ビジネス用語
エンゲージメントとは?
社員・顧客・SNSでの意味と例文
「エンゲージメント」は、人が会社・商品・発信などに対して持つ関わりの深さ、つながりの強さのことです。日本語に言い換えるなら「関与」「愛着」「つながり」「反応」。使った一文は「新しい投稿は、閲覧数よりエンゲージメントを見て評価しましょう。」。職場では主に社員と会社の関係、顧客と商品・ブランドの関係、SNS の投稿への反応の三つの意味で使われ、どれの話かで中身が大きく変わります。このページでは、三つの意味の違い、会議・メール・チャットの例文、似た言葉との違い、社外で使うときの言い換えをまとめました。
結論
「エンゲージメント」は英語のengagementから来た言葉です。engagement は一般に約束・婚約・関わり合い・従事など幅広い意味を持つ語で、動詞の engage(関わらせる・引き込む)と同じ系統です。日本の職場では、人が相手に対して自分から関わろうとする度合いを指して使われます。
「エンゲージメント」の意味と語源
英語の engagement は、婚約(engagement ring の engagement)や約束、仕事への従事など、人と人、人と物事が結びついている状態を広く表す語として使われます。ビジネスの「エンゲージメント」も、この「結びつき」「関わり合い」の意味から来ていると考えるとわかりやすくなります。
日本の職場では、誰と何の結びつきを話しているかで、主に三つの使われ方があります。
| 使われ方 | 指しているもの | 例 |
|---|---|---|
| 社員(従業員エンゲージメント) | 社員が会社や仕事に対して持つ愛着や、自分から貢献しようとする気持ち | 従業員エンゲージメントの調査、エンゲージメントを高める施策 |
| 顧客(顧客エンゲージメント) | お客様が商品・サービス・ブランドに対して持つ愛着や関わりの深さ | 既存顧客とのエンゲージメントを深める |
| SNS・Web | 投稿に対する「いいね」・コメント・共有・保存などの反応 | エンゲージメント率、エンゲージメントの多い投稿 |
Point
「エンゲージメント」は「どれだけ深く関わっているか」。社員の話か、顧客の話か、SNS の話かを先に言うと、聞き手が迷わずにすみます。
社員の「エンゲージメント」
人事の場面では、社員が会社の目指す方向に共感し、自分から力を出そうとしている状態を指して使われます。「満足している」だけでなく、自分から関わろうとしているかに重きを置いて使われることが多い言葉です。社内イベントや全社集会をこの目的で設計するときはインナーブランディングのイベント設計も参考にしてください。
顧客の「エンゲージメント」
マーケティングの場面では、お客様が一度買って終わりではなく、繰り返し使ったり、人に勧めたり、意見を寄せてくれたりする関係を指して使われます。ユーザー会やファンミーティングは、この関係を深める場として企画されることがあります。
SNS の「エンゲージメント」
SNS では、投稿を見た人が反応した行動(いいね・コメント・共有・保存・リンクのクリックなど)をまとめて指します。どの行動を数に入れるか、「エンゲージメント率」を何で割って出すかは媒体や分析ツール、会社によって違うため、社内で数字を比べるときは数え方を先にそろえておく必要があります。
使い方の例文(会議・メール・チャット)
会議で(社内・人事)
離職の理由を見ると、待遇よりも仕事への関わり方の問題が多いようです。来期は社員のエンゲージメントを高める施策を優先しませんか。
会議で(社内・マーケティング)
新規の獲得だけでなく、既存のお客様とのエンゲージメントを深めるために、年に一度のユーザー会を検討したいと考えています。
チャットで(社内・SNS 担当)
先週の投稿、表示回数は普通でしたが、コメントと保存が多かったです。エンゲージメントで見るとかなり良い結果でした。
レポートのエンゲージメント率、前回と計算の仕方が同じか確認してもらえますか?比べられるようにしておきたいので。
メールで(社内の上司へ)
件名:社内イベントの目的についてのご相談
◯◯部長
お疲れさまです。□□です。
◯月の全社イベントについて、目的の案をまとめました。
今回は、部署をまたいだつながりを作り、社員が会社の方針を自分の仕事に結びつけて考えられるようにすること(社員のエンゲージメントを高めること)を目的にしたいと考えております。
案を添付いたしますので、ご意見をいただけますでしょうか。
メールで(取引先へ・言い換えた形)
件名:SNS 運用の月次報告
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
◯月分の SNS 運用の結果をお送りいたします。
今月は、投稿を見た方の反応(いいね・コメント・共有・保存の合計)が先月より増えました。
特に反応が多かった投稿と、その理由の見立てを資料にまとめております。ご確認いただけますと幸いです。
注意
取引先へは「エンゲージメント」だけで済ませず、何の反応を数えたのかを書き添えると誤解が起きにくくなります。イベントの成果をどの数字で見るかはイベントの KPI の決め方にまとめています。
似た言葉との違い
| 言葉 | 表す内容 | 使いやすい場面 |
|---|---|---|
| エンゲージメント | 相手と自分から関わろうとする結びつきの深さ | 人事、マーケティング、SNS の分析 |
| モチベーション | 本人の中にあるやる気・意欲 | 個人の気持ちや状態の話 |
| ロイヤルティ | 特定の会社・ブランドへの忠誠心や、選び続ける気持ち(使用料の「ロイヤリティ」とは別の語) | 顧客の継続・リピートの話 |
| 満足度 | 期待と比べてどれだけ満足したか | アンケート、サービスの評価 |
| コミットメント | 責任を持って関わるという約束・決意 | 目標や役割を引き受ける話 |
| インプレッション | 投稿や広告が表示された回数 | SNS・広告の数字の話 |
「満足度」は受け取った側がどう感じたか、「エンゲージメント」は自分から関わろうとしているか、と分けて考えるとわかりやすくなります。SNS では、表示された回数が「インプレッション」、そのうち反応した行動が「エンゲージメント」です。
社外・目上の人に使ってよいか
「エンゲージメント」は人事やマーケティングの資料でも使われる言葉で、失礼にはあたりません。ただ、三つの意味のどれなのかが相手によって受け取り方が変わるうえ、カタカナ語に慣れていない人には伝わりにくいことがあります。相手に合わせて中身で言い換えると確実です。
| 相手・場面 | おすすめの言い方 |
|---|---|
| 人事・マーケティングの会議 | エンゲージメント(社員の/顧客の/SNS の、を添える) |
| 社内の上司へのメール | 社員の会社への愛着・仕事への関わり方 |
| 取引先への報告(SNS) | 投稿への反応(いいね・コメント・共有の数) |
| お客様向けの案内 | つながり/ご愛顧 |
| カタカナ語に慣れていない相手 | 愛着/関わりの深さ/反応 |
使うときに気をつけたいこと
| ありがちな言い方 | 気になる点 | 直し方 |
|---|---|---|
| エンゲージメントを上げましょう(対象の説明なし) | 社員の話か、顧客の話か、SNS の話かがわからない | 社員の会社への愛着を高めましょう |
| エンゲージメント率が上がりました(数え方の説明なし) | 媒体や時期によって数え方が違い、比べられないことがある | 同じ数え方で、先月より反応が増えました |
| エンゲージメント=満足度として話を進める | 満足していても自分から関わっていない、ということもある | 満足度と、自分から関わる度合いを分けて聞く |
| 反応を集めるために投稿内容を事実と違えて盛る | 信頼を損ねるうえ、広告の表示ルールに触れることもある | 事実に沿った内容で、反応しやすい問いかけを添える |
注意
依頼を受けた人に投稿してもらうときの確認ごとはステマ規制とイベント、参加者が写った写真を SNS に載せるときの注意はイベント写真の SNS 投稿にまとめています。
この記事の要点
- 「エンゲージメント」は相手と自分から関わろうとする結びつきの深さ。
- 日本語なら「関与」「愛着」「つながり」「反応」。
- 社員・顧客・SNSの三つの使われ方があり、どれの話かを先に言う。
- SNS のエンゲージメント率は数え方が媒体や会社で違うので、比べる前にそろえる。
- 社外には「投稿への反応」「会社への愛着」など中身で言い換える。
FAQ
よくある質問
人が会社・商品・発信などに対して持つ関わりの深さや、つながりの強さのことです。職場では、社員と会社の関係、顧客と商品・ブランドの関係、SNS の投稿への反応の三つの意味で主に使われます。
社員が会社の目指す方向に共感し、自分から仕事に力を出そうとしている状態のことを指して使われます。満足しているかどうかより、自分から関わろうとしているかに重きを置いた言葉です。
投稿の表示回数やフォロワー数などに対して、いいね・コメント・共有・保存などの反応がどれくらいあったかを割合で表した数字として使われます。どの反応を数に入れるか、何で割るかは媒体や分析ツール、会社によって違うので、比べるときは数え方をそろえてください。
「モチベーション」は本人の中にあるやる気のことで、「エンゲージメント」は会社や仕事、商品など相手との結びつきの深さのことです。やる気があっても会社への愛着は薄い、ということもあります。
社員の話なら「会社への愛着」「仕事への関わり方」、顧客の話なら「つながり」「愛着」、SNS の話なら「投稿への反応」が使いやすい言い換えです。