言葉の使い分け
指示と支持の違い
使い分けとメール例文、覚え方
結論から言うと、何をどうするかを示して指図するなら「指示」、考えや方針・人に賛成して後押しするなら「支持」と書くのが一般的です。見分けるコツは、「やり方を示す」のか「賛成して支える」のかを見ること。たとえば「部長の指示を受けて、見積もりを作り直しました」(やるべきことを示された)と、「部長の支持を得て、新しい企画を進めることになりました」(賛成してもらえた)は、意味がまったく違います。このページでは、それぞれの意味、早見表、メールの例文、迷いやすい書き方の直し方、覚え方をまとめました。
結論
指示は、物事をさし示すこと、またやり方や方針を示して指図すること。支持は、物を支えて保つこと、また意見・方針・人などに賛成して後押しすること。辞書によって説明の言い回しは少しずつ違いますが、おおむねこの区別で使われています。
それぞれの意味
指示(さし示す・指図する)
「指示」は、やるべきことや方向をさし示すことを表します。仕事では、上司や担当者が作業の内容・手順・期限を示すことによく使います。「指示を出す」「指示を受ける」「指示に従う」「指示を仰ぐ」「指示書」「業務指示」のように使います。
支持(支える・賛成して後押しする)
「支持」は、もとは物を支えて保つことを表し、そこから意見・方針・人に賛成し、後押しすることの意味で広く使われます。「案を支持する」「社内の支持を得る」「支持を集める」「支持率」のように使います。設備や建築の分野では「支持金具」のように、物理的に支える意味でも使われます。
Point
指示=示す・指図する、支持=支える・賛成する。「指」は指さす、「支」は支える、と字の意味そのままです。
使い分けの早見表
| 言葉 | 意味 | よく組む語 | 例文 |
|---|---|---|---|
| 指示 | やるべきことや方向を示すこと・指図すること | 指示を出す・指示を受ける・指示に従う・指示を仰ぐ・指示書 | 作業の手順は、添付の指示書のとおりにお願いします。 |
| 支持 | 意見・方針・人に賛成して後押しすること/物を支えること | 支持する・支持を得る・支持を集める・支持率・支持金具 | 現場の声を踏まえ、この案を支持します。 |
注意
同じ読みの言葉に「師事」もあります。ある人を先生として教えを受けることで、「◯◯先生に師事する」のように使います。仕事のメールで出てくることは多くありませんが、講師の紹介文などで見かけます。
ビジネス文書・メールでの例文
上司に判断を仰ぐ(指示)
件名:◯◯の納期変更についてのご相談
◯◯部長
お疲れさまです。□□です。
◯◯社から、納期を◯日早められないかとのご相談がありました。
対応できる案を二つまとめましたので、どちらで進めるかご指示いただけますでしょうか。
先方への回答の仕方について、課長の指示を仰いでからご連絡いたします。
チームに作業を頼む(指示)
◯日の設営は、添付の配置図の指示どおりに机と椅子を並べてください。分からない点は、当日◯◯さんに確認をお願いします。
取引先からの指示を確認する(指示)
件名:納品方法のご確認
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
先日ご指示いただいたとおり、◯月◯日(◯)の午前中に、◯◯倉庫へ直接納品いたします。
念のため、納品先のご担当者様のお名前をお知らせいただけますでしょうか。
案に賛成する・賛成してもらう(支持)
営業部の意見も踏まえ、私はB案を支持します。理由は、準備期間が短くても進められるためです。
現場の皆さんの支持を得られたことで、新しい受付の方法を全店で試すことになりました。ご協力ありがとうございました。
迷いやすい例と一般的な書き方
| 迷いやすい書き方 | 一般的な書き方 | 考え方 |
|---|---|---|
| ご支持をいただけますでしょうか(やり方を教えてほしい意味で) | ご指示いただけますでしょうか | やり方を示してもらうので「指示」 |
| 部長の指示を得て、企画が通りました(賛成してもらえた意味で) | 部長の支持を得て、企画が通りました | 賛成して後押ししてもらうので「支持」 |
| 医師の支持に従ってください | 医師の指示に従ってください | やるべきことを示されたので「指示」 |
| 指示率 | 支持率 | 賛成している人の割合を表すので「支持」 |
| この方針を指示します(賛成する意味で) | この方針を支持します | 賛成する意味なら「支持」。命じる意味なら「指示」で意味が変わる |
「指示を受ける」と「支持を受ける」は、どちらも使われる言い方ですが、前者は「やり方を示された」、後者は「賛成してもらえた」という意味になります。どちらの意味かを決めてから漢字を選んでください。
覚え方
| 言葉 | 注目する字 | 覚え方 |
|---|---|---|
| 指示 | 指(ゆび) | 指でさし示す。「指図」「指導」の指 |
| 支持 | 支(ささえる) | 支えて持つ。「支援」「支える」の支 |
Point
迷ったら、「指さす」のが指示、「支える」のが支持と思い出してください。
この記事の要点
- 指示はやるべきことを示すこと・指図すること(指示を出す・指示を仰ぐ)。
- 支持は賛成して後押しすること(支持を得る・支持率)。物を支える意味もある。
- 「指示を受ける」と「支持を受ける」は意味が違う。
- 上司にやり方を尋ねるときは「ご指示いただけますでしょうか」。
- 人を先生として教わるのは「師事」。
FAQ
よくある質問
指示は「やるべきことを示す・指図する」、支持は「賛成して後押しする(支える)」です。
「どちらで進めるかご指示いただけますでしょうか」「ご指示をいただけますと幸いです」のように書きます。選択肢を添えると、上司が判断しやすくなります。
「上の人に指示を求める」意味で、一般に使われている言い方です。「課長の指示を仰いでからご連絡いたします」のように使います。
賛成してもらえた意味なら「支持を得る」が一般的です。やり方を示してもらう意味では「指示を受ける」「指示をもらう」と書くのが一般的です。
どちらもやるべきことを示す意味で使われますが、「指図」は命令して従わせる響きを感じる人もいます。ビジネスの文書では「指示」を使うほうが無難です。