敬語
「ご配慮」の意味と使い方
そのまま使える例文とご考慮との違い
「ご配慮(ごはいりょ)」は、相手がこちらの事情を思いやって、心を配ってくれることを敬って言う言葉です。取引先・上司・お客様のいずれにも使えます。すぐ使うなら、お礼は「日程についてご配慮いただき、誠にありがとうございます。」、お願いは「事情をお汲み取りのうえ、ご配慮のほどよろしくお願いいたします。」。自分が気を配ると言うときは「ご」を付けず「配慮いたします」。似た「ご考慮」は判断の材料に入れて考えてもらうことで、意味が異なります。このページでは、場面別にそのまま貼れる一文とメール例文、類語との違い、英語、送る前のチェックをまとめました。
結論
「配慮」は相手や周りのことを思いやって、心を配ることです。相手の行為に「ご」を付けた「ご配慮」は、相手がこちらのために気を配ってくれることを敬って言う言い方で、「ご配慮いただき」「ご配慮のほど」「ご配慮を賜り」の形でお礼にもお願いにも使います。
結論:3つの使い方と基本の一文
| 使う目的 | 基本の一文 | ひとこと |
|---|---|---|
| お礼 | ご配慮いただき、誠にありがとうございます。 | 何に配慮してもらったかを前に書く |
| お願い | ご配慮のほど、よろしくお願いいたします。 | 理由と、してほしいことを前に書く |
| 事情を察してほしい | 事情をお汲み取りのうえ、ご配慮いただけますと幸いです。 | 詳しく書けない事情があるときに |
| 自分が気を配る | 十分に配慮いたします。 | 「ご」は付けない |
「ご配慮」の意味と成り立ち
「配慮」は「配る」と「慮る(おもんぱかる)」を合わせた言葉で、相手の立場や事情を考えて、心を配ることを表します。「ご配慮」と相手の行為として言うと、こちらの事情を汲んで、扱いや段取りを工夫してくれたことへの感謝やお願いになります。
お願いで使う「ご配慮のほど」は、こちらの事情に合わせた対応をしてほしいという意味合いを含みます。言い方によっては特別な扱いを求めているように受け取られることもあるので、なぜ配慮をお願いしたいのかを必ず書き添えます。
そのまま使える一文(場面別)
お礼
- こちらの都合に合わせて日程をご調整いただき、ご配慮に感謝いたします。
- 開始時間を遅らせていただくなど、ご配慮いただき誠にありがとうございます。
- 急なお願いにもかかわらず、柔軟にご配慮いただき大変助かりました。
- 提出期限について格別のご配慮を賜り、厚く御礼申し上げます。
- 同行者の体調を気にかけていただき、細やかなご配慮に感謝しております。
- 当日の席の配置までご配慮いただき、落ち着いてお話しすることができました。
- 私どもの事情をお汲み取りいただき、温かいご配慮をありがとうございました。
- 在任中は数々のご配慮をいただき、心より感謝申し上げます。
お願い
- 資料の到着が遅れているため、提出期限についてご配慮のほどよろしくお願いいたします。
- 車椅子をご利用の方が参加されるため、会場の動線についてご配慮いただけますと幸いです。
- 小さなお子様連れの方もいらっしゃるため、お席の位置にご配慮いただけますでしょうか。
- 個人情報を含む資料のため、取り扱いには十分ご配慮くださいますようお願いいたします。
- 当日は撮影がございますので、写り込みを望まれない方へのご配慮をお願いいたします。
- 何卒ご配慮のほど、よろしくお願い申し上げます。
- 格別のご配慮を賜りますよう、お願い申し上げます。
事情を察してほしいとき
- 詳しい事情を記さずに恐縮ですが、お汲み取りいただけますと幸いです。
- 家庭の事情により、当面の間は定時で退勤させていただきたく、ご配慮をお願いできますでしょうか。
- 諸般の事情により今回は見送らせていただくこととなりました。ご理解とご配慮をいただけますと幸いです。
自分が配慮すると伝える
- 参加者の安全には十分配慮いたします。
- ご近所への音漏れには配慮して進行いたします。
- 皆様のご負担にならないよう、時間には配慮して進めてまいります。
「ご考慮」との違い
| 比べる点 | ご配慮 | ご考慮 |
|---|---|---|
| 意味 | 相手のために心を配る | ある事情を判断の材料に入れて考える |
| お願いの中身 | 扱いや段取りを工夫してほしい | 検討するときに考えに入れてほしい |
| 例 | 車椅子をご利用の方が参加されるため、ご配慮をお願いいたします | 納期の事情もご考慮のうえ、ご検討いただけますと幸いです |
| お礼で | よく使う(ご配慮いただき) | あまり使わない |
「ご考慮」は相手が判断するときの考え方に関わる言葉で、「ご配慮」は相手の思いやりや対応に関わる言葉です。見積や条件の検討をお願いするときは「ご考慮」、こちらの事情に合わせた扱いをお願いするときは「ご配慮」と覚えておくと迷いません。
Point
迷ったら、お礼は「ご配慮」。お願いでは、相手に「考えに入れてほしい」のか「気を配ってほしい」のかで選び分けます。
似た言葉との違い(ご高配・お気遣いなど)
| 言葉 | 意味の中心 | 向いている場面 | 例 |
|---|---|---|---|
| ご配慮 | 事情を考えて扱いや段取りを工夫する | 日程・期限・席・手配など、対応してもらったこと | 日程についてご配慮いただき |
| お気遣い | 相手の気持ちや体調を気にかける | お見舞い・差し入れ・声かけなど | 体調までお気遣いくださり、恐れ入ります |
| お心配り | 細かなところまで心を行き届かせる | おもてなし・贈り物など、やわらかく言いたいとき | 行き届いたお心配りに、一同恐縮しております |
| ご高配 | 相手の配慮を高めて言う改まった語 | お礼状・あいさつ状・文書の冒頭 | 平素は格別のご高配を賜り |
| お察し | 口に出さない事情を推し量る | 詳しく書けない事情を汲んでほしいとき | 言葉足らずの点はお察しください |
| ご考慮 | 判断の材料に入れて考える | 見積・条件・選考の検討 | その点もご考慮いただけますと幸いです |
「お気遣い」「お心遣い」の違いはお心遣いとお気遣いの違い、「ご高配」の使い方はご高配・ご愛顧の意味で詳しく扱っています。
使える場面・使わないほうがよい場面
| 場面 | 使い方 | 例 |
|---|---|---|
| 日程・時間を合わせてもらったお礼 | 使える | 日程についてご配慮いただき |
| 期限の延長などをお願いする | 使える(理由を書く) | 事情をお汲み取りのうえ、ご配慮のほど |
| 参加者・来場者への気配りをお願いする | 使える | ◯◯の方へのご配慮をお願いいたします |
| 席・控室などの手配へのお礼 | 使える | 細やかなご配慮をいただき |
| 見積・条件の検討をお願いする | 「ご考慮」のほうが合う | ◯◯の点もご考慮いただけますと幸いです |
| 自分が気を配ると伝える | 「ご」を付けない | 十分に配慮いたします |
| 社内の同僚に | 硬すぎることがある | 気をつかってくれてありがとう |
言い換え一覧(丁寧さの段階つき)
| 言い方 | 丁寧さ | 使いやすい場面 |
|---|---|---|
| 格別のご配慮を賜り、厚く御礼申し上げます | 最も改まった言い方 | 正式なお礼状・あいさつ状 |
| ご配慮を賜りますようお願い申し上げます | 最も改まった言い方 | 改まった文書でのお願い |
| ご配慮のほど、よろしくお願いいたします | 改まった言い方 | 取引先・上司へのお願い |
| ご配慮いただき、誠にありがとうございます | 改まった言い方 | 取引先・上司へのお礼 |
| ご配慮いただけますと幸いです | 改まった言い方(やわらかい) | 断られる余地を残したいお願い |
| ご考慮いただけますと幸いです | 改まった言い方 | 条件・判断に関わるお願い |
| 気をつかってくれてありがとう | 標準 | 社内の同僚・後輩 |
お礼のときは、どんな配慮をしてもらったのかを具体的に書くと気持ちが伝わります。「ご配慮いただき」だけでなく、「開始時間を遅らせていただき」のように中身を添えます。
場面別のメール例文
日程を合わせてもらったお礼
件名:Re: ◯◯のお打ち合わせ日程について
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
こちらの都合に合わせて開始時間を遅らせていただき、誠にありがとうございます。
ご配慮いただいたおかげで、担当の◯◯も同席できることになりました。
当日はどうぞよろしくお願いいたします。
提出期限の延長をお願いする
件名:◯◯ご提出期限についてのご相談
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
◯月◯日(◯)が期限の◯◯について、ご相談がありご連絡いたしました。
先方からの資料の到着が遅れており、期限までに内容を確かめきれない見込みです。
大変恐縮ですが、◯月◯日(◯)までお待ちいただくことは可能でしょうか。
事情をお汲み取りのうえ、ご配慮のほどよろしくお願いいたします。
会場に参加者への配慮をお願いする
件名:◯月◯日 ◯◯ご利用時のお願い
◯◯ご担当者様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
◯月◯日(◯)に貴館で開催する◯◯について、ご相談がございます。
参加者の中に車椅子をご利用の方がいらっしゃるため、入口から会場までの経路と、お手洗いの場所について事前にご案内いただけますでしょうか。
当日の受付付近の動線についても、ご配慮いただけますと幸いです。
詳しく書けない事情で欠席を伝える(察してほしい)
件名:◯月◯日 ◯◯欠席のご連絡
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
◯月◯日(◯)の◯◯につきまして、誠に勝手ながら、一身上の都合により欠席させていただきたく、ご連絡いたしました。
直前のご連絡となり、大変申し訳ございません。
詳しい事情を記さずに恐縮ですが、お汲み取りいただけますと幸いです。
資料は後日、担当の◯◯から受け取らせていただきます。
見積の条件を考えに入れてもらう(ご考慮)
件名:◯◯お見積もりについてのご相談
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
先日はお見積書をお送りいただき、ありがとうございました。
社内で検討したところ、予算に少し届かない状況です。
今回は◯回分をまとめて発注する予定ですので、その点もご考慮のうえ、再度お見積もりいただけますと幸いです。
席や控室の手配へのお礼
件名:◯◯ご招待のお礼
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
先日は◯◯にお招きいただき、誠にありがとうございました。
同行した◯◯の体調を気にかけて、控室の近くに席をご用意いただくなど、細やかなご配慮をいただき感謝しております。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
勤務時間に配慮してくれた上司へのお礼(社内)
件名:勤務時間の件のお礼
◯◯課長
お疲れさまです。□□です。
家族の通院のため、今月の勤務時間についてご配慮いただき、ありがとうございました。
業務に支障が出ないよう、引き継ぎと共有をこまめに行います。
何かあればいつでもお声がけください。
参加者へ配慮のお願いを案内する(社外向け告知)
◯◯ご参加の皆様へ
当日は会場内で記録用の写真撮影を行います。
写り込みを望まれない方は、受付でお申し出ください。目印のシールをお渡しし、撮影の際に配慮いたします。
また、ほかの参加者の方を撮影される際は、ご本人への声かけなど、ご配慮をお願いいたします。
イベントで参加者に配慮した準備をする方法はイベントのバリアフリーと合理的配慮にまとめています。期限の延長など依頼メール全体の組み立ては依頼メールの例文を見てください。
「ご配慮」の英語表現
| 伝えたいこと | 英語 | メモ |
|---|---|---|
| 配慮へのお礼 | Thank you for your consideration. | 検討してくれたことへのお礼にも使うため、何への配慮かを続けると誤解されにくい |
| 具体的な対応へのお礼 | Thank you for accommodating our schedule. | 日程・要望に合わせてもらったとき |
| 気配りへのお礼 | I appreciate your thoughtfulness. | 思いやりそのものをほめるとき |
| 配慮のお願い | We would appreciate your understanding. | 事情を汲んでほしいとき |
よくある間違い
| 書きがちな言い方 | 気になる点 | 直し方 |
|---|---|---|
| 参加者の安全に十分ご配慮いたします | 「ご配慮」は相手の心配りを敬う言い方として使われるため、自分に付けると違和感を持たれやすい | 参加者の安全に十分配慮いたします |
| ご配慮してください | 「ご〜する」は自分の動作に使う形なので、相手への依頼としては不自然 | ご配慮ください/ご配慮のほどお願いいたします |
| ご配慮される | 「ご……される」は、本来、尊敬語の適切な形ではないとされている | ご配慮くださる/ご配慮いただく |
| (見積の再検討を頼むのに)価格をご配慮ください | 値引きを強く求めているように聞こえることがある | ◯◯の点もご考慮いただけますと幸いです |
| 理由を書かずに「ご配慮のほど」だけ | 何をどう配慮すればよいか相手に分からない | 事情と、してほしいことを具体的に書く |
送る前のチェック
- 相手の行為に「ご配慮」、自分の行為に「配慮いたします」と使い分けている
- お礼なら、何に配慮してもらったのかを具体的に書いている
- お願いなら、理由と、してほしいことを書いている
- 判断・検討をお願いする文では「ご考慮」のほうが合わないか確かめた
- 「ご配慮される」「ご配慮してください」になっていない
- 社内の同僚宛てで、硬すぎる言い方になっていない
「ご配慮いただき」とお礼を言われたときの返事
お礼を言われたら、「とんでもないことでございます」と受け止め、ほかに困っていることがないかを一言添えると親切です。配慮をお願いされたときは、できること・できないことを具体的に返します。
◯◯様
お世話になっております。株式会社△△の□□です。
ご丁寧にありがとうございます。とんでもないことでございます。
当日、ほかにもご不便な点がございましたら、遠慮なくお知らせください。
どうぞよろしくお願いいたします。
この記事の要点
- 「ご配慮」は相手がこちらのために心を配ってくれることを敬って言う言葉。読みは「ごはいりょ」。
- お礼は「ご配慮いただき、ありがとうございます」、お願いは「ご配慮のほど、よろしくお願いいたします」。
- 判断の材料に入れてほしいときは「ご考慮」、気持ちを気にかけてもらったなら「お気遣い」。
- 自分が気を配るときは「配慮いたします」と「ご」を付けない。
- お願いには理由と、してほしいことを必ず添える。
FAQ
よくある質問
「ご配慮」は相手がこちらのために心を配ってくれることで、お礼にもお願いにも使います。「ご考慮」はある事情を判断の材料に入れて考えることで、見積や条件の検討をお願いするときに使います。
使えます。上司・取引先・お客様へのお礼に使える丁寧な言い方です。改まった文書では「格別のご配慮を賜り、厚く御礼申し上げます」とします。
「ご配慮」は相手の行為を敬う言い方なので、自分には使いません。「十分に配慮いたします」と「ご」を付けずに使います。
こちらの事情に合わせた扱いをお願いするときに使います。特別な扱いを求めているように受け取られないよう、事情と、してほしいことを具体的に書き添えます。
日程・期限・席の手配など、扱いや段取りを工夫してもらったときは「ご配慮」、体調や気持ちを気にかけてもらったときは「お気遣い」が合います。
どちらも相手の配慮へのお礼に使えます。「いただき」は自分がありがたく受け取る側から、「くださり」は相手がしてくれた側から言う形です。
お礼なら Thank you for your consideration. や Thank you for accommodating our schedule. のように、何に配慮してもらったかを添えて言うと伝わりやすくなります。
「ごはいりょ」と読みます。