契約
イベントの業務委託契約書
条項例つきの雛形と、揉める論点
イベントの業務委託契約書は、①業務の範囲 ②委託料と支払 ③変更の手続き ④中止・延期と不可抗力 ⑤成果物の権利と出演者・撮影 ⑥個人情報 ⑦損害賠償と保険 ⑧解除を、イベントの事情に合わせて書けば骨格ができます。このうち抜けやすく、抜けると高くつくのは「範囲」「変更」「中止・延期」「権利」の4つです。このページには、そのまま叩き台に使える第1条〜第16条の条項例と、委託者側・受託者側それぞれが直したい箇所の一覧を載せています。
結論
イベントの業務委託契約書は、何をするか・いつまでに・いくらで・変わったら・できなかったら・作ったものは誰のものか・終わったあとどうするかを決める文書です。本記事の条項例は論点を示すための文例で、契約書としての有効性や、個別の取引に適していることを保証するものではありません。締結する契約書は、必ず弁護士の確認を受けてください。本記事は2026年10月時点の情報です。
契約書の全体構成と、立場ごとの注意点
条項の名前と順序は契約書によって異なりますが、決める内容は共通です。委託者(発注する側)と受託者(イベント会社・フリーランス)で、気にする点が違います。自分がどちらの立場かを意識して読んでください。
| 条項 | 何を決めるか | 委託者が確認すること | 受託者が確認すること |
|---|---|---|---|
| 目的・委託業務 | イベント名、日時、会場、業務の範囲 | 必要な業務が漏れていないか | 含まない業務が書かれているか |
| 実施計画書 | 進行表・人員配置・安全計画の提出と承認 | 承認してから実施する流れになっているか | 修正回数の上限があるか |
| 委託料・支払 | 金額、税、支払時期、振込手数料 | 支払の条件(検収後かどうか) | 前払・着手金があるか、支払期日が明確か |
| 費用の負担 | 会場費・機材・謝礼・交通費などの実費 | 見積外の費用に事前承諾が要るか | 実費を請求できる根拠があるか |
| 完了・検収 | 実施報告書と検収の期限 | 報告書に何が含まれるか | みなし検収があるか |
| 業務の変更 | 変更の申し出と合意の方法 | 変更を申し出る手段があるか | 合意前に追加作業の義務がないか |
| 中止・延期 | 委託者都合の中止と、その時期別の支払 | 中止できる時期と費用 | 時期別の支払額と実費が決まっているか |
| 不可抗力 | 天災・感染症・行政要請などの扱い | 支払が既履行分に限られているか | 実費と取消料を回収できるか |
| 再委託 | 協力会社に出してよいか | 重要な業務に承諾が要るか | 通常の外注が自由にできるか |
| 知的財産権 | 成果物の著作権の帰属と移転時期 | 二次利用できる範囲まで移転するか | 移転は支払完了後か、実績公開できるか |
| 出演者・肖像 | 出演条件、撮影・録音、写真の利用範囲 | 広報に使える範囲が確保されているか | 取り決めの責任がどちらにあるか |
| 個人情報 | 名簿・アンケートの扱い、終了後の削除 | 管理方法と事故時の報告 | 求められる管理の水準が現実的か |
| 損害賠償・保険 | 賠償の範囲と上限、保険の加入 | 上限が低すぎないか | 上限があるか、保険で賄える範囲か |
| 解除・反社・管轄 | 解除の条件、反社会的勢力の排除、裁判所 | 解除できる場面が足りているか | 解除時に既履行分を請求できるか |
注意
契約書本文には概括を書き、業務の細目は別紙の仕様書に書く構成が使いやすくなります。仕様書の書き方はイベントの業務委託仕様書を参照してください。
条項例(第1条〜第16条)
以下は、企業が主催する講演会・展示・式典などをイベント会社に委託する場面を想定した文例です。甲=委託者、乙=受託者。◯の部分は案件ごとに埋めてください。割合・日数・回数は、自社の原価と相手との協議で決める数字のため、あえて空欄にしています。
前文・目的・委託業務
第1条(委託業務)
甲は、次に定めるイベント(以下「本イベント」という。)の企画、制作及び運営に関する業務(以下「本業務」という。)を乙に委託し、乙はこれを受託する。
名称:◯◯
開催日時:◯年◯月◯日 ◯時〜◯時(設営・撤去の時間を除く)
会場:◯◯
想定来場者数:◯◯
2 本業務の具体的な内容は、別紙仕様書に定める。
3 別紙仕様書に記載のない業務は、本業務に含まれない。
注意
第3項がないと、「当然やってくれると思っていた」業務をめぐって揉めます。委託者側で範囲を広げたい場合は、第3項を外すのではなく、仕様書の記載を増やすほうが後で争いになりません。
実施計画書・委託料・費用
乙は、◯年◯月◯日までに、本イベントの実施計画書(進行表、人員配置、安全管理の計画を含む。)を甲に提出する。
2 甲は、提出を受けた日から◯営業日以内に、承認するか、修正を求める点を書面又は電子メールで乙に通知する。
3 前項の修正の求めは◯回までとし、これを超える修正は第6条の手続による。
第3条(委託料及び支払)
本業務の委託料は、金◯◯円(消費税等別)とする。
2 甲は、委託料を次のとおり、乙の指定する銀行口座に振り込んで支払う。振込手数料は甲の負担とする。
(1)本契約締結後◯日以内に、委託料のうち金◯◯円
(2)第5条の検収完了の日の属する月の翌月末日までに、残額
第4条(費用の負担)
本業務の遂行に必要な費用のうち、別紙見積書に記載のあるものは委託料に含む。
2 見積書に記載のない費用は、乙があらかじめ甲の書面又は電子メールによる承諾を得たものに限り甲が負担し、乙は領収書等の証憑を添えて精算する。
注意
受託者側は、会場の手付金や出演者の着手金など開催前に出ていく費用を見積もり、第3条第2項(1)の前払額をそれに合わせて提案すると、資金繰りが安定します。受託者がフリーランス法や下請法の対象に当たる取引では、支払期日は給付を受領した日から起算して60日の期間内で定める必要があり、下請法では検査をするかどうかを問いません。「検収完了の翌月末」の書き方では60日を超えることがあるため、後述の法律に当たる場合は、起算日を開催日(役務の提供を受けた日)にするなど調整してください。
検収・変更
乙は、本イベントの終了後◯日以内に、実施報告書(実施内容、来場者数、事故・苦情の有無と対応、費用の精算を含む。)を甲に提出する。
2 甲は、実施報告書を受領した日から◯営業日以内に内容を確認し、検収の結果を乙に通知する。この期間内に通知がないときは、検収が完了したものとみなす。
第6条(業務内容の変更)
甲又は乙は、本業務の内容、開催日時、規模その他の条件の変更を希望するときは、相手方に書面又は電子メールで申し出る。
2 変更は、これに伴う委託料及び日程への影響を含めて、甲乙が書面又は電子メールで合意したときに効力を生じる。
3 乙は、前項の合意が成立するまでは、変更後の内容で業務を行う義務を負わない。ただし、本イベントの安全な実施のために必要な対応はこの限りでない。
中止・延期・不可抗力
甲は、本イベントの開催日前に限り、乙に書面で通知して本イベントを中止し、又は延期することができる。
2 前項により中止したときは、甲は乙に対し、通知が乙に到達した時期に応じて次の額を支払う。
(1)開催日の◯日前まで:委託料の◯分の◯
(2)開催日の◯日前から◯日前まで:委託料の◯分の◯
(3)それ以降:委託料の全額
3 甲は、前項のほか、乙が第三者に支払う取消料その他中止までに乙が支出した費用を、証憑に基づいて負担する。ただし、前項の額に含まれるものを除く。
4 延期するときは、延期後の日程と追加費用の負担を甲乙で協議する。◯年◯月◯日までに延期後の日程が決まらないときは、その日に中止したものとみなして前2項を適用する。
第8条(不可抗力)
天災地変、感染症の流行、戦争、暴動、法令の制定・改廃、行政機関の命令・要請、会場の使用不能その他甲乙いずれの責めにも帰することのできない事由(以下「不可抗力」という。)により本イベントを予定どおり実施できないときは、甲乙協議のうえ、中止又は延期を決める。
2 不可抗力により中止したときは、甲は、乙がそれまでに履行した業務の割合に応じた委託料と、乙が支出した費用(第三者への取消料を含む。)を支払う。ただし、その合計は委託料の額を上限とする。
3 甲及び乙は、不可抗力による本契約の履行の遅延又は不能について、相手方に損害賠償の責任を負わない。
注意
第7条第2項の段階は、受託者がその時点までにかけている工数と、取り消せない発注から逆算すると、相手に説明できる数字になります。第8条の不可抗力に何を含めるか(感染症、行政の要請、会場側の事情など)は、書き方ひとつで結論が変わる部分なので、特に弁護士の確認を受けてください。
再委託・知的財産権・出演者
乙は、本業務の一部を第三者に再委託することができる。ただし、◯◯(例:運営責任者の業務、個人情報を取り扱う業務)を再委託するときは、あらかじめ甲の書面による承諾を得る。
2 乙は、再委託先に本契約で乙が負う義務と同等の義務を負わせ、再委託先の行為について甲に対して責任を負う。
第10条(知的財産権)
本業務により乙が作成した企画書、デザイン、映像、写真その他の成果物(以下「成果物」という。)の著作権(著作権法第27条及び第28条に規定する権利を含む。)は、委託料の支払が完了した時に乙から甲に移転する。ただし、乙が従前から保有していたもの及び第三者が権利を有するものを除く。
2 乙は、甲及び甲が指定する者に対し、成果物について著作者人格権を行使せず、乙の従業員等にも行使させない。
3 乙は、事前に甲の承諾を得た範囲で、本イベントの名称、写真及び概要を自らの実績として紹介することができる。
第11条(出演者及び撮影)
乙は、本イベントの出演者(講演者、司会者、演者を含む。)との間で、出演の条件、撮影・録音の可否、写真・映像の利用媒体及び利用期間を書面で取り決め、その内容を甲に報告する。
2 来場者が写る写真・映像の撮影と利用について、来場者への告知の方法を実施計画書に定める。
注意
著作権法第61条第2項により、譲渡の契約で第27条・第28条の権利が「特掲」されていないと、これらは譲渡した側に残ると推定されます。第10条第1項の括弧書きはそのためです。また著作者人格権は譲渡できない(同法第59条)ため、第2項のように「行使しない」と定める書き方が使われます。
個人情報・損害賠償・解除・その他
乙は、本業務のために甲から預かり、又は本業務のために取得した個人情報を、本業務の目的の範囲内でのみ取り扱い、漏えい、滅失又は毀損を防ぐために必要な措置を講じる。
2 乙は、個人情報の漏えい等が発生し、又はそのおそれがあるときは、直ちに甲に報告し、甲と協議のうえ対応する。
3 乙は、本業務の終了後、甲の指示に従って個人情報を返還し、又は削除し、その結果を甲に報告する。
第13条(損害賠償及び保険)
甲又は乙は、本契約に違反して相手方に損害を与えたときは、その損害を賠償する。ただし、故意又は重大な過失による場合を除き、賠償額は委託料の額を上限とする。
2 乙は、本イベントの実施にあたり、来場者その他の第三者に対する賠償責任を補償する保険に加入し、甲の求めに応じてその内容を示す書面を提出する。
第14条(解除)
甲又は乙は、相手方が本契約に違反し、相当の期間を定めて催告しても是正されないときは、本契約を解除することができる。
2 甲又は乙は、相手方に支払の停止又は破産手続開始等の申立てがあったとき、若しくは相手方が次条に違反したときは、催告なく直ちに本契約を解除することができる。
3 本契約が解除されたときも、甲は、乙が解除までに履行した業務に相当する委託料及び支出した費用を支払う。ただし、乙の違反を理由に解除したときを除く。
第15条(反社会的勢力の排除)
甲及び乙は、自ら及びその役員が暴力団、暴力団員その他の反社会的勢力に該当しないこと、及び今後も該当しないことを表明し、保証する。
第16条(協議及び管轄)
本契約に定めのない事項及び本契約の解釈に疑義が生じた事項は、甲乙誠実に協議して定める。
2 本契約に関する一切の紛争は、◯◯地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。
本契約の成立を証するため、本書を2通作成し、甲乙記名押印のうえ、各1通を保有する。
(電子契約の場合は「本契約の成立を証するため電磁的記録を作成し、甲乙が電子署名を施し、各自その電磁的記録を保管する。」などとする。)
◯年◯月◯日
甲 住所 ◯◯ 名称 ◯◯ 代表者 ◯◯ 印
乙 住所 ◯◯ 名称 ◯◯ 代表者 ◯◯ 印
注意
個人情報保護法第25条は、個人データの取扱いを委託する側に委託先に対する必要かつ適切な監督を求めています。第12条は、その監督の内容を契約に落とすための条項です。委託者・受託者のどちらが「個人情報取扱事業者」に当たるか、漏えい時にどこへ報告するかは取扱いの実態によって変わるため、個人情報保護委員会の公表資料と専門家で確認してください。
委託者・受託者それぞれが直したい箇所
相手から雛形を受け取ったら、まず自分に不利な方向に書かれている箇所を探します。よく修正の対象になるのは次の箇所です。
| 条項 | 委託者が入れたい書き方 | 受託者が入れたい書き方 |
|---|---|---|
| 業務の範囲 | 「その他これに付随する一切の業務を含む」 | 「仕様書に記載のない業務は含まない」 |
| 検収 | 「検収に合格するまで委託料を支払わない」 | 「期間内に通知がないときは検収完了とみなす」 |
| 変更 | 「甲は必要に応じて業務内容を変更できる」 | 「委託料と日程への影響を含めて合意したときに効力を生じる」 |
| 委託者都合の中止 | 「中止時は履行済みの業務分のみ支払う」 | 「時期に応じた額+取消料などの実費を支払う」 |
| 不可抗力 | 「双方とも責任を負わず、支払義務もない」 | 「履行済み分と実費は支払う」 |
| 知的財産権 | 「成果物の一切の権利は納品時に甲に帰属する」 | 「支払完了時に移転。既存素材は除く。実績として紹介できる」 |
| 損害賠償 | 上限を設けない | 「委託料の額を上限とする」 |
| 再委託 | 「再委託は甲の事前承諾を要する」 | 「一部の業務を除き、再委託できる」 |
| 保険 | 受託者に賠償責任保険の加入を義務づける | 加入する保険の種類と補償範囲を具体的に書く |
Point
一方の言い分をそのまま通すと、もう一方は見積に上乗せして身を守ります。たとえば中止時の支払がゼロなら、受託者はそのリスクを最初の金額に含めるしかありません。双方が受け入れられる線を探すほうが、結果として委託料も下がりやすくなります。
業務の範囲 — 最も揉める条項
「イベントの企画・運営業務一式」とだけ書かれた契約書は、何も決めていないのと同じです。別紙の仕様書で、次の点を具体的にします。
- 企画の素案を出すのはどちらか
- 会場の選定・契約は誰の名義で行うか
- 協力会社・業者への発注は受託者名義か、委託者名義か
- 当日の運営スタッフは誰が手配し、誰が指揮するか
- 制作物(印刷物、映像、装飾)の制作は含まれるか
- 集客・広報の責任はどちらにあるか
- 参加者からの問い合わせ対応は誰が行うか
- 実施後の報告・精算の範囲
- 含まれない業務(「〜は本業務に含まない」)
量と回数の前提も書く
- 打合せの回数(または頻度)
- 企画案・デザイン案の提示数と、修正の上限
- 想定する参加者数と、増えた場合の扱い
- 当日の稼働時間と、超過したときの扱い
- 下見・リハーサルの回数
Point
「修正は何回まで」を決めるのは冷たいことではありません。回数が決まっていると、受託者は1回の提案に力を入れられ、委託者は要望をまとめてから伝えるようになります。
書面と支払に関する法律
取引の内容と当事者によっては、次の法律が関係します。該当するかどうかの判断は細かい要件によるため、ここでは条文で確認できた範囲だけを書きます。
| 法律 | 関係しうる場面 | 条文で確認できること |
|---|---|---|
| フリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律) | 従業員を使用しない個人(または代表者以外に役員・従業員がいない法人)に業務を委託する | 委託したら直ちに、給付の内容・報酬の額・支払期日などを書面又は電磁的方法で明示する(第3条第1項)。発注者が従業員を使用する事業者などの場合、報酬の支払期日は、給付を受領した日から起算して60日の期間内で、できる限り短く定める(第4条第1項) |
| 下請法(現題名:製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律) | 映像・印刷物などの情報成果物の作成や、役務の提供を、資本金の区分に当たる事業者間で委託する | 支払期日は、給付を受領した日(役務提供委託は役務の提供を受けた日)から起算して60日の期間内で、できる限り短く定める(第3条第1項) |
注意
下請法は題名と用語が改められ、親事業者は「委託事業者」、下請事業者は「中小受託事業者」と呼ばれています。自社の取引がどの区分に当たるか、どの義務が及ぶかは、公正取引委員会・中小企業庁の公表資料を確認し、専門家に相談してください(下請法とイベントの発注)。
締結までの進め方
- 01
譲れない点と協議してよい点を分ける
上の表を使い、自社として譲れない条項を先に決めます。これがないと、相手の雛形をそのまま受け入れることになります。
- 02
どちらの雛形を使うか決める
雛形を出した側の有利な書き方が残りやすいため、重要な取引では自社の雛形を出すことを検討します。
- 03
仕様書・見積書を先に固める
業務範囲と金額が決まらないと、契約書の条項も決まりません。仕様書と見積書を合意してから契約書を整えると手戻りが減ります。
- 04
弁護士に確認を依頼する
締結前に必ず確認を受けてください。契約書案、仕様書案、見積書、相手との関係(継続取引か、相手の規模)、過去のトラブル、心配している点のメモを揃えると、確認してほしい点に即した助言が得られます。
- 05
締結後も変更を書面で残す
変更のたびに書面又は電子メールで合意する運用が回らなければ、第6条は機能しません。
Point
自社の標準版を一度作って確認を受け、取引ごとに仕様書と条件部分を差し替える運用にすると、毎回ゼロから依頼するより費用も時間も抑えられます。法令や取引の形が変わったときは、改めて確認を受けてください。
契約の全体像はイベント業務委託契約、発注前の要件整理はRFP(提案依頼書)、中止の判断と連絡はイベントの中止も参照してください。
この記事の要点
- 骨格は、範囲・委託料・変更・中止と延期・権利・個人情報・損害賠償・解除。特に抜けやすいのは範囲・変更・中止と延期・権利の4つ。
- 範囲は「仕様書に記載のない業務は含まない」と書き、量と回数の前提も仕様書に入れる。
- 中止時の支払は時期別に段階を設け、取消料などの実費の負担も別に書く。割合は自社の原価から説明できる数字にする。
- 著作権を移すなら第27条・第28条の権利も特掲し、著作者人格権は「行使しない」と定める。実績公開の可否も決める。
- 条項例はあくまで叩き台。締結する契約書は必ず弁護士の確認を受ける。
FAQ
よくある質問
委託業務の内容と範囲、実施計画書、委託料と支払、費用の負担、検収、業務の変更、中止・延期と不可抗力、再委託、知的財産権、出演者と撮影、個人情報、損害賠償と保険、解除、反社会的勢力の排除、協議と管轄です。このページの第1条〜第16条の条項例がその順に並んでいます。
勧められません。適切な文言は、取引の実態、当事者の関係、適用される法令によって変わります。雛形は自社に合わない条項を含むことがあり、かえって不利になる可能性があります。叩き台として使い、締結前に弁護士の確認を受けてください。
委託者の都合による中止は、通知の時期に応じて支払額を段階的に決め、別に第三者への取消料などの実費の負担を定める書き方があります。不可抗力による中止は、履行済みの業務分と実費を支払い、委託料の額を上限とするなど、委託者都合とは分けて定めます。割合は、その時点までの工数と取り消せない発注から説明できる数字で協議してください。
契約で定めなければ、原則として制作した側(受託者)に残ります。委託者に移す場合は、移転の時期(納品時か支払完了時か)を決め、翻案などの権利(著作権法第27条・第28条)も譲渡の対象として明記してください。明記がないと、譲渡した側に残ると推定されます(同法第61条第2項)。著作者人格権は譲渡できないため、「行使しない」と定める方法がとられます。
契約書の内容によって変わります。国税庁は、仕事の完成を約束して報酬を支払う「請負」の契約書を第2号文書「請負に関する契約書」とし、警備や清掃のような役務の提供も請負に含まれるとしています。また、営業者間で継続する複数の取引の基本的な条件を定めるものは、第7号文書に当たることがあります。自社の契約書が該当するか、税額がいくらかは、国税庁のタックスアンサー(No.7102)で確認し、判断に迷う場合は税務署に問い合わせてください。
従業員を使用しない個人などに業務を委託する場合、フリーランス法第3条第1項により、委託したら直ちに給付の内容、報酬の額、支払期日などを書面又は電磁的方法で明示する必要があります。契約書の形でなくても明示はできますが、中止時の扱いや権利の帰属まで決めておくには契約書を作るほうが確実です。
範囲を決めていないのと同じ状態になります。本文には概括を書き、別紙の仕様書で具体的な業務を列挙し、「仕様書に記載のない業務は含まない」と定めてください。
秘密保持条項の書き方によっては公開できない場合があります。社名を出してよいか、写真を使ってよいか、事前承認が要るかを、第10条第3項のように契約で決めておいてください。