言葉の使い分け
「基準」と「規準」の違い
使い分けと例文、覚え方
結論から言うと、物事を比べたり判断したりするときの目安・よりどころなら「基準」と書くのが一般的です。「規準」は手本としてのっとるべき決まりを表す言葉ですが、使われる場面は限られ、会社の文書やメールではほとんどの場合「基準」で足ります。見分けるコツは、「目安・ものさし」なら基準と考えること。たとえば「選考の基準を事前に共有します」と書きます。学校の学習評価では「評価規準」という語が使われるので、教育関係の文書では表記に注意が必要です。このページでは、それぞれの意味、早見表、例文、迷いやすい書き方の直し方、覚え方をまとめました。
結論
基準は、物事を比べたり判断したりするときのよりどころとなる目安・標準。規準は、行動や判断の手本となる決まり、のっとるべき規範。辞書によって説明の言い回しは違い、両者をほぼ同じ意味として扱う説明もありますが、一般の文書では「基準」が広く使われています。
それぞれの意味
基準(比べる・判断するときの目安)
「基準」は、物事を比べたり、よし悪しを判断したりするときの目安・ものさしを表します。「判断基準」「評価基準」「選考基準」「基準値」「基準日」のように、仕事の文書で広く使われます。「労働基準法」「建築基準法」のように、法令の名前にも使われている書き方です。
規準(のっとるべき手本・決まり)
「規準」は、行動や判断の手本としてのっとるべき決まりを表します。「規」は「規則」「規範」の規で、決まりという意味合いが強い字です。ふだんのビジネス文書で使われることは少なく、特定の分野で決まった言い方として使われることが多い言葉です。
よく見かけるのが、学校の学習評価で使われる「評価規準」です。国立教育政策研究所の参考資料では、次のように説明されています。
評価規準とは,観点別学習状況の評価を的確に行うため,学習指導要領に示す目標の実現の状況を判断するよりどころを表現したものである。(国立教育政策研究所「『指導と評価の一体化』のための学習評価に関する参考資料」)
教育関係の文書を書くときは、その分野の資料で使われている表記にそろえるのが無難です。会社の人事評価や表彰の選考では「評価基準」「選考基準」と書くのが一般的です。
Point
迷ったら「基準」。「規準」は、分野の資料や社内の決まりでその表記が使われているときに合わせる、と考えておけば困りません。
使い分けの早見表
| 言葉 | 意味 | よく組む語 | 例文 |
|---|---|---|---|
| 基準 | 比べたり判断したりするときの目安・よりどころ | 判断基準・評価基準・選考基準・基準値・基準日 | 応募作品は、事前に共有した基準に沿って審査します。 |
| 規準 | 手本としてのっとるべき決まり | 評価規準(学校の学習評価)・行動の規準 | 単元ごとに評価規準を作成します。(教育関係の文書) |
注意
社内のルールを文書にした「規程」「規定」とは別の言葉です。そちらの書き分けは「規定」と「規程」の違いにまとめています。
ビジネス文書・メールでの例文
判断のよりどころを示す(基準)
雨天時の開催可否は、前日◯時の天気予報をもとに判断します。判断の基準は、添付の運営マニュアルの◯ページをご確認ください。
見積もりの比較は、金額だけでなく、納期と対応範囲も基準に入れて行いました。
選考・評価について(基準)
件名:社内表彰の選考基準について
各部署の皆さま
お疲れさまです。総務部の□□です。
今年度の社内表彰について、選考の基準を添付のとおりまとめました。
推薦の際は、どの基準に当てはまるかを推薦理由に書き添えていただけますと助かります。
数値の目安について(基準)
会場の室温は、基準とする温度を事前に決め、当日は担当者が◯時間ごとに確認します。
教育関係の文書で(規準)
研修の振り返りシートは、学校の評価規準の考え方を参考に、目標ごとに「できている状態」を書き出して作りました。
注意
表彰の選考の決め方は社内表彰の選考基準と選考方法、判断の基準を書き込むマニュアルの作り方はイベント運営マニュアルの作り方を参考にしてください。
迷いやすい例と一般的な書き方
| 迷いやすい書き方 | 一般的な書き方 | 考え方 |
|---|---|---|
| 判断規準 | 判断基準 | 判断の目安なので「基準」が一般的 |
| 選考規準を設けます | 選考基準を設けます | 会社の選考では「基準」が一般的 |
| 規準値を超えた場合 | 基準値を超えた場合 | 比べる目安の数値なので「基準」 |
| (観点別評価の資料に合わせたいのに)単元の評価基準を作成する | 単元の評価規準を作成する | 国立教育政策研究所の参考資料は「評価規準」と書いているので、その資料に合わせるなら表記をそろえる |
| 労働規準法 | 労働基準法 | 法令名は正式な表記どおりに書く |
「規準」は誤りではありませんが、一般の読み手には見慣れない書き方に見えることがあります。社外向けの文書では、分野の決まった言い方でない限り「基準」を選んでおくと誤解されにくくなります。
覚え方
| 言葉 | 注目する字 | 覚え方 |
|---|---|---|
| 基準 | 基(もと) | 「基本」「基礎」の基。比べるときのもとになる目安 |
| 規準 | 規(きまり) | 「規則」「規範」の規。のっとるべき決まり |
Point
迷ったら、「ものさし」は基準、「決まり・手本」は規準。そしてふだんの文書は基準と覚えておいてください。
この記事の要点
- 基準は比べる・判断するときの目安(判断基準・選考基準・基準値)。
- 規準は手本としてのっとるべき決まり。使われる場面は限られる。
- 学校の学習評価では「評価規準」という語が使われる。
- 会社の文書・メールではほとんど「基準」で足りる。
- 分野の資料や社内の決まりに表記があれば、それにそろえる。
FAQ
よくある質問
基準は「比べたり判断したりするときの目安」、規準は「手本としてのっとるべき決まり」です。一般の文書では基準のほうが広く使われています。
会社の人事評価や表彰では「評価基準」と書くのが一般的です。社内の規程などで別の表記が決まっている場合は、それに合わせてください。
学校の学習評価で使われる言葉です。国立教育政策研究所の参考資料では、学習指導要領に示す目標の実現の状況を判断するよりどころを表現したもの、と説明されています。
誤りではありませんが、一般の読み手には見慣れない書き方に見えることがあります。分野の決まった言い方でなければ「基準」と書くのが無難です。
基準は判断の目安、規定は個々の決まり(条文)、規程は決まりをまとめた文書を指して使われることが多い言葉です。規定と規程の書き分けは別のページにまとめています。