言葉の使い分け
補足・捕捉の違い
使い分けと例文、覚え方
結論から言うと、足りないところを補って付け加えるなら「補足」、対象をとらえる・つかまえるなら「捕捉」と書くのが一般的です。ビジネスのメールや資料で説明や情報を足す場面は、ほとんどが「補足」です。見分けるコツは、「補う」に置き換えられるか、「とらえる」に置き換えられるか。たとえば「先ほどのご説明に一点補足いたします」(説明を補う)、「監視システムがエラーを捕捉しました」(エラーをとらえる)と書き分けます。このページでは、それぞれの意味、早見表、メールの例文、迷いやすい書き方の直し方、覚え方をまとめました。
結論
補足は、不十分なところや足りないところを補って付け足すこと。捕捉は、とらえること、つかまえること。辞書によって説明の言い回しは少しずつ違いますが、おおむねこの区別で使われています。
それぞれの意味
補足(足りないところを補って付け足す)
「補足」の「補」は「補う」「補充」の補です。説明・資料・情報などに足りない部分があるとき、それを付け加えて完全に近づけることを表します。「補足説明」「補足資料」「補足事項」「補足する」「補足いたします」のように使います。
仕事の場面では、会議での発言、メールの追記、資料の注記など、言葉や情報を足すときはまず「補足」と考えてかまいません。
捕捉(とらえる・つかまえる)
「捕捉」の「捕」は「捕まえる」「捕獲」の捕です。動いているものや目に見えにくいものを、とらえて押さえることを表します。「レーダーで機影を捕捉する」「位置情報を捕捉する」のように使い、IT の分野では「例外を捕捉する」「エラーを捕捉する」のような言い方もされます。
「相手の真意を捕捉する」のように、意味や考えをつかみ取る意味で使われることもありますが、硬い言い方です。メールでは「真意をくみ取る」「意図を把握する」と書くほうが読みやすくなります。
Point
補足=補って足す、捕捉=捕まえる。説明や資料に「足す」なら補足、何かを「とらえる」なら捕捉、と考えると選びやすくなります。
使い分けの早見表
| 言葉 | 意味 | よく組む語 | 例文 |
|---|---|---|---|
| 補足 | 足りないところを補って付け足す | 説明・資料・事項・情報・コメント・追記 | 前回のメールに一点補足いたします。 |
| 捕捉 | とらえる・つかまえる | 位置・信号・機影・エラー・例外・動き | 監視システムが異常を捕捉しました。 |
注意
メールで内容を付け足すときは、件名や冒頭に「補足」と入れておくと、前のメールとのつながりが分かりやすくなります。送り直す場合の書き方はメールを再送するときの例文にまとめています。
ビジネス文書・メールでの例文
前のメールに付け足す(補足)
件名:【補足】◯月◯日のお打ち合わせについて
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
先ほどお送りしたメールに、一点補足いたします。
当日は会場の駐車場が使えないため、公共交通機関でお越しいただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
会議で説明を足す(補足)
◯◯さんのご説明に少し補足しますと、この費用には当日の運営スタッフの人件費も含まれています。
資料に添える(補足)
詳しい算出の方法は、補足資料として末尾にまとめました。あわせてご確認いただけますでしょうか。
相手に説明を足してもらう(補足)
いただいた資料について、◯◯の項目の意味を補足していただけますと助かります。お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
議事録に書き足す(補足)
(補足)議題2で触れた「予備日」は、◯月◯日(◯)を指す。
システムの報告(捕捉)
本日◯時ごろ、監視の仕組みがサーバーの異常を捕捉したため、担当者が確認にあたっています。状況が分かり次第、改めてご連絡いたします。
注意
議事録の書き方は議事録の書き方とテンプレート、システムの不具合を知らせる文面はシステム障害のお詫びの例文を参考にしてください。
迷いやすい例と一般的な書き方
| 迷いやすい書き方 | 一般的な書き方 | 考え方 |
|---|---|---|
| 捕捉説明 | 補足説明 | 説明に足りないところを補うので「補足」 |
| 捕捉資料を添付します | 補足資料を添付します | 資料で情報を足すので「補足」 |
| 一点捕捉いたします | 一点補足いたします | 言葉を付け足すので「補足」 |
| 【捕捉】前回のメールについて | 【補足】前回のメールについて | 件名でも同じく「補足」 |
| レーダーで機影を補足した | レーダーで機影を捕捉した | とらえるので「捕捉」 |
| エラーを補足する処理 | エラーを捕捉する処理 | 発生したエラーをとらえるので「捕捉」 |
変換で先に「捕捉」が出てきて、そのまま送ってしまうことがあります。「ほそく」と打って出てきた字が「捕」になっていないか、送る前に確かめると安心です。
「補足させていただきます」は、会議などで相手の発言に言葉を足す許しを求める気持ちを込めて使われます。メールで自分の説明を足すだけなら、「補足いたします」で十分丁寧です。
覚え方
後ろの字(足・捉)より、最初の字(補・捕)に注目すると覚えやすくなります。
| 言葉 | 注目する字 | 覚え方 |
|---|---|---|
| 補足 | 補(おぎなう) | 「補充」の補。足りない分を補って足す |
| 捕捉 | 捕(つかまえる) | 「捕まえる」の捕。後ろの「捉」も「捉える」で、どちらもつかむ意味 |
Point
迷ったら、説明を「補う」のが補足、何かを「捕まえる」のが捕捉と思い出してください。
この記事の要点
- 補足は足りないところを補って付け足すこと(補足説明・補足資料)。
- 捕捉はとらえる・つかまえること(位置の捕捉・エラーの捕捉)。
- メールや資料で説明を足す場面は、ほとんどが「補足」。
- 件名に入れるなら【補足】。変換の取り違えに注意。
- 自分の説明を足すだけなら「補足いたします」で十分丁寧。
FAQ
よくある質問
説明に足りないところを補う意味なので「補足説明」と書くのが一般的です。
とらえる・つかまえる意味のときです。レーダーで機影を捕捉する、位置情報を捕捉する、プログラムでエラーを捕捉する、のように使います。ビジネスのメールで説明を付け足す場面ではまず使いません。
敬語として誤りではありません。会議で相手の発言に言葉を足すときなど、許しを求める気持ちを込めたい場面で使われます。メールで自分の説明を足すだけなら「補足いたします」で十分丁寧です。
どちらも情報を足すときに使いますが、「補足」は足りないところを補う意味が中心で、「追記」はあとから書き加えることを指します。前の説明が不十分だったなら補足、新しく分かったことを書き足すなら追記、と使い分けることが多いです。
「◯◯の点について、補足していただけますと助かります」や「もう少し詳しくお聞かせいただけますでしょうか」と書きます。どの部分の説明がほしいのかを具体的に書くと、相手も答えやすくなります。