事の要点
- 一筆箋は書類に添える短い手書きのメモ。手紙より略式。
- 最初の行に宛名、最後の行に名前。縦書きなら名前は下寄せ。
- 頭語・時候の挨拶は省いてよい。「いつもお世話になっております」から入る。
- 一枚に収まる短さにし、書類の一覧は送付状に任せる。
- お詫びなど重い用件は一筆箋だけで済ませない。
FAQ
よくある質問
一般には省いてかまいません。一筆箋は略式の手紙なので、宛名のあとすぐに「いつもお世話になっております」などの一言から始める書き方がよく使われます。入れる場合は、拝啓と敬具を必ず組みにします。
封筒に会社名が書いてあれば、一筆箋は「◯◯様」だけでも失礼にはあたらないとされています。初めての相手や、書類が社内で回されそうなときは、会社名と部署名から書いておくと親切です。
絶対にだめというわけではありませんが、一筆箋は短く添えるためのものです。書くことが多いなら、便箋の手紙にするか、用件を送付状に移して一筆箋は一言にするほうが読みやすくなります。
封筒を開けて最初に目に入るよう、書類のいちばん上に重ねるのが一般的です。送付状があるなら、その上に添えるか、クリップで留めます。
印刷でも失礼にはなりませんが、一筆箋は手書きで一言添えることに意味があると受け取られやすい用紙です。印刷するなら、送付状のほうが向いています。