マナー
立食パーティーのマナー
皿の持ち方・料理の取り方と、そのまま使える会話例文
結論:立食パーティーで大事なのは「挨拶」「手を空けておくこと」「料理台の前に長居しないこと」の三つです。会場に着いたら主催者に「本日はお招きいただき、ありがとうございます」と伝え、乾杯とスピーチの間は飲食の手を止めます。料理は少しずつ取ってすぐ料理台から離れ、皿とグラスは片手にまとめてもう片方の手を空けておき、名刺交換の前には両方をテーブルに置きます。このページでは、取引先の懇親会や業界の交流会を中心に、流れ・持ち方・言い方の例文・場面別の違い・NG・持ち物チェックまでを一つにまとめました。
結論
立食パーティーは、席を決めずに立ったまま料理と飲み物をとり、会場を移動しながら多くの人と話す形式の会です。着席の会と違って話す相手を自分で選べるぶん、自分から挨拶に動くことが求められます。流れは①受付・クローク ②主催者に挨拶 ③開会の挨拶・乾杯 ④料理と交流 ⑤中締め・閉会 ⑥主催者にお礼 ⑦翌日お礼メールです。進め方や撮影の可否、途中退出の扱いは主催者によって違うので、案内状の記載や主催者の決まりに従います。
まず押さえる七つのマナー(即答)
| 場面 | こうする | 避けること |
|---|---|---|
| 着いたとき | 主催者・招待してくれた担当者に来場のお礼を伝える | 挨拶をせずに料理台へ向かう |
| 開会の挨拶・乾杯 | 飲食の手を止め、話す人のほうを向く。乾杯まではグラスに口をつけない | スピーチ中に食べる、飲む、私語を続ける |
| 料理を取る | 二、三品を少しずつ。取ったら料理台から離れる | 大皿から山盛りに取る、料理台の前で食べる |
| 持ち方 | 皿とグラスを片手にまとめ、もう片方の手を空ける | 両手がふさがったまま人と話す |
| 交流 | 主催者側の人や初対面の人と短く話し、次の人へ | 同じ会社の人とだけ固まる、一人を独占する |
| 椅子 | 疲れたら少し休む程度にする | 壁際の椅子に座り続ける |
| 帰るとき | 主催者にお礼を伝えてから会場を出る | 挨拶の最中に黙って出ていく |
受付から帰りまでの流れ
- 01
受付を済ませる
名刺を求められたら一枚渡し、芳名帳があれば記入します。大きな荷物やコートはクロークに預け、手元は小さなバッグと名刺入れだけにします。
- 02
主催者に挨拶する
開会前に主催者や招待してくれた担当者を探し、来場のお礼を短く伝えます。相手が忙しそうなら、目礼だけにして後で改めます。
- 03
ウェルカムドリンクを受け取る
開会前に飲み物を渡されたら受け取って構いません。乾杯用に少し残しておくか、乾杯の前に新しいグラスをもらいます。
- 04
開会の挨拶・乾杯を聞く
挨拶の間は飲み物や料理に手をつけず、話している人のほうを向きます。乾杯の発声に合わせてグラスを軽く掲げ、周りの人とはグラスを当てずに会釈で応じれば、割ってしまう心配もありません。
- 05
料理を取る
一度に取るのは二、三品を少しずつ。取り終えたら料理台の前から離れ、次の人に場所を空けます。
- 06
交流する
同じ会社の人と固まらず、主催者側の人、初めての人と話します。一人と長く話し込みすぎないのが、立食の場の気遣いです。
- 07
中締め・閉会
中締めや閉会の挨拶の間も、手を止めて聞きます。手締めがあれば、皿とグラスを置いて参加します。
- 08
帰る前にお礼を伝える
主催者に「本日はありがとうございました」と伝えてから会場を出ます。途中で帰る場合も同じです。
皿とグラスの持ち方
右利きの人は、左手で皿とグラスをまとめて持ち、右手で箸やフォークを使う形が扱いやすいです。皿は手のひら全体で下から受け、グラスは指の間に挟むようにして皿の上に寄せると、片手でも安定します。慣れないうちは無理をせず、グラスはサイドテーブルに置いて皿だけを持つほうが安全です。
| 持ち方 | 向いている人・場面 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 皿とグラスを片手にまとめる | 人と話しながら少し食べたいとき | グラスが傾きやすい。満杯にしない |
| 皿だけ持ち、グラスはテーブルに置く | 持ち方に自信がないとき | 自分のグラスがどれか分からなくならないよう、置く場所を決めておく |
| グラスだけ持つ | 挨拶回りが中心のとき | 料理は合間に少しだけ。空腹で行かない |
Point
名刺交換のときは、皿とグラスをいったんテーブルに置きます。食べ物を持ったまま名刺を受け取るのは避けます。置く場所がなければ「失礼いたします、少々お待ちください」と言って置いてから向き合います。グラスの水滴で名刺や相手の手をぬらさないよう、紙ナプキンをグラスに巻くか、手元を拭いておきます。名刺交換の順番や受け取り方は名刺交換のマナーを見てください。
料理の取り方・食べ方
| やること | やり方 | 理由 |
|---|---|---|
| 取る順番 | 冷たい料理、温かい料理、デザートの順に、料理台に並んだ向きに合わせて進む | ほかの人と逆向きにならず、列が乱れにくい |
| 量 | 少しずつ、二、三品ずつ。皿の縁まで盛らない | 取り過ぎて残すのを防ぎ、ほかの人の分を残す |
| 温かい料理と冷たい料理 | 同じ皿にのせない | 冷たい料理がぬるくなり、温かい料理も冷めてしまう |
| 皿を替える | 料理を取りに行くたびに新しい皿を使う | 前の料理のソースが次の料理に移らない |
| 取り箸・トング | 料理ごとに用意されたものを使い、元の場所に戻す | 自分の箸で取ると衛生面で嫌がられる |
| 料理台の前 | 取ったらすぐに離れる | 後ろに並んでいる人の邪魔にならない |
| 使った皿・グラス | サイドテーブルに置くか、スタッフに渡す | 料理台に戻すと、ほかの人の料理に触れる |
| 食べる場所 | サイドテーブルの近くか、人の流れのじゃまにならない場所 | 通路で食べると人とぶつかり、こぼしやすい |
注意
汁気の多い料理や骨のある料理、ひと口で食べられない料理は、人と話すときに困ります。挨拶回りの合間は、ひと口で食べられるものを選ぶと会話を止めずに済みます。
服装と持ち物
服装は案内状のドレスコードに従います。記載がない取引先の懇親会なら、普段の仕事のスーツに合わせるのが無難です。立っている時間が長いので、靴は履き慣れたものを選びます。バッグは肩に掛けられる小さめのものにすると、両手が使えます。音の鳴る大ぶりなアクセサリーや強い香水は、料理の場では控えます。詳しくは懇親会の服装にまとめています。
出かける前の持ち物チェック
- 名刺を多めに(立食は名刺交換の数が増えやすい)
- 名刺入れを上着の内ポケットなどすぐ出せる場所に
- 案内状・招待状(受付で求められることがある)
- 会費が必要な会なら、おつりの出ない額の現金
- ハンカチ(グラスの水滴や手を拭く)
- 肩に掛けられる小さめのバッグ。大きな荷物はクロークへ
- 履き慣れた靴
- 主催者と、会いたい人の名前と役職のメモ
場面別の言い方(例文)
主催者に挨拶するとき(着いてすぐ)
◯◯様、本日はお招きいただき、ありがとうございます。株式会社△△の□□です。楽しみにしてまいりました。
主催者が忙しそうなとき
お忙しいところ失礼いたします。本日はありがとうございます。また改めてご挨拶にまいります。
招待してくれた担当者に紹介を頼むとき
◯◯様、もしよろしければ、◯◯部の方にご紹介いただけないでしょうか。以前から一度ご挨拶したいと思っておりました。
初めての人に話しかけるとき
お話し中のところ失礼いたします。株式会社△△の□□と申します。よろしければ、ご挨拶させてください。
一人でいる人に声をかけるとき
こんばんは。株式会社△△の□□と申します。今日はどちらのご関係でいらっしゃいましたか。
料理の話題から入るとき
どちらのお料理がおすすめでしたか。まだ全部は回れていないもので。
相手の仕事について聞くとき
◯◯様は、どのようなお仕事を担当していらっしゃるのですか。
食事中の相手に声をかけるとき
お食事中に失礼いたします。後ほど、少しだけご挨拶のお時間をいただけますでしょうか。
名刺交換の前に皿を置くとき
失礼いたします、少々お待ちください。(皿とグラスを置いて)改めまして、株式会社△△の□□と申します。
以前会ったことがある人に
◯◯様、ご無沙汰しております。以前、◯◯の際にご挨拶いたしました、株式会社△△の□□です。
自社の上司を取引先に紹介するとき
◯◯様、ご紹介いたします。弊社の部長の◯◯です。(上司に向かって)こちらは株式会社◯◯の◯◯様です。いつも大変お世話になっております。
輪から抜けるとき
貴重なお話をありがとうございました。ほかの方にもご挨拶してまいりますので、これで失礼いたします。また改めてご連絡いたします。
飲み物を断るとき
ありがとうございます。今日はこちら(ソフトドリンク)でいただきます。
途中で帰るとき(主催者へ)
◯◯様、本日はありがとうございました。この後予定がございまして、お先に失礼いたします。またお目にかかれるのを楽しみにしております。
閉会後に主催者へ
本日は素晴らしい会にお招きいただき、ありがとうございました。たくさんの方とお話しでき、大変有意義な時間でした。
自己紹介を少し長めに話す場面があれば、自己紹介の例文が使えます。挨拶をする順番が決まっている会では、パーティーの挨拶の順番のとおりに進むので、その間は話を止めて聞きます。
場面別の違い
| 場面 | 主な目的 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 取引先の懇親会・レセプション | 主催者へのお礼と関係づくり | 主催者側の人に必ず挨拶する。売り込みを続けない |
| 業界の交流会・異業種交流会 | 新しい人とのつながり | 名刺を多めに。一人と長く話し込まず、多くの人と短く話す |
| 社内の懇親会・忘年会 | 部署を越えた交流 | 役員や他部署の人にも自分から挨拶する。若手は料理や飲み物の補充を気にかける |
| 結婚式の二次会 | 新郎新婦へのお祝い | 新郎新婦への挨拶を最初に。演出の間は会話を止める。服装は招待状の案内に従う |
社内の宴会でのお酌や乾杯の作法はお酌と乾杯のマナー、同僚の結婚式に招かれたときは同僚の結婚式のマナーも参考にしてください。
やりがちなNG
- 料理台の前に立ったまま食べ続ける
- 大皿から一度にたくさん取る、取った料理を残す
- 温かい料理と冷たい料理を同じ皿に盛る
- 同じ会社の人とだけ固まって話す
- 開会の挨拶やスピーチ、乾杯の最中に食べたり飲んだりしている
- 乾杯でグラスを強く当てる
- 壁際の椅子にずっと座っている
- 名刺だけ配って回り、会話をしない
- 一人の人を長く独占する、商品の売り込みを続ける
- 使った皿やグラスを料理台に戻す
- 主催者に挨拶をせずに帰る
言わないほうがよい言い方
| 避けたい言い方 | 理由 | 代わりの言い方 |
|---|---|---|
| 「会費分は食べないと」 | 主催者の厚意を損得で語っているように聞こえる | 「どのお料理もおいしいですね」 |
| 「とりあえず名刺だけ」 | 相手に関心がないように聞こえる | 「よろしければ、ご挨拶させてください」 |
| 「ちょっと用があるので」(話の途中で急に) | 話を打ち切られたと感じさせる | 「ほかの方にもご挨拶してまいりますので、これで失礼いたします」 |
| 「ここだけの話ですが」(他社や取引先の内情) | 周りにも聞こえ、信用を失う | その場では話題にしない |
| 「部長がいらっしゃっています」(社外の人に自社の上司のことを) | 身内に尊敬語を使っている | 「弊社の◯◯も参っております」 |
後日のフォロー(お礼メール)
翌日の午前中までに、主催者と、名刺交換をして話が弾んだ相手にお礼のメールを送ります。主催者には会のお礼、名刺交換の相手には会話の内容に一言触れると、相手が思い出しやすくなります。
主催者へのお礼
件名:昨日の懇親会のお礼(株式会社△△ □□)
株式会社◯◯
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
昨日は懇親会にお招きいただき、誠にありがとうございました。
御社の皆様をはじめ、多くの方とお話しする機会をいただき、大変有意義な時間となりました。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
会場で名刺交換をした相手へ
件名:昨日の◯◯懇親会でご挨拶いたしました□□です
株式会社◯◯
◯◯様
昨日の◯◯懇親会で名刺を交換いたしました、株式会社△△の□□です。
◯◯のお話を伺い、大変勉強になりました。ありがとうございました。
機会がございましたら、改めてお話を伺えますと幸いです。
会場でグラスを倒した、名刺を渡しそびれたなどがあれば、お礼のメールに「昨日は失礼いたしました」と一言添えます。メールの書き出し方はメールの書き出しも参考にしてください。
この記事の要点
- 着いたら最初に主催者へ「お招きいただき、ありがとうございます」。
- 開会の挨拶・スピーチ・乾杯の間は飲食の手を止めて聞く。
- 料理は少しずつ取って料理台から離れる。温かい料理と冷たい料理は分け、皿は取るたびに替える。
- 皿とグラスは片手にまとめ、名刺交換の前に置く。同じ会社の人と固まらない。
- 帰る前に主催者にお礼、翌日の午前中までにお礼メール。
FAQ
よくある質問
食べて構いません。ただし、主な目的は挨拶と交流です。少しずつ取って料理台の前から離れ、話しかけられたらすぐに応じられるようにしておきます。
右利きなら左手に皿とグラスをまとめて持ち、右手を空けておくと食べやすく、声をかけられてもすぐ応じられます。難しければ、グラスはサイドテーブルに置いて構いません。名刺交換のときはどちらもいったん置きます。
開会前に配られるウェルカムドリンクは飲んで構いません。ただし、開会の挨拶が始まったら手を止め、乾杯までは口をつけずに待ちます。
疲れたときに少し休むのは構いません。壁際の椅子は、長く立っているのがつらい方も使うものなので、一人で座り続けるのは避けます。
最初からソフトドリンクを選んで構いません。乾杯もソフトドリンクで参加できます。勧められたら「今日はこちらでいただきます」と伝えれば十分です。
主催者や招待してくれた担当者に「どなたかご紹介いただけないでしょうか」と頼むのが確実です。一人でいる人に「今日はどちらのご関係でいらっしゃいましたか」と声をかけるのも話しやすいきっかけになります。
案内状に途中退出の扱いが書かれていればそれに従います。帰るときは、主催者に「この後予定がございまして、お先に失礼いたします」とお礼を伝えてから会場を出ます。挨拶の最中に出るのは避けます。
主催者と、会場で名刺交換をして話をした相手に送ります。名刺交換の相手には、どこで会ったか、どんな話をしたかを一文入れると思い出してもらいやすくなります。