メール
「至急」「早急」の違い
急ぎの依頼メールの例文と件名
「至急」も「早急」も、非常に急ぐことを表す言葉です。ただ使われ方に差があり、件名の【至急】や指示に使われる「至急」のほうが切迫した響きになりやすく、「早急」は「早急にご確認いただけますでしょうか」のように文の中で使われます。ただ、目上の相手や取引先に急ぎを頼むときは、言葉の強さより「いつまでに」「なぜ急ぐのか」を書くほうが確実に伝わります。そのまま使える一文は「急なお願いで恐縮ですが、◯月◯日(◯)◯時までにご返信いただけますでしょうか。」。「取り急ぎ」は意味が別なので、「取り急ぎ」の意味と使い方にまとめています。このページでは、言葉の違いと、急ぎの依頼メールの書き方・例文を並べました。
結論
「至急」は非常に急ぐこと、大急ぎの意味で、「【至急】」のように件名や社内の連絡、指示で使われます。「早急」も非常に急ぐことを表し、「早急にご対応いただけますでしょうか」「早急に対応いたします」のように、相手への依頼にも自分の対応にも使います。読み方は「さっきゅう」が本来の読みとされ、「そうきゅう」と読む人も多くいます。
「至急」「早急」「取り急ぎ」の違い
| 言葉 | 意味 | 主な使い方 |
|---|---|---|
| 至急 | 非常に急ぐこと。大急ぎ(今すぐの対応を求める印象) | 件名の【至急】、社内の緊急連絡 |
| 早急 | 非常に急ぐこと(できるだけ早く、の印象) | 「早急にご対応いただけますでしょうか」「早急に対応いたします」 |
| 大至急 | 至急よりさらに強く急ぐ | 社内の緊急時(社外には使わないほうが無難) |
| 取り急ぎ | 十分ではないが、ひとまず先に | 「取り急ぎご報告まで」など、主に自分の連絡に使う。急ぎの度合いは伝わらない |
「至急」と「早急」は、どちらも相手に急いでほしいときに使えますが、「至急」はほかの仕事より先にしてほしいという強い響きを持ちます。取引先やお客様に向けて「至急ご対応ください」と書くと、命令のように受け取る人もいるので、社外ではやわらかい言い方に置き換えるのが無難です。
Point
急ぎの依頼でいちばん大事なのは期限。「至急」「早急」だけでは相手の受け取る早さがばらばらなので、日付と時刻を必ず書きます。
使える場面・使わないほうがよい場面
| 場面 | 「至急」「早急」 | 代わりに使う言葉 |
|---|---|---|
| 社内でシステム障害・事故の対応を求める | 「至急」が使える | ― |
| 社内で今日中に確認してほしい書類 | 「至急」「早急」が使える(期限を添える) | ― |
| 取引先に、こちらの都合で急ぎの返事を頼む | 「至急」は強すぎる | 急なお願いで恐縮ですが、◯日までに |
| お客様からの苦情に、自分が急いで対応する | 「早急に対応いたします」が使える | ― |
| 上司に急ぎで判断を仰ぐ | 「至急」は強く聞こえることがある | お急ぎのところ恐れ入りますが、本日中にご判断いただけますでしょうか |
| 実は急がない依頼 | 使わない | お手すきの際に |
注意
「至急」を多用すると、本当に急ぐ連絡が埋もれてしまいます。こちらの段取りの遅れで急ぐことになった場合は、言葉で急かす前にお詫びを一言入れると、相手も協力しやすくなります。急がない依頼の言い方は「お手すきの際に」の使い方を見てください。
急ぎを頼む言い方(丁寧さの段階つき)
| 言い方 | 丁寧さ | 使いやすい場面 |
|---|---|---|
| 誠に勝手なお願いで恐縮ですが、◯日までにご対応いただけますと幸いです | 最も改まった言い方 | お客様・取引先の目上の相手 |
| 急なお願いで恐縮ですが、◯日までにご返信いただけますでしょうか | 改まった言い方 | 取引先へのお願い全般 |
| お忙しいところ恐れ入りますが、早急にご確認いただけますでしょうか | 改まった言い方 | 取引先・上司への確認依頼 |
| お手数ですが、本日中にご確認をお願いいたします | 丁寧 | 社内の上司・他部署 |
| 急ぎで申し訳ないのですが、◯時までに見てもらえますか | 標準 | 社内の同僚・後輩 |
| 【至急】◯時までに確認をお願いします | 強い言い方 | 社内の緊急連絡 |
社外へは「至急」「早急」という言葉そのものを使わずに、「急なお願いで恐縮ですが」+期限で頼むほうが角が立ちません。前置きの言葉は「恐縮ですが」「恐れ入りますが」の使い方にもまとめています。
急ぎのメールの件名の付け方
| 件名の例 | 印象 | 向いている相手 |
|---|---|---|
| 【至急】◯◯サーバー障害の対応について | 最も強い。すぐ開いてほしい | 社内の関係者 |
| 【本日◯時まで】◯◯のご確認のお願い | 期限がひと目で分かる | 社内・取引先 |
| 【◯月◯日締切】◯◯ご回答のお願い | 期限がひと目で分かる(少し余裕がある) | 取引先・お客様 |
| ◯◯のご確認のお願い(◯日までにご返信ください) | やわらかい | 取引先・お客様 |
件名に期限を書くと、相手は開く前に優先度を判断できます。社外のお客様に「【至急】」と付けると、こちらの都合を押しつけているように見えることもあるので、期限を書く形にしておくと無難です。
場面別のメール例文
取引先に、急ぎで見積りの回答をお願いする
件名:【◯月◯日締切】◯◯のお見積りのお願い
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
急なお願いで恐縮ですが、◯◯のお見積りをいただけますでしょうか。
社内の稟議が◯月◯日(◯)に予定されており、それまでに金額を固める必要がございます。
お忙しいところ大変恐れ入りますが、◯月◯日(◯)◯時までにご回答いただけますと幸いです。
こちらの手配の遅れで、急ぎの確認をお願いする
件名:【本日◯時まで】◯◯の校正のご確認のお願い
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
弊社の進行が遅れ、ご確認いただく時間が短くなってしまい、誠に申し訳ございません。
添付の校正をご確認のうえ、本日◯時までに修正の有無をお知らせいただけますでしょうか。
時間内のご確認が難しい場合は、ご遠慮なくお申し付けください。印刷所と日程を調整いたします。
上司に急ぎで判断を仰ぐ(社内)
件名:【本日中】◯◯会場の仮押さえの扱いについてご判断のお願い
◯◯部長
お疲れさまです。□□です。
◯◯の会場の仮押さえが、本日◯時で期限を迎えます。
お忙しいところ恐れ入りますが、正式に申し込むか、仮押さえを延長するか、本日◯時までにご判断いただけますでしょうか。
・正式申し込み:費用は見積書のとおり(添付)
・延長:先方からは◯日まで延長できると伺っています
社内で障害の対応を至急お願いする
件名:【至急】申込フォームが送信できない件
情報システム部 ◯◯さん
お疲れさまです。□□です。
◯時ごろから、◯◯の申込フォームで「送信」ボタンを押すとエラーになります。
本日◯時に申し込みの締め切りがあるため、至急ご確認をお願いします。
・画面:添付の画像のとおり
・発生時刻:◯時◯分ごろから
・連絡先:内線◯◯◯(□□)
お客様の苦情に、早急に対応すると伝える
件名:◯◯の不具合についてのお詫びとご対応
◯◯様
このたびは、◯◯の不具合によりご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。
早急に原因を確認し、◯月◯日(◯)までに代わりの品をお送りいたします。
確認の結果は、わかりしだい改めてご報告いたします。
急ぎの依頼に応えてくれたお礼
件名:◯◯のご対応のお礼
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
急なお願いにもかかわらず、早々にご対応いただき、誠にありがとうございました。
おかげさまで、予定どおり◯日の会議に間に合わせることができました。
今後はこのようなことのないよう、余裕をもってご相談いたします。
よくある間違い
| 書きがちな言い方 | 気になる点 | 直し方 |
|---|---|---|
| 至急ご対応ください(取引先へ) | 命令のように受け取る人もいる | 急なお願いで恐縮ですが、◯日までにご対応いただけますでしょうか |
| 早急にお願いします(期限なし) | 相手によって「今日」とも「今週中」とも取れる | ◯月◯日(◯)◯時までにお願いいたします |
| 取り急ぎご対応ください(急いでほしいとき) | 「取り急ぎ」は「ひとまず」の意味で、どれだけ急ぐのかは伝わらない | 急なお願いで恐縮ですが、◯日◯時までにご対応いただけますでしょうか |
| 件名だけ【至急】で、本文に期限がない | どれだけ急ぐのかが伝わらない | 本文の冒頭に期限と理由を書く |
| こちらの遅れなのに、お詫びがない | 都合を押しつけているように見える | 「弊社の進行が遅れ、申し訳ございません」と一言添える |
急ぎの依頼に返事をするとき
急ぎの依頼を受けたら、作業が終わる前でもまず受け取ったことと、いつまでにできるかを返します。相手は、間に合うかどうかが分かるだけで次の手を打てます。
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
お見積りの件、承知いたしました。
◯月◯日(◯)◯時までに、メールでお送りいたします。
期限に間に合わない場合は、できる範囲と、間に合う日時をすぐに伝えます。
◯◯様
ご連絡ありがとうございます。
申し訳ございませんが、ご指定の◯日までにすべてをご用意するのは難しい状況です。
概算でしたら◯日までに、正式なお見積りは◯日までにお送りできますが、いかがでしょうか。
この記事の要点
- 「至急」「早急」はどちらも非常に急ぐこと。件名や指示に使う「至急」のほうが切迫した響きになりやすい。
- 「早急」の読みは「さっきゅう」が本来とされ、「そうきゅう」と読む人も多い。
- 社外には「至急」より「急なお願いで恐縮ですが」+期限で頼む。
- 件名と本文には日付と時刻の期限を書く。理由も一言添える。
- 「取り急ぎ」は「ひとまず」の意味で、急ぎの度合いを伝える言葉ではない。
FAQ
よくある質問
「至急」のほうが切迫した響きがあり、今すぐの対応を求める印象になります。「早急」はできるだけ早く、という意味で、相手への依頼にも自分の対応にも使えます。
「さっきゅう」が本来の読み方とされています。「そうきゅう」と読む人も多く、聞いて意味が通じないことはまずありませんが、改まった場では「さっきゅう」と読んでおくと無難です。
相手のミスの対応など、本当に急を要する場面もありますが、こちらの都合で急ぐときは強すぎると受け取られることがあります。「急なお願いで恐縮ですが、◯日までに」と、期限とお詫びを添える言い方がおすすめです。
「早急にご確認いただけますでしょうか」のように、依頼の形にして前置きを添えれば使えます。そのうえで、具体的な期限を書くと相手も予定を立てやすくなります。
「至急」は相手に急いでほしいときの言葉で、「取り急ぎ」は自分が十分ではないけれどひとまず先に連絡するときの言葉です。依頼に「取り急ぎ」を付けても「ひとまず」の意味になり、どれだけ急いでほしいのかは伝わりにくくなります。急ぐときは期限を書きます。