手順
仕事での質問の仕方
聞くタイミング・まとめ方・チャットでの聞き方
仕事での質問は、相手が短い時間で答えられる形にしてから聞くのがこつです。やり方の要点は、聞く前に少し自分で調べる、聞きたいことを一つの文にまとめる、相手の手が空いた時を選ぶ、自分の考えを添えるの四つです。見本の言い方は「◯◯さん、いま少しよろしいでしょうか。◯◯の件で一点伺いたいことがあります。◯◯までは前回の資料で分かったのですが、◯◯の部分を◯◯にしてよいかで迷っています」。これなら、相手は「どこまで分かっているか」を聞き返さずに答えられます。会議の場での質問は会議で質問するときの言い方、判断を仰ぐ相談の切り出し方は上司への相談の切り出し方にまとめています。
結論
質問のまとめ方は①何の件か ②分かっていること(調べたこと) ③分からないこと ④自分の考え(案)の四つです。最後に「◯◯でよろしいでしょうか」と、はい・いいえで答えられる形にすると、相手は短い時間で答えられます。
質問する手順
- 01
少しだけ自分で調べる
過去の資料、社内の手順書、共有フォルダ、自分のメモを見ます。ただし、長く一人で抱えすぎないことも大切です。調べても進まないと感じたら、早めに聞くほうが全体の時間は短くなります。
- 02
聞きたいことを一つの文にする
「◯◯を◯◯にしてよいか」「◯◯はどこにあるか」のように、答えが一つに決まる文にします。聞きたいことが複数あるときは、番号を振って並べます。
- 03
聞くタイミングを選ぶ
相手が電話中・打ち合わせの直前・集中して作業している最中は避けます。急ぎでなければ、相手の区切りがよさそうな時や、チャットで先に都合を聞くのが無難です。
- 04
分かっていることと自分の考えを添えて聞く
「◯◯までは分かりました」「私は◯◯だと考えています」を添えます。考えを添えると、相手は合っているかどうかだけを答えればよくなります。
- 05
答えをメモして、お礼を言う
教えてもらったことはその場でメモし、同じことを二度聞かずに済むようにします。最後に「ありがとうございます。助かりました」とお礼を伝えます。
Point
「何が分からないか分からない」ときも、聞いてかまいません。その場合は「◯◯の作業で、どこから手をつければよいか分からず止まっています」と、止まっている場所を伝えます。
聞くタイミングの見極め方
| 状況 | おすすめの聞き方 | 理由 |
|---|---|---|
| 作業が止まっていて、期限が近い | すぐ口頭で聞く(「お急ぎのところ恐れ入ります」を添える) | 待つほど遅れが広がる |
| 急ぎではないが、今日中に知りたい | チャットで都合を聞くか、質問をまとめて送る | 相手が自分の区切りで答えられる |
| 小さな質問がいくつもある | 一つずつ聞かず、ためてまとめて聞く | 何度も手を止めさせずに済む |
| 相手が打ち合わせの直前・電話中 | 終わってから声をかける | 相手が落ち着いて答えられない |
| トラブル・ミスに関わること | すぐに口頭で伝える | 後回しにすると影響が大きくなる |
ミスに関わることは、質問ではなく報告として先に伝えます。伝え方はミスの報告の仕方を見てください。社内でどの連絡手段を使うかは、会社や部署の決まりに従ってください。
そのまま使える言い方(場面別)
上司に口頭で声をかけて聞く
◯◯課長、いま少しよろしいでしょうか。
◯◯の資料の件で、一点伺いたいことがあります。
前年の数字は載せたのですが、今年の見込みも入れたほうがよいか迷っています。私は入れたほうが比べやすいと考えていますが、いかがでしょうか。
相手が忙しそうなときに都合を聞く
◯◯さん、お忙しいところ恐れ入ります。
◯◯の件で伺いたいことがあるのですが、後ほどお手すきの時に少しお時間をいただけますか。
チャットで質問する
◯◯さん
お疲れさまです。◯◯です。
◯◯の申請書について、二点教えてください。
①「費目」の欄は、◯◯と◯◯のどちらを選べばよいでしょうか。
②添付する見積書は、PDFでよろしいでしょうか。
今日中に出したいので、お手すきの時にご返信いただけると助かります。
注意
チャットでは、挨拶だけ送って返事を待つのではなく、最初の一通に質問の中身まで書きます。返事の期限があるなら、それも書きます。チャットの書き方の全体はビジネスチャットのマナーにまとめています。
前に教わったことをもう一度聞く
◯◯さん、お手数をおかけしてすみません。
先日教えていただいた◯◯の手順で、◯◯の後の操作を確認させてください。メモには◯◯と書いてあるのですが、画面に◯◯が出てこず止まっています。
同じことを二度聞くのは気が引けますが、自分のメモのどこまで合っていて、どこで止まったかを伝えれば、相手は前回の続きから説明できます。
説明を聞いても分からなかったとき
ありがとうございます。
申し訳ありません、◯◯の部分がまだ理解できていません。
例えば◯◯の場合だと、◯◯になる、ということでしょうか。
誰に聞けばよいか分からないとき
◯◯さん、少しよろしいでしょうか。
◯◯について確かめたいのですが、どなたに伺えばよいかご存じですか。
他部署の人にチャットで初めて質問する
◯◯部 ◯◯さん
突然のご連絡失礼します。◯◯部の◯◯です。
◯◯の件で、◯◯さんがご担当と伺いご連絡しました。
◯◯の締め切りは、◯月分も◯日のままでよろしいでしょうか。
お手すきの時にご返信いただけますと幸いです。
よくある失敗と直し方
| よくある失敗 | 困ること | 直し方 |
|---|---|---|
| 一人で長く抱えてから聞く | 期限が近づいてからでは、取り返しにくい | 調べても進まないと感じた時点で聞く |
| 小さな質問を一つずつ何度も聞く | 相手が何度も手を止めることになる | 急ぎでなければ、ためてまとめて聞く |
| 「どうすればいいですか」と丸ごと聞く | 相手が最初から説明し直すことになる | 分かっていることと自分の案を添える |
| チャットで「今いいですか」だけ送る | 相手は中身が分からず、返事を書きにくい | 最初の一通に質問の中身まで書く |
| 教わったことをメモしない | 同じことをまた聞くことになる | その場でメモし、後で手順にまとめておく |
言ってはいけない・避けたい言い方
| 避けたい言い方 | 気になる点 | こう言う |
|---|---|---|
| ちょっといいですか(だけで用件を言わない) | どのくらいの話か分からず、相手が身構える | ◯◯の件で一点だけ、いま少しよろしいでしょうか |
| 前に聞いてないです | 相手の説明不足を責める響きになる | 私が聞き漏らしていたかもしれません。◯◯について教えていただけますか |
| 全然わからないです | どこから説明すればよいか分からない | ◯◯までは分かったのですが、◯◯で止まっています |
| 教えてもらってもいいですか | 目上の相手には少しくだけて聞こえる | 教えていただけますか/伺ってもよろしいでしょうか |
| お聞きになりたいことがあります | 自分の動作に尊敬語を使っている | 伺いたいことがあります/お聞きしたいことがあります |
「伺う」は「聞く」の謙譲語なので、自分が聞くときに使えます。使い方は「伺う」と「参る」の使い分けを見てください。
後日のフォロー(お礼・お詫び)
教えてもらった後のお礼(チャット)
◯◯さん
先ほどは◯◯について教えていただき、ありがとうございました。
おかげで◯◯の申請を出せました。手順はメモにまとめておきます。
教わったことで結果が出たときの報告を兼ねたお礼
◯◯課長
お疲れさまです。◯◯です。
先日ご相談した◯◯の資料、教えていただいた通り今年の見込みを入れて提出しました。
◯◯部の◯◯さんからも分かりやすいと言っていただけました。ありがとうございました。
忙しい時に何度も聞いてしまったときのお詫び
◯◯さん
今日はお忙しいところ、何度もお手を止めてしまい、すみませんでした。
次からは、質問をまとめてから伺うようにします。丁寧に教えていただき、ありがとうございました。
注意
お礼は、教えてもらったその日のうちに一言が基本です。教わったことでうまくいったら、結果も伝えると、教えた側も手間をかけてよかったと感じられます。
この記事の要点
- 聞く前に少し調べ、聞きたいことを一つの文にする。
- 質問は何の件か・分かっていること・分からないこと・自分の考えの順にまとめる。
- 急ぎでなければ相手の区切りを選ぶか、チャットでまとめて聞く。
- チャットは最初の一通に質問の中身まで書く。
- 教わったらその場でメモし、その日のうちにお礼を伝える。
FAQ
よくある質問
決まった目安はなく、仕事の内容や期限によります。過去の資料や手順書を見ても進まないと感じたら、その時点で聞くほうが、期限ぎりぎりに聞くより全体の時間は短くなります。どのくらいで聞いてほしいかは、上司に一度確かめておくと迷いません。
急ぎでなければ、チャットで「◯◯の件で伺いたいことがあります。お手すきの時に少しお時間をいただけますか」と先に都合を聞きます。作業が止まっていて期限が近いときは、「お忙しいところ恐れ入ります」と添えて、その場で声をかけてかまいません。
失礼ではありませんが、メモを見ても分からなかった部分に絞って聞くのが礼儀です。「先日教えていただいた◯◯の、◯◯の後の操作を確認させてください」と、どこまで覚えていてどこで止まったかを伝えましょう。
挨拶だけを送って返事を待つと、相手は何の用件か分からず返事を書きにくくなります。挨拶と質問の中身を一通にまとめて送るほうが、早く答えてもらえます。
正しい言い方です。より改まった場では「伺ってもよろしいでしょうか」「お尋ねしてもよろしいでしょうか」と言い換えられます。会議の場での言い方は、会議で質問するときの言い方の記事にまとめています。