手順
展示会の出展目的と目標の立て方
目的別の目標例
展示会の出展が「毎年出ているから」になると、会期後に出てよかったのかどうかを誰も判断できなくなります。先に決めるのは、何のために出るか(目的)と、会期後に何を数えて判断するか(目標)の二つです。このページでは、目的別の目標の例と、目標をブースの中身に落とすまでの順番をまとめました。
結論
目的は出展で達成したいこと(例:新規の商談を作る)、目標はそれを会期後に数えて確かめる基準(例:打ち合わせの約束の件数)です。目的は主となるものを一つに絞り、目標は名刺の枚数ではなく、目的に直接つながる数で決めます。
目的と目標の違い
| 目的 | 目標 | |
|---|---|---|
| 何を書くか | 出展で達成したいこと | 達成できたかを数える基準 |
| 例 | 新規の商談を作る | 会期中に取れた打ち合わせの約束の件数 |
| 決める人 | 経営・事業の責任者 | 出展の責任者と営業 |
| 使う場面 | 出るか出ないか、どの展示会に出るか | ブースの施策、スタッフの動き、会期後の評価 |
Point
目的が三つも四つもあると、ブースの中身が決まりません。 主となる目的を一つ決め、ほかは「できればやること」として扱います。
出展目的の種類と、目標の例
| 出展目的 | 目標の例(数えるもの) | ブースで力を入れること |
|---|---|---|
| 新規の見込み客との商談を作る | 打ち合わせの約束の件数、Aランクの名刺の件数 | 課題の聞き取り、その場での日程調整 |
| 既存顧客との関係を深める | 来場した取引先の件数、新しい提案の機会 | 招待状、個別の面談の予約 |
| 新製品・新サービスを知ってもらう | デモを見た人の数、資料の請求件数 | デモの見せ方、実演の時間割 |
| 代理店・パートナーを探す | パートナー候補との面談件数 | パートナー向けの資料、面談スペース |
| 採用・会社を知ってもらう | 会社説明を聞いた人の数、応募や問い合わせ | 会社紹介のパネル、若手社員の配置 |
| 市場の反応を確かめる | 聞き取りの件数、集まった意見の内容 | アンケート、試作品の展示 |
注意
目標の数は過去の自社の実績から決めます。他社や業界の平均は、展示会の規模や商材が違うと使えません(展示会の費用対効果の計算方法)。
目標の数を決める順番(受注からの逆算)
- 01
会期後の受注の目標を置く
この展示会から受注につなげたい件数を、営業の計画から決める。
- 02
必要な商談の数に戻す
自社の過去の実績で、商談から受注になる割合を使って逆算する。
- 03
必要なAランクの名刺の数に戻す
Aランクの名刺から商談になる割合を、過去の展示会の記録で当てる。
- 04
会期中の一日あたりに割る
会期の日数で割り、毎日の朝礼で伝える目標にする。
初めて出展する場合は過去の実績がありません。そのときは今回の結果を記録して、次回の基準を作ることを目標の一つにします(初めて展示会に出展する)。
目標をブースの施策とスタッフの動きに落とす
- 目標に合った相手が立ち止まる見出しをパネルに書いた
- ノベルティは目的に合う相手が持ち帰るものにした
- アンケートに目標を数えるための質問がある
- スタッフが毎日の目標の数を知っている
- 名刺のランクの付け方を全員が同じ基準で使える
名刺の枚数を目標にすると、ノベルティ目当ての名刺が増えて数字だけが伸びます。スタッフへの伝え方は展示会ブーススタッフの教育、アンケートの項目は展示会アンケートの項目と例にまとめています。
会期後の振り返り
- 01目標の数に対して、会期中の実績はどうだったか
- 02数か月後に、商談と受注にどれだけつながったか
- 03目標に届かなかった理由はどこか(来場者の層、ブース、声かけ、フォロー)
- 04次回も出るか、別の展示会にするか
受注は会期のすぐ後には出ないことが多いので、振り返りは会期直後と数か月後の二回に分けます。指標の考え方はイベントのKPI設定と効果測定、報告書の書き方はイベント報告書を参照してください。
この記事の要点
- 目的は一つに絞り、目標は会期後に数えられるもので決める。
- 名刺の枚数ではなく目的に直接つながる数を目標にする。
- 目標の数は受注から逆算し、自社の過去の実績を使う。
- 目標をパネル・ノベルティ・アンケート・スタッフの動きに落とす。
- 振り返りは会期直後と数か月後の二回。
FAQ
よくある質問
新規の見込み客との商談を作る、既存顧客との関係を深める、新製品を知ってもらう、代理店やパートナーを探す、採用や会社を知ってもらう、市場の反応を確かめる、などがあります。主となる目的を一つに絞ると、ブースの中身が決めやすくなります。
目的は出展で達成したいこと、目標はそれが達成できたかを会期後に数える基準です。例えば目的が「新規の商談を作る」なら、目標は「会期中に取れた打ち合わせの約束の件数」のようになります。
受注の目標から、商談の数、Aランクの名刺の数へと、自社の過去の実績を使って逆算します。他社や業界の平均は展示会や商材が違うと当てはまらないので使いません。初出展なら、今回の結果を記録して次回の基準を作ることも目標にします。
名刺の枚数だけを目標にすると、ノベルティ目当ての名刺が増えて数字だけが伸び、商談につながりません。名刺の枚数は参考にとどめ、Aランクの件数や打ち合わせの約束の件数など、目的に直接つながる数を目標にします。