飲食
イベントのケータリング手配
決める順番で、ほぼ決まる
ケータリングの手配は、料理を選ぶところから始めると必ずやり直しになります。 会場が火気を禁止していた、電源が足りなかった、ゴミを持ち帰れなかった——料理を決めたあとに分かる制約が多いからです。この記事は決める順番を示します。
結論
ケータリングの発注で決めるのは①会場の制約 ②形式(立食/着席/ボックス) ③数量 ④配慮(アレルギー・宗教・年齢) ⑤搬入と撤収 ⑥当日の運用の6つです。①を飛ばして料理から入ると、ほぼ確実に手戻りが出ます。
先に会場の制約を確認する
これを最初にやってください。業者に聞かれる前に、自分で会場に確認しておくと話が速くなります。
- 飲食の持ち込みが可能か(指定業者制の会場がある)
- 指定業者がいる場合、外部業者を入れられるかと手数料
- 火気の使用可否(温める、その場で調理する)
- 電源——容量と位置(保温機器は電気を食う)
- 給水・排水があるか
- 搬入経路——エレベーター、台車、搬入口の時間帯
- ゴミ——会場で引き取るか、持ち帰りか。分別の指定
- 残置の可否——機材をいつまでに引き上げるか
- テーブル・什器——会場のものを使えるか、業者が持ち込むか
- 保健所の扱い——会場で調理する場合(飲食の保健所手続き)
Point
「ゴミの持ち帰り」が最も見落とされます。 撤収の時間にゴミ袋が山になって、誰も運ぶ手配をしていない。会場が引き取るのか、業者が持ち帰るのか、主催者が運ぶのかを、発注書に書いてください。
注意
ホテル・宴会場は持ち込み不可が多いです。貸し会議室やイベントスペースは可のことが多いが、手数料がかかる場合があります。会場契約の段階で確認してください(会場の下見)。
形式を決める
| 形式 | 向く場面 | 注意 |
|---|---|---|
| 立食ビュッフェ | 交流が目的。人数が読みにくいとき | 行列ができる。 動線の設計が要る |
| 着席コース | 式典・接待。格を出す | 人数の確定が必須。 直前変更に弱い |
| 着席ビュッフェ | 席はあるが堅くしたくない | 席数=人数が必要 |
| ボックス・個食 | 感染対策、持ち帰り、短時間 | ゴミが増える。配付の手間 |
| フィンガーフード | 立ちながら片手で食べる | 皿・カトラリーが不要。名刺交換と両立 |
| ドリンクのみ | 短時間の懇親 | 最も手配が軽い |
Point
名刺交換をしてほしいなら、片手で食べられるものにしてください。 皿とフォークを両手に持った人は、名刺を出せません。目的と形式が噛み合っていない懇親会は、これが原因のことが多い。
注意
立食は「行列」が最大の問題です。 料理台を1か所にまとめると長い列になります。2〜3か所に分散し、同じものを置くのが基本です(会場レイアウト)。
数量の決め方
- 01
参加人数の確度を業者に伝える
「確定」か「見込み」か。 業者は確度に応じて提案を変えられます。
- 02
確定の締切を確認する
何日前までなら人数を動かせるか。 それ以降の変更は費用が発生します。契約前に聞く。
- 03
当日の増減をどう扱うか決める
増えた場合に追加できるのか。減った場合の請求はどうなるか。
- 04
食べる量の条件を伝える
時間帯(昼か夜か)、長さ、参加者の層。 同じ人数でも必要量が変わります。
- 05
飲み物を別に考える
料理より先になくなるのが飲み物です。 ノンアルコールの比率も伝える。
- 06
残った場合の扱いを決める
持ち帰らせるのか、廃棄か。 衛生上の判断と、その後の責任の所在を確認する。
Point
「何人分」より「何時間の会か」を伝えてください。 1時間の立食と3時間の懇親会では、同じ人数でも必要量がまったく違います。業者が知りたいのはそこです。
注意
ノンアルコールの比率を必ず伝えてください。 運転する人、飲まない人、体質的に飲めない人がいます。種類も複数用意してもらう(炭酸・お茶・水)。
アレルギーと配慮
ここは運営側が責任を持つ部分です。業者任せにできません。
- 事前に申し出を受ける仕組み(申込フォームに欄を作る)
- 申し出の内容を業者に正確に伝える
- 当日、本人がどれを食べられるか分かる形にする
- 料理名の表示と、含まれるものの表示(イベントと食品表示)
- ビュッフェでの混入——トングの共用、隣の料理が入る
- 宗教上の制限(豚肉、アルコール、肉全般)
- ベジタリアン・ヴィーガン
- 子どもがいるか——辛さ、固さ、提供位置の高さ
- 申し出た情報の扱い——要配慮個人情報にあたる場合がある(要配慮個人情報)
Point
ビュッフェは混入を防げません。 重いアレルギーの申し出があった場合、その人の分だけ別に用意して名前をつけて渡すのが実務上の形です。「気をつけます」では防げません。
注意
アレルギーの申し出は、健康に関する情報です。 誰が見られるか、いつ消すかを決めてください。参加者名簿に書いたまま共有しないこと。
当日と、発注書に書くこと
- 搬入時刻と、誰が立ち会うか
- セッティング完了の時刻(開会の何分前か)
- 提供開始・終了の時刻
- スタッフが常駐するか(サービススタッフの人数)
- 追加の判断を誰がするか(主催者側の窓口を1人に)
- 撤収開始の時刻と、ゴミの行き先
- 什器の返却方法
- 雨天・中止時の取扱い(キャンセル料の発生時期)
- 支払い条件
- 当日の連絡先(業者側・主催側の双方)
Point
キャンセル料がいつから発生するかを、契約前に必ず確認してください。 イベントは中止・延期があります。何日前から何%かを書面で(イベント中止の判断)。
注意
主催者側の窓口を1人に決めてください。 当日に複数の人が業者に指示を出すと、追加や変更が重複します。
この記事の要点
- 料理より先に会場の制約を確認する。 持ち込み可否・火気・電源・ゴミ。順番を逆にすると手戻りになる。
- ゴミの行き先を発注書に書く。 最も見落とされ、撤収時に必ず問題になる。
- 名刺交換をしてほしいなら、片手で食べられるものにする。 皿とフォークでは名刺が出せない。
- 「何人分」より「何時間の会か」を伝える。 業者が知りたいのはそこ。
- ビュッフェは混入を防げない。 重いアレルギーには個別に用意して名前をつけて渡す。
- キャンセル料の発生時期を契約前に書面で確認する。 イベントは中止・延期がある。
FAQ
よくある質問
会場に飲食を持ち込めるか、指定業者がいるか、火気と電源、給水・排水、搬入経路、ゴミの引き取りを先に確認します。社内の会議室やオフィスを使う場合も、ゴミの持ち帰りと撤収の時刻が見落とされやすい点です。そのうえで、交流が目的なら片手で食べられるフィンガーフード、短時間ならドリンク中心、というように目的から形式を選びます。
会場の制約からです。飲食の持ち込みが可能か、指定業者がいるか、火気を使えるか、電源の容量と位置、給水排水、搬入経路、そしてゴミを誰が引き取るか。料理を選んでからこれらが分かると、ほぼ確実に手戻りになります。とくにホテルや宴会場は持ち込み不可が多いため、会場契約の段階で確認してください。
目的から選びます。交流が目的で人数が読みにくいなら立食ビュッフェ、式典や接待で格を出すなら着席コースです。名刺交換をしてほしい場合は、皿とフォークを両手に持たせない形式——フィンガーフードが向きます。皿とカトラリーを持った人は名刺を出せません。目的と形式が噛み合っていない懇親会は、これが原因のことが多いです。
人数だけでなく、会の長さと時間帯を業者に伝えてください。1時間の立食と3時間の懇親会では、同じ人数でも必要量がまったく違います。あわせて参加者の層と、人数が確定か見込みかを伝えます。飲み物は料理より先になくなるので別に考え、ノンアルコールの比率と種類も指定してください。
申込フォームで事前に申し出を受け、内容を正確に業者へ伝え、当日その人がどれを食べられるか分かる形にしてください。ビュッフェはトングの共用や隣の料理の混入を防げないため、重いアレルギーの申し出があった場合は、その人の分だけ別に用意して名前をつけて渡すのが実務上の形です。「気をつけます」では防げません。なお申し出の内容は健康に関する情報なので、誰が見られるか、いつ消すかも決めてください。
業者と契約内容によるため一律には言えません。だからこそ契約前に、何日前から何パーセント発生するかを書面で確認してください。イベントは中止・延期が起こりえます。あわせて、人数を動かせる締切と、当日に増えた場合に追加できるかも確認しておいてください。