手順
上司への確認の取り方
返事が早く来る頼み方と、そのまま使える例文
結論:上司への確認は「何の件か → どこを見てほしいか → 自分の案 → いつまでに・なぜ」の順で、はい・いいえで答えられる形にして頼みます。見本は「◯◯社へ送る見積書の案です。値引きの欄だけ、この金額でよいかご確認いただけますか。◯日の◯時に先方へ送る予定です」。返事が遅れるときは、上司が忙しいだけでなく、「何を、どこまで、いつまでに見ればよいか」が伝わっていないこともあります。この記事では、確認依頼の型、どこまで確認するかの見分け方、指示の中身を確かめる言い方、口頭・チャット・メール別の例文、送る前のチェックリストをまとめます。「ご確認のほど」という言葉そのものの使い方は「ご確認のほどよろしくお願いいたします」の使い方にまとめています。
結論
確認依頼は①何の件か ②どこを見てほしいか(全部か、一部か) ③自分の案 ④いつまでに要るか、なぜその時までかの四つで組み立てます。見本は「◯◯の件、◯◯の部分を◯◯にしたいのですが、よろしいでしょうか。◯日の◯時までにお返事をいただけますと助かります」。
確認依頼の型(これだけ覚えれば足ります)
| 順番 | 書くこと | 書き方の例 |
|---|---|---|
| ①何の件か | 案件名と、確認してほしいものの名前 | ◯◯社に送る見積書の案です |
| ②どこを見てほしいか | 全体か一部か。一部なら場所を示す | ◯ページの値引きの欄だけ見ていただけますか(黄色の箇所) |
| ③自分の案 | どうしたいか。迷いがあれば選択肢で | 前回と同じ金額にしたいと考えています |
| ④期限と理由 | いつまでに要るか、なぜその時までか | ◯日の◯時に先方へ送るため、◯時までにお願いできますか |
| ⑤判断の材料(あれば) | 上司が判断するのに要る事実 | 先方の予算は◯◯円と伺っています |
空欄を埋めればそのまま送れる形にすると、次のようになります。
◯◯課長
お疲れさまです。◯◯です。
【何の件か】◯◯の◯◯の案です。
【見てほしい点】◯◯の部分だけ、ご確認いただけますか。
【自分の案】◯◯にしたいと考えています。
【期限と理由】◯日の◯時に◯◯するため、◯時までにお返事をいただけますと助かります。
【材料】◯◯(資料は共有フォルダの◯◯に入れています)
注意
【】の見出しは、慣れないうちの下書き用です。実際に送るときは外して、文としてつなげてかまいません。
直す前と直した後(同じ用件の書き比べ)
| 直す前 | 直した後 | 変えたところ |
|---|---|---|
| 企画書できたので確認お願いします。 | ◯◯の企画書の案です。◯ページの予算の部分だけ、この金額でよいかご確認いただけますか。◯日の◯時に先方へ送る予定です。 | 見る場所・自分の案・期限を足した |
| ◯◯社から納期を早めてと言われました。どうしましょうか。 | ◯◯社から納期を◯日に早められないかと相談がありました。◯◯の作業を前倒しすれば対応できるため、お受けしたいのですがよろしいでしょうか。先方には明日の午前中に返事をすると伝えています。 | 判断を丸投げせず、案と期限を出した |
| 会場どっちがいいですか? | ◯◯の会場を二つに絞りました。A:駅から近いが費用が高い/B:費用は安いが駅から遠い。参加者の移動を優先してAにしたいのですが、よろしいでしょうか。 | 選択肢の違いと自分の考えを並べた |
確認を取る手順
- 01
確認が要ることかを見分ける
下の表のように、お金・社外への約束・前例のないことは確認が要ることが多く、決まった手順の範囲の作業は自分で進めてよいことが多いです。どこまで自分で決めてよいかは、会社の決まりや上司の方針に従います。
- 02
見てほしい点を絞る
「全体を見てほしい」のか「この数字だけ見てほしい」のかを決めます。変えたところ、迷っているところに印を付けると、上司は短い時間で見られます。
- 03
自分の案を決める
「どうしましょうか」ではなく、「◯◯にしたいのですが、よろしいでしょうか」と案を出します。決めきれないときは、選択肢を二つか三つに絞り、それぞれの違いと自分のおすすめを添えます。
- 04
期限と理由を書く
「◯日の◯時に先方へ送るため、◯時までに」のように、いつまでに要るかと理由を書きます。理由があると、上司も順番を決めやすくなります。
- 05
手段とタイミングを選ぶ
急ぎは口頭かチャット、記録を残したいものや資料が多いものはメールなど、下の表を目安に選びます。口頭で話しかけるときは「いま◯分ほどよろしいでしょうか」と先に都合を聞きます。
- 06
返事をもらったら記録して動く
口頭で確認をもらったら、チャットやメールで一言残してから動きます。後で「確認したはず」の行き違いを防げます。
どこまで確認するか:見分け方の目安
| 確認したほうがよいこと | 自分で進めてよいことが多いこと |
|---|---|
| 金額・値引き・支払いの条件が関わること | 決まった手順どおりの作業 |
| 社外の相手への約束(期限・内容・条件) | 前にも同じ形で確認をもらっている作業 |
| 前例のないこと、いつもと違うやり方 | 言葉の言い回しや体裁の細かな直し |
| ほかの部署や人の仕事に影響すること | 自分の作業の段取り・順番(期限に影響しない範囲) |
| トラブル・苦情・ミスに関わること | 社内の資料の誤字の修正 |
Point
この表はあくまで目安です。誰が何を決めてよいかは、会社の決まり(決裁の範囲など)や部署のやり方で違います。迷ったら一度、「◯◯のような件は、私の判断で進めてよろしいでしょうか」と上司に確かめておくと、次から迷いません。
確認を取りすぎて上司の手を止めるのも、確認を取らずに進めてやり直しになるのも、どちらも避けたいところです。一度確認をもらった種類の仕事は、次から自分で進めてよいかも合わせて聞いておくと、確認の回数が自然に減ります。
口頭・チャット・メールの使い分け
| 手段 | 向いている確認 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 口頭 | 急ぎの判断、短く答えられる確認、込み入って文章にしにくい相談 | 先に都合を聞く。終わったら文字で一言残す |
| チャット | その日のうちに答えがほしい確認、資料の一部の確認 | 挨拶だけで送らず、用件まで一通にまとめる |
| メール | 社外の人も関わる件、記録として残したい判断、資料が多い確認 | 件名に【ご確認のお願い】と期限を入れる |
どの手段を使うかは、職場で決まっていればそれに従います。チャットの書き方の基本はビジネスチャットのマナーにまとめています。
指示の中身を確かめる言い方(指示を受けたとき)
「上司に確認を取る」には、出来上がったものを見てもらう確認のほかに、指示を受けた時点で、上司の考えている完成形を確かめる確認もあります。ここを飛ばすと、出来上がってから「思っていたのと違う」となりがちです。
| 確かめ方 | 言い方の例 |
|---|---|
| 具体的な例を聞く | 「イメージをつかみたいので、近いものがあれば教えていただけますか」 |
| 自分の言葉で言い直す | 「つまり、◯◯向けに◯◯を伝える資料を、◯日までに作るということでよろしいでしょうか」 |
| 見本を見せて確かめる | 「前回の◯◯の資料のような形でよろしいでしょうか」 |
| 優先度を確かめる | 「いま進めている◯◯より先に取りかかったほうがよろしいでしょうか」 |
| 途中で骨組みを見せる | 「書き始める前に、目次だけ見ていただけますか」 |
完成してから大きく直すより、骨組みの段階で一度見てもらうほうが、上司も自分も手間が少なく済みます。指示の受け方全体は指示の受け方にまとめています。
そのまま使える言い方(場面別)
口頭で確認を頼む
◯◯課長、いま◯分ほどよろしいでしょうか。
◯◯社に送る見積書の件で、確認をお願いしたいことがあります。
値引きを前回と同じ金額にしたいのですが、よろしいでしょうか。先方には◯日に送る予定です。
チャットで資料の一部の確認を頼む
◯◯課長
お疲れさまです。◯◯です。
◯◯の企画書の案を共有フォルダに入れました。
見ていただきたいのは、◯ページの予算の部分だけです(黄色の箇所)。
◯日(◯)の◯時に先方へ送るため、◯時までにご確認いただけますか。
メールで確認を頼む(件名つき)
件名:【ご確認のお願い・◯日◯時まで】◯◯社 見積書の値引き額について
◯◯課長
お疲れさまです。◯◯です。
◯◯社へお送りする見積書の案を添付いたします。
値引き額を前回と同じ◯◯円にしたいと考えておりますが、よろしいでしょうか。
◯日の◯時に先方へお送りする予定のため、それまでにご確認いただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
選択肢から選んでもらう
◯◯課長
お疲れさまです。◯◯です。
◯◯の発送方法を二つに絞りました。
A:◯日に届くが、費用が◯◯円高い
B:費用は抑えられるが、届くのが◯日になる
先方の希望日に間に合うAにしたいのですが、よろしいでしょうか。
全体を見てほしいとき
◯◯課長
お疲れさまです。◯◯です。
◯◯の報告書ができましたので、全体をご確認いただけますか。
特に◯◯の結論の書き方に迷っています。
◯日の会議で使うため、前日の夕方までに戻していただけると助かります。
途中で方向性だけ確かめる
◯◯課長
お疲れさまです。◯◯です。
◯◯の資料、書き始める前に目次だけ作りました。
この流れで進めてよいか、方向性だけ見ていただけますか。細かな中身はこれから詰めます。
社外へ返事をする前に確認を取る
◯◯課長
お疲れさまです。◯◯です。
◯◯社の◯◯様から、納期を◯日に早められないかと相談がありました。
◯◯の作業を前倒しすれば対応できそうですが、お受けしてよろしいでしょうか。
先方には明日の午前中に返事をすると伝えています。
注意
社外への返事を待たせているときは、相手にいつ返事をすると伝えたかを書きます。上司は、いつまでに判断すればよいかがすぐに分かります。
返事がないので、もう一度確認をお願いする
◯◯課長
お疲れさまです。◯◯です。
お忙しいところ恐れ入ります。
昨日お送りした◯◯の見積書の件、本日◯時に先方へ送る予定です。
値引きの欄だけでもご確認いただけますでしょうか。
再確認では責める言い方を避け、期限と、最低限見てほしい点を改めて書きます。急ぎなら、チャットのあとに口頭でも一声かけます。
上司が不在で、期限が迫っているとき
◯◯課長
お疲れさまです。◯◯です。
◯◯の件、本日◯時が先方への回答期限ですが、課長が外出中と伺いました。
◯◯部長に代わりにご確認いただいてもよろしいでしょうか。難しければ、先方に回答を明日に延ばしていただけないか相談します。
上司が不在のときに誰が代わりに判断するかは、職場によって違います。自分の判断で進めず、代わりの人に確認するか、相手に待ってもらえないかを相談します。
前に確認をもらったことを、次から自分で進めてよいか聞く
◯◯課長
先日確認いただいた◯◯の申請ですが、同じ内容のものは、次から私の判断で進めてもよろしいでしょうか。
いつもと違う点があるときは、改めてご相談します。
送る前のチェックリスト
- 何の件か、最初の一文で分かる
- 全体を見てほしいのか一部なのかを書いた。一部なら場所に印を付けた
- 「どうしましょうか」ではなく、自分の案(または選択肢とおすすめ)を書いた
- いつまでに要るかと、その理由を書いた
- 上司が判断するのに要る事実(金額・先方の希望など)を添えた
- 資料の場所が分かる(添付した、または保存先を書いた)
- 社外にはまだ約束していない。伝えた場合は何を伝えたかを書いた
- 急ぎ度に合った手段(口頭・チャット・メール)を選んだ
よくある失敗と直し方
| よくある失敗 | 困ること | 直し方 |
|---|---|---|
| 資料を丸ごと渡して「確認お願いします」 | どこを見ればよいか分からず、返事が遅れる | 見てほしい点に印を付け、その点を書く |
| 期限を書かない | 上司が後回しにして、間に合わなくなる | いつまでに要るかと、その理由を書く |
| 完成してから初めて見せる | 方向が違っていたとき、一からやり直しになる | 目次や骨組みの段階で一度見てもらう |
| 確認をもらう前に社外へ約束してしまう | 後で取り消すことになり、相手に迷惑がかかる | 「確認して◯日までにお返事します」と伝えて持ち帰る |
| 口頭でもらった確認を残さない | 後で「聞いていない」と行き違う | チャットやメールに一言残す |
| 何でも確認して、上司の手を止める | 上司の時間を使い、自分の仕事も進まない | どこまで自分で決めてよいかを一度確かめておく |
避けたい言い方と言い換え
| 避けたい言い方 | 気になる点 | こう言う |
|---|---|---|
| 確認お願いします(だけ) | 何を、いつまでに見ればよいか分からない | ◯◯の部分を、◯日の◯時までにご確認いただけますか |
| まだですか | 急かす気持ちが強く出て、責める響きになる | お忙しいところ恐れ入ります。◯時に先方へ送る予定です |
| どうしたらいいですか | 判断を丸ごと預けてしまい、上司が一から考えることになる | ◯◯にしたいのですが、よろしいでしょうか |
| 一応見ておいてください | 上から頼んでいるように聞こえることがある | 念のためご確認いただけますか |
| ご確認してください | 「ご〜する」は自分の動作をへりくだる形で、相手の動作には使わない | ご確認ください/ご確認いただけますか |
後日のフォロー(記録・お礼・お詫び)
口頭でもらった確認を文字で残す
◯◯課長
先ほどはありがとうございました。
◯◯社の見積書は、値引きを前回と同じ金額にして、本日中に先方へ送ります。
確認してもらったことへのお礼
◯◯課長
お疲れさまです。◯◯です。
お忙しいところ、◯◯の企画書を見ていただきありがとうございました。
ご指摘の予算の部分を直して、先ほど先方へお送りしました。
確認を取らずに進めてしまったときのお詫び
◯◯課長
お疲れさまです。◯◯です。
◯◯社への納期の回答を、課長に確認を取らずにお伝えしてしまいました。申し訳ありません。
回答の内容は◯日納品です。このままで問題ないか、ご確認いただけますでしょうか。
今後、社外への約束は必ず確認を取ってからお返事します。
注意
確認を飛ばしてしまったときは、気づいた時点ですぐに、何を伝えたかを正確に報告します。報告や連絡が遅れたときのお詫びの書き方は報告・連絡が遅れたお詫びにまとめています。
この記事の要点
- 確認依頼は何の件か→どこを見てほしいか→自分の案→期限と理由の順で書く。
- お金・社外への約束・前例のないことは確認を取る。どこまで自分で決めてよいかは会社の決まりに従う。
- 「どうしましょうか」ではなく「◯◯にしたいのですが、よろしいでしょうか」。迷うなら選択肢とおすすめを出す。
- 指示を受けたら言い直し・見本・骨組みで完成形を早めに確かめる。
- 口頭でもらった確認はチャットやメールに一言残してから動く。
FAQ
よくある質問
金額、社外への約束、前例のないこと、ほかの部署に影響することは、確認したほうがよいことが多いです。ただし、誰が何を決めてよいかは会社の決まりや部署のやり方で違います。迷ったら「◯◯のような件は、私の判断で進めてよろしいでしょうか」と一度上司に確かめておきましょう。
急ぎでなければ、チャットやメールで用件と期限をまとめて送り、上司の都合のよいときに見てもらいます。口頭で頼むときは「いま◯分ほどよろしいでしょうか」と先に聞き、難しそうなら「何時ごろならよろしいでしょうか」と都合を尋ねます。
「お忙しいところ恐れ入ります」と添え、期限と最低限見てほしい点を改めて伝えます。「本日◯時に先方へ送る予定です。◯◯の欄だけでもご確認いただけますでしょうか」のように、読む量を減らす工夫をすると返事をもらいやすくなります。
失礼にはなりません。分からないまま進めてやり直すほうが、上司の手間が増えます。「つまり◯◯ということでよろしいでしょうか」と自分の言葉で言い直すと、何が分かっていて何を確かめたいかが伝わります。
同じ種類の敬語を一つの言葉に重ねる二重敬語には当たらないと考えられています。「ご確認いただけますか」の「ますか」を「ますでしょうか」と、より丁寧にした形で、上司や社外の相手に広く使われています。丁寧の言葉が重なるのでくどく感じる人もおり、その場合は「ご確認いただけますか」でも十分丁寧です。
自分だけで判断せず、代わりに判断できる人に確認するか、相手に返事を待ってもらえないか相談します。不在のときに誰が代わりに判断するかは職場によって違うので、日ごろから上司に確かめておくと安心です。
どの範囲なら自分で決めてよいかを、その場で具体的に聞いておきましょう。「◯◯の申請のように、いつもと同じ内容のものは私の判断で進めてよろしいでしょうか」と聞けば、次から迷う場面が減ります。