ビジネス用語
鋭意の意味と読み方
鋭意努力の使い方と目上への注意
「鋭意」は、気持ちを集中して、一生懸命に物事に取り組むことです。読み方はえいい。使った一文は「ご要望の機能について、現在、鋭意開発を進めております。」。改まった書き言葉で、自分や自社が取り組んでいる様子を伝えるときに使います。このページでは、意味と字の成り立ち、場面別の例文、似た表現との違い、相手に使うときの注意、決まり文句に聞こえないための書き方をまとめました。
結論
「鋭意」は、心を一つのことに向けて、熱心に励むことを表します。「鋭意努力する」「鋭意取り組む」「鋭意◯◯中」の形で、主に副詞のように動詞の前に置いて使います。
「鋭意」の意味と字の成り立ち
「鋭」はするどい・勢いがある、「意」はこころ・気持ち。気持ちを鋭く一点に向けるという組み立てで、そこから集中して熱心に励む意味で使われています。
「鋭意」は取り組む姿勢を表す言葉で、結果を約束する言葉ではありません。「鋭意努力いたします」は「一生懸命取り組みます」という意味で、「必ず実現します」とまでは言っていない点に気をつけます。
ニュースやお知らせでは「鋭意制作中」「鋭意調査中」のように、いま取り組んでいる最中であることを伝える形でもよく使われます。
Point
鋭意=気持ちを集中して、熱心に取り組むこと。主に自分・自社の取り組みについて使う書き言葉です。
使い方の例文(会議・メール・朝礼・面談)
会議で(社内)
◯◯の不具合については、開発チームが鋭意原因を調べています。明日の夕方に中間報告をもらう予定です。
報告メールで(社内の上司へ)
件名:◯◯の進捗のご報告
◯◯部長
お疲れさまです。□□です。
◯◯の資料作成について、現在鋭意進めております。
◯月◯日(◯)の午前中には初稿をお送りできる見込みです。
注意
上司への報告にも使えます。見込みの日時を添えると、「鋭意」が決まり文句に聞こえません。途中経過の伝え方は中間報告メールの例文も参考にしてください。
メールで(取引先へ)
件名:◯◯の納期について
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
このたびは納期が遅れ、ご迷惑をおかけしており申し訳ございません。
現在、鋭意製造を進めており、◯月◯日(◯)には出荷できる見込みです。
出荷の手配が整い次第、改めてご連絡いたします。
注意
お詫びのメールでは「鋭意努力いたします」だけで終わらせず、いつ・何をするのかを書きます。納期遅れのお詫び全体は納期遅延のお詫びの例文にまとめています。
朝礼・挨拶で
新しい部署でも、一日も早くお役に立てるよう鋭意努力してまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
面談で(部下から上司へ)
来期の目標については、まず◯◯の資格取得に鋭意取り組みたいと考えています。
似た表現・言い換え・反対の表現
| 表現 | 意味 | 使い方の目安 |
|---|---|---|
| 鋭意 | 気持ちを集中して熱心に励む | 書き言葉。自分・自社の取り組みに |
| 全力で | 持てる力をすべて出して | 話し言葉でも書き言葉でも使える |
| 誠心誠意 | うそや偽りのない真心をこめて | お詫び・お願いなど気持ちを強調したいとき |
| 精一杯 | できる限り | やわらかい言い方。挨拶向き |
| 一意専心 | ほかに心を向けず一つのことに打ち込む | スピーチ・座右の銘など |
| 鋭意◯◯中 | いま熱心に取り組んでいる最中 | 告知・お知らせの決まった言い方 |
| 手をこまねく/なおざり | 何もしない/いい加減にする | 鋭意と反対の向き |
スピーチで決意を伝えるなら一意専心のような四字熟語も使えます。日々の報告では「鋭意」より「全力で」「急いで」のほうが伝わりやすいこともあります。
間違えやすい使い方
| ありがちな言い方 | 気になる点 | 直し方 |
|---|---|---|
| えいし | 読み間違い | えいい |
| 栄意・鋭為と書く | 書き間違い | 鋭意 |
| (取引先に)鋭意ご対応ください | 相手の取り組み方を指図し、急かす印象になりやすい | ◯月◯日までにご対応いただけますと幸いです |
| 鋭意検討いたします(その後の連絡なし) | 前向きに見えて、具体的な期限がないと決まり文句と受け取られることがある | ◯日までに検討し、結果をご連絡いたします |
| 鋭意努力した結果、完成いたしました | 誤りではないが、自分の努力を強く誇るように聞こえることもある | 皆様のご協力のおかげで、完成いたしました |
目上の人・社外に使うときの注意
「鋭意」は自分や自社の取り組みについて使うなら、目上の人や社外の方への文書でも問題なく使えます。迷いやすいのは相手の行動に使うときです。
| 場面 | おすすめの言い方 |
|---|---|
| 自社の対応を伝える(社外) | 現在、鋭意対応を進めております。◯日までにご報告いたします |
| 相手の努力をねぎらう | ご尽力いただき、ありがとうございます |
| 相手に対応をお願いする | お手数ですが、◯日までにご対応いただけますでしょうか |
| 挨拶で決意を述べる | 鋭意努力してまいります/精一杯努めてまいります |
相手の頑張りをたたえるときは「鋭意」ではなく「ご尽力」を使うのが一般的です。使い方は「ご尽力」の意味と使い方にまとめています。
この記事の要点
- 「鋭意(えいい)」は気持ちを集中して熱心に取り組むこと。
- 自分・自社の取り組みについて使う書き言葉。
- 取り組む姿勢を表す言葉で、結果の約束ではない。
- 決まり文句に聞こえないよう見込みの日時や具体策を添える。
- 相手には「鋭意ご対応ください」ではなく期限を添えたお願い、ねぎらいは「ご尽力」。
FAQ
よくある質問
「えいい」と読みます。
気持ちを集中して、一生懸命に物事に取り組むことです。「鋭意努力する」「鋭意取り組む」「鋭意制作中」のように使います。
使えます。自分の取り組みについて述べる言い方なので、上司や取引先への文書、挨拶でも問題ありません。
失礼とまでは言えませんが、相手の取り組み方を指図し、急かす印象になりやすい言い方です。「◯日までにご対応いただけますと幸いです」と、期限を添えてお願いするのが無難です。
「全力で」「精一杯」「熱心に」「誠心誠意」などがあります。話し言葉では「全力で取り組みます」と言うと伝わりやすくなります。