言葉の使い分け
過程・課程の違い
使い分けと例文、修士課程は?
結論から言うと、物事が進んだり変わったりしていく道筋なら「過程」、学校や研修などで学ぶ内容と順序を決めたひとまとまりなら「課程」と書くのが一般的です。見分けるコツは、「プロセス」に言い換えられるか、「コース・カリキュラム」に言い換えられるか。また、「修了する」「履修する」と組むのは「課程」です。たとえば「選考の過程で、追加の資料をお願いすることがございます」、「◯◯大学大学院修士課程修了」と書き分けます。このページでは、それぞれの意味、早見表、メール・書類の例文、迷いやすい書き方の直し方、覚え方をまとめました。
結論
過程は、物事が進行・変化して、ある結果に至るまでの道筋。課程は、学校などで、ある期間に学ぶよう割り当てられた内容とその順序。辞書によって説明の言い回しは少しずつ違いますが、おおむねこの区別で使われています。
それぞれの意味
過程(進んでいく道筋・プロセス)
「過程」の「過」は「経過」「通過」の過で、通り過ぎていく様子を表します。物事が始まってから結果に至るまでの、途中の道筋を指し、「製造過程」「選考過程」「検討の過程」「成長の過程」「作業の過程」のように使います。
仕事の場面では、「プロセス」とほぼ同じ意味で使われることが多い言葉です。
課程(学ぶ内容と順序のひとまとまり)
「課程」の「課」は「課題」「日課」の課で、割り当てられたものを表します。学校や研修などで、一定の期間に学ぶよう決められた内容と順序を指し、「教育課程」「修士課程」「博士課程」「教職課程」「研修の課程」のように使います。
「課程を修了する」「課程を履修する」のように、修了・履修・修めると組むのが「課程」の目印です。
Point
過程は「通り過ぎていく道筋」、課程は「割り当てられた学びのコース」。途中の様子を言うなら過程、決められた学びのまとまりを言うなら課程です。
使い分けの早見表
| 言葉 | 意味 | よく組む語 | 例文 |
|---|---|---|---|
| 過程 | 物事が進んで結果に至るまでの道筋 | 製造・選考・検討・成長・作業・途中 | 検討の過程で、別の案も出てきました。 |
| 課程 | 学ぶよう決められた内容と順序 | 教育・修士・博士・教職・研修・修了・履修 | 全ての研修課程を修了しました。 |
注意
研修の案内や報告では、「課程」より「研修プログラム」「カリキュラム」と書くことも多くあります。どちらでもかまいませんが、一つの文書の中では表記をそろえると読みやすくなります。研修の報告の書き方は研修報告書の書き方にまとめています。
ビジネス文書・メールでの例文
応募者への連絡(過程)
選考の過程で、追加の資料をお願いすることがございます。その際は、改めてメールでご連絡いたします。
品質についての報告(過程)
不具合の原因を調べたところ、製造過程の検品の手順に抜けがあったことが分かりました。再発防止の対策を、別紙にまとめております。
提案の説明(過程)
結論に至るまでの検討の過程も、参考として資料の後半に載せております。お目通しいただけますと幸いです。
研修の案内(課程)
新任管理職研修は、全◯回の課程です。全ての回に出席された方に、修了証をお渡しします。
研修の報告(課程)
◯月◯日をもちまして、◯◯研修の全課程を修了いたしましたので、ご報告いたします。研修で学んだ内容は、報告書にまとめて提出いたします。
経歴の書き方(課程)
◯◯大学大学院 ◯◯研究科 修士課程 修了
注意
研修の告知文は研修のお知らせの例文、研修後の報告は研修報告書の書き方を参考にしてください。修了証を作るなら賞状・証書の作成ツールも使えます。
迷いやすい例と一般的な書き方
| 迷いやすい書き方 | 一般的な書き方 | 考え方 |
|---|---|---|
| 修士過程修了 | 修士課程修了 | 学ぶ内容のまとまりなので「課程」 |
| 博士過程に進学 | 博士課程に進学 | 同じく「課程」 |
| 研修過程を修了しました | 研修課程を修了しました | 「修了」と組むので「課程」 |
| 選考課程でお願いすることがあります | 選考過程でお願いすることがあります | 選考が進む途中なので「過程」 |
| 製造課程で不具合が見つかりました | 製造過程で不具合が見つかりました | 作る途中の道筋なので「過程」 |
| 検討の課程を共有します | 検討の過程を共有します | 考えが進んだ道筋なので「過程」 |
「過程」と似た言葉に「経過」「経緯」があります。「経過」は時間がたつことやその間の様子、「経緯(いきさつ)」は物事がそうなった事情や成り行きを指して使われます。報告書で「どうしてそうなったか」を書くなら「経緯」、「どう進んできたか」を書くなら「過程」がなじみやすい言葉です。
覚え方
| 言葉 | 注目する字 | 覚え方 |
|---|---|---|
| 過程 | 過(すぎる) | 「通過」の過。結果まで通り過ぎていく道筋 |
| 課程 | 課(わりあてる) | 「課題」「日課」の課。学ぶよう割り当てられたコース |
Point
迷ったら、「修了」できるのが課程、「途中」を言うのが過程と思い出してください。
この記事の要点
- 過程は物事が進んで結果に至るまでの道筋(選考過程・製造過程)。
- 課程は学ぶよう決められた内容と順序(修士課程・研修の課程)。
- 「修了」「履修」と組むなら課程、「プロセス」と言い換えられるなら過程。
- 経歴は「修士課程 修了」のように「課程」で書く。
- 「どうしてそうなったか」は経緯、「どう進んできたか」は過程。
FAQ
よくある質問
過程は「物事が進んで結果に至るまでの道筋」、課程は「学ぶよう決められた内容と順序のまとまり」です。プロセスと言い換えられるなら過程、コースやカリキュラムと言い換えられるなら課程です。
大学院で学ぶ内容のまとまりを指すので「修士課程」と書くのが一般的です。博士課程・教職課程も同じく「課程」です。
選考が進んでいく途中の道筋を指すので「選考過程」と書くのが一般的です。
どちらも使われます。「全課程を修了」のように修了と組むなら「課程」、内容の一覧を示すなら「プログラム」「カリキュラム」が使いやすいです。一つの文書の中では表記をそろえると読みやすくなります。
「過程」は物事がどう進んできたかという道筋、「経緯」はそうなった事情や成り行きを指して使われます。トラブルの報告で理由や事情を説明するときは「経緯」がなじみやすい言葉です。