文例
携帯電話に仕事の電話をかけるマナー
第一声・場面別の例文・留守電の残し方
仕事で相手の携帯電話にかけるときは、自分から先に名乗り、相手が本人かを確かめてから「いまお電話よろしいでしょうか」と聞きます。携帯電話の相手は、移動中・会議中・運転中など、話せない状況にいることが多いからです。話せないと言われたら、かけ直す時間を聞いて短く切ります。この記事では、そのまま言える第一声と、本人以外が出た・途中で切れた・留守電になったなど場面別の例文を、かける前のチェックリストと一緒にまとめます。
結論
そのまま言える第一声:「株式会社△△の□□と申します。◯◯様の携帯電話でよろしいでしょうか。」→(本人と分かったら)「◯◯の件でお電話いたしました。いまお電話よろしいでしょうか。」
初めてかける番号なら、番号を知った経緯(いただいたお名刺から、など)を添えます。夜間・休日に連絡するときの一言は夜間・休日に連絡するときの一言にまとめています。
携帯電話にかけるときの流れ(結論)
- 01
かける前に用件をまとめる
何の件で、相手に何をしてほしいのかを一、二文にまとめます。留守電になったときに残す文も先に決めておきます。
- 02
自分から名乗る
「株式会社△△の□□と申します」。相手が「どちら様ですか」と聞く前に、会社名と名前を言います。
- 03
本人かを確かめる
「◯◯様の携帯電話でよろしいでしょうか」。携帯は家族や同僚が出ることもあるので、本人と分かるまで用件の中身は話しません。
- 04
話せるかを聞く
「いまお電話よろしいでしょうか」。この一言を省かないのが、携帯にかけるときのいちばんのマナーです。
- 05
用件を結論から伝える
何の件で、何をお願いしたいのかを先に言います。細かい資料・金額の話はメールに回します。
- 06
話せなければ、かけ直す
「何時ごろでしたらよろしいでしょうか」と聞き、その時刻にこちらからかけ直します。
- 07
お礼を言って切る
「お忙しいところ、ありがとうございました。失礼いたします」。取引先や目上の相手なら、相手が切ったのを確かめてから静かに切ります。
Point
「いまお電話よろしいでしょうか」は必ず言います。会社の電話と違い、携帯の相手は電車の中、運転中、来客中かもしれません。話せる状況かどうかを確かめずに用件を話し始めると、相手は答えられないまま聞き続けることになります。
かける前のチェックリスト
- 相手から携帯にかけてよいと言われているか、名刺に番号があるか
- 急ぎの用件か(急ぎでなければ会社の電話・メールを先に)
- 用件と結論を一、二文にまとめたか
- 留守電に残す文を決めたか(名乗り・用件の概要・次にどうするか)
- 自分が静かで電波のよい場所にいるか(周りの声・雑音・移動中でないか)
- 取引先の名前や金額の話が周りの人に聞こえない場所か
- 日付・時刻・数字など、伝える情報をメモにしてあるか
- 電話で決まったことをメールで送る準備があるか
会社の電話と携帯電話の違い
| 項目 | 会社の電話にかける | 携帯電話にかける |
|---|---|---|
| 最初に出る人 | 受付や同僚が出て取り次ぐ | 本人が出ることが多いが、家族や同僚のこともある |
| 相手の状況 | 席にいて話せることが多い | 移動中・会議中・運転中のことがある |
| 必ず言う一言 | 「◯◯様はいらっしゃいますか」 | 「◯◯様の携帯電話でよろしいでしょうか」「いまお電話よろしいでしょうか」 |
| 話の長さ | 必要なら資料を見ながら話せる | 短く。細かい話はメールに回す |
| つながらないとき | 伝言を頼む | 留守電・ショートメッセージを短く残す |
| 時間帯 | 相手の会社の営業時間内 | 営業時間内が無難。時間外は急ぎのときだけ |
かけてよい場面と時間帯の考え方
| 場面 | 考え方 |
|---|---|
| 相手から「携帯に連絡を」と言われている | かけてよい。相手の指定した時間帯があれば守る |
| 名刺に携帯番号が載っている | 会社の電話につながらないときや、外出の多い相手にかける |
| 会社にかけたら不在で、急ぎの用件 | 会社の人に携帯にかけてよいか確かめてからかける |
| お客様(個人)が連絡先に携帯番号を書いた | 連絡してよい内容・方法(電話かショートメッセージか)を、申込みのときに聞いておく |
| 勤務時間外・休日 | 急ぎでなければ翌営業日に回す。かける場合は一言添える |
| 人づてに番号を聞いた | 本人の了承がなければ、会社の電話やメールで連絡する |
勤務時間外や休日の業務連絡の扱いは会社によって違います。社用の携帯電話を持っている場合の使い方も含め、会社の決まりに従ってください。相手の会社の決まりが分からないときは、急ぎでない用件は営業時間内にかけるのが無難です。
場面別のトーク例
取引先の担当者の携帯に、初めてかける
自分:株式会社△△の□□と申します。◯◯様の携帯電話でよろしいでしょうか。
相手:はい、◯◯です。
自分:いただいたお名刺の番号にお電話いたしました。◯◯の件で確認したいことがあるのですが、いまお電話よろしいでしょうか。
会社にかけたら外出中で、携帯にかけ直す
自分:株式会社△△の□□と申します。◯◯様の携帯電話でよろしいでしょうか。
相手:はい、◯◯です。
自分:先ほど会社にお電話したところ、外出中と伺い、携帯にお電話いたしました。明日の納品の時間の件で、急ぎ確認したいことがございまして。いま少しよろしいでしょうか。
会社の人から携帯の番号を聞く場合は、相手の会社の人が教えてよいと判断した場合だけです。教えてもらえなかったときは、伝言を残してもらうか、折り返しをお願いします。取り次ぎの流れは電話の取り次ぎを参考にしてください。
本人以外が出た
相手:はい。
自分:株式会社△△の□□と申します。◯◯様の携帯電話でよろしいでしょうか。
相手:◯◯はいま手が離せなくて……。
自分:さようでございますか。それでは、株式会社△△の□□から電話があったことだけお伝えいただけますでしょうか。改めてこちらからお電話いたします。
本人以外が出たときは、用件の中身は話さず、名乗りと「また電話する」ことだけを伝えます。番号が違っていたときは「失礼いたしました。番号を間違えたようです」とお詫びして切り、番号を確かめ直します。
お客様(個人)の携帯に、入荷・予約の連絡をする
自分:△△店の□□と申します。◯◯様の携帯電話でよろしいでしょうか。
相手:はい。
自分:ご注文いただいていた◯◯が入荷いたしましたので、お知らせのお電話です。いまお時間よろしいでしょうか。
相手:はい、大丈夫です。
自分:ありがとうございます。商品は◯日(◯曜日)まで店頭でお預かりしておりますので、その間にお受け取りにお越しください。
お客様の携帯にかけるときは、本人と確かめてから注文の内容などを話します。受け取りの期限など大事な日付は、曜日を添えて伝えます。
相手が移動中・話せないと言われた
相手:いま電車の中なので……。
自分:失礼いたしました。それでは、何時ごろでしたらよろしいでしょうか。
相手:◯時には会社に戻ります。
自分:承知いたしました。では◯時すぎに、改めてお電話いたします。失礼いたします。
相手が運転中だった
相手:いま運転中で。
自分:大変失礼いたしました。急ぎではございませんので、後ほど改めてお電話いたします。どうぞお気をつけて。
運転中と分かったら、用件は言わずにすぐ切ります。相手に「かけ直してください」とお願いするのではなく、こちらからかけ直します。
電波が悪く、途中で切れた・聞き取れない
自分:申し訳ございません、お電話が少し遠いようです。
(切れたら、こちらからかけ直して)
自分:株式会社△△の□□です。先ほどは途中で切れてしまい、失礼いたしました。続きをお話ししてもよろしいでしょうか。
途中で切れたときは、かけた側からかけ直すと、双方が同時にかけてつながらない、ということを避けられます。聞き取れないまま話を進めず、「お電話が遠いようです」と伝えて、場所を変えるかかけ直します。
外出中の上司の携帯にかける(社内)
自分:お疲れさまです。□□です。いまお電話よろしいでしょうか。
◯◯社の◯◯様から、明日の打ち合わせを午後に変えられないかとお電話がありました。◯◯様には、本日中にお返事するとお伝えしています。ご判断をお願いできますでしょうか。
上司の携帯にかけるときも、話せるかを先に確かめ、結論から話します。急ぎでなければ、チャットやメールで送っておくほうが上司の都合で読めます。
休日・時間外に急ぎでかける
自分:株式会社△△の□□と申します。◯◯様の携帯電話でよろしいでしょうか。
相手:はい。
自分:お休みのところ、突然お電話して申し訳ございません。明日の朝に搬入する◯◯の件で、急ぎ確認したいことがあり、お電話いたしました。いま少しだけよろしいでしょうか。
ショートメッセージで一言送る
株式会社△△の□□です。先ほど◯◯の件でお電話いたしました。お手すきの際にお電話をいただけますでしょうか。急ぎではございませんので、ご都合のよいときで構いません。
ショートメッセージは、電話に出られなかった相手への知らせとして使うと便利です。最初に名乗るのを忘れないようにします。仕事の連絡にショートメッセージを使ってよいかは、相手との関係や会社の決まりに合わせてください。
自分の携帯に仕事の電話がかかってきた(受ける側)
自分:はい、□□です。
相手:株式会社◯◯の◯◯です。いまよろしいでしょうか。
自分:お世話になっております。申し訳ございません、いま移動中ですので、◯分ほどで折り返してもよろしいでしょうか。
(かけ直して)
自分:株式会社△△の□□です。先ほどは失礼いたしました。
移動中や人前で受けたときは、その場で長く話さず、折り返す時間を伝えていったん切ります。電話に出られなかった後の折り返しは電話に出られなかったときの折り返しにまとめています。
留守番電話の残し方(テンプレート)
| 順番 | 入れること | 例 |
|---|---|---|
| 一 | 名乗り | 株式会社△△の□□です。 |
| 二 | 用件の概要 | ◯◯の件でお電話いたしました。 |
| 三 | 次にどうするか | 詳しくはメールでお送りいたします。/◯時ごろ改めてお電話いたします。 |
| 四 | 締め | 失礼いたします。 |
取引先あて
株式会社△△の□□です。◯◯の件でお電話いたしました。詳しい内容はメールでお送りいたします。また◯時ごろに、改めてお電話いたします。失礼いたします。
折り返しをお願いしたいとき
株式会社△△の□□です。◯◯の件でご相談したいことがあり、お電話いたしました。お手数ですが、お手すきの際に、◯◯◯の◯◯◯◯にお電話をいただけますでしょうか。番号を繰り返します。◯◯◯の◯◯◯◯です。失礼いたします。
お客様(個人)あて
△△店の□□です。ご注文の品についてのご連絡でお電話いたしました。また改めてお電話いたします。失礼いたします。
注意
留守番電話は短くまとめます。周りの人に聞かれる可能性があるので、金額や注文の中身、個人に関わることなどは残さず、メールや次の電話で伝えます。折り返しの番号は、区切って二度言うと書き取ってもらいやすくなります。会社の電話あてを含む留守電の例文は留守番電話のメッセージ例文にもまとめています。
日付・時刻・数字を聞き間違えられない伝え方
| 伝えるもの | 聞き間違えやすい点 | 伝え方の例 |
|---|---|---|
| 日付 | 日にちだけだと月や週を取り違える | ◯月◯日、◯曜日です(曜日を添える) |
| 時刻 | 午前か午後かが分からない | 午後◯時、夕方の◯時です |
| 似た音の数字 | 「いち」と「しち」など | 「なな」と言い換える。大事な数字は繰り返す |
| 電話番号 | 桁を聞き落とす | 区切って読み、最後にもう一度繰り返す |
| 金額・型番 | 電話では残りにくい | 電話では概要だけ言い、正確な値はメールで送る |
携帯電話は音が途切れることもあるので、大事な日付・時刻・数字は言い方を変えて繰り返すか、電話の後にメールで送ります。
言ってはいけない・避けたい言い方
| 避けたい言い方・やり方 | 受け取られ方 | 言い換え |
|---|---|---|
| もしもし、□□です(会社名を言わない) | 誰からの電話か分からない | 株式会社△△の□□と申します |
| (名乗らずに話し始め、相手に「どちら様ですか」と聞かせる) | かけた側が名乗らないのは失礼に聞こえる | 自分から先に名乗る |
| (話せるか確かめずに用件を話し始める) | 相手が答えられないまま聞くことになる | いまお電話よろしいでしょうか |
| すぐ済むので、いいですか | 相手の状況を無視しているように聞こえる | いま少しだけよろしいでしょうか |
| 何回か電話したんですけど | 責めているように聞こえる | 先ほど何度かお電話いたしまして、失礼いたしました |
| お電話させていただきました | 相手の許しを得る場面ではないので、「させていただく」が過剰に聞こえることがある | お電話いたしました |
| (つながるまで何度も続けてかける) | 相手を急かし、迷惑になる | 留守電とメッセージを残し、時間をおいてかける |
| (電波が悪いのに話し続ける) | 大事なところが伝わらない | お電話が遠いようです。かけ直してもよろしいでしょうか |
よくある失敗と防ぎ方
- 本人と確かめる前に用件を話した:出たのが家族や同僚だった。→最初に「◯◯様の携帯電話でよろしいでしょうか」と聞く。
- 留守電で言葉に詰まった:用件が長くなり、何を頼みたいのか伝わらなかった。→かける前に残す文を決めておく。
- 外の騒がしい場所からかけた:相手が聞き取れず、何度も聞き返させた。→静かな場所に移ってからかける。
- 電話だけで済ませた:日時の行き違いが起きた。→決まったことは短くメールで送る。
- かけ直すと言って忘れた:相手が待っていた。→約束した時刻をその場で予定に入れる。
電話の後のフォロー(お礼・お詫び)
時間外にかけた後のお詫びとお礼
件名:昨夜のお電話のお礼(株式会社△△ □□)
◯◯様
株式会社△△の□□です。
昨夜は、夜分に携帯へお電話してしまい、失礼いたしました。
急なご相談にもかかわらずご対応いただき、ありがとうございました。
お電話でお決めいただいたとおり、◯◯は明朝◯時に搬入いたします。
携帯で話した内容をメールで送る
先ほどは外出中のところ、お時間をいただきありがとうございました。お電話でお話しした内容を、念のためお送りいたします。
携帯での会話は、相手が手元でメモを取れていないことがあります。決まったことは短くメールで送ると、相手が後で確かめられます。
この記事の要点
- 第一声は「株式会社△△の□□と申します。◯◯様の携帯電話でよろしいでしょうか」。自分から先に名乗る。
- 本人と分かったら「いまお電話よろしいでしょうか」。本人以外には用件の中身を話さない。
- 話せない・運転中と言われたらかけ直す時間を聞いてすぐ切り、こちらからかけ直す。
- 留守電は名乗り・用件の概要・次にどうするかだけを短く。金額や個人に関わることは残さない。
- 日付は曜日を添え、大事な数字は繰り返すかメールで送る。
FAQ
よくある質問
相手から携帯に連絡してよいと言われている場合や、名刺に携帯の番号が載っている場合は失礼ではありません。ただ、急ぎでない用件なら会社の電話やメールを先に使い、携帯は急ぎのときや外出の多い相手に使うのが無難です。
「株式会社△△の□□と申します。◯◯様の携帯電話でよろしいでしょうか」と自分から名乗って相手を確かめ、本人と分かったら「◯◯の件でお電話いたしました。いまお電話よろしいでしょうか」と続けます。
用件の中身は話さず、「株式会社△△の□□から電話があったことだけお伝えいただけますでしょうか。改めてこちらからお電話いたします」と伝えて切ります。
決まった時間はなく、相手の会社の営業時間内にかけるのが無難です。相手から「この時間なら」と指定されていれば、それに従います。勤務時間外や休日の業務連絡の扱いは会社によって違うので、会社の決まりに従ってください。
かけた側からかけ直すと、双方が同時にかけてつながらないことを避けられます。かけ直したら「先ほどは途中で切れてしまい、失礼いたしました」と添えます。
続けて何度もかけると相手を急かすことになります。一度かけてつながらなければ、留守番電話かショートメッセージで名乗りと用件の概要を残し、時間をおいてからかけ直します。急ぎの場合は、メールでも同じ内容を送っておきます。
名乗り、用件の概要、次にどうするか(メールを送る・改めて電話する・折り返しをお願いする)の三つを短く残します。金額や個人に関わることは残さず、メールで送ります。
「申し訳ございません、いま移動中ですので、◯分ほどで折り返してもよろしいでしょうか」と伝えて、いったん切ります。折り返すときは「先ほどは失礼いたしました」と添え、会社名と名前から名乗ります。